さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

130ポンド級世界戦二本立ての贅沢と幸福 内山、三浦、夢の競演

2013-12-29 07:53:53 | 関東ボクシング



統括団体が複数あっても、王者は基本的にひとりに収斂され、又は統一戦が常識で、
ジュニアやスーパー階級が存在しなかった頃からボクシングを見る人たちにさえ、
「このふたつの階級だけは、認めざるを得ない。それほど世界的に選手層が厚い」と
例外的に認められるクラスがあります。
それがスーパーフェザー級と、スーパーライト級です。

大晦日の太田区では、内山高志と三浦隆司、ふたりの王者が防衛戦を行います。
軽量級ならともかく、スーパーフェザー級で、四大王座のうち半数を日本のボクサーが占め、
それぞれに好カードと言いうる防衛戦が同じ興行で開催される。
なんと贅沢な話か、と思います。出来れば会場で見たいくらいです。
大晦日の興行観戦は大変なこともありましょうが、それでも観戦される方々が羨ましいです。

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さて内山の試合からですが、挑戦者の金子大樹との、新旧本格派対決です。
我ながら古い形容ですが(笑)とにかく楽しみなカードですね。
質実剛健、盤石の王者、内山に対し、これまた正統派、勢いと切れ味の挑戦者、金子の激突です。

かつて日本王者時代の三浦が内山に挑んだ試合のとき、
130ポンドクラスにおいて、世界と日本の王者の対戦が、
これだけグレードの高いものになるとは、なんと有り難い試合を見たのか、と思ったものです。
そして今回、それと同じような試合を見られそうだ、という期待があります。

挑戦者の金子大樹は、玉越強平戦でのバッティングによる試合の「打開」が玉に瑕ですが、
それ以外の試合では、恵まれた体躯に相当な鍛錬を重ねたと見える強靱な肉体を利した
スピード、切れ味抜群の攻撃で、全階級通じて最強の日本王者と呼ぶに相応しい試合を重ねてきました。

一度、8回戦で引き分けた試合をホールで直に見たことがあって、
良い体格で、筋の良いボクシングを身につけているのに、詰めが甘くて隙があって、
もったいない選手だなぁと思った記憶があるんですが、この頃を最後に、
そういう不足を見せなくなって、急浮上してきたという印象です。


この本格派のホープに、あの内山高志が相対したとき、どういう展開になるのか、
あれこれ想像するだけで楽しいですね。
内山の盤石が金子を撥ね付けるのか。金子の鋭利な拳が、内山の牙城を打ち崩すのか。

ファンの勝手な妄想ですが、これまで誰に対してもほとんど揺るがなかった内山が、
金子の鋭い攻撃に対して、序盤から激戦の中に身を投じるような展開があったら、
それはさぞや壮絶なスペクタクルとなるのではないか、と思ったりもします。
かなり大げさな言い方をすれば、日本版ハグラー対ハーンズのような試合が見られるかも、と。

結果がどちらに幸いしようと、もしそんなイメージの試合が見られたら、
勝者敗者の区切りなく、両者を称えられるような、そんな試合になるでしょう。
内山が勝てば、王たる者の真髄を見られるでしょうし、
金子が勝てば、新たなる王に相応しい者が勝ち得た、新たなる栄光の輝きに、
我々は目を奪われることでしょう。

あまり過剰に、勝手な期待をするのはどうか、といつもならば思うところですが、
この二人の激突には、勝敗とはまた別の期待をかけても大丈夫だろう、と思わせるものがあります。
とにかく楽しみな一戦ですね(^^)

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三浦隆司は、おそらく米大陸における知名度、評価という面で、
内山高志と同等か、ことによるとそれ以上のものがあるかもしれません。
それほど、セルヒオ・トンプソン戦は印象的な試合でした。

先日WOWOW総集編で、確かこの試合、6位にランクされていましたが、
個人的には1位でも良いとさえ思いました。
普段のレギュラー放送では好試合連続なのに、生中継では意外にそうでもないという
傾向があった今年一年でしたが、あの試合だけは例外、飛び抜けたスペクタクルでした。

とにかく、最近の日本のチャンピオンの中でも、これほど確かな破壊力がある
「決め手」のパンチを持つ選手は、ちょっと他に思いつかないくらいです。
あの左の威力は、本当にいったい何なんだ、と、こちらの理解を超える凄みがあります。

挑戦者のダンテ・ハルドンは、元々WBC1位の無敗選手だったのが、
玉越強平にKOされるアップセットの後、再浮上してきた選手です。

タフで、ラフで、パワーがある反面、ちょっと防御に難ありかな、と見えますね。
体格が大きいので、長身、リーチを生かして、左リードを強めに打って、
三浦を突き放す構えで来られたらどうかなぁ、と思ったりはしますが、
過去の試合ぶり(玉越戦含む)を見る限り、そういう丁寧な闘い方を
フルラウンド維持出来るようには見えなかったりもしますね。
もちろん初の世界挑戦、意気込みは相当なものもあるでしょうが...。
あとは逆の展開で、突っ込んできて頭突き絡みでややこしいことになったら、とか
まあそういうことでもなければ、順当に三浦が勝つと思います。

