さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

誇り高き天才が追い求めたもの 田中恒成三冠達成、木村翔を下す(動画追加)

2018-09-24 21:26:10 | 中部ボクシング




ということで、今日は名古屋にて観戦してきました。
WBOフライ級タイトルマッチ、木村翔vs田中恒成戦は、
事前の期待以上に、双方が持てる力を出し切った、大激戦となりました。

TV放送はCBC、つまり中部地域のみ。関西では完全に放送の見込みなし。
関東ローカルは当日、深夜録画...と思っていたら、二日遅れだとか。
なにこの「いらん子」扱いは、と嘆くのも、正直、諦めの方が勝っています。

そういうことなんで、簡単に経過から。
とはいえ、終始目まぐるしく攻防が展開され、非常に密度の濃い12ラウンズで、
毎度の通り、まとまらない上に長くなります。自分で書く前からわかっております。
どうかご了承を。


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初回、木村翔は両ガードを高く上げて構え、前進しようとするが、
田中恒成はあまり足を使わず、最初からパンチの交換に応じる。
左ジャブから、小さいフック気味、アッパー気味の左を交えて崩し、右クロス。
対する木村は、その前後に右から左フックの返しをヒット。ボディも攻める。

立ち上がりから、探り合いはほぼ無しで、いきなり「持ち手」を見せ合う。
こらまた、えらい試合に当たったぞ、という感じ。
もちろん、それを期待して見に来たわけではありますが。

初回、ポイントは迷ったが、ヒットは互いにあり、田中はジャブをよく当てていたが、
大きなパンチのヒットは木村か?
この辺は、スタンド席からなので、TVや見る場所によって、違うかも、と思うところです。


いきなり盛り上がった初回ですが、2回はそれ以上。
田中が速い左から右ヒット。木村返すがミス。田中ペースかと思いきや、木村右から左フック。
田中が少し下がる。しかし打ち合いで田中が左フックを合わせ、今後は木村がぐらつく。
田中追撃、ボディを攻める。木村も返す。田中の回。

序盤から、田中は左ボディを中心に、意識して木村のボディを攻めている印象。
長丁場になることを想定して、木村の粘る力を削ごうという狙いか。


3回、田中の左が多彩。ワンツー、コンパクトな右。木村左ダブル、ボディ連打。
田中のヒットが上回る。4回、田中左フックヒット、右も小さいのを当てる。

5回、木村手数を増やし、左右ボディ連打から、上にフックの連打を飛ばす。
田中は左ボディを決めるが、木村が手数で取る。
6回、田中が少しサイドステップを踏み始める。悪くはないが疲れもあるか?
木村が果敢に出て、ボディから攻め、攻勢。木村。


7回、両者ボディブローの打ち合い。田中の右が好打するが、木村打ち返す。
最後の方で、田中スリップダウン。互いにヒットがあった直後。ちょっと微妙。
両者間断なく攻めて守って、の繰り返し。
両者なかなか譲らない、意地の張り合い。速いパンチのヒットで田中か。

8回、田中の右左右のスリーパンチ。動いて足で外そうとするが、
木村も執拗に追い、ヒットあり。田中。
9回、木村の右目周辺、けっこう腫れている。田中が左をよく当てているせいか。
田中少しスピード落ち加減?ながらワンツー、右。木村出るが外される回数が増える。
田中回り込んで、またスリーパンチ。田中。

さすがの木村も、そろそろ参ってくるころか、と思いながら見ていましたが、
10回、木村が左右ボディ、右のボディストレートで攻め立てる。
田中、少し止まっていたが、外して右ヒット。ちょっと迷う回、やや木村?

11回、両者、頭つけての打ち合い。驚いたことに、田中の方が押している。
ここで打ち勝たないといけない方の木村が、時に下がり、回る。
速い左を数多く当てられ、ボディも打たれ、さすがに堪えたか...と見えたが、
田中の速い連打に対し、なお打ち返す。田中。


最終回、田中が外して、捌いて終われば勝ち、と思っていたら、またひと山。
間断なく打ち合った両者、疲労困憊ながら、ファイターである木村の方が押され気味な
終盤の展開から、田中が押し切るかと思いきや、木村が最後の最後に奮起する。

両者いきなり、右ダイレクトを相打ち気味に応酬。
木村の右の軌道が鋭い。田中は上体が倒れている。
身体を逃がして、というよりも、疲れから?と見える。

この相打ちを3度、4度と繰り返し、場内騒然となる中、木村がボディ攻撃。
田中、数回に渡って攻め込まれ、足が完全に止まる。
減量苦に悩まされたミニマム級時代に、何度か見た光景。
まさか、ここに来て逆転か?と思ったほどですが、何とか打ち返して試合終了、でした。


採点は114-114が一人、あとは115-113、116-112で田中。
私の採点は、木田田田、木木田田、田木田木、というところ。
迷った回も含めてですが、田中勝利は問題なし、というのが、会場スタンド席からの印象でした。


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それにしても、両者ともに、持てる力を全て出し切った、物凄い試合でした。
見終えて、何よりもまず、両者に惜しみない拍手を、と思った次第、です。


