さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

教師

2006-09-30 10:50:11 | 中部ボクシング

石原英康の試合は縁あって何度も何度も見に行きました。
強打と脆さを併せ持つ彼の試合はどれもこれも印象的なものばかりでした。

実際に話したことはないのですが、本当に誠実で優しい人柄だそうです。
試合ぶりや佇まいにもそれが滲み出ていて、好感を持たずにはいられませんでした。

しかし彼の試合を見ていて、それこそ故・佐瀬稔氏じゃないですが、
優しい心の持ち主であることは、ボクサーにとって良いことじゃないのかもなあ、
なんて思うこともしばしばでした。
勝利の女神なんてのがもしいるとすれば、彼女は優しい男にはけっこう冷たいみたいですし...。

そういう酷薄さをもろに目の前で見てしまった試合のひとつが、
岐阜で行われたマルティン・カスティーヨとの第一戦でした。
私はちょっと見方が違いましたが、公式採点では充分勝ち目があったようです。
しかし11R、苦戦をたった一撃で精算したカスティーヨの右一発、
石原は逆転KOを喫して、リングに沈みました。

技巧で上回るカスティーヨを相手に、ボディを打たれることを許容しながら
弱点のアゴを護ることに専念しつつ、強引に前に出て圧力をかけ、左を狙う。
ボクサーとして、自らの技術面での劣勢を最初から認めた、
この、ある意味屈辱的な戦法をあえて選んで、愚直に、懸命に闘った石原の労苦は
報われることはありませんでした。

帰り道、石原の友人でもあるSPANKY☆さんと、FREAKSの重鎮NAOさんの3人で
雨が降りしきる会場前のバス停留所で、しみじみしながらバスを待っていたときの
悲しい沈黙が今も心に残っています。

でも、あまりに残念な敗戦を見て、それでも私は、何かすがすがしい気持ちでした。
優しい男、誠実な男、ひょっとしたらそれゆえに敗れたかもしれない男。
でも、石原英康は自分に出来ることは全部やりきって闘いました。
強さも、弱さも全部わかった上で、自分の闘いを闘い抜いたのです。

人間ひとりに人生はひとつ。
その人なりに生き、その人なりに闘うしかないわけです。
今思うと、あの試合に感じたすがすがしさとは、
石原自身がそういう「答え」をしっかり見せてくれた故だった、と思っています。


今朝、偶然、石原の近況を知らせる記事を見つけました。

彼は変わることなく石原英康であり続けているようです。
これから良い教師になるために奮闘するであろう彼ですが、
私にとっては、彼はボクサーであったころからすでに、
すごく良い教師だったような気がします。


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歌われるよりは

2006-09-28 09:33:37 | その他
まあ、いろいろあったみたいですね。

まあ、スカッと勝って馬鹿面で朗々と歌われるよりはマシか...
いや、これはこれで恥に変わりもないか...
どっちにせよ、ろくなもんではないわけですが。

今や落ち目街道を一直線にひた走る、瀕死の統轄団体WBAの総会が、
流れ流れて日本に辿り着いた挙げ句の、この恥さらし。
なんでカメ2の試合なんぞを総会でやるんや、他に見てもらわないかん選手が
なんぼでもおるじゃろが、なんてことを思っていましたが、
考えてみればカメ一家こそが、今のWBAにふさわしい見せ物、出し物だったかもしれませんね。


で、肝心の(?)試合ですが。
日本の審判なら、これくらいなら勝ちにするだろうな、という範囲内の負け、でしたね。
いつもやっていることをまた見せられた、という感じです。

私は77-75でサンチェスと見ました。
あれだけ最初から最後まで安易にクリーンヒットを浴び続けて勝ちもないでしょう。
サンチェスのコメントも貼っておきますが、カメ2の今後についてまで心配するあたり
ボクシング同様、ベテランの味ですね(^^)

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パンフでアピール

2006-09-26 10:11:43 | 名城信男
そんなことで、にぎにぎしく執り行われておりますWBA総会。
名城も出席しています。

新撰組も鎧兜も断念、パンフでアピールと。

ちょっと見てみたかった気もしますが、
人それぞれ向き不向きってものがありますわね。
まぁ、しゃあないか...(^^;)


しかし、名城のように、世界王座を獲ってもなお、
それを到達点ではなく通過点であるかのように
「将来、アメリカで闘うのが夢」と語るボクサーと、
それを実際に支援する会長さんって
今まであんまりいなかったように思いますが、
こういうことって、これから日本でも増えてくるのかもしれませんね。


実際、今の世界王座って、アメリカでビッグファイトに出るための
通過点に過ぎないというのが、世界の現状であり、趨勢でもあります。

長谷川や名城には、そしてその後に続くボクサーには、
そういう世界の趨勢に乗り遅れないでほしいですし、
フィリピンにおけるパッキャオのように、
アメリカで成功を収めて、その国のボクサーたちの士気を高揚させる
真のヒーローとなってくれたら嬉しいですね。