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この二人の王者、及び金子が闘い終えたあと、リングの上にはどのような光景が見えるのでしょうか。
内山と三浦が勝ち残り、その先の統一戦への待望がさらに高まるのか。
或いは新王者が誕生して、違う展望が語られるのか。
また、WBO王者マイキー・ガルシアへの「挑戦」も、個人的には語られてもらいたいと思います。

しかし、この、選手層が常に一定以上の「充実」を維持し続けるクラスにおいて、
日本のボクサーたちがタイトルの半数を持ち、そこに新たに挑む新鋭が絡む試合を含め、
ふたつの防衛戦を同時に見られる。重ねて言いますが、実に贅沢な興行ですね。
会場観戦こそかないませんが、結果を知らずに見ることは、充分出来ると思います。
ボクシングファンとして、とても幸福な大晦日だと言って良いでしょう。
今はただ、選手諸氏の健闘を祈っています。



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挑戦者への奇妙な期待と、不安と懐疑 フェリックス・アルバラードは井岡一翔にどこまで迫る?

2013-12-28 07:28:23 | 井岡一翔


WBAライトフライ級モラトリアム王者、としか表現しようのない境遇に身をやつしている
井岡一翔の試合が、三年連続で大晦日に行われます。

最近、この試合のプレビューを兼ねたドキュメント番組やニュース映像をいくつか見ましたが、
実に格好良い作りの映像、井岡に密着した取材と、過去試合の詳細な分析で構成された番組は、
きっと普段、ボクシングに興味を持たない視聴者層にも、強い印象を残すであろう、出来の良いものでした。

しかし、残念なことに、TBSによる、ローマン・ゴンサレスの存在を完全に無視した上での「喧伝」は、
井岡一翔というボクサーの、真の現状を、見る者に知らせる意志が全くないものでもありました。
「報道」の意志を欠いた「プロモーションビデオ」の枠内にしか存在しない一連の番組を見て、
またも井岡一翔という逸材に対し、残念な気持ちが先に立つ不幸を感じています。


今回の挑戦者は「仮想ロマゴン」というような表現がされるように、
同じニカラグア人で、KO率の高い強打者という共通点が喧伝されています。
フェリックス・アルバラードという、名前の格好良さが抜群の、この選手は、
その戦績や、ローマン・ゴンサレスとのスパーリングも含む映像において、
軽量級としてはなかなかの強打を披露しています。

しかし、見た映像の限りでは、ボクシングの作り自体は、そんなに上等にも見えませんでした。
いわゆる「いいの当てた後は、確かに強い」と見える選手ですが、その過程において
世界一流の秀でた何かが見えたかというと、正直、なかったですね。
もちろん、井岡との試合で、映像では見えなかった布石の部分に光るものがあって、
それが井岡を脅かし、追い詰め、ひょっとすると仕留めるようなこともあるのかも知れませんが。


この試合への期待は、基本的には井岡一翔の勝利です。
しかし、過去に何度も書いたとおり、井岡一翔の現状に対し、不満を持つこちらとしては、
せめてこの挑戦者が、ローマン・ゴンサレスと同等とはいかずとも、
中南米の強豪選手に相応しい力量を発揮して、ロマゴン戦が実現しない「空漠」を
少しでも埋めるような試合になってほしい、という願望もあったりします。

一番嫌なのは、挑戦者が思いの外弱く、あっさり勝った井岡が発するであろう、
ロマゴンを完全に無視した(お仕着せの?)自賛コメントを聴かされることですね。
ことに前回の試合のやつは、本当にいたたまれない気持ちになりました。

とはいえ、井岡が負けるくらいに強いというのも困る、という、
何とも勝手な想いもあったりして、我ながら、何だかわからんな、という感じではありますが。


とにかく、この試合は挑戦者がどんな感じかを見るのが楽しみ、という部分が大きいですね。
ツボに嵌まればえらい強いかも知れませんが、的を外せばとんでもなく脆かったりもしそうですし...。

そんなことで、挑戦者に対する、不安と懐疑と、妙な期待をもって、大晦日のゴングを待つとします。
見てるこちらの、現状への不満を、少しでも忘れられるような試合になってくれたら、幸いですが。

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趨勢の変化を見る?/メジャー挑戦なるか/村役場の責任/下田昭文の夢、再び

2013-12-27 20:37:55 | 話題あれこれ

大晦日、東西三大世界戦、いよいよ迫ってきました。

何も師走の忙しいときに、まして大晦日になぞ、と思わなくもないですが、
紅白やダウンタウンに勝てないまでも、そこそこの数字を、というTV局の需要が
世に言う「格闘技」でなく、ボクシングに向いているというのは、話としては悪いわけではないですね。

ただ、東西開催は困ったもので、どちらもTVで結果知らずに見ようとすると、
なかなか会場には行きにくいです。
まあ、井岡の方は心情的にちょっと...です。
今回は相手が良い意味で「未知数」ですので、興味はありますが。

ということで毎度のとおり、予想というかレビューというか、
ようわかりませんが試合前の雑感を、明日以降書いていこうと思っています。
今日は年末の話題をまとめてあれこれと。


