さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

手数と動きで「差」を埋められず 高山勝成、奮戦するもTKO負け

2021-05-09 20:23:29 | 高山勝成




ということで、DAZNライブ配信、楽しく見ておりました。
セミファイナルのエルウィン・ソト、高山勝成戦は、ソトが9回TKO勝ち。
ストップの是非なども、多少論議を呼ぶかも知れませんが、簡単に感想を。


立ち上がりから、高山が軽いパンチの数を出し、ソトが重いパンチを返す流れ。
高山は足は動いているが、ガードが少し低いか。ソトは振り回しておいて、インサイドに刺すワンツーが速い。

2回、このパンチで高山、少し効かされる。
この段階で、少しずつ足捌きよりも、ボディにパンチを集める方に、闘い方の比重が移っていったか。

対するソト、序盤の内は、高山の軽いパンチなら、少々は...という感じで、重いパンチを狙っている風。
こういう傾向自体は、この後、高山に多少幸いするだろう、とこの時点では見えました。

3回、高山が手数出して奮戦。4回、ボディ、上の打ち合い。5回も同様。
パワーの差を手数で埋め、ソトの疲れを誘い、あわよくばボディブローの中に、ダメージを与えられるものがあれば、と思って見ていました。


しかし6回から、ソトが巧くリングを「刈り込んで」高山が思うように足で捌けなくなってくる。
重いパンチを時折好打されていて、そのダメージも当然あるが、ソトが攻防共に丁寧になってきた印象。

7回、互いに右へ周り合う。ソト、上体を無理なく動かし、頭の位置を変えつつ攻める。
時に下がって右ヒット。高山は足のベクトルが左右に向かず、前進してボディ狙い。
本来、パンチ力で劣っている方が採る闘い方ではない。苦しい。
8回、そのボディ攻撃も、下ばかり、下狙い、という前提でソトに見られてしまっていて、ヒットしても本来以上の効果が得られない。
ソトが要所で、右から左アッパーなど、好打を重ねる。

9回、高山が出るのを見て、ソトが迎え撃ち。ワンツー決める。ショートの打ち合いでも、高山は出ては打たれ、の繰り返し。
それでも前に出て保たせていたが、ソトのヒットのあと、高山が手を返していたさなかに、TKOの宣告となりました。


高山勝成、調整期間の短さを感じさせない奮戦でしたが、体格とパワーの差を、手数と動きで埋めることはかないませんでした。
ライトフライ級では、さらにパンチングパワーの不足が目に付きましたが、それを補うために、本来、優っていないといけない部分でも、ソトに上を行かれた、という印象です。

序盤こそ、強打者が陥りやすい一発狙い、軽打被弾の傾向が見えたものの、高山の動きをよく見て、サイドへの動きを徐々に封じたし、足を動かし、頭(上体)を振って外し、カウンター狙いで強打を生かし、という具合に、試合が進むにつれて、やることがいちいち丁寧、的確になっていく。
エルウィン・ソトは、パンチ力、体格の優位性のみならず、それを元手に冷静さを持ち、高山のビジーファイトに対応して、強打を決めていきました。
試合の結果は、内容を正当に反映したものだった、と思います。


あと、ストップの是非については、あれは仕方なし、としか言えない、と見ます。
確かに高山の方が手を出している(力無いものでしたが)タイミングで、いかにも間が悪い、絵面が悪い、といえばそうですが、そこまでの展開、高山が打たれたパンチの数、両者のパワーの差、そして高山がなまじ粘り強いが故の、あそこから先に潜む危険...諸々を考え合わせると、あのストップは受け容れないといけないものではないか、と。

高山を応援する心情はもちろんありますが、それを込みにしても「まだこれからやのに」とは、全然思いませんでした。
まあ、あのレフェリーは「その場なり」の仕事をする人や、というのも事実ではあるのでしょうが。


試合後のシャドーボクシングや、まだ闘えたとアピールするジェスチャーが、場内の観衆にどう映ったものか、正確なところはわかりませんが、試合後のコメントなどを含めると、本人はまだ「次」を闘うつもりでいるようです。
まあ、何かにつけ、大きな試合ともなれば進退絡みの区切りに結び付けてしまう、日本的な思考でいけば、如何なものかと見る向きもありましょうし、私のような高山贔屓の身でも、そういう気持ちが半分くらいあったりします。