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サムライ・ナシロ

2006-09-25 23:54:39 | 名城信男
ということで、とりあえずまたも名城ネタ。

WBA総会出席を間近に控え、
なぜかプロレス観戦だそうです。

「サムライ・ナシロ」アメリカに売り込めたら良いですね。
今回の総会でどうこう、じゃなくて。

このクラス、今ならホルヘ・アルセが最大のスターなわけでしょうから、
最大の目標はそこですね。

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丸元、大成す(ベタですいません)

2006-09-24 23:45:29 | 関西ボクシング
そんなことでBSジャパンの川嶋世界戦アンダーカード放送を見ました。

まず、BSジャパン、TV東京のボクシング番組はホントに良いです。
みんなが褒めていると思いますが、私もその仲間入りして、褒めさせていただきます。

ま、「暴走ひろし」ちゅーのはどんなもんじゃろか(^^)という気もしますが、
とにかく視聴者に対し、ボクシングに興味を持つきっかけを作ろうという意志が見えて、
実にいい感じです。

KO連続の前座も、丸元の感動的な逆転勝ちも、そして4回戦も、
川嶋夫妻の試合後の表情も、ぜーんぶ見られて、文句つけるとこがありません。
もう、日本の世界戦中継(カメ除く)は、全部TV東京でやっていただけば良い、
という感じです。


さて、そのありがたいTV東京さまのおかげで見ることができた丸元大成、OPBF奪取。

ここ2試合、アジア圏のチャンピオン(どっちも強かった)に連続KO負けで、
そこから直にOPBF挑戦とは...いくらなんでも厳しかろう、と思ったのですが、
打ったら必ず動き、冷静によく見て打つことに徹した、狙いの見えるボクシングで
チャンピオン山口裕司に逆転勝ちを収めました。

丸元の試合は何度も見ていますが、勝ち負け以前に懸命な闘いぶりで、
観客の気持ちを惹き付ける選手です。
この日もそれは変わらず、初回、ダウンを食いながらも、
そこから果敢に、かつ冷静に闘いました。
いや、見事でした(^^)

防衛戦ではかつて敗れたレブ・サンティリャンなどが待ち受けていますが、
チャンピオンとなってサンティリャンと再戦、というのは
丸元にとって、すごく燃える展開ですね。
また、熱い闘いを見せてくれることでしょう。楽しみです(^^)


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川嶋惜敗

2006-09-19 09:43:24 | 関東ボクシング
えーと、どう考えても無理なスケジュールで後楽園ホール行きを敢行したせいで、
昨夜は川嶋×ミハレス、バレラほかを録画で、しかし結果知らずで観戦できました。
ネット覗くヒマも、ケータイチェックするヒマもない現実が、哀しくも有り難かったです(^^;)

川嶋は、好機にコンビネーションどんどん出すのが持ち味かと思っていたんですが、
昨日に限らず、振り返ると過去の世界戦でも、そのへんが出し切れなかった
試合の方が多いですね。
やはり世界戦で相まみえる相手の防御技術は、多少は玉石混淆の傾向あれど、
おしなべてレベルが高いなあってところでしょうか。
好機に詰め切れないと、やはりそのツケは回ってくるんですね。

判定については、またも最終回にちょっと?なスコアリングがあったらしいですが...。
ただ、川嶋の懸命さを見ていると、勝たせてやりたいなぁとは思っても、
やはり僅差ながら負けは負けに見えました。

相手のミハレスは、防御の意識付けと、技術体系においてひとかどのものを持っていましたね。
2Rはもろに打たれて倒れましたが、その後もヤケになって打って出て、
防御のレベルを落とすような真似は一切しませんでした。
ああいうところ、日本のボクサーにとっても良いお手本にしてほしいですね。


あと、我らが人間国宝ガッツさん(^^)が、ラウンドごとに採点出しておられました。

先日発売のボクシングマガジンに掲載されていた、肝心なところに一切踏み込まずに
亀田擁護派のアジ演説会と化した座談会を読んでがっかりしていたところでしたが、
ガッツさんの堂々たる採点公表には、清々しい気持ちになりましたね。

スコアリングの内容については、私は納得していますが、そうでない方も
もちろんおられると思います。
でも、こういう、堂々たる見解の表明と、問題の本質をそらしようがない
試合中継その場での採点は、ガッツさんでしか出来ないことです。

冗談でも皮肉でもなく、素直に「さすがはガッツさん」と、脱帽したい気持ちですし、
ボクシングファンや視聴者のニーズに思いを巡らせてこういう企画をした
TV東京ボクシング放送関係者の方々にも、拍手を送りたいです。
昔からそうでしたが、あの局は、ホントにボクシングファンの味方ですね(^^)