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と、いきなり来年の話からですが、ワシル・ロマチェンコのサリド挑戦が決まったそうですね。
3月1日、サンアントニオのアラモドーム。メキシカンが客席の多数を占めると思われます。

オルランド・サリドは、「白兵戦」というか、泥沼に足を取られるような試合展開では
抜群の強さを発揮するタイプで、そういう展開になったら最後、簡単には負けないでしょう。
そうなる前に、何らかの形でペースを掌握して先制し、サリドの強さを(ある程度まで)封じ、
そのまま逃げ切る、という形でしか、サリドには勝てないでしょう。
過去にマルケスやガンボアも苦しみました。
思いつくところでは、マイキー・ガルシアくらいしか、そんな試合は出来ていないんじゃないですかね。

あらゆる意味で、こんな無茶な、と思います。
しかし、それは承知で挑むロマチェンコが、いったいどんな闘いぶりを見せてくれるのだろう、という
ややミーハーな興味も、当然ながらあります。

ロマチェンコはこの路線で世界奪取を果たす前提で、相当高額な契約をトップランクと結んでいるそうです。
いかな金メダリストといえど...というか、金メダリストだからこそ、もっと慎重な路線を採るのが
これまでのボクシング界の常識だったはずですが、そんな趨勢にも変化が起きているのでしょうか。
プロボクシングの競技性が、従来のアマチュアの方に寄っていってる、という現実も、それを後押ししている感じですね。

そんな面も含めて、興味深い一戦です。
出来れば生中継(又はオンデマンド)で見たいなぁ...(^^)

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山中慎介、来年はベガスで練習、王座返上してサンタクルスと対戦希望、とのこと。

年に三度防衛して年末、表彰式で大きな野望を語る、と。
これが日本のトップボクサーの過ごす年末のベタなパターンというものですね(笑)

私も過去記事で希望したとおりの展開ですが、実際にどうかは何とも言えません。
「あちら」から見たら、山中の存在がどういうものなのか、はっきりしませんし。

現時点では、山中が、あちらの選手たちが形成する「リーグ」の一員でないことは事実です。
これは実力以前の問題でして、そのあたりの現状をどう理解して、陣営が動くのか動かないのか...
野球の「メジャー挑戦」とは違って、儚く潰える話かもしれませんが、一応、期待します、と書いておきます。はてさて。

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「大阪コンフィデンシャル」のその後について。

THE PAGEというサイトで、JBCの動きが連日、詳しく報じられていましたが、
過去記事のコメントのとおり、JBCは、ボクシングそのものの社会的信用が毀損されても何もしないが、
自分たちが批判されたら、結構頑張るんやな、という印象です。
なんやら委員会とか、呼び出しとか聴取とか...火の粉を振り払うときだけ必死やね、という。

で、結末は年明け早々、なんだそうですが、私もご多分に漏れず「切ってまえ」と思っているわけですけど(^^)
まあ、そんな嬉しい話になるかどうかは、疑わしく思っています。

これ、結局は田舎の村役場と、「ヤカラ」が「言うた言わん」の話で喧嘩してるようなもので、
こういう組み合わせだと、たいてい「ヤカラ」が勝るものでしょう。
少なくとも、田舎の村役場が完全勝利を収める、なんていう結末は、想像しがたいですね。


しかし、何も昨日今日、ぽっと出のヤカラというわけではない、過去の「実績」十分の相手に対しても、
従来の村役場スタイルのまま対峙し、ルールの合意を形にして残すこともせず、
その結果、ボクシングそのものが、世間に笑われていることの責任は、JBCの側にも、確実にあります。

願望としては、きっちり「切った」上で、森田健事務局長の引責辞任、というのが理想なんですが、
実際、そんな綺麗な話には、絶対ならんでしょうね。はっきり言って諦めてます、私。

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ヤな話で締めるのもなんですので、良い話を最後に。

これ、個人的には、本当に待望の一戦です。
というか、下田昭文の世界再挑戦がやっと決まりそう、しかも舞台がトップランクのマカオ興行。
こんな嬉しい話、ちょっと無いですね。

ご存じの通り、アトランティックシティのリングで敗れ、WBA122ポンド級タイトルと共に、
米国のボクシングマーケットに本格参入出来るかも、という壮大な夢をも失った下田の挫折は、
余りにも痛切なものでした。
あの敗北後、一定以上のレベルにある対戦相手たちと、充実した試合を重ねてきたにも関わらず、
なかなか世界戦の話が出ないのを、奇異にすら思っていましたが、やっと決まりそうですね。

まだ正式に決まったというアナウンスが、帝拳から出ていないようですし、
いきなり「スーパー」王者にランカーの下田が挑む(元王者ではありますが)というのも、
仮に勝ったらその後どうなるの、という疑問もあったりはします。

しかし、そういうあれこれ、つべこべとは別に、下田の勝利を祈ります。
あの敗戦で失った大きな夢を、またも国際的注目が集まるリングで取り返して欲しい。
そして、その先へ、大きな一歩を踏み出してもらいたい。
何よりもまず、そう思っています。


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試行錯誤か欠陥か?疑問多き前半、立て直した後半 村田諒太、二戦目は最終回TKO勝利

