さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

拳四朗vs京口、いよいよ明日決戦 両者無事計量パス

2022-10-31 16:03:44 | 関東ボクシング




前日計量、寺地拳四朗と京口紘人、無事パス。
他にも問題はなく、試合挙行とのことです。





両者ともに、コロナで試合中止とか延期とか、過去にあったので...最近は他にもいろいろあるんで、計量のニュース見終えないと、ちょっと不安だったりします。
まあ、このレベルのチャンピオン同士、心配は要らないとも思っていましたが。


京口は普段よりも険しいというか、気合いが入っている感じ。
強気の発言を続けていますが、強敵相手の大一番であることは、誰よりもわかっているのでしょうしね。


拳四朗は計量後の写真見ると、以前より減量は厳しいようです。顔の削げ方が違います。
しかし、相変わらず余裕というか。こんな様子も。





明日対戦しないから、というのもありましょうが、いずれ対戦があるとしても、拳四朗の側はこんな感じじゃないですかね。


あと、ジョナサン・ゴンサレス、岩田翔吉、中谷潤人にロドリゲス、中谷正義と吉野修一郎も計量パス。
全カード、問題無く行われますね。良かった良かった。


メインは特に、ですが、選手の皆さんには、明日は良いコンディションでの健闘を期待するのみ、です。
拳四朗は参鶏湯京口は雑炊で、まずは栄養補給に入ったようです。
アプローチとしては似ています。
拳四朗、以前は計量直後にそんなものを...と思うようなものを食べる、話題作りというか、パフォーマンスをしていましたが、今回は消化の良さそうなものを食べているようですね。


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緊迫の攻防必至 寺地拳四朗vs京口紘人、宿命のライバル遂に激突!

2022-10-30 14:25:52 | 関東ボクシング




先ほどWOWOWオンデマンド、ワシル・ロマチェンコ苦戦の勝利を見終えました。
やっぱりロマチェンコとて人間、この10ヶ月の「ブランク」は、普通のそれとは事情が違っていて、心身共に苦しかったのやろうなあ、と。
客席にいたオレクサンドル・ウシク共々、その苦労と、にもかかわらず勝利するその偉大さに、感服するのみ、です。



ということで明後日、寺地拳四朗vs京口紘人、遂に激突です。

抜群の距離感と位置取りの巧さ、精度とタイミングに加え、最近はパワーにも自信あり、巧くて強い、寺地拳四朗。
辰吉丈一郎ばりに若干左足加重、左ボディアッパーを中心に攻め、海外リングでも3勝。完成度の高いファイター、京口紘人。

アマチュア時代からの対戦があり、プロ入り後そろって世界座獲得、階級が揃ってからも長く、対戦が待望されてきたライバルが、WBAとWBCのタイトルを賭けて闘う。
ボクシング漫画みたいなストーリーですが、それが現実となるわけですね。


予想はいろいろあるのでしょうが、それぞれを別個に見て「品評」をすれば、寺地拳四朗の方が上、だと思います。
傍目に見るだけではわかりにくい部分もありますが、立ち位置の取り方、角度の付け方などが抜群に巧く、相手のパワーを受けずに自分は好打出来る位置関係を作って、ジャブを当てていき、時にカウンターも取れ、狙い打ちも出来る。
しかもパワーショットを秘めていて、ボディ打ちで世界上位をフィニッシュしたりも。

その鮮やかで強い勝ちっぷりを見ていると、これが日本人でなく、メキシコあたりの選手だったら、我々はそれこそリカルド・ロペス並みに「崇拝」に近い感情を持つのではないか、と思ったこともあります。


しかし、京口紘人を不利と見るにしても、その差は僅かというか、こちらはこちらで、かなり完成度の高いファイターである、とも思います。
デビュー8戦目で、タフでラフなアルグメドを攻略した試合から、世界戦を闘い続けていますが、攻め口は左右アッパーの比率が高い、独特のもの。
一打必倒、とまではいかないが、パンチ力もかなりあり、それが連続して出せる。
海外で3勝、しかもメキシコでのKO勝ちでも見えたように、精神面も強い。苦しい展開でも逆襲して倒したり、心身の強靱さでは、こちらの方が上かも。

