さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

無念の結末も、技巧派の誇りが光った 小國以載、カシメロと負傷ドロー

2023-10-13 00:59:37 | 小國以載



というこどで昨日は当然、U-NEXTのライブ配信を楽しく見ておりました。
色々と賑々しい興行でしたが、とりあえずメインの感想から行きます。


井上尚弥挑戦を目指すジョンリエル・カシメロ、初の来日試合。相手は、元IBF王者小國以載。
小柄ながらパワフルなアタッカーのカシメロに、痩身ながら軸の決まったフォームで、見た目以上の強さを秘める技巧派、小國。
井上挑戦をアピールするために、無名の相手とはやれないということで組まれた試合でしたが、カシメロ有利予想は当然である反面、若手時代から小國を見てきた者からすれば、簡単に勝てると思っていたら大間違いだ、とも思っていたのですが、その通りの試合展開になりました。


試合始まってすぐ、カシメロが右を振って打ちかかる。ボディから上へと返し、小國にロープを背負わせる。
ブランクがちな小國が、勘を鈍らせていて、これに捉えられるようなら話は別だが、小國はしのいで、ワンツーを返す。

カシメロは小柄ながら、スウェイバックの勘が良く、上への右は外す。
ならばと小國、下へ的を変え、ボディストレートや左ボディアッパーを決めていく。
痩身ながら、身体の軸を決めて綺麗に回すフォームで打つパンチは、見た目以上に威力があり、これまでの対戦相手を戸惑わせ、苦しめてきたもの。
無駄の無い、小さい動作で、派手に振り回すカシメロに対抗しうるパンチを打てる、小國の良さが、すぐに見え始めました。


カシメロは右の強打を打ち込んでくるが、ヒットもあるものの、小國がガードに引っかけて、威力を半減させる。
その上で右ボディストレートを打ち、上へのワンツーはあくまで軽打という棲み分け。
そして、カシメロが来て間が詰まり、スウェイされることのない間合いになったら、上への左フックリターン、右クロスもしっかり狙う。


カシメロ、これは容易ならざると見たか、一発強振では無くて、左右フック、アッパーをコンビネーションで打ってくる。
2回、開始早々右ヒット。左右で追撃。しかし小國、左ボディフックを返し、右もボディへ。
この辺が効いたか、小國の上へのワンツーに対し、カシメロのスウェイが間に合わない。ヒットを喫する。
小國は左右ボディから上へ返す攻撃で攻め、前に出る。

この回、小國がペースを掴んだと見えたが、終盤カシメロの右フック、まともに入って小國ぐらつく。
ちょっと危ない場面に見えたが、しのいでゴング。


3回、カシメロの右。小國の身体が揺れているように見える。先ほどのダメージか。
しかし小國、苦しいながらもガードを上げ、締めた構えで前に出て凌ごうとする。
左フック相打ちなど、危ないシーンもあるが、相手のインサイドに右ボディを狙って前進。
上へ小さいスリーパンチ、また下へ右ストレート。そうこうしているうちに、身体が動くようになってくる。
上下のストレートで突き放し、くっついたら左ボディ。小國がまた、良いペースに戻しつつある。



このまま進めば小國の勝利は充分ありえる、と見ました。
しかし、小國が中盤以降も変わらず、良いペースを維持出来るかどうかは、不安あり。
全盛期には、長いラウンドでも巧みにペース配分して、平然と乗り切ったものですが、今の小國が同じように闘えるかどうか。
もしかしたら、小國もその辺の不安は承知の上で、序盤から、カシメロ相手では前に出て叩き、突き放さないと保たない、と判断した...言えば見切り発車のようなスタートが、この序盤の展開なのかもしれない。

そうだとしたらこの試合、まだどちらの手に落ちるかは、何とも言えない。
カシメロも長い試合になった場合、失速傾向があるのは、前回の試合でも出ていたが...。


そんなことを思っていた4回早々、バッティング発生。ドクターチェックが入ったと思ったら、小國の右瞼か、一見して「これは無理」とわかる出血。
前回の栗原慶太戦で出来た傷でしょうか?
レフェリー、即座に続行不可能の判断を下し、負傷ドローの裁定となりました。



