さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

競技未経験者育成の日々 名城信男「監督」謙虚な強打者の今

2022-11-11 08:25:56 | 名城信男


近畿大学ボクシング部監督、名城信男氏についての記事
デイリースポーツのボクシング担当としてもう長い、船曳陽子記者による記事です。


近畿大学ボクシング部は、不祥事や降格、監督人事のあれこれなどで話題になることも多かったですが、競技未経験の大学新入生で部が構成されている現状を踏まえ、名城監督側からの申し出により二部に降格した、とのことです。
そんなことになっているとは知らず驚きました。
名城監督の判断は、ひょっとしたら論議を呼ぶものだったかもしれませんが、話の限りだと英断だったのだろう、と思えます。


また、アマチュアボクシング界の状況や、世間におけるいまだ変わらぬボクシングのイメージなども、改めて語られています。
ボクシングというスポーツの価値は、商業的な面のみならず、スポーツとしての存在価値も含めて、これからますます厳しく問われていくことでしょうが、そのような時代にあって、育成の裾野を担う人々の健闘は続いている、ということですね。


名城信男といえば、かつてはプロの世界で華々しく脚光を浴び、8戦目での世界タイトル奪取を成し遂げた反面、記事にもあるリング渦や、交通事故での負傷で苦しむなど、様々な経験を経ています。
そのような人材が、こうして名門ボクシング部の監督になり、しかし関西の、日本の頂点を争奪する、というのではなく「再建」に挑み、指導者として一からの「育成」に携わっていることは、ボクシングというスポーツにとり、幸福なことなのかもしれません。


単なる大会優勝だ何だという結果でなく、長い目線で、広い視野で、その指導が見守られ、結実するように。
そんな風に思わされる、良い記事でした。




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かくももどかしき「終戦」 名城信男、デンカオセーンの粘りを崩せず

2013-09-03 19:26:01 | 名城信男

ネットで生中継を見終えました。

途中、回線が切れたので、5回を半分くらい見られませんでしたが、他のサイトに乗り換えて、
それ以外はほぼ完全に試合を見ることができました。
不完全ながら、例の採点方式を用いて、採点もやってみました。限界はありますが、参考までに。

簡単に展開。
1回、デンカオセーンが左で先制、名城は少し重く見える。ボディブロー出す。デ10-9.5。
2回、デンカオセーン右クロス、ワンツー。名城は右クロスカウンターも単発、精度が低い。デ10-9。
3回、デンカオセーンが連打、しかし名城中盤から手数が出る。距離が少し近くなる。デ10-9.5。

4回、名城の右がヒット、デンカオセーンの顔が上がる。名城攻めるが終盤、デンカオセーンの右ヒット。
終わってみればこの試合のベストラウンドか。名10-9.5。

5回、半分見られず。名城攻めているが右ミス。デンカオセーンの右が、よりインサイドに入る。デ10-9.5。
6回、デンカオセーンがアウトボクシング。名城左ボディ単発、右アッパーはミス。デ10-9.5。
7回、展開同じ。名城上体が立っていて、これではいい的。無策。デ10-9。

8回、デンカオセーン疲れたか、お休みの回?
距離が詰まる。名城左右ヒット。左ボディ再三決まるが、接近戦でデンカオセーンのクリンチに悩まされる。
せっかく打ち合える距離なのに、サイドに出ないものだから体格で押し負け、打ち込めない。名城10-9。
9回、デンカオセーンはごまかしの手を出してはクリンチ。名城攻める、しかし右クロス精度悪い。ジャブを食う。
名城、振りの小さい右ストレートが出ない。カスティーヨをカットさせたあれが欲しい。名城10-9.5。
10回、名城左右、ワンツー。デンカオセーンはジャブ。いかにも苦しいが、名城よりも小さく、内側に打てている。
名城前進も、追撃はクリンチにより断たれる。名城10-9.5。
11回、名城右ヒットもクリンチ、上体の動きがないからワンツーを食う。デンカオセーンはもたれかかってくるばかり。
クリンチが増える。名城10-9.5。