2013-12-09 22:09:07 | 関東ボクシング


実は私、デビュー戦がこういう試合になるかも、と思っていたのです。
それがああいう快勝で、そのせいで見えなかったもの、見ておかねばならなかったものが
この試合でかなり見えた、という感想でした。
今更ながら、自分の見る目のなさに嫌気がさしますが。


デイブ・ピーターソンは、一流選手とは言えないまでも、米国に数多、いや膨大な数がいる
この位の体格のボクサーの一員として、その選手層の厚さを体現するための、最低限の武器は持っていました。
大柄な体格、長いリーチ、そして最低限の攻撃技術と、意外なほど柔軟な身体を利した防御と耐久性。
これらが、プロ転向二戦目ながら、常に圧勝を期待される村田諒太の不足、欠落を、あれこれ炙り出しました。

まず、左ガードを高く掲げるのはいいが、左のパンチが出ない。種類が少ない。
今振り返れば、柴田明雄戦でもそうでした。左リードがあまり出ないし、
柴田が右サイドに出るのを、左フックで引っかけず、右ストレートで追う。
右で倒したダウンは強烈でしたが、総じて相手の右回りを右で追っかけていて、
あれはデビュー戦の緊張ゆえか、と見ていましたが、今回もまた同じでした。

そしてジャブを出さずに前進して、右ストレートの距離に入ったら右を打つ。
しかしピーターソンは、探りも測定も甘いダイレクトの右をまともには食ってくれず、
目で外したり、打たれても芯を外していたりで、決定打にならず。
逆に長いジャブや右クロスを食って、4回などはクリーンヒットにより、失点したように見えました。

村田って、こんなに闘い方の幅がない選手なのか?と、見ていて驚きました。
いくらプロ二戦目のルーキーとはいえ、27歳までアマチュアのリングで、
国際的なキャリアを重ね、その締め括りに五輪金を獲得し、プロ転向後も
大手ジムのバックアップを受けて米国でトレーニングをしてきた選手が、
ジャブも出さずに右ばかり打ち、ミスして前にのめり、返しの左でバランスを戻すことも出来ない。
身体の軸が前の左足に定まってしまっていて、右から左へは身体が回るが、左から右に戻らない。

「村田、どこか悪いんですかね」「肩、腰、それとも拳?」「いや、熱が39度あるのでは」とか
同道した方々と語り合いながら試合を見ていました。どう見ても不思議でした。

まさか、これが現状の、村田諒太本来の姿だというのか。
それとも、何らかの意図があっての試行錯誤の一環が、この理に適わぬ、無理と無駄だらけの闘い方なのか。

そんなことばかり思っていた5回、急に左ジャブの数が増えました。あれ?という感じでした。
左が立て続けに決まり、当然、後続の右も、それまでよりピーターソンの急所を鋭く狙うようになります。
それでも柔軟な動きでかろうじて外し、生き延びていたピーターソンですが、
村田は左の返しが上にも決まるようになり、連打の頻度も目に見えて増え、
最終8回、村田の攻撃をかわしきれずに打たれ、ストップ。村田のTKO勝ちでした。


試合前半に出来ていなかったことを、後半に修正して、最後ストップに持ち込んで勝った、
これはある意味、さすがは村田、と称えたい気持ちです。
ボクシングの試合とは、その最中に、がらりと流れを変えられるほど、甘いものではないでしょうから。

しかし試合全体を通じて、デビュー戦では見えなかった問題点も、上記の通り、あれこれ見えたような気がしました。
左を多く出して、距離を維持し、相手を止めて、リズムをとって、というボクシングを作っていかないと、
攻撃の効果を「当て」にして、高いガード、ブロックにのみ依存した防御では、これから相手のレベルが上がっていくにつれて、
今回以上に、簡単に打たれることになるでしょうし、当然、勝ち続けることも難しいと思います。


デビュー戦での快勝は、考えてみればプロのボクシング...ヘッドギア無し、グローブも違い、ラウンド数も違い、
試合の組まれ方も日程も、何もかも違う世界において、村田諒太がいかに数多くの変化に適応し、
多くのことを学ばねばならない、という過酷な現実を、一時的にせよ覆い隠してしまっていたのかも知れません。

試合後の一部報道に、海外のプロモーターがどんどん厳しい試合を組もうとする、というような記事があって、
それに抗うことが出来るかどうか、という国内有力者のコメントが出ていましたが、
むしろ海外のプロモーターの方が、デビュー戦でタイトル保持者、二戦目で13勝1敗の相手と闘わせるマッチメイクを
「急ぎすぎ」と評するのではないか、と思っていたので、奇異な感じがしました。

最近はワシル・ロマチェンコのような極端な例もありますが(本当にサリドとやるんですかね?)、
基本的には、いかにメダリストであろうと、最低20戦はやるべきでしょうし、
村田の年齢を考えても、よほどうまくいって12~15戦、というのがギリギリの線だ、と思っていました。

しかしこの二戦目を見て、それでもまだ甘い、と思いました。
やはり世界の、しかもメインストリームの中量級において、世界を目指すならば、
それこそもっと弱い相手でもいいから、どんどん試合数をこなして、ボクサーとしての強化、高度化以前に
プロへの適応、対応をまず果たさなければ、その先はないのでは、と。