小國以載、不利の予想は当然のこと、カシメロの相手に選ばれたこと自体を批判的に言う向きもあったようですが、結果はまたも無念だったものの、この試合内容は、そうした声に対する痛烈な反撃であり、雄弁な反論だったと思います。
体力は衰えても技術はなかなか衰えない、とはどのスポーツでも言われることですが、前回の栗原慶太戦に続き、ラフでタフなカシメロ相手でも、充分に対抗出来るだけの技量力量を、今回も示した。
小國以載というボクサーが、その生涯をかけて培ってきた技巧のボクシングは、有明アリーナのリング上で、確かに光を放っていました。


ただ、正直、今後がどうかという話になると、語りうる未来があるのかどうかは、何とも言えません。
試合内容において、秀でたものを見せた反面、二試合続いた負傷(しかも、いずれも最初の負傷でレフェリーに続行不可能と判断されている)は、今後の展開に悪い影響を及ぼすだろうとも思います。
U-NEXTの実況アナは、再戦という話を、さも簡単そうにしていましたが、そうあるべきだと思いはしても、現実問題として、小國の負傷が治癒する間、カシメロを待たせるわけにもいかないでしょうし。


しかし、その辺のすべてを含めて考えても、私個人としては、小國以載が今なお、これだけやれるボクサーであること、あり続けていたことと、そのために彼が費やした膨大な労苦に対し、敬意を抱き、称賛したい、と思います。
改めて、一見した印象以上の様々な強さを秘めた、素晴らしい技巧派ボクサーであることを見せてくれた。それだけで充分、です。




で、ジョンリエル・カシメロの方ですが、残念ながら井上尚弥挑戦を猛アピール、ということにはなりませんでした。
本人は内心どうあれ、とりあえず言うべきことを言う、ということなんでしょうが...今回はライトな練習しかしてない、井上とやるときは違う、みたいな物言いは、いくらなんでも子供じみているというか。

それよりも、リングの上で見えたもの、見えてしまったものが全てです。
少なくとも、次の試合で井上と闘う資格は、今の彼にはない。そういう結論が出た試合でした。


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U-NEXT、カシメロ小國戦の配信決定 ジュニアチャンピオンズリーグも27日に

2023-09-24 09:13:03 | 小國以載



ということでのろのろと感想文を書いている間に、来月の要注目カードのひとつ、ジュンリエル・カシメロvs小國以載戦の配信が決まりました。
やはりU-NEXTで。しかも、韓国やフィリピンでの興行がけっこう直前(3日前くらい)に発表されたのに対し、今回は日本でやるということで、当然事情も違い、早めに発表となりました。
その辺については伊藤雅雪プロモーターが動画で語っています。







気を遣ってか、U-NEXTは良い、という話に時間を割いてますね(笑)。
でも実際、U-NEXTって、入ってみると価格だけのことは充分あるなあ、と思うことの方が多いです。
海外ボクシングも意外にやってくれますし、ライブでありながら日本語のコメンタリーが付くのも、やはりありがたいですね。


正直、ダイナミックグローブのカード自体は、まだこれからかなあ、と思うことが多いですが、今月末、27日には、ジュニアチャンピオンズリーグの模様も、U-NEXTで配信されるとのことで、G+系のボクシングコンテンツは基本、こちらに全部お引っ越し、という感じですかね。
個人的にはMotoGPなんかも、ひょっとするとG+が手放してこちらに?と気になるところです。関係ないか...。


しかし、こういう特別な興行はまだしも、レギュラー番組たるダイナミックのカードは本当に、CS時代から変わり映えしないのが現状です。
10月は竹迫司登再起戦、相手は韓国の選手ですが、これがまたABEMAの重岡兄弟ダブル世界戦と被る不運。
11月は先日発表がありましたが、飯村樹輝弥の日本フライ級王座初防衛戦、相手は名古屋大橋ジム、激闘王大橋弘政のジム所属、13位の村上勝也。
戦績は良いですが、久し振りにこういう順位の選手がタイトルマッチに出る話を聞いたような。
アンダーに豊嶋亮太vs石脇麻生、浦川大将vs三代大訓がありますから、全体としては良い興行ではありますが、それでもやっぱり地味。

ボクシングファンにとっては興味あり、でも「そこまで止まり」でもありますね。
それ以上の何かを求められてはいない、ということか。それとも...?