12回、名城出るが、デンカオセーンは二発ごまかし打ち→クリンチ、の繰り返し。
名城は見栄えの悪いもらい方をし、見ている場合ではないのに相手を見てしまう。デンカオセーン10-9.5。

あくまでネットで見た限り、ですが、この方式で採点すると117-115.5でデンカオセーンとなりました。
もし普通に10-9をつける方式でいくと、115-113でデンカオセーンとなります。
結果的には、あまり変わりないといえばそうなのかもですね。

公式採点ですが、116-113.5、116.5-114.5と、二者がデンカオセーン、113-115.5で一者が名城、
2-1でデンカオセーンだったそうです。
判定や、レフェリングにおいては、敵地の不利というのは感じられない試合でした。
レフェリーは終盤、デンカオセーンのクリンチをほとんど放置せず、こまめにブレイクをかけていましたし。


ざっと見て、以上のような内容と結果でした。名城信男、またしても無念の敗戦でした。

やはり敵地で、以前のスリヤン戦と違って、より暑い時期だった影響か、思った以上に動きが重かったです。
ただ、全体としては、やはり上体が立ったまま、ガード、ブロック依存の構えにならざるをえず、
攻めが正直で単調なこともあり、好打してもリターンをもらい、いい流れをすぐ切られる、という
「もどかしい」という言葉の意味を数十倍に膨らませてもまだ足りない、と思うほどに、
いかにも効率の悪い繰り返しだった、過去の世界戦敗北のパターンと似たものに見えました。

このあたりの不具合を、ただでさえ厳しい敵地での試合でいかに改善してくるか、という
淡い期待をしていたんですが、その辺がやはりというか、非常に残念な内容でした。
そこに変化を見せられないようであれば、厳しいようですが何故再起してきたのか、という意味付けも見えません。


そして対するデンカオセーンが、思いのほか好調というか、そこそこのレベルに戻っていました。
元々、敵地アメリカで、全盛期のエリック・モレル相手に大健闘した好選手でしたが、
近年見せた数試合では、もうボクサーとして黄昏というか、糸の切れたような姿をさらしていました。

しかし今日は、モレル戦や、坂田健史戦の頃と比べ、序盤に限れば7割くらいの状態にはあったように見えました。
名城のボディ攻撃や、非効率ながら執拗な前進に終盤は疲れ、地元でないと通用しないような
露骨な時間稼ぎのごまかしボクシングになりましたが、それでも想像以上の粘りでした。
やはりタイの選手、地元じゃ別人、という感じでしたね。


ただ、そうはいっても、試合全体のレベルとしては、暫定ということを含めて考えても、
とても世界云々というレベルには見えない、内容の乏しいものでした。
結果以前の、このくらいの相手にこの内容しか見せられないのであれば、
世界王座を目指して闘うレベルのボクサーとして、名城信男は「終戦」を迎えたのだと言わざるを得ないでしょう。

ラストファイトとして喧伝され、見る者の心情に訴えるものを強く残して敗れた、
昨夏のテーパリット戦の内容が、その懸命さにより我々の胸を打ったとしても、
その反面、決して「賢明」に闘えた試合ではなかった、という冷静な分析が本人及び陣営になかった、
あるいはあったとしても、今回の「世界」戦にそれがほとんど反映され、表現されることがなかった。

この一点において、仮にこの試合が日本で挙行されていたとしても、名城信男が勝っていた、とは
私は断言する自信がありません。今日の試合はそういう試合でした。非常に残念です。


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安易に見えるが困難もあり 名城信男、真夏のタイで背水の一戦に挑む