木村翔は、調整期間の短さが厳しいところだったでしょうが、
高く掲げた両ガードを押し立てて、執拗に前進し、田中恒成の速いパンチに対抗。
左ジャブを防ぎきることは難しくても、追撃の右や、左フックの返しは、
かなりの回数をブロックして、腕にバウンドさせつつ、攻め返す。

しかし、攻撃面では、執拗なアタックも結果的に、田中を捉え、仕留めるには至らず。
これは田中恒成が、意外に足を使わず、速い連打で攻めてくるという選択をし、
それがかなりの部分、奏功した、という面がありました。
また、序盤の好機の際、田中が上に追撃を狙い、詰めようというより、
ボディを打って、木村の反発力を削ごうとした、その効果もあったと思います。

しかし、それでもなお、最終回にあの攻勢を見せるのだから、一言、畏るべし、です。
激しく、厳しい闘いの中で、見ているこちらとしては、何度、感嘆させられたかしれません。
もうええ加減、参ってしまって不思議ない、と思う場面でも、
彼の闘志は衰えず、その姿は最後まで、勇猛果敢としか言えないものでした。

私が一昨年に見たとき、木村翔が、これほど攻防ともに厚みのある、
一級品のファイターになるとは、まったく想像できませんでした。
まあ、元々、人より見る目があるわけでもないですが、
それでも改めて、木村翔に脱帽し、拍手したいと思います。


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そして、田中恒成。こちらは試合開始早々から、思った以上に足を使わず、
木村翔のパワーや手数に対し、捌くのでなく、スピードと切れで打ち勝とう、という風に見えました。

タイプとしては、動いて外して、ポイントアウトを狙うべきはずの田中ですが、
先手で、一度か二度はどこかで叩いておいて、その上で捌く、という闘い方ではなく、
思った以上に、打ち合って勝とうとしているように見える時間帯が、長くありました。

セコンドがどういう指示をしていたものか、会場ではわかりませんでしたが、
結局のところは、田中恒成本人の意志があっての「敢えてこそ」の選択だったのでしょう。
その分、かなり被弾もしたし、木村を完全に打ち崩すとはいかなかったものの、
速くて切れ、鋭く多彩な攻撃は、勝利を掴むに充分なものだった、と見えました。


その闘いぶりは、もちろん地元だから、というのもありましょうが、
場内から途切れることない歓声(と、悲鳴も)を引き出し続けました。
そのただ中に身を置いて、試合を見終えて思ったことは、
この人は、理よりも情が勝つ天才なのだな、ということでした。

試合後のインタビューでも、木村翔の調整期間について言及し、
たった今、下したばかりの相手を、自分より上に置くような言葉さえ発する。
自身の才能に対して、本当に誇りを持っているからこそ、
対する相手についてもまた、敬意を払う言葉が出てくる。

何も、ボクシングに限った話ではなく、どのような世界においても、
「本物」とは、そういう心のありようを、当然、自然のこととして、持っているものです。

真に誇り高い「天才」だからこそ、自分の目指すものの価値を、誰よりも強く信じているからこそ、
その闘いぶりや言葉が、時に多くの理解を得られない部分もあるかもしれません。
世代的にも、そのボクサーとしての経歴からも、井上尚弥に次ぐ「新時代の旗手」と見える
田中恒成ですが、同時に、どこか今時やないな、肩肘張って生きてるなあ、とも感じていました。

そして、今日の試合を直に見て、その印象が、思いが、はっきりと確信に変わったような気がします。


その心のありようが、彼の、ボクサー田中恒成の今後を見るとき、
必ずしも正しく、良い方向にのみ働くのかというと、そうではないのかも知れません。

何よりも、優勝劣敗、酷薄無情の世界、それがボクシングです。
時には情を捨て、光を追わずに立ち回ることが、正しい選択とされることもあるでしょう。

それをわかった上で、それでも、今日の田中恒成(と木村翔)のように、
誇りうる勝利を追い求め、持てる力の全てを出し切って闘って見せてくれる、
そんなボクサーの姿こそ、私たちの求めるものではないでしょうか。
まあ、あれやこれやと、常日頃、賢しらに書き綴っている身で、勝手この上なし、ですが。


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今日は、見終えて本当に、心が満ちた観戦でした。
見たいと思うものを、充分過ぎるほどに、しっかりと見せてもらえた。そんな試合でした。
改めて、両者に拍手、そして感謝、です。



※動画をご紹介。
数日、或いは一日で消します。お早めに。

※他に海外に配信されたもの?などが複数あるようですので、
そちらに貼り替えておきます。
場内音声のみのですが、これはこれで良いものですね。





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敗北の後の話/雪辱目指す/大陸のスポンサー/残り2千枚/シノギの一環/生中継あります

2018-09-20 21:21:13 | 話題あれこれ



月曜日の名古屋決戦を前に、話題をあれこれと。


ゲンナジー・ゴロフキン陥落、王朝の終焉の後、こういう話も

村田諒太が次の試合に、良い内容で勝ち、商品価値を大幅にアップさせるようなことがあれば、
けっして非現実的な話でもない、と言えるかもしれません。
もしそうなれば、イベントとして、東京ドームというわけにはいかずとも、
横アリ、さいたまSA級の会場であったとて、話としては違和感ないだろうなあ、とも。