まあ、試合数どうこう、という話以前に、村田が歩む道は、思う以上に厳しいものなのかもしれない、と
今更何を、と言われるかもしれませんが、改めて思い知らされたような試合でした。
そして、そういう試合が、キャリアの早いうちにあったことが、これから先の村田にとって、
どういう意味を持ってくるのか、ということを、早く知りたい気がします。

この試合から得た課題を、我々が思う以上に、高いレベルで消化し、今後の成長、進化につなげる、
そんな村田諒太の姿を見られれば、何よりの幸いなのですが。


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元日本1位、北村雅英氏 統一戦「負けても防衛」を批判

2013-12-08 20:33:31 | その他
村田の試合についてはまた後日としまして、
土曜日に関西ローカルで放送あった「せやねん」を紹介しておきます。

長谷川穂積を早くから取り上げ、前所属ジムの「名誉会長」でもあったことから
長谷川の試合のセコンドに加わっていたり、
西岡の海外遠征や、高山のロマゴン挑戦を高く評価したり、
井岡一翔や宮崎亮の紹介にも積極的な番組の中で、
トミーズ雅こと、元日本1位北村雅英氏は
昨今の地上波TV番組ではちょっと珍しいほど高い頻度で
ボクシングを取り上げる存在であります。

しかし同時に、我々の目には奇異なほど、普通のボクサーとは
明らかに住む(棲む?)世界が違うはずのあのゴチャ一家に対して、
無理矢理やな、と思うほど、批判をせずに擁護し、
彼らがまるで、さも正当な、価値のあるボクサーのように評してもいて、
その辺だけは、どう考えても理解できん...やっぱ、色々あるんやね、
という風にしか思えない存在だったのもまた、事実でした。

しかし、とうとう...なのか、それとも、なのかはさておいて、
北村雅英氏が今回、亀田大毅vsソリスの「負けても防衛」問題に対し、
おおむね真っ当な、正鵠を射る批判をしておられます。
少なくとも他に、TVメディアで、このように、然るべきところにまで踏み込んだ
意見を述べた人物は、他にはいないのではないでしょうか?


ということで、動画紹介しておきます。すぐ消えるかもしれませんが。
偽装批判はその1。その2は高山防衛戦を取り上げています。
こちらは絶賛。これもまた、共感するところ大、でした(^^)








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メディアは何故、この快勝を無視する? 岩佐亮佑、椎野大輝を5回KO

2013-12-08 01:24:41 | 関東ボクシング

今回、上京しての観戦を決めたのは、この一戦が見たかったから、
というのが大きな理由のひとつでした。

あの山中慎介戦を含め、数々の試合で見せた、柔軟な攻防の冴えが
目に焼き付いて離れない、若き逸材、岩佐亮佑。

不利な展開の中でも、剛胆なカウンター狙いでこちらを驚かせる
急浮上の強打者、椎野大輝。

どちらも、先日の「大阪コンフィデンシャル」で世界王者を名乗った
近辺クラスの兄弟を上回る、魅力的なボクサーです。

この二人が、世界への生き残りを賭けて激突する、好カードなのですが、
どうもTVでフルラウンドを見られない可能性が高く、
他の魅力的なカード以上に、この試合への注目が、私を会場へと引き寄せました。
(実際は後日、関東ローカルとはいえ、深夜での放送があるそうで、幸いでした)


試合は立ち上がりから、両者とも利き腕の強打を披露する、話の早い展開。
椎野はサウスポー岩佐の正面に立ち、リーチの差を大胆な踏み込みで消しつつ
右のストレートを豪快に飛ばす。岩佐はやや押されつつも、こちらも長い左。

1回やや椎野、2回はやや岩佐、3回に試合は動く。
岩佐は、好調だった頃の、肩の構えが柔らかく、良い具合に力の抜けたフォームが
徐々に戻ってきた、という印象が見え始めたこの回、左ストレートを連発。
これが正面突破を狙って攻める椎野の顔面にクリーンヒット、続けて二発目、これが利いた。

4回、岩佐が左で試合を支配。椎野は懸命に攻めるが、劣勢。
5回、岩佐の左がカウンター気味に決まり、椎野が後方に飛ばされるダウン。
立った椎野に岩佐が厳しい追撃を浴びせてレフェリーストップ、TKOとなりました。


岩佐は椎野の正面突破に気圧されたかという立ち上がりでしたが、
徐々にその大胆な狙いを、左の好打を重ねて跳ね返しました。
その過程で、岩佐は上記のとおり、好調時のベストフォームを取り戻した感があり、
上体を柔軟に、かつリズミカルに動かしつつ放つ、出所の読みにくい左が
抜群のタイミングで、椎野をことごとく捉えました。

この試合で掴んだ手応えを失わなければ、岩佐の今後は極めて明るいと思います。
彼の逸材ぶりが、存分に見られた、見事な勝利でした。


敗れた椎野ですが、厳しく言えば力の差、ということなんでしょうが、
リーチが長く、タイミングの良い左を持つ長身の岩佐に対して、
終始積極的に、正面からの突破、右強打のカウンター、或いは相打ちを狙い続けました。
これは相当困難な狙いであることは最初からはっきりしていましたが、
もし決まれば、強敵岩佐を一撃で打ち崩すことができる、大技でもありました。