2013-06-30 19:26:33 | 名城信男

知った瞬間、あまり明るい気持ちにはなれない話でした。
名城信男vsデンカオセーン決定、の報です。

スポーツ報知の記事にあるような「物議」うんぬんには、全く興味がありません。
暫定王座の話に関しては、本人も陣営も、そんなものを獲ったところで、
それが世界王座としての価値があるとは思っていないでしょう。

この試合は、単にWBA王座への指名挑戦権獲得のための一戦であり、
正規王者リボリオ・ソリスや、彼への挑戦が噂されるあの兄弟の誰かとの
対戦への布石、ということなのでしょうね。

私が明るい気持ちになれなかったのは、暫定どうこうの話よりも、
再起した名城には、正規王者ソリスや、WBC王者シーサケット、或はアルゼンチン遠征?とか、
他にも挑む対象というか、険しいながらも行く道はあったはずで、
それを外して選んだ道がこれか...と思ったからです。


しかも、安易な選択と見えはしますが、実際は勝利へのハードルが高そうです。
過去に経験済みとはいえ、いまだ日本人ボクサーが勝利したことのないタイでの「世界戦」、
しかも時期が真夏。会場が仮に屋外だったりしたら、本当に大変そうです。

名城のスタイル自体は、前回のスリヤン戦でも証明されたとおり、
佐藤洋太のようなボクサータイプよりは、敵地での闘いに向いているといえそうですが、
それでも競った試合をしたくらいでは、判定勝ちを得られそうにはないですし、
かなり明確に打ち込むか、倒すかしないと勝てない可能性が高いでしょう。

普通に世界に挑むような評価は、負ければもちろん、勝っても得られそうにない。
にもかかわらず、試合自体の困難さは、ある意味普通の世界戦以上のものがある。

考えれば考えるほど暗い気持ちになる試合です。
名城にとっては、この試合、とにかく勝たねば、後にはそれこそ何も残らない、背水の一戦ですね。

もちろん、敵地で強打爆発、「通過点」をきっちり突破、となってくれれば最高ですが、
なかなかそうも行かないのではないか、と心配です。


それにしてもこのスポーツ報知の見出しには、思わず失笑してしまいました。
一見、ジャーナリストの見識による批判精神なのかと思いますが、
実際は帝拳がWBAからほぼ完全に手を引いた状態にあるから、
こうした事例をちょこちょこと突っつくようになっただけのことです。
立場の弱い業者のことなら、いかようにも書けるが、他にいくらでもある
批判すべき事例には何も書かない。よく躾けられた犬の仕事ですね。

それにしても、「えっ」という口語を見出しに使ってまで、読者に伝えたいことはいったい何だったんでしょう?
「物議を醸しそう」とありますが、何で今だけ、この件だけに、そんな言葉を使うのでしょう。
こちらが「え?」と不思議に思ってしまいましたね...。

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名城、再起二戦目はいかに

2013-04-06 18:46:37 | 名城信男

明日は名城信男再起二戦目です。
会場は住吉区民センター、午後3時に第一試合開始と、JBCのHPに記載があります。

本来なら観戦に行くところですが、先約があり、私は欠席です。
観戦された方の感想など、コメント欄にいただくため、記事をアップします。

しかし、再起戦と思っていたら、再起二戦目なんですね。
再起初戦は、人知れず大晦日に行われていたのでした。
もっとも、急に組んだせいか、相手がどもならんかったようですが...。

今回はバンタム級のWBCランカーということで、相手がどうかということも含めてですが、
色々見所がありそう、と期待しています。
下の階級から引っ張り上げたのではなく、上のクラスの選手との試合ですから、
名城にはリスクの大きい試合となりましょう。
ここで良い内容と結果が見られれば、名城の今後も明るくなることでしょうが...。
とにかく名城の勝利に期待、ですね。

