ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

今年を振り返って

2022-12-31 15:36:55 | 日記
今年は転機の年であった。

なんといっても十数年書き続けてきたブログをTeacupからGooに引っ越したことが、今年最大の事件だ。慣れぬシステムであり、かなり戸惑った。引っ越した理由は、過去の原稿をコメントや写真と共に移せるからだ。

でも移行が上手く行ってない文章も多い。特に「怖い」とか「恐怖」なんて言葉が文字化けしているのが悔しい。仕方ないので気が付いた時に直すようにしている。

また健康面でも転機の年となってしまった。1月と2月続けて心疾患で入院し、遂にはICD(除細動器)を左胸に埋め込むことになった。おかげで体力ガタ落ちである。今年だけで医療費が凄いことになっている。まァ生きてナンボである。

そして主題たる読書である。これが案外と低調であったように思う。

初読の本では「潜行三千里」辻政信である。あれこれと調べていた御仁ではあるが、本人の手になる書籍はこれが初めてだ。瀬島龍三と並ぶ私の大嫌い軍人であることが確認できたのは収穫であろう。

低調といいつつ、今年一番楽しかったのが「薬屋のひとりごと」日向夏である。もちろん漫画化された作品も楽しかった。なんといっても楽しいのが主人公猫猫(マオマオ)のツンデレぶりである。が原作を読むと周囲の登場人物もなかなか大概である。特に雀(チェン)さんがお気に入り。これだからラノベは止められない。


再読で印象的だったのは、はやり太宰治である。あァ嫌だ、なんでこの人、大嫌いなタイプなのに気になるのか不可解に思っていたら、気が付いてしまったよ。私と合い似通った部分があったのだな。これでは近親憎悪である。あァ嫌だ。

漫画に関して云うと、「ツワモノガタリ」細川忠孝が秀逸。特に新選組の沖田と斉藤に対する解釈が良い。監修者や編集者、そして漫画家自身がよく調べて描いていると思う。

それと四年越しで「HUNTER×HUNTER」冨樫義博が連載復活と単行本37巻発売である。待ちに待った甲斐あり、読み応えがある。正直、少年誌に掲載するにはいささか難解に過ぎる気がするが、読者の過半は大人だから仕方ないのだろう。

それともちろん「薬屋のひとりごと」猫クラゲ版である。猫猫の顔芸がとても楽しい。同じ倉田三ノ路版は小説の漫画化としては一日の長があると思うが、ストーリーに重点を置いた本格派であり、キャラクターの誇張に重点を置いた猫クラゲ版の面白さに軍配を上げている。



映画・・・実はまったく観ていない。まだ目が本調子ではないようで、光源の眩しい映画館のスクリーンはあまり良くない。今、手術を受けるかどうか検討中。近年手術を相次いでやっているが、目の手術となるとどうしても身構えてしまう憶病な私です。

いずれ来春には発表しますが、仕事面でも大きな転機が待ち受けています。期待半分、緊張半分で心身ともに引き締まる心境です。

さて後数時間で令和4年もお終いです。皆様、良いお年をどうぞ。
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渋谷TOEIの閉館

2022-12-28 13:04:12 | 日記
寂しいなァ。

渋谷TOEIが閉館との報道を見て、思わずため息が出た。渋谷駅を降りて宮下公園を横目に明治通りとぶつかる角に、その映画館はあった。私の初デートがここだった。

その近くには4年以上バイトした東急IN(現、東急REI)ホテルがあり、その周辺ならば私の庭同然であった。バイト先であるホテルの駐車場の係員をしていたからだ。東映で人気の芸能人が初日に顔見世するときは、かならずそのホテルが待機場所に使われた。

ホテルのマネージャーと警備室長に頼まれて、密かに芸能人を裏口から逃がしたこともある。酔っぱらったお得意様を車で自宅まで送ったこともあった。そんな時、チップ代わりに映画館の無料入場券を貰えることもあった。

渋谷には数多くの映画館があったが、私は東映に行くことが多かったのは、バイト先との連携仕事があって映画館の人たちとも顔見知りであったことが大きい。おかげであれこれと便宜を図ってもらえたからだ。