サウスポー相手に、大胆すぎる攻め方だったかも知れませんが、
彼なりに勝機を信じて闘い、結果として敗れたとはいえ、それも勝負のうちです。
私には、敗者たる椎野もまた、称えられるべき存在に映りました。


試合後の休憩時間、同道した方々と色々話をしましたが、
この試合については、これがメインイベントでも充分通る、満足だ、という声ばかりでした。
実に見応えのある試合で、WBC1位とOPBF王者の対決に相応しい、
どちらも立派な闘いを見せてくれた、という印象で、
この後も続いた好試合と比べても、けっして埋もれてしまうような試合ではありませんでした。


しかし天才レフティー、岩佐亮佑が目覚ましい復調を示したこの一戦、
不思議なことに、ネットのスポーツサイトをあれこれ見ても、ほとんど取り上げられていません。
試合の結果すら報じる記事が見あたらないところも多々あり、いったいどうなっているのか不思議です。

とりあえず私の友人のサイトに、写真と展開がアップされていますので、
TV放送まではこちらをご覧ください。


それにしても岩佐、改めて大器、逸材ぶりを見せてくれました。
陣営はWBC王者山中慎介へのリベンジを、WBAの王座を獲った上で
統一戦として行いたい、という希望を語ったそうですが、
どう見ても相手になりうるのは、山中やアンセルモ・モレノであり、
それ以外は攻略以前に対戦至難な「手合い」でしかないので、
しょうもない連中のことはもう考えず、真の標的へと向かうべきでしょう。
それが、彼に相応しい道だと思います。


繰り返しますが、強敵を完璧なKOで退けた岩佐の勝利は、
もっと大きく取り上げられて然るべき、価値あるものでした。
一部の、評価の低いタイトルホルダーのせいで、価値の下落、崩壊も見られる
バンタム級戦線ですが、岩佐の復調と参戦は、クラス全体の価値を引き上げる
大変喜ばしい現象となるでしょう。逸材、岩佐の今後に、大いに期待します(^^)


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全部良い、全部強い まるで小型ゴロフキン 井上尚弥、完勝でOPBF奪取

2013-12-07 10:03:17 | 井上尚弥

ヘルソン・マンシオは、こんなに一方的に負ける選手ではない、と思っていました。
しかし立ち上がり、マンシオがほんの僅かに右のグローブの位置を間違えた
その隙間に井上尚弥の左拳が小さく突き刺さり、試合はそれ以降、
井上のクッキングタイムと化しました。

あの打たれ方を「防御ミス」と呼ぶのも気の毒な、と思うくらい、
本当に小さな、数少ない隙だったと見えましたが、井上はそれを逃しません。
もしあそこで有効打を決めていなくても、いずれ、すぐに他の突破口を見つけ...
というか、見つけたと同時に、もうそこに鋭い軌道の拳が打ち込まれていたのでしょう。

2回、井上の左ボディが決まった、と見えた時にはもう右クロスが飛んでいて、
マンシオは厳しい追撃にさらされ、たまらず、という風情で倒れる。
宮崎亮の、狂気ともいえる「先手」狙いの右カウンター、一撃で
IMPホールのリングに沈むまで、宮崎を攻め立て苦しめていた姿を見知る目には、
この「やられ方」は、信じられないものでした。

マンシオは脅威の粘り強さで闘い続けるものの、3回以降も文字通りの「滅多打ち」に遭い、
4回さらに粘りを見せたものの、5回にワンサイドの展開の中、レフェリーに救われる、
という形でのTKO負け。
この粘り強い選手を、一発の大技で仕留めた宮崎亮のそれとはまた違った凄みのある、
厳しく正確な攻撃の積み重ねによる完勝。井上尚弥は改めて、その実力を示しました。


とにかく見ていて感心し、驚嘆するばかりの5ラウンズでした。
判断が速く、手が速く、追撃が速い。攻防共に鋭く、無駄が無く、間違いがない。
そして終始攻撃的、間断なく続く強打が、時に先制打、時にカウンターとなり、
リングの上に鋭い軌道を描く拳が、殺意を持ってマンシオを襲い続けました。

凄いボクシングやなぁ、でもこんな選手、最近よく見てるような気がするなー...と、
試合中、ずっと頭の中で思いを巡らせて、思い当たった名前が、ゲンナジー・ゴロフキン、でした。


もちろんクラスも違えば、試合のカテゴリーも違います。
しかし今回、見ているこちらの想像の、常に一歩先を行く鋭い攻撃には、
こういう名前を想起させるだけの凄みがあったと思います。

次戦で世界というような話も、ひょっとしたら具体化するのかも知れません。
もちろん頑固に、こういう話を手放しで受け入れたくはないんですが、
デビュー戦から振り返ってみて、この5試合目までの内容と結果は、
少なくとも過去、早期の世界挑戦をしたどの選手のものよりも、
世界への近さを感じさせるものであり、全体的なバランスの良さで言えば
数多の先達を上回っていると感じます。