しかし、この試合出場オファーを受けたことも含め、高山勝成の行動原理は、言ってみれば国際的な基準により近いものであり、彼の振る舞いや言葉が、外国のボクサーのそれであったとしたら、特に違和感なく見られるものでもありましょう。
見た目不相応に年齢も重ねていますし、闘いぶりも含め、苦しいところでしたが、それでもあの大箱で、若い王者相手に怯まず挑み、打ちかかり、様々に手を尽くして闘った末に、まだ「次」を語る。


それが高山勝成なのだ、というしかないのでしょう。
様々な困難と共に、走り続けてきた彼のゴールは、まだもう少し先にあるらしい、ですね。


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明日はダラスでビッグマッチ 高山勝成直前インタビューなど

2021-05-08 13:36:43 | 高山勝成




ということで明日はテキサス、ダラスでのビッグマッチ、DAZNでライブ配信です。

ワクチン接種が着実に進み、それが順調過ぎて?一部では受けたくないという向きも多いという話題まで伝わってくるアメリカですが、その中でも早くから規制を撤廃してきたテキサスならではか。
観客動員について、えらく景気が良いのか何だか分からんですが、7万人入るで、とかいうお話も

単にコロナどうという以前に、普段でもなかなかそういう話にはならんと思うんですが、この辺はある種の「反動」でもあるんですかね。
何しろ、ホンマかいな、と思うばかりだったその数字もあながち...と見えるのが、前日計量の様子。
普通のやつもあったんですが、こちらは空撮の映像です。





一応、普通のやつも。







思わず唖然となりますね。
また、マスク着用率も極めて低いように見えます。
まあ、そうでなければ7万人の動員など、あり得ないわけでしょうが。

ということで明日は、久し振りに盛況の会場で行われるビッグマッチをライブで見る機会になりそうです。
試合内容に不足を感じたとしても、その印象が多少、かさ上げされて見えてしまうということも、ありそうな気がします。
また、高山勝成のような、敵地だろうが何だろうが、勝ち負け以前に大観衆の前で、その果敢さを見せつけてきたボクサーにとり、良い舞台が整ったのではないか、とも。


その高山勝成、現地で杉浦大介氏の直前インタビューに応えています。
記事はこちら

いよいよ明日ですね。
厳しい闘いは避け得ないでしょうが、それでもなお、というか、もう、そういうこっちゃないですしね...。


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高山勝成出立 この週末にはもう試合

2021-05-04 16:26:47 | 高山勝成




ということで、日本時間5月9日、テキサスはダラスの大箱AT&Tスタジアムで、エルウィン・ソトのWBOライトフライ級王座に挑む高山勝成が、関空ではなく、伊丹空港からご出立。
もう、この次の日曜には試合で、DAZNのライブ配信で見られると思います。

TV大阪の動画ニュースがありましたので、ご紹介。
ドキュメント「彷徨う拳」で高山の姿を追い続けているTV大阪ですが、今回の試合も密着取材を行う模様です。


今回、調整期間は短かったのでしょうが、それでもオファーを受けての挑戦を決めた、高山陣営の決断については、少し前にも触れましたが、より世界的な常識に沿って活動している高山ならでは、のものです。

エルウィン・ソトや京口紘人が契約選手に名を連ね、フェリックス・アルバラードも出場しているマッチルーム、DAZN興行のラインナップは、その配信される国の数が膨大で、故に軽量級を含め、多種多様なボクサーにオファーが行くのでしょうが、その流れもあって、今回の高山のように、今後も(従来の常識からすれば)思わぬ?日本の選手に声がかかる、ということは、いかにもありそうに思えます。
そのときに備えて、いつでも刀を抜いて戦場に赴けるような「構え」を、一人でも多くのボクサーが備えていてほしい、と思いますね。


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この話を受けるのも「世界基準」の証 高山勝成、来月9日にWBO挑戦へ