全盛期のコリアンや、往年のメキシカンに、日本人ボクサーのモラルの高さと精神力、そして技術面での多彩さを上乗せしたような、実に魅力的なファイター。
それが京口紘人だと思います。



正直、予想はよそう(ジョー小泉©)とでも言いたくなるようなカードですが、私の(どうせ当たらない)予想は、京口の好戦的であるが故の、数少ない防御の漏れ落ちを、拳四朗が突くのではないか、というものです。
ただ、もしどちらかに僅かな隙、緩みがあれば、片方が即座にそれを突いて、一気に勝利をたぐり寄せてしまうでしょう。
試合展開がどのようになろうと、KOだろうと判定だろうと、お互いにベストの仕上がりが求められる、レベルの高い攻防が見られる。それだけは間違いないと思います。



ということで明後日は遠足です。
さいたまは遠いですが、仕方ありません。それはお前の勝手や、という話でしかないですが。

あと、アンダー、と呼称してはいけないような、豪華なカードが3試合あり、本当に楽しみです。
ただ、それが、午後5時半から開始予定という、地獄のようなスケジュールです。そうしないと終わんないので、仕方ないのでしょうが。
何とか週末にやってもらえんかなあ、と思いますが、会場使用料とかも、たいぶ違うらしいですから、しょうがないんでしょうね。はあ。





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中谷潤人、王座返上して上の階級でWBO1位に 田中恒成はランク下降へ

2022-10-28 21:07:35 | 関東ボクシング





中谷潤人、正式にWBOフライ級王座返上
WBO総会においてスーパフライ級の1位にランクされることが決定。
来月1日、さいたまスーパーアリーナでの、WBO3位フランシスコ・ロドリゲス戦に勝てば、WBO同級王者井岡一翔への指名挑戦権獲得が「濃厚」とのこと。



王座返上、転級表明、それは良いとして、いくらWBO3位という上位との対戦とはいえ、その結果が出る前に1位にランク、とは、元々1位だった選手の立場がないなあ、と思って、ところで1位って誰よ、とボクシング・ビート誌をぱらぱらと見たら、田中恒成でした。

何というか、大手って「系列」以外には情け容赦なしやな、と改めて思い知ったというか。
田中恒成も、12月に考え得る中で、組みうる中で最上位と思われるWBO5位、ヤンガ・シッキボとの対戦を決めているのですが、そんなことは知ったこっちゃないらしいですね。
これが関わりのあるところなら、内輪であれこれ融通し、時期をずらし、色んなことやって丸く収めるんでしょうにね。いやはや。

まあ、この辺は田中恒成陣営、畑中清詞会長も黙って引っ込んでいるわけにもいかんでしょう。
何らかのリアクションがあると思います...目に見えるところで、かどうかはともかくも。

ファンの勝手を言えば、こんな話になった以上、ベストは共に次、揃って勝つと仮定して、来春に田中恒成と中谷潤人の直接対決で指名挑戦者を決めるという流れ、でしょう。
ですけど、まあそんな、すっきりと気持ちの良い話にはならないのが、この世界の常ですが。




ただ、そもそもの話として、WBOに限らず毎年「総会」を開いて、そこで選手やマネージャー、プロモーターが集い、王座返上、転級表明、統一戦の許可要請、指名挑戦権主張、とか、当たり前みたいに色々やってますが...ことに、直に顔出して「仁義を切った」者が良い目を見る、みたいな感じ、如何なものかと思いますね。
ランキングや、それにまつわるあれこれを決定するのに、何かの基準で決めるのでなく、働きかけの有無で決まるんだとしたら、根っこからいい加減なものでしかない。
いちいち選手が顔出して、ああだこうだと言うて見せるまでもなく、決めるべき事を決める。それが当たり前ではないのか。

事の異様さは、誰の目にも明らかですが、そんなことは考えもしないのか、或いはわかってやっているのか、まさに十年、いや百年一日の如し、です。
こういう話を見聞きする度に、私のような者でも時に、ボクシングって本当に...やなあ、としみじみと思わされます。嫌な話ですね。




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日本風な「人事異動」 ジェシー・ロドリゲス王座返上、中谷潤人と入れ替わり?