だが長きにわたる病気療養生活が私を映画館から遠ざけた。いや、渋谷の街そのものとも縁遠くなった。10年近くたって、多少身体に余裕が出来て、仕事の帰りに立ち寄ることが出来た時には、もう街全体が変わっていた。

巨大なスクリーンは小さくなり、幾つもの小部屋、中部屋に分かれた作りになった映画館は、たしかに小奇麗になったが、薄暗いことを利用してカップルが抱き合うような楽しみはなくなっていた。

その頃は独り身だったので、別に構わないのだが、なんとなく足が遠のいた。私としては映画は大スクリーンで観たい気持ちが強いのが一番の原因だと思う。

でも閉鎖されるとなると、やはり寂しい気持ちになる。冷静に考えると、かつては月一で映画館に通っていた私のような人間が減ったことが、映画館閉鎖の一因でもある。おまけにコロナ禍以降、私はまったく行かなくなった。まだ眼科の医師からも控えるように云われているせいでもある。

だから、相当に我儘勝手な言い分だとの自覚はある。でもなァ~、私にとっては映画館は大事な青春の一ページ。無くなるのは寂しいです。
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フェイクニュース規制

2022-12-27 11:27:55 | 社会・政治・一般
フェイクニュースを規制するとの報道があった。

正直難しいだろうと思う。最近気になった報道の一つに、ロシアがウクライナ侵攻よりも北海道侵攻を考えていたという物騒なものがあった。

一応基本的な知識として知っておいて欲しいが、旧ソ連時代からロシアは北海道への野心は持っていた。理由は単純でロシア極東地域の防衛のためには、不凍港を擁する北海道を防衛拠点の中核にしたかったからだ。ウラジオストックでは日本列島に太平洋への進出を妨害されるため、是非とも日本列島の一部を欲していたのは歴史上の事実である。

しかし、北海道を侵攻するには渡海作戦が必要となる。ノルマンディ上陸作戦で国連軍(連合国)はナチス・ドイツの12倍の兵力をもって実戦に及んだが、それだけの兵力差があってもギリギリの成功であった。渡海作戦は戦術上極めて難しい部類にはいる。

赤錆が浮いたロシア極東艦隊と燃料不足と消耗部品不足に悩むロシア極東空軍では、圧倒的に兵力が足りない。北海道に置かれた日本空軍および日本海軍は最新鋭に準じた高性能な兵力を揃えており、米軍の補給も確実だ。

アメリカは北太平洋をロシアの自由にさせるほど甘い国防戦略を持っていない。ウクライナ侵攻なら間接支援で済ませても、北海道侵攻を許す訳がない。アメリカ太平洋艦隊と日本軍の合同による反攻を跳ね返す軍事力は、今のロシアにはない。

ではロシアによる北海道侵攻の報道はフェイク・ニュースであろうか。

そうは言いきれないから厄介だ。現実にロシア軍に北海道への渡海作戦を実行する力はない。しかし、対ロシア制裁に加わっている日本を牽制する効果はゼロとは言えないと思う。

ロシア単独では無理だが、シナの台湾・沖縄侵攻との両面作戦ならば、決してあり得なくはないと考えられる。むしろ、この二方面同時侵攻ならば成功の確率は上がる。不安定要素であるコリアの動きを勘案しても、十分検討に値する戦略だと思う。

その意味で決してフェイク・ニュースとは断言しかねる。更に云えば、日本国内の念仏平和真理教徒は「憲法9条、憲法9条」と唱えれば平和は叶うと盲信しており、彼らを動揺させて日本国内に混乱の種を播く意味でも無視できない謀略だとも云える。

その報道がフェイク・ニュースであるかどうかは、受け取る側次第となることが多く、単純な規制は難しいだろうと思います。
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デッドマウントディスプレイ 10巻 原作・成田良吾 作画・藤本新太

2022-12-26 09:29:08 | 
後書きが面白いと評判だったのが筒井康隆だ。

でも小説よりも後書きのほうが面白いと口にしたアホな後輩作家がいたことに腹をたて、後書きを書かなくなってしまった。ちなみにそのアホは某宗教狂いで悪名高いHである。

正直、後書きはたしかに面白かっただけに、少々恨めしい。でも小説本体よりも後書きのほうが面白いと云われたら腹が立つとも思う。

ところで表題の漫画は遂にアニメ化された。但し、ダークファンタジー系の漫画としては、いささか上級レベルなので一般受けはしないと思う。思うけど、私のようなダークファンタジー大好きな人間には凄く嬉しい。