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成長

2006-09-19 01:10:46 | 関東ボクシング
榎洋之を初めて直に見たのは、実は、試合ではありません。

2001年10月、仲宣明が池森久貴との再戦を闘ったときです。
KOセンセーションとして人気者だった雄二ゴメスを倒し、
当時、ボクシングファンの賞賛を一身に浴びていた洲鎌栄一が、
ジムの同僚、仲の応援のために後楽園ホールに向かう途中のことでした。

私もホールに向かう途中、偶然、洲鎌の姿を見かけたのですが、
ふと見ると、その洲鎌に鋭い視線を飛ばす若者がいました。
どこかで見たことがある顔だと思ったら、それが榎だったのです。

そのときの榎は、本当に、危ない雰囲気をぷんぷんさせていました。
本当に、その場で洲鎌に飛びかかりかねない勢いでした。


榎の試合はまだ見たことがなく、専門誌で読んだ知識だけでしたが、

「コイツ、仮にボクシングやってなかったら、もう行く道ひとつやな」

というのが、そのとき抱いた率直な感想でした。


(しかし、いかにもおとぼけさんの洲鎌らしいというか、
 関係者と談笑しながらホールへ向かう洲鎌は、
 榎の視線にはまったく気が付かなかったようで、
 そのまま行ってしまいましたが...)


その後、幾度か榎の試合を見る機会がありました。
日本タイトル挑戦まで、思いのほか長い年月を経た榎洋之は、
大之伸くま、金井昌聡、武本在樹らを退けていく過程で、
闘志と冷静さを矛盾無く表現する、本物のボクサーへと
成長していきました。


そして土曜日の試合です。
ナデル・フセインとの試合については写真をこちらにアップしましたが(^^ゞ
あの多彩な左の名手に対し、果敢に、冷静に圧力をかけ続けて勝利しました。

デビュー当初の連続KO、その後やや停滞気味だった時期を経て、
日本最強を証明し、そしてまた東洋最強のボクサーとなった榎。
地道に積み重ねた拳歴の重みを、改めて実感させてくれます。
こういうボクサーの成長過程をこそ、もっと多くに見てもらいたいし、
もっと大切に語られるべきものでしょうね。

でっち上げの英雄なんか、もう要りません。
榎洋之が世界チャンピオンになれるかどうかはわかりませんが、
彼のように、確かな道程を経て成長してきたボクサーこそ、
みんなで応援すべき存在だと思います。


それにしても、あの「オトナ」な攻撃的ボクサー榎洋之の姿は、
5年前に見た、危なさ全開のメンチを洲鎌栄一に切っとったあの姿からは
まったく想像出来ませんでした。

どこぞのアホ(←またも本音が...)の、いかにも無理がある
弱々しいメンチとは、ちょっと次元が違うヤバさでしたけどね、ホンマに(^^;)


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明日は

2006-09-16 00:36:54 | 関東ボクシング
てか、もう今日ですが...

こっそり後楽園ホールに行きます。
榎洋之×フセイン戦、やっぱ生で見たくって...(^^ゞ

フセインは3年前の5月に大阪で見て以来であります。
とにかく左の鋭さ、正確さに目を引かれました。
単にパンチが速いんじゃなく、いつ打つか、どこ打つか、という
判断の速さからして全然違うなぁ、という印象を持ちました。

あの榎が、あの左に如何に対抗するのか、できるのか。
私の予想は、実のところ、悲観的です。

そして、その裏返しですが、この相手と闘う榎は、本当に立派だと思います。
OPBFチャンピオンたるもの、こうでなくてはいけません。

そんなところで、榎の健闘を祈りつつ...


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ワールドボクシング休刊

2006-09-16 00:19:15 | その他
休刊の噂を知ったとき、これがいかなる事情によるものかはさておき、
やはり部数的に苦しいんだろうなあと思いました。

とにかくここ最近、田舎でワールド買おうと思ったら、
ちょっとした宝探し状態でしたから。

大手書店を何軒も回っても、大半が一冊も入荷していない。
私がクルマで行動している範囲内で、ワールド入荷してる本屋は二軒だけで、
それも月に一冊だけです。

首都圏や後楽園ホール近くの書店では平積みで売ってますが、
それ以外では、どこでも似たようなものじゃないかと思います。


出版社を変えて復刊予定とのことですが、
どうせ出直しなのだから、ボクシング界における
真のオピニオン・リーダーとして再出発してもらいたいものです。


先月号の尾崎恵一氏コラムのキャプション、

「世界戦の感動は、興行規模ではなく試合内容」

というようなフレーズを、堂々と表紙に掲げるような、
そんな専門誌がないものかなぁ、と夢想するファンは
結構多いと思うんですがね...。

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どこまで続く名城ネタ

2006-09-14 13:57:39 | 名城信男
女子ゴルフの宮里藍と対面、とのこと。

こういう、メジャーど真ん中の人に
名城の試合見てもらえたら良いですなー。
ほいで、なんかコメントしてくれたら。
ホンモノはホンモノを知る、ってなところで。

ほんま、いっぺん来てやってくださいませ(^^)

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