2022-10-27 11:47:13 | 海外ボクシング



ジェシー・ロドリゲスがWBCスーパーフライ級王座を返上、フライ級へ下げるとのこと。
記事によるとWBO総会に出席していて、こちらは逆にスーパーフライへの転級初戦を戦う予定の中谷潤人が返上したあとの、空位決定戦を狙うと目される、と。


ロドリゲスのベストがスーパーフライ級ではないのは事実でしょうが、一度上げてまた下げるというのは、コンディション面でどうなのか、ちょっとわからないところではあります。
そもそもフライ級で、WBOのタイトルマッチに出るのなら、もっと早くに中谷潤人に挑戦していれば良かったようなものですが。

しかし、共に帝拳傘下のボクサーなので、そういうことにはならず、ここに来ての入れ替え、日本風な「人事異動」が行われる運びなんでしょうね。
標的が他の系列だったら、情け容赦なく「当て」たことでしょうが...。


話の通りなら、ロドリゲスがWBOフライ級王座決定戦に出るとして、相手は誰なんでしょうね。
普通なら1位クリスチャン・ゴンサレスなんでしょうが...決定戦かその先の防衛戦かはともかく、例えば銀河系最強を自称する岡山の雄にも、遠からずチャンスが巡ってきてほしいもの、ですが。

そしてその先に、中谷潤人との対戦があってほしい、とも思います。
階級は再び上げることになるのでしょうが...近年、軽量級にて希なる逸材同士、ベストな形での対戦を是非、見たいですね。



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コンスタントに試合の機会を 岩佐亮佑、1年半ぶりの再起戦にKO勝ち

2022-10-26 10:28:02 | 関東ボクシング




昨日のdTVライブ配信、楽しく見ておりました、とは言えない心境でしたが、簡単に感想。


メインは岩佐亮佑がジェネシス・セルバニアを4回、上下に打ち分けた左アッパーでフィニッシュ。
軽打中心に緩急を付け、前で捌いて当てて行き、時に強打する、という組み立ての途中で相手が倒れた感じでした。
試合成立に向けてのあれこれは、改めて触れませんが、とりあえず間違いが起こらなくて良かった、というところでしょうか。

試合後の本人の言のとおり、久し振りの試合を流したくはなかったのでしょうし、試合が出来て勝てたことで良し、とせねばならない、のでしょう。
それは片方からの観点でしかありませんが...付け加えるなら、今後、もう少しコンスタントにリングに上がる機会が得られないものか、と思います。
そうではないから、今回のような経緯があっても、試合の機会第一、という判断基準でしか、物事が運べない。問題だと思いますね。



セミは桑原拓がジーメル・マグラモに判定勝ち。
試合としては、タイトルマッチとして見るといまいち。
若手ホープ桑原が、手足のスピードと軽打のボクシングに、全体的なパワーアップを図る途上の試合、として見れば、長いラウンド闘えたことを踏まえ、プラス面はあり、というところでしょうか。


しかし、考えたら本来、OPBFタイトルを持つWBC4位との対戦機会を得ているべきは、桑原ではなく、ユーリ阿久井政悟であるべきやなあ、とも。
少なくとも試合後、このタイトルを賭けて阿久井と再戦します、とリベンジ宣言でも出れば、見るこちらの気持ちも晴れたかもしれませんが、知る限りそんなことは言っていないし、その「運び」でもないのでしょう。
そんなこって良いと思っている時点で、如何なものかと思います。
この辺り、所詮は「会長」の興行であり、「プロモーター」の興行では無い、それがPXBの限界だ、とも言えるのでしょうね。



もっとも、今の桑原にそれを求めるのはまだ早いのかもしれません。
つまり、両者の格はいまだに阿久井の方が上のまま、ということです。
もっとも、マグラモのランクがその実力からすれば不相応に高かったこともあり、今後桑原の扱いは、妙な感じで高いものになっていくのでしょうけども。
気持ちの悪い話ではありますが。