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なんと有明アリーナで カシメロ、小國以載戦他、10月12日開催

2023-08-29 05:54:22 | 小國以載




以前、すっぱ抜かれたのかリークしたのか知りませんが(笑)話題に上がっていたジョンリエル・カシメロvs小國以載戦が、昨日正式発表されました。
トレジャーボクシング伊藤雅雪プロモーターのYouTubeで、先週末に「週明け、ライブ配信で発表出来る」と、仄めかし(笑)がありまして、たぶんこれだろうなあと思っていたんですが、なんかいろいろ予想外なことばかりで、驚かされる内容でありました。





メインカードについての記事ですが、確かに不利の予想が立つでしょう。
しかし小國以載の、巧くて気の利いた戦略と、筋の良いボクシングが骨から身についた習熟度の高いスタイルが生きていれば、それをもってカシメロを苦しめるのではないか、と思います。
何しろキャリアの節目で、不利の予想を覆し続けてきたのが小國です。勝敗を言えば、今度ばかりは厳しいかもしれませんが、それでも、何か見せてくれるはず、とは最低限、期待していいと思いますね。


で、こちらは全カードを網羅した、短い動画なんですが。






え、こんなに色々と組むの?というのが率直な感想です。
日比対抗戦みたいなカードが並びますね。昔日の東洋(「太平洋」がつく前の)タイトルマッチぽい雰囲気に近いか。
少なくともメインは、その昔日のグレードだと言えますし、そういう試合のアンダーにノンタイトルながらまずまずのカードが続く、という感じです。


栗原慶太はOPBFバンタム級タイトル防衛戦。相手はかつてフライ級で世界王座に迫り、その後も強打者ぶりを発揮しているフロイラン・サルダール。
残念ながら近々WOWOWで放送される(間が悪いですね)ルイス・ネリー戦では完敗を喫し、さすがに下降線でしょうが、比嘉大吾戦ではダウンを奪うなど、まだ怖いところも残ってはいます。
栗原、この相手をきっちり退けて、世界へアピールしたいところ。バンタム級トーナメント参加ならず、西田凌佑戦もかないませんでしたが、やっと試合が決まりましたし、思う存分やっていただきたいものです。


フィリピンでのトレジャーボクシング興行で、花田歩夢を破ったビンス・パラスが、ミニマム級から上げた石澤開と対戦。
計量失格事件で評価を下げてしまった石澤ですが、フライ級で大きなチャンスを得た形。適正階級かどうか、というのも含め、要注目のカード。

本当なら近年のプロ転向組の中で、一番注目を集める存在でなければおかしい、という声もある藤田健児が、来日四戦目のジョー・サンティシマと対戦。
長身サウスポー下町俊貴には大敗も、大沢宏晋、堤駿斗戦では強いところを見せたサンティシマに、サウスポーながら大柄ではない藤田が、どう対するか。
藤田としては、単に勝つだけではない、内容的にも他との差を見せられるような試合が、そろそろ欲しい。それが高望みなのかどうか。ひとつの答えが見たいものです。


そして日本の154ポンド最強ボクサー、井上岳志が登場。タイのサエンガナン・シットサイトーンとWBO・APタイトルの防衛戦。
前回比国で苦戦した相手と、ところを変えて再戦とかだったら「おお」と思うところでしたが、まあ相手が出さないでしょうね。
相手の戦績もけっこう良いみたいで、油断はならないところですが。

その他、サウル・サンチェスという、アメリカ国籍ですが、名前からしてヒスパニックの選手なんでしょうね、それがフィリピンのRV・デニエガという選手と対戦。
バンタム級で、WBOのランカーに、フィリピンの選手が挑む試合、ということでしょうかか。



正直、カシメロ、小國戦に、メイン級の試合がもうひとつくらいあって、あとは普通の前座試合、という構成で、ホールか、或いは墨田区とか、大田区とかの中規模会場まででやる興行かなあ、と思っていました。
それが有明アリーナとは、正直驚きです。

しかも、開催が週末とかならともかく、普通に平日。フルにキャパシティを使わないのかもしれませんが、それでも1万人くらいの集客がないと「絵にならん」レベルの会場です。
いくら、ホールならメインイベンター級の選手が5人出て、あとはスポンサー関連もあるのかもしれませんが、この条件下で果たして...と心配になります。
これが景気の良い頃なら、スポンサーさんが「どんとこい」だったりしたものですが、今時はさすがに...でしょうし。
私も、週末、土日の開催なら、それこそ上京観戦小旅行と行きたいところですが、さすがに平日では厳しいですね。