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名城信男再起戦と、その先への勝手な要望

2013-02-20 17:56:38 | 名城信男

率直に言って気分の良くない話題に囚われていましたが、
まあそれ以外にも色々とあります。
気を取り直して、まずは名城信男再起戦決定について。

相手はWBCバンタム級の14位にランクされるタイ人、ヨドチャンチャイ
一階級上で、19勝(16KO)2敗となっていますが、対戦相手に強豪の名は無し。

タイのボクサーとの対戦、というのは想像していましたが、
今回はナコンルアンプロモーションの選手ということで、たぶんWBC系列の方ですね。
バンタム級で闘う名城を見てみたいと思っていたファンのひとりとしては、
ある意味で、待望の一戦だったりもします。
実際にこの先、どちらの階級で闘うかは不明ですが、もうそろそろ転級があって良いと
かねてから思っていたので、そういうことで話を進めます。

陣営が、大晦日に戴冠した河野公平に対し、年明け早々オファーをした、なんて話を聞くと
またも「組めたら組むで、世界戦」なのかと思ってちょっとがっかりしましたが、
まあ考えてみれば右から左に組めるものでもないですし、
こういう、ちょっと難しめ?の試合からやり直す、というのは良いと思います。

私の個人的な希望を言うと、この試合を良い内容で勝ってもらって、
その後はバンタムで、大場浩平vsジェロッピの勝者と対戦してほしいところです。
せっかく近場に日本王者が生まれるんですから、是非やってもらいたいです。

このカードなら、昨夏、世界戦をやった住吉の大きい方の会場でも、けっこう客が来ると思いますけどね。
なんなら、神戸の大倉山の会場へ乗り込む、お出かけアウェー挑戦でもいいじゃないですか。
ご近所同士の遠慮なんて、ファンの勝手を敢えて言いますが、クソ喰らえであります(^^)

せめてこういうのを経てから、世界再挑戦へ、という形であれば、
もちろん内容と結果によりますが、基本的にはファンの納得度の高い挑戦になるし、
何より名城本人の士気というか、気合いの乗りも出てくるんやないかなぁ、と思います。


昨夏の試合、評価は人によりさまざまなれど、心情的な面も含めて言えば、
名城の闘いぶりは称えられて然るべきものだったと思います。

しかし彼が重ねてきた熾烈な闘いを経て、彼が何を得て、何を失ったのかを考えれば、
あの闘いぶりは「懸命」ではあっても「賢明」とは言えないのではないか。
届かなかった、足りなかったものを掴むためには、あと一歩の頑張りを心する、だけでなく、
最初から、今の名城信男のボクシングの全体像を見直し、組み立て直せないだろうか。
そのように思うのもまた、事実です。

一昨年の、WBO8位のレイ・ペレス戦や、敵地でのスリヤン戦あたりには、
名城のそうした「刷新」の方向性が見えたようにも感じられました。
今回の試合にも、そうした前向きな何ごとかが見られることを、まずは期待しています。


...とかなんとか、偉そうにあれこれ書いといて何なんですが、
私、この日は諸事情あって、観戦出来ないことがすでに決定的になっております。
何やねんお前、そらないやろが、と言われても、返す言葉もありません(^^;)
なんとか、スカイAさんで放送されることを、今はひたすら祈っておる次第であります...。


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最後の応援

2012-09-01 23:25:04 | 名城信男


名城信男、判定負け。試合後に引退表明したと聞きました。


初回、名城が先手を取り、王者テーパリットのジャブを受けつつ攻めきりましたが、
2回以降はテーパリットがしっかり身体全体を使って打つジャブに突き放されます。
手応えのあるパンチを打てる距離を失った名城は、前に出ようと単調になったところを
多彩なパンチで迎え撃たれ、また突き放され、の繰り返し。
テーパリットのジャブに対し、強い右を叩いて抑え込むことが出来ず、後手後手。
7回までは、文字通りのワンサイド。名城が立て続けに失点を重ねました。

挑戦者としては最後のリング、つまり敗北イコール引退と公言しての一戦は、
私が今まで見てきた名城信男の試合の中で、もっとも厳しい内容と結果、
つまり「惨敗」へと突き進んでいるように見えました。