中嶋一輝の試合は、よう躾けられたレフェリーが、しっかりと自分の仕事をした、というところでしょう。
国籍や所属が逆だったら、絶対あんな裁定もストップもしません。賭けてもいいです。一言、不快でした。

しかし中嶋一輝の課題は、階級を上げても相変わらずでした。
強打の威力に頼って攻め、相手が倒れて元々、という前提でボクシングをしている。
防御に漏れ落ちがあり、そこを突かれて打たれるのは仕方ないにしても、その後、同じパンチを同じ攻防パターンで何度ももらう。
試合中での改善がなく、打開策はさらに力づくで出る、というのみ。

栗原慶太に負けたのは体重苦ゆえ、という「お話」がメディアを通じて広められていましたが、問題はそれだけではなかったのやな、と改めて露呈した、そんな試合でした。




ということで、全体的に、素直に楽しめたとは言い難い興行でした。
NTTは今後、ボクシングの配信に力を入れていくらしい、と聞きますが、業者の都合、勝手がまかりとおるものを、漫然と受け容れてしまうのでなく、ファン、視聴者の目線に立って、然るべきカードの成立を、業者に対して要望していってもらいたい、と思います。

少なくとも昨日の試合は「どこへ出しても通る」ものとは言い難いところが多々ありました。
この辺、一度ひかりTVやdTVのカスタマーセンターへでも要望メールしてみようかな、と思うくらいです。
ボクシング界は結局、外部からの影響がないと何も変わらないのだとしたら、こういう方法が良いのかもしれません。




ところで12月13日の井上尚弥、バトラー戦ですが、dTVに初めて問いあわせてみたところ、試合終了後、早々にアーカイブを置く予定だ、という返答がありました。
今回の興行はまだ、そうなってはいませんが、普段の興行もそのように、と要望したところ、担当部署に伝えて検討します、とのことでした。
この辺、少しずつ改善していってもらえたら有り難いですね。




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カシメロvs赤穂戦、WOWOWオンデマンドでライブ配信

2022-10-25 15:27:56 | 海外ボクシング



WOWOWエキサイトマッチの録画放送が決まっていたジョンリエル・カシメロvs赤穂亮戦ですが、12月3日の試合当日、WOWOWオンデマンドでライブ配信が決定した、とのこと。
A-Sign動画で、石井一太郎会長が明かしました。





色々と周辺事情についても語られていますが、WOWOWエキサイトマッチも昔日とは違い、放送カードの確保が難しくなっているからこそ、録画放送が決まったものの、ライブについてはどうしても、という感じではなかったのかもしれません。
しかし事情どうあれ、WOWOWオンデマンドで見られるなら、こちらとしては有り難いことです。

何より石井会長が「今時、ライブじゃなきゃ」という認識を語っているところが素晴らしいです。
わかってはるなあ、と。


しかしその前の動画では、フィリピン方面で「揉め」てる、という話も。






カシメロの「前マネージャー」ショーン・ギボンズと取り巻き?連中があれやこれやと言うたりやったりしているようです。
この男、カシメロにまつわるあれこれを見聞きするうち、なかなかの「輩」やな、と思うようになりましたが...なんか、今となってはカシメロ本人にも問題あれど、気の毒な面もあったんではないか、と。


伊藤雅雪プロモーター、初仕事から大変ですが、これもある意味、貴重な経験ではありましょう。
何しろ、試合としても興行としても、成功したといえるものになってほしいですね。




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契約体重62キロに変更 にもかかわらず計量失格

2022-10-24 15:39:38 | 関東ボクシング




開いた口が塞がらない、とはまさしくこのことでしょう。
明日の岩佐亮佑、ジェネシス・セルバニア戦の前日計量の記事です。

岩佐、セルバニアとも一回目の計量でパスできず。
岩佐は再計量で無事、パスしたが、セルバニアは失格。

それだけでも「あーあ」と思うところですが、それにしても出ている数字が、こちらの思っていたものと違う。
リミット62キロ?