こちらは会見後の、伊藤雅雪プロモーターの動画。
何か知りませんが、ええクルマの車内から、というパターン、前もありました(笑)
各選手についてコメントがあります。






気になる配信については、5分30秒過ぎにちょっとだけ。
U-NEXTでやると思い込んでいましたが、まだ本決まりでは無いか、或いは他の可能性もあり?でしょうか。
まあ「少々のこと」なら、このカードなら、私としてはOKですが。当日上京して観戦するより安上がり、ですし。



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闘う解説者兼ジムオーナー、小國以載10月にカシメロ戦へ 配信はU-NEXTか

2023-08-04 16:22:33 | 小國以載



栗原慶太戦の負傷ドロー以降は、ジムオーナーになったとかいう話が聞こえてきたり、U-NEXTの海外試合(WOWOWと被ることもありますが)の解説者を務めていたりするものの、試合の話が聞こえてこなかった小國以載ですが、ここに来て大きな話が出ました。






元世界王者、という以外は何かと対照的なスタイルのふたりですが、考えたら、A-Sign、トレジャーボクシングの枠内で、同じ階級の大物選手同士、組めて不思議のないカードです。
10月、まあ場所はホールなんでしょうが(墨田区とかもある?)配信はU-NEXTでまず間違いないでしょう。
いよいよU-NEXTの国内試合で、こういうレベルのカードが出てきたなあ、という感じですね。

カシメロがサインすれば決まり、ということですが、条件面などに不満がないとしても、カシメロが小國の過去の試合をつぶさに見ていたとしたら、ひょっとすると難色を示す可能性は、まだあるかもしれません。
今の小國が(栗原戦は序盤限定で良かったとはいえ)万全の仕上がりで、タフなカシメロと闘えるかどうか、という不安ももちろん、あるとは思いますが。

カシメロは井上尚弥挑戦というレール?から外れるわけにはいかない、にしては厳しめの相手と言えるでしょう。
対する小國にとっては、それこそ現状、望みうる中で最大の勝負といえるカードです。
是非、正式に決まって欲しいですね。これは楽しみです。




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WOWOWと平行ライブ配信のU-NEXT、16日の解説に小國以載起用

2022-10-08 20:30:42 | 小國以載




少し前に取り上げた話ですが、日本時間16日のワイルダー、ヘレニウス戦をU-NEXTが「独占」配信すると謳い、その後WOWOWでの配信が改めてHP上で記載され、結局両者が平行してライブ配信することになったわけ、ですが。

WOWOWの方は当然?実況解説が付くと思っていましたが、U-NEXTの方は、DAZN同様、英語実況そのままでお送りします、という感じかと思ったら、こないな情報が。






唐突な人選で、びっくりしました。
小國以載の語り口は、A-Signの動画や、TBSで以前放送された井岡一翔との対談でしたっけ、そういう番組でも見たことがあり、なかなか興味深いものがありましたが、海外のビッグマッチ、ライブ配信の解説というのは、また趣が違うものでしょうし...どうなりますか。


まあ、とりあえず解説も元気にやってもらって、次は試合の方にも期待です。
発表間近?の大箱興行出場なんか、あったら面白いのになあ、と思っています。拳の具合が良くなっていれば、ですが。
相手はもちろん...あくまで勝手な想像ですが、ホンマになってくれへんかなあ、と思う次第です、ハイ。



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3年ブランクも違和感は3分だけの驚異 小國以載、負傷ドローも健在示す

2022-05-21 06:50:01 | 小國以載




ということで昨夜はZAIKOのPPV配信を楽しく見ておりました。

小國以載、栗原慶太のトップボクサー対決は、4回負傷ドロー、無念の結末。
しかしその過程において、見たいと思っていたものは見られたという気持ちでもあり、満足感も残った、そんな試合でした。


3年ぶりの試合で、立ち上がり、小國以載のボクシングには乱れというか、硬さや重さが感じられました。
それは栗原慶太の右フックに対する反応であったり、リターンで打つ右の距離感が合わないところだったり、さらに打ったあとの身体の戻しが遅いことであったり。


若い頃から、派手な一発強打はない(とはいえ、強敵相手にダウンを取る試合もけっこうありますが)かわりに、筋の良いボクシングが身についていて、緩急つけるのが巧く、なおかつペースを乱さない確かさがある。
体力面で落ちるとことは多少あっても、技術はそうそう落ちるものではない、とはどのスポーツでも言われることですが、小國はまさにそういうタイプだと言えるボクサーです。