2021-04-17 15:50:23 | 高山勝成




高山勝成にWBO王者エルウィン・ソトから対戦オファーが来て、受諾の方向という記事
ちょっとびっくりしましたが、まあ、日本のランカーの中で、この話を受ける人は、高山以外いないだろうなあ、と思います。

海外じゃ、2~3週間くらいなら受けて当然、その準備が出来ずにオファー蹴るようではやっていけない、という話を聞いたことがあります。
競争のレベルが違うし、プロモートとマネジメントの権益がはっきり区別されているからこそ、でもあるのでしょう。
少なくとも「乳母日傘」とは程遠いキャリアの高山ならではの判断でしょうね。いわばこれが世界の基準でもあるのだろうと。


強敵小西伶弥相手とはいえ、再起して6回戦一試合で世界戦、というのは無理を感じるところです。
小西戦で見せた目覚ましい復調ぶり、というか「蘇生」とでも言いたくなるような姿には目を奪われたものの、小西をさらに一段、全てにおいて上回りそうなWBO王者ソト相手に、次でいきなり12回戦ですから、当然不利でもありましょう。

しかし、カネロvsサンダースのアンダーという舞台でもあり、高山勝成やその陣営は、こういう場を逃さず勝負、という構えで、常日頃から活動しているのでしょう。
それはプロモート権益が「柵」でしかない、他のボクサーたちには成しえない決断力の所以です。


来月のDAZNライブ配信(されるはずです)、ますます楽しみになりました。
敵地のロケーションでこそ光る、高山勝成の果敢な闘いぶりを、しかと見たいものですね。




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動きは切れるが瞼は切れず 高山勝成「6回限定」ながら復活

2020-12-28 17:42:46 | 高山勝成




昨日のエディオンアリーナ、グリーンツダ興行の模様を、BoxingRaiseで見ましたので、簡単に感想。


今回の興行は、まず高山勝成について語らねばならないでしょう。
スタートからトップスピートで飛ばし、左右に身を翻して、ジャブ、ワンツー、左右ボディ、細かい連打を繰り出し、身体の角度をずらして打つ右ダイレクトのストレートも。
捨てるパンチと当てるパンチの配置をよく考えていて、相手の手を引き出して、次、また次、と手を打ち、ヒットを重ねて行く。
この日は6回ということもあってか、失速もほぼ見られず、小西伶弥にしたら、的を捉える機会をほとんど得られず、歯痒い展開のまま、試合が終わってしまった感じでしょう。


高山勝成の試合は、新人王トーナメントに出ていた頃から直に見ていて、確かに一打の威力には欠けるが、非常に高度な攻防一体のスタイルを作ろうとしている、その姿に感心させられたことを覚えています。
その後の波瀾万丈、破天荒なキャリアを待つまでもなく、このボクサーは、他より抜きん出て、深く己を知り、自分の型を追求する志を持っているのだ、と。

その若き高山勝成の姿が、記憶が、一気に甦ってくるような、そんな闘いぶりでした。
正直、今の高山勝成が、こんな風に闘えるとはまったく思っておらず、驚きました。
スピード抜群、攻防の組み立ても際立ち、不安だった瞼の傷も切れず。考え得る中で最高の内容。
確かに6回限定ではありますが、こういう内容を「復活」と言わず、何と言えばいいのか。

やはり高山勝成、只者ではない、ということなのでしょう。脱帽するのみ、です。



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グリーンツダのホープ、前田稔輝は大久保海都に2回TKO勝ちでした。

寝屋川石田ジムの大久保は、会長にも似た痩身、長身の技巧派で、懐を深く使って、目で外し、身体を反らしたままカウンターを当てる技もあり。
前田、立ち上がりからやりにくそうでしたが、徐々に圧力をかけていき、2回、ロープ際で、大久保が身体を寄せられるのを嫌って?打った右アッパーを外し、空いたところに、最短距離を通るコンパクトな左の一撃を決めました。

ここまでなら、他の選手でも出来ることかも知れませんが、怖いのは、この一撃が即、フィニッシュになってしまうパンチの切れ、威力です。
好スタートとは言えない序盤だったはずが、一発で全部ひっくり返してしまう。
決め手を持つ選手というものは、ホントに凄いものですが、それをあの締めた構えと、落ち着いた試合運びの上に備えられたんでは、相手にしたら大変でしょう。