記事を読み進めると、セルバニア側が当初予定のフェザー級リミットには落ちないので、59キロ契約を要望し、さらに62キロ契約となった、とのこと。
これがどの時期、どの時点の話かは不明ですが、その上に計量パス出来なかった、という経緯です。


残念ながら、今のセルバニアは、オスカル・バルデスをダウンさせ、スパーでは井上尚弥と真っ向から渡り合った、我々が知っている、手強いボクサーとは、もう別物になっていると見るべきでしょうね。
最近の戦績やブランクは気にかかるところでしたけど、さすがにこんな酷いとは。
フェザー級で再起を期す岩佐亮佑、その決意に応えるような対戦相手ではなくなっていたようです。

ただ、いざこの体重で試合して、岩佐が慣れない体重ですんなり勝てるかどうか、不安が無いでもありません。
もしこれで悪い結果でも出ようものなら、目も当てられませんが。
さりとてすんなり勝ったとて、それをどう見れば良いものやら。

明日の試合は、当初思い描いていたものとは、だいぶ様子の違うものになってしまった。それだけは確かです。
実質メインは、ジーメル・マグラモvs桑原拓戦ですね。こちらはこちらで、若干思うところがありはしますが。はてさて。





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普通の負けよりも辛く、重い 和氣慎吾、進退が問われるTKO負け

2022-10-23 10:11:19 | 関東ボクシング



ということで昨日はまたもBoxingRaiseで高画質のライブ配信を楽しく見ていたのですが、メインの内容と結果は、ボクシングの厳しさを改めて思い知らされるものでした。



井上拓真戦の完敗以降、再起二戦目の和氣慎吾は、フェザー級の体重でも好調そう。
振りが小さく、しかも当て際で切れる左ストレートが、序盤から元日本1位の中川麦茶を脅かしていました。

中川はスマートな体型ながら、一発ずつがけっこう重そうで、怯まず返していく。
和氣が足のスピードで外し、中川は足は動かさないが目で外す、という感じ。
和氣は左ストレートから右フック返し、中川は左フックから右へ、と繋げ、互いに切れと威力のあるパンチを狙い合う、緊迫の攻防。
とはいえ、割とまともに競い合う闘いでは、徐々に和氣が抜け出していくのだろう、と思っていたのですが。

ところが、3回ラスト、和氣が外側の位置取りから右フックを打ったとき、同時に打った中川の左フックが肩の上から入り、直後、中川の方が外側から打つ位置関係になる。
ここで中川の右ショートが和氣の正面から入る。和氣ダウン。
一瞬、和氣が「深入り」し過ぎた、と言えば言えるのか。

4回開始、和氣は深刻なダメージというではない風で、ワンツーから打っていく。
ところが和氣が右から左と打ったとき?体勢を自ら崩す。中川の右はかすめる程度と見えたが、和氣がよろめいて膝をつくダウン。
見ると右肩の骨に、明らかに異変あり。骨が外れたか。レフェリー、続行不可能と見て試合を止めました。



中川麦茶は、兄弟揃っての変な改名のことはおいて、若手時代から光るものがあったものの、最近は試合以外のところで話題になることが多かったようで、近いところで見た赤穂亮戦については、一言、見ていて目に楽しくない試合、というしかありませんでした。

しかし若く見えてもう33歳だそうで、かつての大スター、和氣慎吾相手の試合に進退を賭けていたとのことで、その表情や佇まいは、ネット上で「要らんこと」をやったり言うたりしているという風評とは違い、終始引き締まって揺らぎが無く、高い集中が見えるものでした。

左リードも単発ながら良いのがあり、和氣の外しにくい左に苦しんだものの、左フックから右の返しで脅かし、ダウンシーンはその狙いが実を結んだものでした。
最後は相手の負傷があったとはいえ、試合後の嗚咽や落涙の様子を見ると、本当にこの一戦に期するものあり、と伝わってきました。見事な勝利だったと思います。



対する和氣慎吾、かつて寄るもの触るもの、問答無用で片っ端から倒しまくっていた姿からすると...もちろん大幅に衰えたというではなく、年齢やキャリアを考えればかなり良いコンディションを維持していると言えるでしょうし、そのことに感嘆もしますが、やはりスピードやキレを押し立てて闘うスタイルだけに、端々にちょっとずつ「性能」が落ちつつあるか、と見えてしまったのも確かでした。