しかし、いくらなんでも3年のブランク、しかも間に手術を挟んで、となれば、やはり技術を支える体力面の不安は大きい。
初回の小國を見ていて、さすがに今回ばかりは...と思ったのですが、それこそ2分か2分半過ぎたくらいから、様子が変わってきたように見えました。

ジャブが単発ながら出て当たり、身体の軸が決まり出す。
打った後のガード戻しが速くなり、上体が無駄に前に出ない。
そうこうするうちに3分が終わり、2回からは、ほとんど以前のままの小國以載でした。


20秒過ぎくらいに栗原の左が小國の右足、付け根か太ももあたりに入って、レフェリーが分けて注意する。
再開、直後に小國が、それまで使っていなかった左フックリードからの右クロス、というワンツーをクリーンヒット。
この辺、普通に巧いというか、目端が利くというか。栗原膝が折れる。続いて小國のワンツー。
栗原右クロスで迫るが、間が詰まると、バネ仕掛けのように左のボディフックが出る。


3回、栗原の右フックが飛ぶ。小國、顔を背ける防御。外し切れはしないが、威力は半減させていたか。
小國、再三左ボディフック好打。栗原は右アッパー出し始める。左ダブルも良いが、小國が抑えている。

4回、両者互いに右アッパーを振り、栗原がヒット。これはクリーンヒットして、小國ロープからロープへ下がる。
しかしまた左ボディフックを決めて立て直し。栗原、追撃を一旦止められる。

栗原右フック決めて出るが、力強い打ち方である反面、打つ前と打った後、共に身体が大きく動く。
対する小國は、身体があまりぶれないフォームが際立つ。
小さい振りでありながら、栗原と同等の効果を上げる右クロス、左フックが打てる。
この辺は、やはり身体に染みついた小國の技術面、その優秀が健在である、と見えるところ。

この、両者のフォームの差が、この先、両者の差を広げるだろう、と思ったときに、バッティングが起こって小國がカット。
かなり酷い傷だったようで、一発でドクターストップ、負傷ドローとなりました。



しかし小國以載、考えたら凄いなあ、と改めて。
3年ぶりの試合で、もちろん本人、最初違和感あったのではと傍目には見えましたが、あっという間に「慣らし」てしまい、ほとんど以前と変わらぬ感じに戻してしまう。
もちろん栗原の果敢な攻めに遭って、中盤以降、どの程度の消耗を抱えねばならなかったかは知らず、どういう展開になったかはわからないですが、印象としては、あのまま進めば概ね優勢に闘えただろう、と思います。
拳の負傷が問題なければ、今後、栗原がバンタムに戻すとなれば再戦は無理でも、他にも闘って欲しい上位陣はいますし、まだまだ頑張ってほしい、と言える対象ですね。

試合としては白熱しかけたところで打ち切られた、というものでしたから、残念でしたが、それでも小國以載の「健在」なところと、栗原慶太の強さと果敢さも出ていて、やはり良いカードは組むものだなあ、という納得感がありました。




今回、ZAIKOの配信は、普段A-SignのYouTubeチャンネルに上げられている動画の画質を安定させて、ライブ配信のため実況をつけ、それをZAIKOというプラットフォームに流した、という成り立ちだったようです。
有料配信として、ハードルを上げて言えば、カメラアングルの切り換えなど、見ていて多少不満もありましたが、とりあえずライブで見られたのは幸いでしたね。



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明後日の小國以載vs栗原慶太戦、ZAIKOにてPPV配信

2022-05-18 16:23:17 | 小國以載



ということで昨日の今日ですが、試合直前にならないと配信の話が正式に発表されない日本ボクシングの慣行?に倣い、明後日の小國以載、栗原慶太戦のライブ配信が発表されました。

昨年、丸田陽七太vs日野僚戦をライブ配信したプラットフォーム、ZAIKOでのPPV。
価格は1480円。少し安くなりましたね。


まあ、試合前々日にこの価格で如何ですか、と言われて、ボクシングの試合のライブ配信を見ようという人間が、この国にどの程度数が居るものかわかりませんが、やはり色々と...端的に言えば業者さんそれぞれの資本規模であったり、提携の有無であったりして、Amazonプライムなどは言うに及ばず、他のところと比べてもさらに難しいのでしょうね。
(八王子中屋ジムのブログなどを見ると、佐々木尽の次戦などについて、ABEMAとの提携を目指しているような話があって、徐々にそういう方向に収斂されていくのかな、と思いますが)