延期になった試合が、なんとか年内に組まれて、ひとつ貴重なキャリアを積めたことも含め、前田稔輝の今後に、さらに期待です。
来年は、日本上位クラスと闘って、どこまで通じるか、というところに、話のレベルが上がって行くことでしょうね。



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グリーンツダの元王者、奥本貴之と矢田良太は、共に敗戦を喫しました。
試合スケジュールの変更を強いられた奥本、地元の試合が直前に会場変更となった矢田、ただでさえあれこれと大変なところに、新たな負担を上乗せするような話で、調整段階でも色々難しかったのだろうな、という印象の試合でした。

奥本は左の単発ヒットはありましたが、逆に古谷昭男の右を再三好打され、いつものサイドからの攻撃に持ち込めず。
矢田は昨年、永野や別府との試合で見せた劣勢スタートを、一発でひっくり返し...かける、という展開を作れぬまま、打ち込まれて敗れました。

共に歴戦の疲弊も見え、ダメージも相当あるだろう、と思います。
程度の差こそあれ、そういう試合ぶり...身体を賭して闘う、というような展開を、何度も見てきました。
ランクで言えば格下、タイトルホルダーでもない選手に喫した黒星は、痛く、重いもので、彼らのキャリアも、いよいよひとつの岐路にさしかかっているのかもしれません。



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ということで、一曲。
androp “Bell” です。








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観戦予定の立てようがない 高山vs小西戦、小西のコロナ陽性で中止

2020-11-23 13:19:04 | 高山勝成



昨夜はMotoGPの最終戦を見るのに忙しく、ネットをチェックしていなかったんですが、今日になって報じられたものか、それとも昨日のうちに出てた話を見逃したのか。
高山勝成プロ復帰戦は、小西伶弥のコロナ陽性により中止に


試合中止の要因は、これまでは色々ありましたが、この新型コロナだけはもう、どうしようもないですね。
誰がどうというのではないし、厳密に予防を試みても、なるときはなる、と。
今回、会場に足を運ばなかったのは、チケットの詳細がよくわからず、最近になって二部興行だと判明した、ということが大きいですが...たった7試合の予定を二部に分けることについて、試合後、少し触れようと思っていたら、6試合になってしまいました。やれやれです。


それにしても、遠方からの観戦予定など、これでは立てようが無いですね。
新型コロナの脅威はもちろんのこと、それによって興行の枠組みが直前まで決まらない、という二重の不確定要素があるのでは...。
私も9月に、仕事による上京にかこつけて、かろうじて一度ホールにお邪魔しましたが、年末や年明けの「目論見」は、もはや風前の灯火、というか。
すでに色々と覚悟を決めているところです。なんともかとも。


しかし高山、復帰を決めたはいいが、当初予定の森青葉戦がなくなり、次に決まった試合がこれです。
見た目こそ若いが、もう多くの時間が残されているわけでは無い身にとり、本当につらいところだと思います。
それでも相手を思いやる言葉が真っ先に出るあたり、他人事ながら頭が下がる思いですが...。



もうすぐ配信が始まるようで、改めてYouTubeのリンク貼っておきます。
残りの6試合、好ファイトになってくれるよう期待しましょう。









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明日は三田/大森欠場/変わらぬ巧さと危うさ/設定通り

2020-11-22 14:27:44 | 高山勝成




明日は兵庫県、三田にて二部興行。
関西ボクシング界は当然、全国的に見ても、こういうメイン級、各ジムの代表格が直接対決するカードが並ぶというのは、なかなかないことだと思います。
しかも有り難いことにYouTubeでライブ配信です。多くに見られると良いですね。






高山勝成ほか、各選手計量パスという記事です。
高山は本当に、復帰初戦でこの強敵か、と改めて思う、小西伶弥との一戦。
普通ならあり得ないマッチメークでしょうが、もうここまで来たら、ということなんでしょうか。
まあ、高山勝成というボクサーのキャリア自体、いろいろと「あり得ない」ことだらけだったわけで、それを思えば「らしい」というものなんでしょうが。
何であれ、勝ち負け以前に、良い内容、経過の上で終わってほしい、と思うのみ、です。