試合後、村田が冷静に、動じることなく語った「状況分析」の言葉...
「次の試合に勝って、2段階、3段階くらいステップを踏まないとたどりつけない」というのは、
まったくそのとおり、というか。どっちが勝とうが負けようが、そうやろうに、とも思いますが。

そして、ここに語られる「ステップ」のひとつとして、ゴロフキン再起戦の相手を務める、というのは
新王者カネロに「たどりつく」目的にかなうもの、と言えるでしょう。
まあ、まずは次の試合ですね。ここを乗り越えないと、始まりませんから。


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田口良一、再起表明。クラスはライトフライに留まり、
エッキー・ブドラーへの雪辱を期す、とのこと。

やっぱり、オプションのことなども考えると、世界戦を早く組むには...ということでしょうか。
田口が良いコンディションを作れるなら、体格や馬力を生かせる、とも言えましょうが。

前回の敗戦は、確かにブドラーの左右旋回と手数も良かったですが、
それとは別に、田口の側の不調も目についた試合でした。
階級変えずに、その部分を改善出来るものなら、雪辱も期待大、ですが、どうなりますか。

やるなら年末、TBS、という構想なんでしょうかね。
...なんだかだいって、ボクシングやってくれるのはありがたいことですね。
文句ばっかり言うてんと、たまには感謝もしないといかんですね。


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木村翔に、中国企業、2社がスポンサーについたとのこと。

ゾウ・シミンを倒し、中国で有名になった木村の、所属する青木ジムには、
日本駐在の中国人ビジネスマン会員がいて、その縁から、という話ですが、
記事によれば、相当名の通った企業みたいです。凄い話やなあ、と。

中部でしか生中継がない今回の試合自体に、ではなく、
木村個人へのスポンサーだという「構図」には、ちょっと複雑な気もしますが、
こういう良い話に加え、セコンド陣も充実とのことです。

私は大阪で試合したときの木村翔について、将来を期待出来る、とは
全然思わなかったのですが、もっと早くから木村に、大成する素質を見出していた、
というベテラントレーナーの存在は、木村にとって、大きな力になることでしょう。
月曜日、ますます激戦必至、という気がしてきました。


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横アリinWBSS、チケットは一万枚売れて、残り二千枚くらい、とのこと。

あの大箱、入れたらもっと入るはずやのに、と思ったんですが、
WBSSの会場演出スタッフなどが大挙して押しかけ、大量に機材持ち込むのだそうで、
その影響なんでしょうね。多分、今まで直に見たことないような雰囲気になるのでしょう。

見たことないといえば、Sライトのベラルーシvsロシア戦なども。
この組み合わせを直に見ることになろうとは、想像したこともなかったですなー...。


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先日、ボクシング・ビート誌に、音楽関係のイベンター?が主導して、
メイウェザーvsパッキャオ再戦を日本でやろうという動きがある、という話が
「噂」として載っていました。

正直「なんのこっちゃ」と思っていましたが、メイウェザーが会見はしたものの、
商売の話だけ勝手にして、再戦の日本開催については「ほのめかす」程度で終わったようです。

まあ、そらそうやろなあ、というしかないですね。
パッキャオがWBAタイトルを獲ったこともあり、試合の名分を立てやすくなった、
ということもあるのでしょうが、やるにしたって他の国でしょう。

ただ、試合自体は、本当にやろうとしているようですね。
何より、引退した身で、何やったって稼げっこない金額が、一気に手に入りますから。

メイウェザーの、常軌を逸した浪費癖はつとに知られるところですが、
数千万から数億の「マッスルカー」とかいうのを何台も持ち、
プライベートジェットもあり、マクレガー戦直後に50億円以上の豪邸を買い...
細かいとこでは、一枚数万円のシャツも、一度着たら二度と着ないで捨てる、とか、
まあそんなことやっとって、普通に引退してたら、すぐ破産してしまうでしょう。

対するパッキャオも、税金でどうのこうのとあり、米国以外でやれる場所は、となって、
中国や中東や、というのと同列に、日本で、という可能性を探ってみた、というところなのでしょうね。
残念ながら、ご両人とも、自身の日本における知名度、商品価値を、
そして日本の現状における経済力を、正確に把握出来てないのでしょうね。残念ながら。


現状「無い話」としか言いようもありませんが、それに絡んでくるのが協栄と、あの一家とくれば、
やっぱり中身がない話やな、と保証書が付いたようなものです(笑)
それにしても、顔出せるとこあったら、どこにでも出てきますねえ。
メイウェザーの「誰やコレ」という表情が、いとおかし、です。


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と、全然関係ない話ですが、次の日曜、日本時間23日、DAZNにて生中継あり。
アンソニー・ジョシュアvsアレクサンドル・ポベトキン戦です。
ついに予定が出ました!(^^)!