しかしやはりというか、さすが名城というか。
中盤まで時折叩いていた左ボディが徐々に効いたのか、序盤から好ペースだった反動か、
徐々に動きが落ち、突き放すジャブの伸びも少しずつ落ちてきたテーパリットに、
名城が猛然と反撃。場内一気に沸き返り、観衆は配布されたメガホンを叩き出す。
そのリズム、音響に乗って、名城がテーパリットを追い回し、打ちまくる展開となります。

8回、左ボディが再三好打。右の追撃がテーパリットを脅かす。
9回、打ち合いで右の応酬、名城ワンツー、左ボディ。
10回、名城のボディが効いたか、テーパリットのジャブは、突き放す威力と伸びを失い、
名城にさらなる攻勢を許す。
11回、テーパリットのグローブのテーピングが二度にわたって緩む。王者陣営、実にベタ。
さらに名城攻勢。テーパリットのジャブの伸びが僅かに甦るが、名城攻め続ける。
最終回、名城さらに攻める。場内メガホンの大音響。右ヒット、ボディも入る。
大歓声の中、ゴング。


後半の攻勢時には、正直に言って私も思いきり手を叩き、あれこれ叫んでおりました。
何を言っていたのかは、記憶にありませんが、少々乱暴な言葉を使っていたかも知れません。
前半の苦境を耐えて凌いでの逆襲、こういう試合を「彼らしい」と表現することには
ちょっと抵抗も感じるのですが、最後まで諦めない闘志が見えた、良い試合でした。


私の採点は、名テテテ テテテ名 名名名名 というところで、114-114。
しかし判定は2-0で王者テーパリットを支持しました。
やはり、競った試合では、先にジャッジに好印象を与えた者が有利なのでしょう。
しかし、惨敗の予感も感じた試合を、ここまで惜しい「惜敗」に変えた名城の健闘に、
場内からは惜しみない拍手が送られ、名城が控え室に去った後も、客席にはその場を
すぐには去りがたい、という風情で立ちつくす人々の姿が見られました。


会場の住吉スポーツセンターは、思った以上の盛況でした。
どの程度「実売」だったかは知りませんし、私には関係のない話ではありますが、
もし「ちょっと見てみようか」という感じで会場に足を運んだ方々も、
ボクシングが発する熱量のようなものに触れられたのではないか、と思います。
名城信男が最後に闘ったのは、そんな試合でした。

彼は今現在の自分自身の全てを尽くして闘いました。
その闘いが放った熱は、それを直に見た者の心に、確かに残ったことでしょう。


怪物のように強かったルーキー時代から、様々な苦悩と疲弊を抱えて闘った現在まで、
名城信男の試合に、私はたくさんの夢を見せてもらいました。
それが時に実現されて歓喜となり、時にかなわぬ望みで終わることもあったけれど、
初めて世界王者になったときの「もっともっと強くなりたい」という言葉で語られた
名城信男の追い求めた夢を、勝手ながら私も一緒に見せてもらえたように思います。

そして、どんなに素晴らしい夢も、いつか終わりが来るということでしょう。
それが今日にはなってほしくないという思いで、思い切り応援しましたが、
結果として、最後の応援となってしまいました。


名城信男、本当にお疲れ様でした。悔い無き闘いだったと思います。


しかし、私には最後に悔いがひとつあります。
私もメガホン叩いて応援すりゃ良かったな、と。
思い切り拍手し過ぎて、ちょいと手が痛いですよ、ホントに。

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上々の再起戦

2011-07-31 09:10:05 | 名城信男
昨夜は住吉区民センターにて観戦してきました。

メインの名城信男再起戦、相手は二十歳のWBO8位、比国フライ級王者レイ・ペレス。
再起戦としては手強い相手と見られていましたが、なるほどなかなかの強敵でした。

まず立ち上がり早々に印象づけられたのが「これでフライ級?」と見えたペレスの体格の大きさ。
名城より明らかに大柄に見え、そして闘い方も足を使って動くのかと思ったら、
意外にも名城と正対して構え、打ってくる。ちょっと想像と違いました。