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今日は大阪で大森将平、再起二試合目でしたっけか、予定されていましたが、大森が前日計量で脱水症状を起こしていてドクターストップ、とのこと。
なんとも残念としか。
細かい経緯や実情は不明なれど、ホールでやった再起戦、フェザー級の体重で良い動きをしていたんで、今後は...と思っていたら、またスーパーバンタムで試合が組まれていたんですね。
もちろん、本人の調整失敗が原因なんでしょうが、その辺、ちょっと気になるところではあります。


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昨日のBoxingRaiseライブ配信、内藤律樹は、今野裕介の腕か肩の負傷もあって、9回終了TKO勝ち
巧いけど、巧いだけに相手を引き寄せてしまう余裕が、時に危うい印象も残す、というところは、階級を上げても変わらない、内藤の魅力であり、陥穽でもある。
そんな内藤の闘いぶりを、余すところなく見られた、そんな試合でした。
今野は攻勢を取った回もありましたが、最後は左手が下がったまま動かず、右で探って飛び込んで、と本当に片手でした。
その奮闘は感動的でしたが、無念の結果となりました。

内藤はスーパフェザー級時代、国内上位の強敵を悉く破り、あの伊藤雅雪でさえも敵わなかった、超一流の日本チャンピオンでした。
当時は、CSフジNEXTの生中継カードのメインイベンターとして頻繁に登場したので、彼の試合を見たさに、他に見るもののないチャンネルですが(←それはお前の勝手や)視聴契約をしたものです。
ノリとしてはほとんどPPV視聴でした。
この先、本人のコメントにも出ている面々と、最強の座を決めるようなカードが組まれてほしいものですね。


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セミは好ファイト。木村吉光と仲里周磨の一戦は、ダウン応酬のドロー。
この試合だけでメインの価値あり、という試合でした。

しかし4回、仲里がかすめるような左フックで、これまた左を振っていた木村を倒したのがスリップ判定なのに、7回、木村が手首で仲里を引っかけたらダウンの裁定。
相変わらずの「設定」通りのレフェリングには、鼻白む思いでした。
4回のスリップ裁定のあと、仲里が(改めて)左フックでダウンを取ったので、ダウン一度ずつのドローという結果でしたが、きちんと裁定していれば、普通に仲里の勝ちです。

別に今から結果覆せとは言いませんが、映像をスローで見れば、誤審だったことは誰にでもわかります。
当該のレフェリーに対して、コミッションはきちんと指導なり、注意なりした上で、その事実を公に発表してもらいたいものですね。
何もなしで「人間のやること、仕方ない」で済ませてばかりでは、選手にしたらたまったものではないでしょう。
少なくとも、もう、それで済んだ時代は過去なのだ、という認識が求められる、と思います。



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ということで、一曲。
The Birthday 「オルゴール」。









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さすがに再起即とは...高山勝成に世界戦「オファー」

2020-05-15 05:57:47 | 高山勝成



再起表明したが試合延期、定年の延長は認められている、という状況の高山勝成に、タイから世界戦のオファー、という記事。
そういえば、昨年秋、まだプロでの再起を表明する前には、こんな記事もありましたが。

軽量級ボクシングが「メジャースポーツ」である国のひとつ、タイでは、日本以上に有名であろう高山に、ワンヘンではなくノックアウト陣営からオファー、というか「打診」程度の話が来ただけなのか、と普通なら思うところですが、この記事のトーンはそういう段階では無い、というものです。
もっとも「関係者」の実名が出ているわけでもないので、今のところ、ぼやけた感じでもありますが。

まあ、さすがに一試合もしないで、もう何年もプロで試合してない選手が...と思うんですけど、この記事の書き手は、もうそういうことを指摘すらしませんね。
もう、誰も彼もが、感覚が麻痺した状態やなあ、と改めて思った次第です。

率直に言って、この試合が実現した場合に何を期待するか、とかいうところまで、今のところ、思いが届かない状態です。
しかも事態が収束した後、大阪で...まあ、色んな意味で「遠い」話だとしか思えないんですが...はてさて、ですね。