以前書いたとおり、この逸材を単に怪物扱いするのではなく、
この選手を日本ボクシングの新時代のスタンダードとしての選手育成をしてほしい、と
ずっと思ってきましたが、今回の試合には、そういう私の賢しらな見解を
大きく揺るがす衝撃がありました。やっぱ、この人、怪物ちゃうの、と(^^;)

しかし、ひとつだけ変わらぬ思いもあります。やはりこの選手は、目先の小さな
「アルファベット・タイトル」の保持者を目指すレベルにはない、ということです。
彼が将来、攻略を目指す対象は、あくまでローマン・ゴンサレスやファン・エストラーダであり、
二番手以降の王者たちは、仮に挑むことがあっても「通過点」として見るべきだと。
それが井上尚弥の今後を見るときの物差しであるべき、なのだと。


初めて直に見る「ナマ井上」は、本当に衝撃的なくらい強かったです。凄かったです。
どこがどう良いの?と問われれば、まず一言で「全部」と答えるしかない。そういう選手でした。


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ただ、まあ私の細かい突っ込みとしては、あの入場曲は正直、いかがなもんかな、と
それだけはちょっと気にかかりました。いざ会場でアレを聴きながら
井上の入場を待っている間だけは、正直、いたたまれない気分になりました(^^;)
誰の趣味というか選択なんですかねぇ、まさか本人なのか。そんな歳でもないと思うんですが...。

ボクサーの入場曲談義については、また日を改めてじっくりとやってみようかなと
思ったりもしているんですが...でもこれをあまりマジにやると、
それこそ泥沼の闘い?が待っているような気がして、ちょっと怖かったりもしますけど...。

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王座の価値を高める難敵撃退 八重樫東、強豪ソーサを退けた!

2013-12-07 00:58:23 | 関東ボクシング

ということで、今日は(もう昨日ですか)両国国技館で観戦してきました。

見どころ満載の興行で、どのカードも充実した試合ばかり、
満足度の極めて高い観戦となりました。
ゴールデンタイムで、延長放送枠もたっぷり取ったディレイ中継は、
かつてフジテレビがK1で行っていた形ですが、
大人気だった頃のK1には及ばずとも、少しでも多くの視聴者に、
いろんな選手の試合を見てもらえる良い機会になってほしいと願います。

さらにいうなら、何も浪速のゴチャ親子だけがボクシングではない、
あれはもはや、スイカ食う前に塩を舐める程度の意味すらないのです、
という真っ当な理解が、少しでも広まってほしい、とも。



それはさておき、今日はメインイベントの感想。
八重樫東、1位のシルバー王者、エドガル・ソーサを大差で破っての防衛でした。

最終回3分間の打ち合いを見てもはっきりしていましたが、
まともに打ち合えば、八重樫はソーサには勝てなかったでしょう。
しかし、だからといって単に逃げ腰では、いずれ捉まって打たれる。

全てを重々承知していたのでしょう、八重樫は終始足を止めずに動き、
しかし危険な距離になったと見たら、先手のヒットを取り、
それがかなわず打たれた時は、即座に厳しくリターンパンチを返して相殺し、
さらに追い打ちをし、着実に序盤からポイントのリードを積み重ねていきました。

このパターンを、レベルの高い集中力でもって最後まで実現した八重樫に対し、
ソーサも焦ってフォームを大きく崩しはしませんでしたが、
自分のパンチが一番効く距離を丁寧に外し続ける八重樫を捉えられず。
最終回の打ち合いでやっと実力の片鱗を見せたものの、
大半のラウンドでリードを許し、明白な敗戦となりました。
公式採点は3-0、私も117-111で八重樫と見ました。


長らくポンサクレック・ウォンジョンカムの王朝が続き、
それを攻略した内藤大助が、やや内向きの挑戦者選定を続けてしまい、
最後に亀田興毅に不覚を取った後、ポンサクレック奪還、
そして伏兵ソニーボーイ・ハロ、五十嵐、八重樫という変遷をたどった
WBCフライ級王座でしたが、八重樫が今回、強豪ソーサを下したことで、
この王座は若干下降気味だったと言わざるを得ない価値を、
ポンサクレック在位時のレベルまで再び持ち直した、と思います。
八重樫はこの王座にふさわしい王者であることを、自身の手で証明しました。

今回の試合は一見、地味な攻防に映ったかもしれませんが、
少しでも水漏れがあればそこを即座に突いてくる強敵ソーサ相手に、
心技体全てにおいて充実した八重樫が、ほぼ間違いのない対応を重ねていく様を
終始見ることが出来ました。非常に見応えのある12ラウンズだったと思います。


そういうことで、見どころ十分の興行を締め括るにふさわしい、見事な王座防衛でした。
八重樫東の今後には、色々賑やかな名前が並ぶかも知れませんが、
誰が来てもこの王者を攻略するのは容易ではないでしょう。
少なくとも、彼が手にする王座の価値は、揺らぐことのない、千金のものです。
そう思える、信じるに足る王者が、新たに生まれました。
八重樫東の勝利に、心から、盛大な拍手を送りたいです。