...時間は、午前2時から、とあります。
まあ、メインはだいぶ後からですので、少し早起き、くらいでいいと思いますが。
念のため、5時半か6時くらいには起きようかなぁ。


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「時が過ぎた」現実を炙り出したもの ゴロフキン初黒星、カネロ新王者に

2018-09-16 14:38:31 | 海外ボクシング



ということで、生中継を見終えての感想を簡単に。

ゲンナジー・ゴロフキンとカネロ・アルバレス、因縁の、という以上に
「曰く付き」の再戦となった試合、私の予想は、というか、想像はカネロ判定勝利、でした。

「予想と応援は別」という格言?の典型ともいうべきもので、
前回の試合内容でも見えた、ゴロフキンの体力面での下降に対し、
若いカネロの肉体は(その手法を選ばず?)強くなりこそすれ、衰える時期ではない。
その上に、前回の内容でドローなら、もう少し内容を上乗せすれば、次は勝ちになる。

カネロに対して思うことは様々にあれど、同時に類い希なる逸材であることも事実でしょうし、
この流れで、若い方が負けとったんでは、話にならん。そこまでのスカでもなかろうと。
あまり楽しい想像ではないですが、そんな風に思っていました。


実際の試合ぶりは、その想像通りだった面もあれば、違っていた面もありました。

序盤、カネロが踏ん張って構え、引かない立ち上がり。
意外なほど詰めた「間」で、ジャブの応酬。ややカネロ。

2回、カネロ左アッパー、左ボディから右クロスの対角線コンビ。カネロ。
3回、ゴロフキンの呼吸音をマイクが拾う。早くも息が荒い。カネロ。

4回、ゴロフキンのジャブ、ボディの的中率が上がる。カネロ最後ポイント相殺に出る。微妙だがゴロフキン?
5回、カネロのボディ、右がまさる。6回カネロ左ジャブで支配、最短距離を通る右も。カネロ。

ここまではカネロ勝利の流れと思っていましたが、この後、徐々に流れが変わります。

7回、ゴロフキン、手数で上回るが、カネロのボディ、右もある。ゴロフキン?
8回、カネロ右フック当てるが、ゴロフキン、ジャブが良く出る。ゴロフキン。
9回、ゴロフキン左右フック狙う。右は耳の上、左は斜め上からこめかみを狙う。
カネロのボディ攻撃も目を引くが、ポイント相殺出来ているか、微妙。カネロ?

10回、ゴロフキン右ヒットも追撃焦り、ミスブロー連発。カネロはボディ当てる。
しかしカネロも疲れか、頭が止まり、ゴロフキンのワンツー、追撃も受ける。ゴロフキン。

11回、ゴロフキン右、カネロ初めて自ら下がるが、迎え撃ちの右アッパーをボディに決める。
これまた難しい。全体、攻勢で微妙にゴロフキンか?
最終回、ゴロフキン左フック、ジャブでフォロー、右アッパーと攻めるが、
カネロがその後手数ではまさる。ゴロフキンにつけるけど、逆もある?という感じ。


さうぽん採点は、カカカゴ、カカゴゴ、カゴゴゴ、迷いつつ、またしてもドロー。
しかし、これほど迷うというか、逆もあって不思議じゃない、というラウンドが多い試合は、
世に数多の「接戦」あれど、なかなか無いような気がします。

特に中盤以降、どのラウンドでも、好打があれば反撃があり、攻勢があれば有効打があり、
という具合の、目まぐるしい「ポイント相殺」の応酬が繰り広げられました。
公式採点は2-0、7対5が二者で、カネロを支持しましたが、
ドロー、僅差でいずれか、どの判定も間違ってない、という試合ではなかったか、と。


ただ、寂しいことですが、誰の目にも、ゲンナジー・ゴロフキンが全盛の力を失い、
衰えていることもまた、明らかでした。
そして、カネロ・アルバレスが、それでも充分脅威の力を持つ王者に対して、
前回と違って、間を詰めて構え、踏ん張って攻める闘い方を選び、それをやり通したからこそ、
その事実が炙り出されることにもなったのだと。

どれほど偉大な王者とて、誰に負けるというでなく、時の流れに負けるものですが、
今日、僅差とはいえ勝利を得たカネロは、それ「だけ」の理由で、勝者となったのではない。
カネロ自身にも、確かな「勝因」があった。それは、濃密な試合内容、全般に出ていたように思います。
その一点においては、納得出来る新王者誕生ではありました。

もちろん、この再戦を延期させた諸々や、これまで、そしてこれからの、王者としての立ち振る舞いなどに、
あれこれ疑い、思うところは当然あり、それを省いた話をすれば、という注釈付きではあるのですが。



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アンダーカードはWOWOWオンデマンドで、先行ライブ配信されていました。

ローマン・ゴンサレスは、モイセル・フエンテスを5回、カウンターになった右でワンパンチKO。
調子はそこそこ、という感じか。
Sフライとかバンタムとかだと、もらうお返しのダメージが気になる、という面も変わりなし、ですが。