正直、この辺は相手の名城からすると、危険もあるが自分の力も出しやすい感じ。
右は重そうだし、アッパーを交えて打ってくる怖さがあるので、名城にリスクもあるが、
今日は打ちに出て、打ち勝てればノックアウトもあるかと、序盤には思っていました。

しかし名城は、思いの外、冷静な闘いぶりでした。
名城と言えば固いパンチを「ゴツン!」と打ち込んで相手を止めてさらに攻め込む、
というイメージが強かったのですが、この日はパンチの力感は以前ほどではない代わりに
よりハンドスピードを出し、切れのあるパンチを打とうとしている風に見えました。
そして好打のあとも、追撃を焦らず、ペレスの反撃を丁寧にガードし、
さらに足を使って追撃を外す、というシーンが多く見られました。

ペレスは動きにはスピードを感じませんでしたが、右のクロスやアッパーの
タイミングや角度には鋭さを持っていて、まともにやりあって打たれていたら
名城にもピンチのひとつやふたつ、当然あったはずです。
しかし名城はまず、そういうリスクを回避した上で、より速く正確なヒットを重ね、
防御にも気を遣った、意識の高いボクシングで、難敵をポイントアウトしました。
判定は97-94×2、99-92の3-0で名城。
さうぽん採点も97-94で納得でした。

ここ最近の名城は、強打の手応えを欲しがって相手を追いかけて、
結果、リターンパンチを数多く食って失点し敗れるというパターンで、
世界戦にも連敗しているわけですが、そのあたりを真剣に省みて、
意識の面から闘い方を変えてきているな、という印象でした。
何よりガードで外すだけでもなく、動いて外すだけでもなく、
その両方の配分をうまく出来ていた防御面に、はっきりと改善の見えた試合でした。

先のトマス・ロハス戦での敗戦のあと、けっこう厳しい感想を書きましたが、
この試合をちょっと大袈裟に言えば、新生・名城の第一歩、と言えるかもしれません。
8戦目での世界獲得までのように、単に強いだけでなく柔軟性を兼ね備えた名城が
こと意識づけ、心がけの部分でよみがえってきつつあるというか。
強打や闘志以外の面、巧さ、冷静さを見せてくれた昨夜の試合は、
再起戦としては上々の出来で、今後に期待を持てる内容でした。


昨夜の興行はメインだけでなく全体的に満足度の高いものだったことも附言します。

まず最初に、舞台の上に第1試合からメインまでの全選手が順番にコールされ登場、
名城が代表で観客に御礼と挨拶をしてスタート。
前座試合も、西日本新人王準決勝二試合に、元王者鈴木哲也のまさかの敗戦など、
色んな意味で見所の多い好試合ばかりで、最初から最後までまったく飽きず、楽しめました。
また全試合、全選手の入場に紹介画像、映像、戦績がスクリーンに映されるなど、
ファンへの情報提供が可能な限り考えられていて、非常にありがたかったです。


あと、前座試合の中での白眉は、スーパーフェザー級西日本準決勝で
初回ノックアウト勝ちを飾った六島ジムの西脇一歩でしょうか。
果敢に攻めてくる角谷隆哉(グリーンツダ)のガードの隙間に、右ボディアッパーを打ち込み、
ダウンを奪うと、場内が驚愕するなか、今度は左ボディでダウンを追加、ツーダウンKOで快勝。
デビュー以来4連続ノックアウトで、新人王決勝進出を決めました。

痩身、長身、長いリーチをどう生かすのか、と見ていたら、とにかくあっという間でした。
デビュー二戦目も見たことがあるのですが、その時も開始早々、相手の出鼻を右アッパー(顔面)で
叩いて二度倒し、さっさとKO勝ちだったので、正直、まだ彼のボクシングの全体を見ておらず、
どうこう言うことは出来ないです。