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高山勝成5月復帰戦発表 無事挙行となるか

2020-03-30 11:22:39 | 高山勝成




高山勝成の再起戦、日時と相手が決まりました
5月10日、大阪は天満橋のエルシアター。大鵬ジムがよく興行を打つ、劇場の舞台にリングを置く会場です。
相手は泉北ジムの森青葉。爽やかな名前が印象的。新人王戦で一度見ましたが、負けたものの良い試合してました。

フライ級で6回戦というのが、今の高山にどう出るかも含め、予想は難しいかも、と思います。
ラウンドが短いこともあり、高山がスタートダッシュをかけるのか、逆にそれをやられるのかで変わってきます。
もし先手取られたら、ベテランとなった今、巻き返しが届かず、追いつけず、という展開もあり得るでしょう。
普通ならキャリアの差、スピードの差を生かし...となるのですが、色々不確定要素が多いです。


しかし一番の不確定要素は、この日程で本当に、無事に試合が行われるのか、ということですね。
ここ数日の「情勢」は、複数の集団感染を除けば、爆発的とまではいかないのかもしれませんが、それでも出てくる数字は確実に悪化しています。
5月を迎える頃には、多少なりとも収束の方向へ...というのは、単なる希望的観測というか願望に過ぎない、と断じられても、今のところ返す言葉もありません。

もし、この試合がキャンセルになった場合は、JBCも「37歳の誕生日まで」と切った期限を先延ばしにするとか、してあげて欲しいものですね。
その辺の想定がどうなっているのか、どこにも記述が見当たらないもので、ちょっと不安です。



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ということで、一曲。
Bryan Ferry “Don't Stop The Dance” です。








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またも境界線を越えて 高山勝成、プロでの復帰表明

2020-03-10 20:51:03 | 高山勝成



高山勝成、プロで現役復帰を表明、とのこと。


驚きのないニュースでした。ていうか、いつ頃になるのかな、と思っていました。
東京五輪に挑む様子を追ったドキュメンタリー「彷徨う拳」の最新放送ぶんの最後を見ていれば、誰でも同じ事を思ったことでしょう。
中出トレーナーとの会話は、どう聞いても、再起への意欲をほのめかした(宣言、とは言いませんが)ものでした。

プロからアマへ、そして甘辛、じゃなくてアマからプロへ。
かつてはJBC未公認時代にIBF王座に挑んだりと、高山勝成のキャリアは、日本ボクシング界の枠にとらわれず、色々とある境界線を乗り越える、その繰り返しだったと言えます。
そういう意味においても、今回の復帰表明に驚きはないというか。ああ、高山勝成の仕業やな、という(笑)。

もちろん、彼をボクサーとしてどう評するかはそれぞれだと思います。
しかし、ボクサーに限らず、人にはそれぞれ追い求めるものがある。追い求める権利がある。
そのために闘う場を求めること自体は、誰にもどうこういわれるべきことではない。
高山勝成の追い求めるものが、プロのリングにまだあるというのなら、その場に赴き、闘えばいい。それだけのことです。



ただ、長年に渡り、そのような高山勝成の闘う様を見続けてきた目にも、プロの現役最後の方の試合ぶりは、プロボクサー高山の存在意義に疑問を抱かせるものでした。
単に衰えがどう、歴戦の疲弊がどう、戦力がどうという以前に、ああも簡単に切れる古傷を抱えたまま、試合のリングに上がることは、適切な判断と言えるのか。
それこそ、対戦相手が、序盤のうちは打つことを躊躇しているのではないか、と見えるほどでした。

もし、あの傷がきちんと治癒しておらず、同じような事態が繰り返されるのであれば、高山勝成には、プロボクサーとしてリングに上がる資格はない、と思います。
見ている者に、真っ当な形で成立する試合を見せられない者は、ボクサーとしてリングに上がるべきではありません。


そのあたり、率直に懸念するところですので、敢えて書かせていただきました。
基本的には、彼が闘い続け(られ)るのなら、やはりそれを見ないでは済まない、という気持ちではあるのですが。




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