ハイメ・ムンギアはブランドン・クックを3回TKO。
初回少し見てたかと思ったら、左ボディ、右クロスでばんばん攻め込む。
3回、左フックで倒し、倒れる途中のカナダ人にもう一発、左。追撃してストップ。
若いし元気だし大柄だし、まさしく大器、逸材です。
順調に伸びたら、カネロの次を担う存在になるのかも、と思いますが、
若さに任せて、間隔を詰めて試合させすぎると、雑になる部分も出てきそうです。
マネージャーの方針まではわかりませんが、良いときだからこそ、慎重にお願いしたいものです。

デビッド・レミューはゲイリー・オサリバンを初回、左フックでKO。
エルキュール・ポワロのような顔のオサリバン、良いジャブ決めたと思ったら、
次はそれにカウンター取られて、一発でした。


前座はアーリーKOが多く、メインは見応え十分の内容で、大いに楽しい生中継でした。
月末には、ホルヘ・リナレス再起戦もオンデマンド配信とのことで、これも楽しみです。

気になるのは、ジョシュア、ポベトキン戦て、確か来週末だったような気がするんですが...
DAZNさん、そろそろ予定出してもらえませんかね...?

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国内最高は充分に証明した 井上拓真、MJヤップをほぼ封殺

2018-09-12 09:02:43 | 関東ボクシング



ということで、昨夜はこっそり後楽園ホールにお邪魔しておりました(^^)

先に決定戦が行われたのは重々承知で、やはりこのカードこそが、
日本バンタム級の最高ボクサーを決める試合だろう、ということで注目の一戦。
TV放送は次の日曜、16日に関東ローカル、という話ですので、経過から簡単に。


序盤、マーク・ジョン・ヤップが回り、井上拓真がじりじり追う。
両者フェイントの応酬、手数自体はさほど。若干静かな展開。
ヤップがワンツー出すが、井上は外して右アッパー、左フックをリターン。
3回はヤップがワンツーをボディに伸ばし、際どく取ったか。

外して合わせる際、井上の一瞬の速さが目につく。ヤップは相対的にスローに見える。
打っても外されるせいか、徐々に弱気な表情、消極的な印象に見えてくる。
途中採点は39-37井上、あと二人は38-38。私は井井ヤ井で、最初のと同じ。

双方ともに途中採点で何を思うか、どう動いてくるか、と思った5回、
ヤップが右ヒット、少し攻め。しかしヤップの右を外した井上が左フックを合わせ、
ヤップがバランスを崩されてダウン。ダメージは浅そうだが、痛い失点。
ヤップ反撃も、井上は小さい右ダイレクト、右アッパーで脅かす。

6回、ヤップは右ストレートを外されて、井上の右アッパーを返され、
少しロープへよろめく。7回も井上がインサイドへカウンター。
8回、井上がさらに左を多彩に繰り出す。中盤は井上がほぼ支配した印象。
ここで途中採点は3-0で揃う。

9回、相打ち気味の攻防が増え、ヤップ左フックヒット。右で追撃も、井上右返す。
10回、ヤップがさらに出るが、今一つ迫力に欠ける。もっと「牙を剥く」感じでないと、
この程度では、井上にとり、リターンやカウンターの「当てどころ」が増えるだけ、という印象。

11回、ヤップが奮起して手を出すが、井上は足使いつつ、大半をガード、ブロックで受けきる。
そのうえで左フック、右クロスを当てる。終盤に来て、この防御の冴え加減には驚き。
12回、打ち合いになるが井上がヒットでまさった印象。

判定はひとり、114-113という意味不明スコアが出ましたが、
後のふたりは116-111、117-111、というところで、井上拓真の勝利でした。
さうぽん採点は、井井ヤ井、井井ヤ井、ヤ井井井、5回にダウンがありましたので、
117-110、ですね。あれ、一番開いてるなぁ。若干ヤップに辛いかもです。


井上拓真は、じりじり出て圧し、ジャブはそこそこ、ヤップのワンツーを外しては、
身体を逃しつつ打つ左フック、或いは右アッパーのリターンパンチを当てる、という流れ。
時折ワンツーのボディ打ち、左フックを好打されたりはしたが、全体的に試合運びの巧さ、
攻防の切り替えに冴えたものを見せ、しかも試合終盤になっても、その質が落ちませんでした。

井上拓真は、これでWBCの次期指名挑戦権を獲得したとのことです。
フランスのウーバーリと、あのルーシー・ウォーレンが決定戦をやり、
そこにタイの選手が挑戦して、その次、という回りくどい話ではありますが、
遠からずWBCタイトルに挑戦することになるのでしょう。

この試合で、日本バンタム級の国内で最高の選手であることは十分証明した、
その点では諸手を挙げて称えたい井上拓真の試合ぶりでしたが、
後述するヤップの物足りなさなども含め、リターンやカウンター、防御は冴えたものの、
それ以外の攻め手には、不足も感じました。

時折、鋭いタイミングで打ってはいたが、今一つ浅く、際どく急所を外していた
コンパクトな右ダイレクトや、右アッパーのカウンターが決まらなかった点などは、
世界戦への課題でしょうし、ましてウォーレンあたりに挑むとなれば(その可能性が高いと思います)、
外して合わせる「だけ」の試合しか作れないようでは、なかなか厳しいのではないかと。