そして単行本もついに10巻目である。私はこの作品の単行本を買うと、真っ先に後書き、いや短編小説を読みだしてしまう。実は巻末に、漫画本編では語られていない主人公が元居た世界のセカンドストーリーが語られているからだ。

そしてこれが面白い。漫画本編よりも私はまずこの短編小説を読んでしまう。原作者の成田良吾は元々ライトノベルの作家ではあるが、伏線を挟み込み、その回収の道筋をもの凄く上手く語る。

週刊少年ジャンプの人気作品であった「BLEACH」のセカンドストーリーの語り部としての技量も抜群だと思う。その技量は本作でも十分に発揮されている。本編の漫画よりも後書き、あるいはおまけの短編小説を先に読むなんて漫画家に失礼だとも思うが、面白いから止められない。

まァ読み手を選ぶ漫画だとも思うので、強いてお薦めはしませんが、機会があったら是非目を通して欲しい逸品です。
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カタール大会総括

2022-12-23 11:55:06 | スポーツ
わりと異例ずくめのワールドカップであったように思う。

中東の地で初開催であるカタール大会は、アルゼンチンのPK勝ちによる優勝で幕を閉じた。70年代に世界のサッカーに関心を持った私にとって、凡戦が多いとされる決勝戦より準決勝のほうが見応えがあるはずだった。

しかし、このカタール大会は決勝も面白かった。いや、グループリーグでさえ見応えのある試合が多く、その原因が我らがアジア勢であることが面白かった。

開催国であるカタールが初戦で負けてGL敗退となったのは残念だった。2019年のアジア杯で日本を決勝で破った時のほうが、はるかに強かった気がする。しかし、サウジがアルゼンチンを破って気勢を上げ、日本がドイツを破るなどもうイケイケである。

結局アジアでは日本、韓国、オーストラリアの三カ国がGLを突破してベスト16へ食い込んだ。これほどアジア勢が活躍した大会はかつてない。正直私は驚いた。ただ上位に進んだのは、ヨーロッパと南米、アフリカ(モロッコ)だった。やはり壁は厚い。

アジア勢躍進の一因は、やはりアジア大会予選などで戦い馴れた中東の地であることもさることながら、他に二つあると思う。一つは開催時期が夏ではなく冬であったため、欧州勢が微妙に影響を受けたこと。もう一つ大事なのは、選手交代枠が従来の3人から5人に増えたことだ。

おかげでサッカーをする体力が劣るとされるアジア勢は、交代枠をフルに活用しての後半戦での逆転劇が増えた。これが試合を盛り上げた一因だと思っている。特に若手が多かった日本には有利に働いたのは確かだと思う。

もっともこれは酷暑のカタールの事情を勘案しての交代枠だから、次の大会では3人に戻る可能性が高い。また今大会には出場できなかったイタリアなどの強豪も控えている。ゆめゆめ日本はもう世界一流だと勘違いしないで欲しい。

決勝にはいけなかったがブラジルやクロアチアは地力では、まだまだ格上だった。ドイツやスペインに勝てたのは後半であって、前半は勝てる気がしなかった。ある意味、コスタリカに負けたあたりが、日本の実力の下限なのかもしれない。まだまだ不安定なんですよね、我が日本は。

それにしても決勝でのアルゼンチンには迫力があった。過去の大会では、メッシと他の選手とが合わない、合ってない印象があったけど、今大会でのアルゼンチンにはそれが感じられなかった。そしてメッシはその期待に応えての得点だから、やはりスーパースターなのだと痛感した。

フランスも安定して強かった。ただあと一歩運がなかったように思う。実際、PKは運の要素が強いから。

ただ、今回の大会でのアジア勢の活躍を受けてか、参加国をこれまで以上に増やそうとしているFIFAはどうかと思う。あの短期間の大会で、決勝トーナメントを倍の32か国にすると、選手の負担は倍では済まない。それは止めて欲しいと真剣に思います。
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