まあ、私なんかは、ホールに観戦旅行に出かけるより遙かにお手頃、と思う側の人間ではありますが...せっかく良いカード組んで、配信という道筋もあるにはあって、でもその行き先が、従来の枠内にしか収まっていないのだとしたら、やはり残念な気持ちにもなります。


まあしかし、とりあえずライブで見られるのだから良い話です。
ZAIKOの配信は、PPVだから当然と言えばそうですが、画質も良いし、お金取るだけのことはあるな、と納得いくものではありました。
無料は有り難いが画質がなあ、と思う配信と比べると、安心ではありますね。







写真をクリックすると、ZAIKOのページに飛びます。





こちらはA-Signチャンネル、両者のインタビュー中心のプレビュー動画。
小國以載にとり、改めて大きな岐路となる一戦ですね。



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もう後がない? 小國以載、3年ぶり再起戦で栗原慶太と対戦

2022-03-10 16:04:39 | 小國以載




小國以載、3年ぶりの再起戦が決定。5月20日、栗原慶太と後楽園ホールで。
2019年5月のスックプラサード戦以来、3年ぶりのリングとなります。


まず思うのは...というか、誰の思いも同じかもしれませんが、海外からの選手招聘が好きに出来ない現状とはいえ、格下相手に様子見、というのでなく、いきなりこの相手と組むのか、ということです。

それはつまり、言ってしまえば、小國本人及び、周辺の認識も、もう後がない、という表現に近いものがある、ということでしょう。
年齢やキャリア、そして負傷で大きな試合を流した、という表面に見える話のみならず、実際に闘った試合においても、時に重篤な負傷を抱えたまま闘っていたりとか、見えてこない話も全部含めて、今の小國が置かれた立場、状況はかなり厳しいものがあるのでは、と。
それ故に、ここでひとつ「勝負」をせねばならない。それも早急に。

元世界王者のベテランというイメージから遠く、若々しいイメージのある小國ですが、過去の似たような立場の選手同様、この手の試合で、その進退を問われることになりそうです。


一階級下とはいえ、見た感じ、一階級上げても違和感なく出来そうな強打の栗原慶太相手に、以前と同じく、遠くから相手のインサイドを正確に叩くボクシングを、高い精度で実現出来るものかどうか。
小國以載はキャリアの要所で、予想不利を覆して勝つ、ということを繰り返し(ロリ・ガスカ戦、芹江匡晋戦、グスマン戦など)てきた、軽視してはならない勝負強さを持つボクサーですが、それでもさすがに今回は...と心配になろうというものです。
その反面、それでもまた、すんなりと涼しい顔で勝っていたりするのかもしれない、と思ったりもしますが...はてさて、どうなりますやら。


何しろ楽しみな、というに止まらない、見逃せないカードが決まりました。

A-Sign興行とのことで、BoxingRaiseないしは、A-Signチャンネルでの配信は必ずあることでしょう。
ひょっとしたらG+の線も...と思いましたが、金曜日ですのでそれはないか。
いずれにせよ、ライブであることを願います。そうでないと、また色々と考えねばなりませんので(何をや)。





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神戸の衝撃から8年 和氣慎吾ー小國以載再戦は4月28日

2021-01-22 20:04:12 | 小國以載




先ほどまでBoxingRaiseのライブ配信を見ておりました。
ダブル日本タイトルマッチは、どちらもコロナなんか吹っ飛ばせ、という勢いの熱戦、激戦と劇的決着でした。
しかし感想はまた後日、ということで。


メイン前に、和氣慎吾vs小國以載8年ぶりの再戦決定、という発表がありました。
神戸サンボーホールでの、小國初黒星、和氣急浮上の明暗分かれたあの一戦から、もう8年が経つのか...と、思わず遠い目になってしまいました。
8年の間に、両者ともいろいろあって、世界戦では直接対決の結果とは逆の明暗があったりもしたわけですが。

これまた、コロナ渦ゆえに組まれたカード、なのかどうかは知りませんが、以前もBoxingRaise配信の試合に小國が出たことはありますし、その流れで、ということなのでしょう。
やっぱり、入ってて良かったBoxingRaise、ということで、これもライブ配信あることでしょうから、有り難く視聴しようと思います。

と、収まったことを言っていますが、このカードばかりはそんなことでは気が済まん(←それはお前の勝手や)かも、というところでもあり...(笑)
また色々と考えないかんところです(何をや)。