もちろん、その部分をさらに磨いて、さらに一段上の強さを身に着けてほしい、と期待はします。
また、その余地が十分ある選手だろう、とも思います。
全体的に、彼の質の高さが見られた試合でもありました。11回なんか、本当に感心したなぁ...。



対するマーク・ジョン・ヤップは、井上の構えに圧され、打っても高い頻度で外されたせいか?
序盤から逡巡したか、表情に弱気が見え、スピード、切れが感じられず。
もっと思い切りよく攻められないかな、と思っているうちにダウンも喫し、
リードされて追いかける展開になり、そこからの反撃も、そこそこ止まりの印象。

ここ数試合で、山本隆寛戦や、益田健太郎戦での爆発力を見ているだけに、
全体的に物足りなく映った、というのが正直なところです。
そうさせたのが、井上拓真の巧さであり、レベルの高さ故だったのだろう、と
理解するべきだし、たぶんそれが正解なのだと思いもしますが...。

セコンド陣も一生懸命ハッパをかけ、フィリピンの国旗を見せたりして、
励ましていたんですが、それにヤップがしっかり応えたかというと...
まあ、仕方ないといえばそれまでだし、それ以上の何事かを求めるのは、
あくまで傍目の、ファンの勝手に過ぎないと、わかってもいますが。
しかし、それでもなお、ちょっと残念だったなぁ、と思った次第です。


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平日上京、弾丸観戦ツアー(笑)ということもあり、あまりアンダーカードのことまで
子細には知らず会場に足を運んだのですが、あれこれとまあ、見どころ満載の興行でありました。

セミは平岡アンディと吉開右京の再戦。前回は3ラウンドまでに一度ずつ、
計3回のダウンを奪った平岡が、防御の差とコンパクトなカウンターの威力を見せてKO勝ち。
今回は吉開が何をどう変えてくるのか、と思ったら、サウスポースタンスで立ち上がるという
意外なスタート。

しかし、平岡の小さい振りの左が吉開を捉える。吉開も右フックの返しなど、
前回よりはヒットを取るものの、やはり平岡の巧さが光る。
3回、吉開が強引に出てボディを攻める。しかしロープを背にした平岡が、
ガードの空いたところに右フックのカウンター。完璧に決まって吉開、ダウン。
レフェリーがノーカウントで試合を止める、痛烈なKOでした。

平岡はこのクラスの若手、下位ランカーとしては図抜けた巧さを持っています。
上位陣相手に、迎え撃ちだけでなく、その他の展開になったらどうか、というのは未知数ですし、
線の細さも感じはしますが、いずれ上位進出を期待したい素材ですね。

吉開は若手同士の強敵に二度敗れましたが、その果敢な挑戦、闘いぶりには拍手です。
強打者としての天分を感じますし、出来ればもう一度、再起を期待したいものですが。


セミセミもまた、強烈な試合でした。
ダニエル・ローマン戦からの再起を目指した松本亮でしたが、
5戦で日本8位の座にある、フェザー級ランカー佐川遼に3回KO負けを喫しました。

初回から、松本は上体を立てて、あまり動かず、正面から攻める。
佐川は右を数発クリーンヒット。打たれると松本、ムキになって出て、左ボディから右を上に。

2回、佐川の右がカウンターになって「まとも」に松本の顔面を打ち抜く。
佐川の攻撃が見事、と思うべきなんですが、同時に「あれ食って倒れへんのか」と
打たれた松本の方にも感心してしまうほどの、完璧な一撃。
当然佐川が追撃、右が再三松本を捉える。

松本は強烈に打たれ、そのたびに動いて外そうというのでなく、正面から攻め返し、
左ボディで止めて右を強打しようとする。しかし相手をジャブで崩すでなく、
良いの当てて好スタートを切った選手を、序盤からいきなり「仕留め」の攻め方で
捉えられる道理もない。タイやインドネシアの噛ませさんならともかく...。

3回、佐川の右クロスがまたしても「まとも」に入り、松本ついにダウン。追撃でストップ。
セコンド陣、早よタオル入れろ、と思ったタイミングでした。

松本亮は、やはり以前から心配だったとおり、動きが乏しいスタイルの限界、という印象。
しかもクラスを上げ、実力者のランカー相手に、まるで自分が上の階級から降りてきたような
試合運びをして敗れました。
何もこの一戦で、彼のキャリアを全否定もしませんが、酷いスロースターターである部分も含め、
抜本的な改善が必要だと感じました。

勝った佐川遼は、たぶん初めて見ましたが、当てられるパンチは全て当てた、
その確かさに感心しました。なかなかの好選手で、大きな勝利を手にしました。
リングサイドでは三迫会長、上機嫌で満面の笑顔を振りまき、
ワタナベジムの会長さんにも祝福され、しばし談笑。
こういう勢いのまま、タイトルマッチが決まったりするんやろうか...とか思ったりも(^^)