とはいえ中川に勝つことは十分に可能だろう、とも見えていたところにダウンを喫し、次の回早々に、負傷に見舞われる。
もちろん、まだ挽回可能な段階で不運に見舞われた、それだけのことかもしれませんが、悪いことがひとつ起こるとそれが続き、追い打ちをかけられるような事態になってしまう...理屈の無い、好きでは無い表現ですけど、流れが悪い、勝負運が離れてしまっている、というような「絵」に見えて仕方ありませんでした。

本人の言を待つまでもなく、次敗れたら進退が問われる段階で、こういう形で敗れたことを、どう見たらいいものか。
ある意味、普通に敗れるよりも辛く、難しい内容が残った試合だったかもしれません。




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また遠回り?悪くすると実現せず? クロフォードvsスペンス、交渉難航

2022-10-22 06:22:30 | 海外ボクシング




少し前に、ぎりぎり間に合った、かという記事を書いた、世界ウェルター級完全統一戦、テレンス・クロフォードvsエロール・スペンス戦ですが、やっぱり交渉難航、という三浦勝夫氏の記事


最近になって、クロフォードが興行の財政面について、具体的な保証が無いことに疑念を持っている、という話を見て、事は深刻なのかもしれない、と思いましたが、その辺についても改めて記してあります。
クロフォードが受ける報酬の保証額が明記されていない、とありますが、それが事実なら、今時そんな契約書を送って、サインが取れると思うプロモーターがいるのか、と驚きです。
ドン・キングやパパ・クーヨの時代でもあるまいに、と。


それにしても、スペンスがクロフォードを怖れているとか、双方の知名度アップを図るとか、PPVの件数とか、あれこれと書き連ねられると、それが実際のところだとしても、なんだかシケた話ばっかりで、げんなりします。
結局のところ、自分たちの都合でええ加減なことばっかやってきたツケが来て、カードどう以前にボクシングの人気自体が落ちていて、そのしわ寄せをボクサーが食らっている、というに過ぎないんですが。
これほどのカードが今日まで実現せず、いざとなっても色々あって歯止めがかかり、すんなり進まず、という事態を、今一度しっかり省みてもらいたいものです。


WOWOWのプログラムガイドによると、エキサイトマッチでも正式決定の報を待たず、日本時間20日正午から、オンデマンドのみならず、WOWOWライブで生中継が予定されていた模様。
要は、実現するものと踏むだけの情報が日本側にも届いていたのでしょうが...。
ショータイムのスティーブン・エスピノザは、実現に向けて力強い言葉を発していますが、何とかその通りになるよう、願いたいものです。
もっとも日程が変われば他の試合、或いはUFCや他のスポーツとの兼ね合いも出てきたりして、それはそれで難しくもなるのでしょうが。はてさて、どうなりますやら。




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技巧に立ち返って闘える 堤聖也、大嶋剣心をKO 来春、南出仁と激突

2022-10-21 16:40:17 | 関東ボクシング



ということで昨夜はBoxingRaiseのライブ配信を楽しく見ておりました。

メインの日本バンタム級タイトルマッチは、堤聖也が持ち前の技巧で、長いレンジの左ジャブを強打する大嶋剣心の構築する距離を徐々に攻略、終盤打ち込んで、9回、大嶋の反撃を右カウンターで狙い打っての、痛烈なKO勝ちでした。

序盤は大嶋がしっかり構えて、強いジャブで堤を突き放し、食い止めるスタート。
若干小柄な堤は、距離の克服が求められましたが、ジャブの突き合いでまともに行っても、序盤のうちは苦しいということで、右のパンチを捨てて左に力を込めて打つ、軸を変えた攻め口で徐々に入っていく。

中盤、距離が近くなって、堤の精度の高さが映える。しかし大嶋、相打ち気味でも怖れず、右強打を狙ってくる。
アッパー、ボディブローなど互いに決め合うが、堤は散らして狙う、大嶋は半ば捨て身で打ちに行く、という違いが見える。