とりあえず8年前の観戦記はこちら
小國は和氣戦のみならず、岩佐亮佑戦でも同様でしたが、対サウスポーでは良い結果が出ていませんので、その辺、今度こそ改善というか、変化が必要かな、とまずはそこが気になりますね...。



===============



ということで、一曲。
米津玄師「フローライト」。








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過不足なく再起/再戦?/大晦日なのに関東ローカル/仲良し

2018-12-01 21:35:16 | 小國以載



今日は府立観戦を断念。さいわいにも、BoxingRaiseで動画配信ありとのことで、後日。
ということで、かろうじてG+にて、ホールの試合を数試合だけ、追っかけで見られました。


小國以載はインドネシアのアレガ・ユニアンに、ジャブからじっくり攻めていき、
ひとつひとつ、動作や距離感を確認しながら、という風でした。
ユニアンはタイミングがずれた右スイングで、僅かに小國を脅かすものの、
2回以降、小國が徐々にボディも打ち始めると、ダメージを負って、いかにも辛そう。
4回、ろくに動けない状態になり、小國の左フック(上も下も)で3度ダウン、TKOでした。

文字通り、練習台という感じの相手でしたが、再起初戦ですから、まあ良しとすべきでしょうか。
ジャブは数こそ控えめでしたが、遠くからボディを打てるところなどは以前のまま。
あまり足を使わずに済む相手だったので、その辺は今後、というところでしょう。

全体的に、再始動としては過不足無し、というところでしたが、強敵も多いクラスにあって、
好カード、サバイバルマッチ、というような試合を闘えるかどうかは、まだ見えませんでした。
本人は「恥ずかしながら帰って参りました」とやって、見事に外していましたが(笑)
その後語った「来年4月に強いのと」という話が事実なら、要注目ですね。

...とまあ、硬いことは抜きにして、小國ファンとしては復帰、嬉しい限りです。
良いカードが組まれたら、また見に行かないといかんですね(^^)


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メインは細川バレンタインが、稲垣孝を初回TKO
好機に厳しく詰め、稲垣が防御姿勢を取れなくなったので、ストップは仕方なし。
良いの当てたあと、躊躇無く行けるのは、要は練習段階から充実していて、
体力にも攻撃力にも自信があるから、なので、この辺も以前とは違う、細川の進境かと見ました。

次は井上浩樹戦ですが、ホープと目されるオタ井上にとっても、容易ならざる王者でしょうね。
これまた楽しみな一戦です。

と、番組最後、アナウンサーとセレスさんが試合を振り返り、次回放送の予告をやって終わり、
という流れを見ていると、次回は1月19日生中継、和氣慎吾vs中嶋孝文戦、と言っていました。
OPBF王座獲得前の和氣が負けた相手との再戦なわけですが、その上に「日本フェザー級タイトルマッチ」と表記。

...これは誤記なんでしょうか?源大輝と阿部麗也の試合はどうなったのでしょう?
これを書いている今、ネット検索しても、情報がありません。はてさて。

※あれこれ見るに、単なるG+の誤記、誤表示のようです。そらそうですよね。


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さて、大晦日マカオにて、京口紘人が二階級制覇に挑むエッキー・ブドラー戦、正式発表
しかし、TV放送はなんと、関東ローカルとのこと。

まさか、大晦日にこんなことがあり得るとは、想像していませんでした。
ホントにシビアというか...世間におけるボクシング置かれた状況は、本当に厳しいものです。

しかし、逆に不思議というか、この時間帯、関東以外の地域で、TBS系列は何を放送するんでしょうかね。
放送形態や番組の編成が、かえって面倒やないの、って気もしますが。ようわからん...。


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明日はヘビー級米英対決であります。
ありがたいことにWOWOW様で生中継。こんなときだけ様がつく。

ということで、このご両人、以前の初対面以降、顔合わせればいつもこんな感じです
しかし、なんというか、こゆことをやればやるほど、仲良しやなぁ、としか見えません(^^)

体格差、というか骨格の差が、けっこうある組み合わせですが、打ち合いになればワイルダー、
はぐらかして判定となればフューリーにも勝機あり、というのが、一般的な予想でしょうが、
何にせよ、試合になれば口よりも手ですから、気が済むまで、大いにやりあっていただきたいものです。
ヘビー級の迫力、スケール感を大いに堪能したいですね。



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