好カードと目されたわりに、チケット価格の設定が高いせいもあってか
(自由席6千円はなかなか厳しい)、場内は大盛況とはいかず、空席もありましたが、
前座では、あの勇壮な闘いぶりも忘れ難い、畠山昌人のジムの選手が、
4戦目にして初勝利とか、大橋ジムのホープ、保田克也と桑原拓が切れのあるところを
それぞれ見せて快勝とか、改めて全体的に見どころ、見応えのある興行でした。



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強敵相手に高い集中、持ち前の技巧冴え渡る 井岡一翔、ロスで復帰戦に完勝

2018-09-09 15:02:42 | 井岡一翔


ということで、あれこれやってみたんですが、ライブ配信は見られませんでした。
しかし、試合終了の時間を見計らって、YouTubeで検索をかけたところ、
さっそく動画を発見。結果知らずで動画を見ることが出来ました。

井岡一翔の闘いぶりは見事の一語でした。技巧派の真髄を見せた、と言って良いでしょう。

序盤から左ジャブが良く出る。外からの右は捨てパンチか。
左でマックウィリアムス・アローヨのガードを破り、右、左ボディで追撃。
全体的に軽打中心、左ボディは少し力入れるときがある、という感じ。
リズム良く、アローヨの強打にも怯まず、中間距離から手数を出して当てて行く。

その上、防御面でも集中が高く、打った後は素早く後退し、右斜め後方へ回り込む。
サイドへ回る際(最近の試合では散漫になっていた?部分でしたが)、
フェリックス・アルバラード戦などで見せた、ダッキングしながらサイドに出る動きも見える。

アローヨは序盤から、強打を決めるタイミングを与えてもらえず、戸惑い気味?
そこへ3回、井岡が、間を詰めたコンパクトなワンツー。
それまでより速いタイミングで来た右の「ツー」を浴びて、アローヨがダウン。

4回も井岡がジャブ、回って外し左ボディ、ワンツー、返しの左と「圧倒」の趣。
5、6回は少し休み加減?も、7回からまた攻める。
アローヨは思うに任せぬ展開に、手を下げておどけた仕草を見せるが、
井岡は相手にせず、たまに好打されても、常に手数で相殺、或いは上回る。

8回はアローヨも奮起するが、打てる角度、距離が限定的で、
それを丁寧に外し、封じる井岡の巧みな位置取り、足捌きによる防御の質が落ちない。
9回は左右ボディで続けて攻めておいて、上に返した左フックがクリーンヒット。
最終回、アローヨ強打を振るうが、挽回にはほど遠く、終了。

ざっと見て7対3か、8対2くらいの内容で、井岡の完勝だったように思います。
公式採点もだいたいこの辺でした。


全体的に、井岡の技巧、試合運びの巧さが存分に出た試合でした。

日本でやっていた一連の試合、ことに最後の数試合の、格下相手の試合では、
攻防の密度が若干落ち加減で、防御動作の細心さが欠ける部分もちらほら見えて、
それが一時的な(精神的なものも含めた)停滞なのか、
それとも言葉通りの意味における「衰え」なのか、という疑問があり、
その答えが、この海外における、強豪との試合で出ることだろう、と思っていました。

結果、答えは前者に過ぎなかった、余計な心配だったようです。
以前から、例えローマン・ゴンサレスやファン・エストラーダと対戦して、
結果勝てなかったとしても、井岡一翔の技巧は、強敵相手であればあるほど、
その冴えを見せ、見映えもすることだろう、と思っていましたが、
彼らに次ぐ位置に付けるであろう、強打マックウィリアムス・アローヨ相手に、
井岡一翔はその技巧の冴えを存分に発揮し、ロスのリングでその実力を披露しました。

攻撃面でも、一打で相手を伸ばす強打は持たないものの、狙いの鋭さとタイミングの変更で、
ダウンを奪った3回のワンツーや、試合終盤にきて、若干散漫になった相手に、下下と攻めておいて
上に返して当てた左フックなど、巧さで相手を倒し、効かせたあたりは、
見ていて思わず「お見事!」と思わずにいられませんでした。

全体的に、少しだけ重心を前に出して、圧しながら当て、引いて回ると、また圧して、
という風で、防御に細心の注意を払いながらも、積極的に手を出し、試合を「作って」いました。
この辺、上半身はファイター寄り、下半身はボクサー寄りの「設定」という感じで、
そのバランスは、アローヨの強打を殺し、封じるにあたり、絶妙なものがあったと思いますが、
それを支える、高い集中と気合いが伝わってもきました。


傍目に想像するだけの話ですが、これまでの国内限定、TBS中継番組という
枠の中に、ボクサーとしての存在を取り囲まれていたときの試合とは、
気持ちの部分、それは意欲であり、危機感でもあったのでしょうが、そこからして違っていたのでしょう。
今後のことはよくわからない部分もありますが、どういう道を行くにせよ、
これまでの試合とはまったく違う「舞台」で、井岡一翔はその実力を、改めて証明しました。