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金曜日は両国です/負けても防衛/動画紹介

2013-12-04 17:46:25 | 話題あれこれ

この金曜日はまたしても上京して、両国にお邪魔します。
直に村田諒太を見たいし、八重樫vsソーサも当然。
あと、フジテレビが椎野vs岩佐を後日フルラウンド放送してくれるか、ちと怪しい。
そして名古屋のドリームボーイ田中恒成のライバル、井上弟も見たい。
これは無理してでも行かねば、というところで、早々にチケット確保しました(^^)

あと、井上兄の相手、マンシオもけっこ強いです。
来日二戦二敗とはいえ、宮崎亮のベストKOといえる右一撃に沈んだ試合において、
フィニッシュの過程までは、なかなかの強さを見せていました。

そういうことで、両国という、大規模ながら見やすい会場ですし、本当に楽しみな興行です。
なんならここに、昨夜の高山の試合も組み込まれていたら、ベストだったんですが。
まあそこは色々あるんでしょうけどもね。

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試合自体は見てないんですが、見なくても十分、あれこれ盛り上がりますね、あの人たちの試合って。

とやかく言う気力はとうの昔に失せてますが、「負けても防衛」という記事の見出しは凄いですね。
笑わす気か、と突っ込むにも突っ込めない。何せ本当にその通りの事態が起こったんですから。

まあ、今までだって大概な無茶苦茶をやってきましたけども、
もうこれ以上酷いことなぞ起こらんやろう、起こりようがないやろう、と思うこちらの想像を
さらに飛び越えたトンデモを積み上げていくこの人たちには、脱帽するしかありませんね。
恥知らずとか面汚しとか、色々形容は出来ますが、そんな言葉じゃ追いつかないというか。

しかし、誰もが想像するとおり、ある方面からの横やりが入って、
前日の合意とは違うルールが持ち出されたんでしょうけど、
こんな形で手元に残ったタイトルに、いったい誰が価値を認めるっていうんでしょうかね。

あと、JBC。これ、認めるんですかね。
駄目だと思うんですけどねー、普通に考えて。
でもまあ、傍目に思う「普通」の通りにならないのがJBCですやん、と言われたら
返す言葉も無かったりしますが。

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唐突ですが最後に動画。大場vs長谷川です。
前座も一部。

世界挑戦はIBFがターゲット、という話が実況の中で出ています。
しかしなぁ...なんか、昨日のあれこれの後ですから、あまりいい気がしないですね。
まあ、普通にやれば何事も無い、というだけの話ではあるんでしょうが。






こちらは先々週の「せやねん」。
普通ならCMカットならぬ「亀田カット」をしてから上げるんですが、
今見ると色々趣があるので(笑)そのまま上げてます。
社長さんに対する上泉アナウンサーの「真の実力を見せて欲しい」というコメントは、いとおかし。
まさにそれを見せた試合ではないですか?




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苦難を乗り越え、さらに巧く、逞しく 高山勝成、帰国初戦に完勝

2013-12-03 21:21:26 | 高山勝成

今日は会場には行かず、TVで観戦しました。理由はお察しのとおりです。

TVで、しかも地上波で、フルに高山の試合をやってくれるとは思っていなかったので、
ちょっと嬉しい驚きでした。


総じて、高山の技巧が冴え渡った12ラウンズだったと思います。
相手の体の軸を良く見て、基本左回りから、相手の右サイドに食いついて打つ。
右回りのときは遠く離れながらの、いわば「巻き戻し」という繰り返し。

サウスポーで、リーチに勝り、パンチも重そうなビルヒルオ・シルバノでしたが、
左ストレートも右フックもほとんど空転させられ、高山の速いパンチをこつこつ打たれ、
徐々に身体全体がふわっとした立ち方になり、集中力が落ちかけるような場面もあり。

高山は時折、軽い連打に右クロスの強打と、緩急をつけた攻撃も見せましたが、
ここ一番の決め手には欠け、倒すことは出来ず。
しかしフルラウンドに渡って高山の攻防一体のボクシングを見られたので、
個人的には満足です。
相変わらず、見所がたくさんあって、見ていて飽きないボクシングです。
加えて、海外での4年の闘いを経て、以前よりも落ち着きが感じられて、
高山勝成が目指していたボクシングの、現状におけるベストを見られたように思いました。


なんか、今日の試合は、相手は6位だけど指名試合、とのことで、
ようわからん話ではありますが、次はWBC王者との統一戦という話があるとか。
WBC王者って...と一瞬考えましたが、そういえば今の王者は、
日本にもおなじみの、中国初の王者、熊さんなんですね(^^)

こないだ、まじで噛ませさんクラスの相手との防衛戦で勝ったそうですけど、
もし実現すれば、高山にとってはチャンスではあるでしょうね。
ただ、実現性がどの程度ある話なのか...いろいろ考えるに、
敵地中国で開催、という形にか、なりようがないのかなぁ、と思ったりもします。
もしそうなら、あまり良い話とも言えないですね。

WBO王座を取って4大王座獲得を目指すという話もありましたが、
そういう試合が実現するなら、また海外遠征という話になるのでしょうか。
私としては、群雄割拠のライトフライ級に参戦して、
井岡、宮崎、井上といった上位陣をかき回してもらいたい、と思ったりもするんですが。


コメント (2)
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