しかし、初回早々からボディ一撃で相手を倒す、パワーだけでなく打ち込むタイミングの鋭さ、
パンチの軌道と打ち抜きの深さなどは、ちょっと普通の選手にはないスケールの才能を感じます。
これで技術面をうまく伸ばせたら、今後、大きな期待をかけていい存在になるかもしれません。

中岸風太の年を最後に、しばらくご無沙汰だった新人王戦観戦ですが、今年は久々に行くかな、と
いう気持ちになってきました。もちろん、この西脇一歩をお目当てに。

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115ポンド級多士済々

2011-05-24 23:38:24 | 名城信男
名城信男、再起が決まったようですね。
7月30日、対戦相手は未定、世界ランカークラスを予定、
階級はスーパーフライ級のままでということです。

相手が決まらないと何とも言いにくいですが、
まずは小手調べ程度の相手でも文句は言わないつもりです。
しかしその後は、強豪と呼べる相手とひとつは闘った上で、
世界再挑戦へと進んでもらいたいものです。

もちろん海外の強豪でもいいですが、国内のこのクラスには、
河野公平を破った佐藤洋太や、新OPBF王者の赤穂亮などが出てきて、
名城や河野、中広といったところを追い越す勢いを見せています。
ここらへんとの絡みもあってほしい、とは思いますね。

あと、粉川拓也は一階級下で、ポンサクレック挑戦ということですが、
タイでの試合ということもあり、勝機は乏しいかもしれません。

そういえば三度世界挑戦の久高寛之については、さっぱり話題を聞きません。

こうして見ると新旧あわせて多士済々な115ポンドクラスですね。
組めば良いカードはいくらでもありそうなものですが、
河野公平が名城、佐藤、中広と闘ったのと、ドローに終わった中広vs赤穂以外、
直接対決のカードがないんですね...って、他にあったらすみません。
なんにせよ、あとひとりかふたり上位選手を加えれば、
国内版スーパー6ならぬスーパー8が出来そうですが。

これらの選手による大会を、後楽園ホールで固定して...でもいいし、
出来れば全国サーキット開催で、半年なり一年がかりでやれば、
毎回満員になると思うんですけど...やってほしいなぁ。まあ、夢ですけど。


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二階席から見た印象

2011-02-05 23:25:02 | 名城信男
判定を聞いたとき、これ、そんな競ってる試合なのかな、と少々驚きました。
府立の二階席から見た感想なので、TVやリングサイドの印象とは違うかもしれませんが、
私には名城の大差判定負けに見えた試合でした。

王者トマス・ロハスがリーチとスピード、そしてサウスポー・スタンスで作り出す
ロングレンジの展開を、名城信男がいかにして切り崩すか。
この試合はつまり、距離の克服なるかどうかが勝敗を分けるであろうと、
それは誰の目にも明らかでした。

そして、名城信男は単発のヒットがあったものの、ロハスは身体を逃がしながら、
或いはそれこそ投げだしながらの反撃で名城の追撃をかわし、というよりやりすごし、
それ以外のほとんどの時間を、長いパンチで突き放していたように見えました。

名城のボクシングは、どうも最近、以前の良さが失せている、とは
何度も思い、書いてきたのですが、今日の試合ぶりを見ると、その思いが決定的になりました。
相手が長身で、左で、かなり特殊な選手であることは割引くとしても、
やはりあれだけ左リードが出ない、決まらないボクシングでは、
なかなか世界戦に勝てるものではないでしょう。

無冠時代の名城は、相手を探り、止め、削るような、硬くて重い左ジャブが、
それに続く執拗な攻撃の呼び水になっている選手でした。
その片鱗がもう少しでも出ていれば、私の印象とは違っていましたが、
競ったラウンドをあといくつか拾えていたのかもしれない、
そう思うとやはり残念無念です。