そして、結果以前にまず、彼が一度なりとも、こういう試合を闘えたことは、
ボクサーとして、得がたい幸福だったのではないか、と思います。
出来れば、その幸福感に基づいて、今後の道行きをどうするか、決めていけたら良いのにな、と、
まあ余計なことかもしれませんが、試合を見終えて、そんなことをぼんやり思っています。


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井岡一翔ーアローヨ戦動画

2018-09-09 12:28:29 | 井岡一翔
さっそくアップされていたのでご紹介。
お早めにどうぞ。
私も今から見ます(笑)

※ラウンドの冒頭、ちょっとずつ、カットされている部分があります。
※最初のが消されていたので、貼り替えます。少し画質落ちます。


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刃を研いで/新興勢力/こちらも海外で/逮捕

2018-09-07 07:28:20 | 井岡一翔



ということで、今週末は井岡一翔再起戦、Superfly3です。
試合が近づいてきて、当然、現地発の報道が相次いでいます。

練習拠点は当然、あちらになっていて、イスマエル・サラスと、佐々木修平の両氏
トレーナーとしてついているということです。

サラス氏は、井岡弘樹や坂本博之の指導において、それぞれに、選手の特色をある部分無視し、
無理のあるスタイルを強いた、という印象が残るのですが、相性の良い選手とのコンビでは、
目覚ましい成果を上げてきたのも確か。
日本でもおなじみ、セーンやヨックタイが、中南米の強豪を下して戴冠したころはもちろん、
日本でも、他ならぬキャリア初期の一翔を指導し、初の戴冠にも貢献しています。

佐々木修平氏は、内山高志のトレーナーで、2010年にエディ・タウンゼント賞を受賞した
「チーム内山」の一員です。サラス氏が指導、佐々木氏がミット受けたり、という分担でしょうか。

いずれにせよ、指導体制がしっかりしているようで、安心というか。
インタビューで語ったとおり「刀を研いで」再起戦に臨める状態と見ていいのでしょう。
父との確執、離別は仕方ないとしても、やはり、指導者としての父の不在は、
一翔にとって非常に大きな問題では、と心配する声も聞きましたけど、これならまあ、と。

以前も書きましたが、今後の展開、目論見はひとまず脇に置いて、
ジムや会長のしがらみを取っ払い「平場」に出て、世界王者クラスの強豪と拳を交える、
井岡一翔の「挑戦」は、大いに注目です。目を離せない闘いです。

しかし、TVは関東ローカル、深夜録画のみ、だそうですね。
いずれ、関東の友人にお願いして、映像は見せてもらえるのですが、
当日は夜まで情報を遮断して、ネットで見られるところを探して見ようか、と思っています
(見つかったら、当日、こそっとここにリンク貼ります)。
※翌日には「TVer」か何かで、見られたりするのかもしれません。

しかし、これはこれで、困難な闘いかもしれません。困ったものです。
こういうのこそ、DAZNあたりで、ぱっと見られたら助かるんですけどね。


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そのDAZNにまつわる、村田諒太vsロブ・ブラント戦、成立過程についての記事

数年前のアル・ヘイモン、PBC発足時にも、似たような話があったと思いますが、
到底、軌道に乗ったとか、成功したとか言えるものではない現状を思うと、
この先、難しいところも出てきそうですね。

しかし、選手の取り合いが起こっている、というなら、記事にもあるとおり、
日本のジムも「適切に対応」してもらいたいもの、ですね。
選手にとっては、ボクサー人生を変えるチャンスが、どこかに転がっているかも知れないのに、
何もしないで、座って屁こいとるだけの「会長」のせいで、それをみすみす逃されては、
たまったものじゃないでしょうし。


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さて、その「適切な対処」の一例、というべきなのでしょう、
岡田博喜の渡米第一戦は、その次の週末です。
この日は、ゴロフキンvsカネロ戦があるわけですが、
別興行でWBCスーパーライト級タイトルマッチがあり、そのアンダーです。

相手は弱いわけじゃないでしょうが、35歳ということもあり、
岡田のテストマッチとしては、悪くはない相手を用意してもらった、というところでしょうか。
正直、センスや技術はともかく、海外で強敵に勝つには、フィジカル面で不足ありか、と
その点は心配だったりもしますが、それをいかに補って闘えるか、に注目です。
あの、当て際で伸び、切れる右を、伊藤雅雪のように、倦まず、惜しまず打ちまくる、
というくらいの勢いで行ってもらいたいですね。


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そんなこんなで、秋からまた、あれこれ熱い試合の話が出来る、と思っていたところ、
またもひとつ、残念なニュース。
日本ユース、Sバンタム級王者、名古屋のホープ水野拓哉が逮捕されたとのことです。

事のいきさつなどについて、基本的に日本のマスコミは、事実関係を、
ボクサーの側に一方的に非がある、という書き方しかしないのが常、ではあります。
本人は否認している、ということではありますが、こういう「事態」になってしまった、
避けられなかったものか、という一点において、咎めたくなる話ではあります。

将来のある身なのだし、リングの下でも、我が身をしかと護ること。
それもまた、プロボクサーの仕事であり、責任でもあるのでしょうから。


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