7回、互いにヒットの応酬も、より正確に当ててきた堤が優勢。大嶋はダメージありあり、横向いてしのぐ場面もあり。
大嶋、それでも果敢に反撃するが、8回以降、堤は冷静に左から当てて攻め、大嶋の反撃も見切って、9回のKOに繋げました。

終盤、試合としては壮絶な展開を経て迎えましたが、ここで堤が自身のスタイル、普段からやっていることというか、多彩な左から崩していく技巧派のボクシングに立ち返って闘えたの対し、大嶋はその闘志、果敢さを称えたい反面、もう捨て身の「勝負」をするのみで、序盤に堤を苦しめていた強い左ジャブからのボクシングは、完全に失われていた。

激闘の末、両者の明暗を分けたのはこのあたりだなあ、と思った次第。
そしてこれが、日本バンタム級チャンピオンたるボクサーが持っているべき、グレードの高さなのだろうなあ、とも。

堤聖也、見事な勝利でした。大嶋の健闘にも拍手です。
日本タイトルマッチに相応しい熱戦、出来るだけ多くの目に触れて欲しい試合でした。



昨日はアンダーカードも充実していて、セミは南出仁と与那覇勇気の、これも熱戦。
与那覇得意の右アッパー、ボディブローは南出を脅かしていましたが、左ショートの正確なヒットが評価されてか、見た印象よりもだいぶ差が付いて南出の3-0判定勝ち。

南出はメインの後、来年対戦する堤とフェイスオフ。
とはいえ、ソーシャルディスタンスということで2メートルくらい離れて、とリングアナが言うとおり、少し離れてました。


「ベルト磨いて待っとけ」
「寝言は寝てから言え」

と、なかなか鋭い応酬があり、ええどええど、もっと揉めろ(笑)と思ったのも束の間、堤が南出へのリスペクトも併せて語り出して、まあそれはそれで良いんですけど、うーん、という感じもしました(笑)。



あと、アンダーでは飯村樹輝弥が4戦目で初黒星。
フィリピンのエスネス・ドミンゴは18戦16勝(8KO)2敗という戦績で、どれだけ中身を低く見積もったとて、普通、4戦目に当てる相手でもなさそう。

初回、飯村が左出してもはぐらかされ、途中まで見ていたドミンゴが左を出し始めると、けっこうな確率で「届く」感じで、飯村は圧されて横向いて外す場面が二度。
体格ではドミンゴが一階級ぶんくらい小さい?が、技量力量ではドミンゴが格上。
これは飯村にとり、試練のチャレンジマッチになる。
それが初回3分見終えての印象でしたが、結果はそのとおり、3度ダウンを喫した飯村が6回、レフェリーにストップされてのTKO負けとなりました。


結果は厳しいものでしたが、しかしこういう手強い相手との「勝負」で、時に厳しい結果を見ることもまた、ボクシングを見ることです。
どう見ても体格が著しく違ったり、緩んだ身体付きだったり、それこそ4回戦程度の戦績で、日本人同士だったら許可されないけどタイ人だったら組める、みたいな相手に鮮やかなKO勝ちをして、ガッツポーズして喜ぶボクサー、拍手喝采の身内応援団、でも私みたいな部外者はどっちらけ、みたいなこともよくありますが、そんな試合とも言えない代物よりも、100倍価値のある試合でした。

飯村樹輝弥、おそらく失望、落胆のさなかにいることでしょうが、本当の勝負をして見せてくれたことを、まずは称えたいです。
そして、簡単に言えることではないでしょうが、この一戦を糧に、もう一度起ち、さらに成長した姿を見せて欲しい、とも。




ということで、充実した試合の数々をライブで見られました。
これが月額料金の範囲内ですから、本当に有り難い限り。
また、実況解説がついた上に、思いの外画質も良い。無いのは唯一、スローリプレイだけ。これは仕方ないですか。

ホールでの試合、タイトルマッチクラスの試合じゃないと無理なんでしょうが、今後も是非、ライブでお願いしたいものです。
やっぱり入ってて良かったBoxingRaise、という、いつも通りの結論が出ました。
と、明日もライブ配信ですね。これもありがたく視聴します。





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