あと、河野公平戦のダウンを反省して、ロハスが特段慎重だった、とも感じませんでした。
実際、3Rなどは自ら出て距離を縮めたまま闘うという愚を犯し、名城の好打を許してもいます。
その後、セコンドが叱ったか諭したか、慎重な闘いに変わりましたが、
一試合に一度は何故かチョンボをやりかけるところは、やはり相変わらずやなという印象でした。


この試合における、名城に対する評価がどういうものなのか、正直、公式採点を聞いてから
どうも確信が持てずにいますけど、私の印象で言えば、厳しいようですが、
名城は一旦、世界戦線からは離脱するべきだと思います。
日本、東洋の国内有力選手、ないしは海外の強豪といえるボクサーとの対戦において、
もう一度、世界に挑みうるボクサーとしての評価を確立しなおすべきだと感じました。
或いは良いコンディションが作れないなら、バンタム級転向も視野に入れるべきでしょう。

ご存じの通り、ベタベタの名城ファンである私でさえ、今日の負けは、
結果以前に内容が伴っていない、極めて厳しいものだった、と感じています。
録画した映像を見直してはみますが、そんなに印象が違うとも思えませんし...(--;)



セミファイナルのツニャカオvs中広戦は、やはりバンタム級におけるパワーの差が出ました。
代理出場の中広大悟は、準備も充分とはとても言えない上に、元々苦手なサウスポーの強豪相手。
それでもツニャカオの右回りに合わせる左フックなどは目を引くものがあって、
さすが中広、やっぱり逸材やなあとは思ったのですが、試合は総じてツニャカオの左ストレートが支配、
時折混ぜるダイナミックなアッパーなども要所で決まり、ポイント上はワンサイドの展開でした。
6回、バッティングで中広が切り、二度のドクターチェックのあと、ツニャカオが攻め、
中広が左フックを返したときにレフェリーストップ。間の悪い終わり方でした。
中広の出血を考慮して、ということなのか、或いは代打出場ということで、何か問題でもあったのか。
いずれにせよ、遠目には奇異なほど早いストップに映りました。
中広も失点を重ねていたとはいえ、それほどダメージがあったとも見えませんでしたが。




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世界戦TV放送あれこれ

2011-01-25 21:26:00 | 名城信男
なんやらかんやら言うている間に、来週から世界戦が立て続けに行われます。

名城信男の世界戦については、あれこれと記事が出ています。
以前、アイデアマンの六島ジム枝川会長が仕掛ける?話題作りのことを、
それこそこまめに「名城ネタ」として取り上げていた当ブログですが、
最近はすっかりさぼっておりました。申し訳ないことでございます。

年末か年始には、アメリカ村で計量という発表がありましたが、今度はサムライらしく鎧着て入場とか。
モデルは真田幸村なんだそうですが、私は一目見た瞬間「ひこにゃん」かと思ってしまいました。失礼しました。

この一戦、出来れば会場行って見たいところなんですが、もしそれが無理でも、関西ローカルでは生中継ありだそうです。
そしてTV大阪が映らない私の居住地のUHF局でも放送あり、とのこと。まずはひと安心です。
もっとも、関東ではどうやらネットされないらしく、喜んでて良い話では全然ありませんが...。


反対に、31日のダブル世界戦、関西は完全にアウト。TV大阪では放送されません。もちろん私の地元も駄目。
頼みの綱のBSジャパンも放送なしです。当日はネットで、あまり鮮明とはいかない画像を見るしかなさそうです。

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※コメント欄にご指摘いただきまして確認したところ、31日ダブル世界戦はTV大阪では放送あります。
訂正してお詫びします。申し訳ありませんでしたm(_ _)m
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で、来月11日の井岡一翔世界戦はというと、TBSでゴールデンタイムに生中継なのだそうですね。
本来、良い話のはずなんですけど、局が局だけに、素直に嬉しくないです...(^^:)



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