さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

9.5代々木決戦間近、八重樫vsゴンサレス激突!他雑感

2014-08-30 20:41:22 | 関東ボクシング

代々木決戦まで一週間を切り、さすがに更新くらいせんと、ということであれこれと。

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以前にも書いたように、八重樫東vsローマン・ゴンサレス戦は、これがホントの「世界」戦であり、
仮にも世界王者を名乗るなら、この手の試合が年に一回くらいは無いと嘘や、という試合です。
四分割された王座のひとつを持つだけの「タイトル・ホルダ-」に甘んじる者と、
形式上はどうあれ、その内実が「ワールド・チャンピオン」と呼ばれるに相応しい者との間を分かつものは、
つまりはこういう試合の有無である、ということです。
八重樫東は昨年のエドガル・ソーサ戦に続き、それ以上に価値のある相手との闘いに臨みます。

この辺について思うところは、もうすでに書いたので繰り返しになりますが、
試合後に後付けであれこれ語るより先に、もう一度だけ。
この闘いに臨む八重樫東の姿こそが、我々ファンの目に誇らしく映る、真の王者の姿そのものなのであり、
その姿を、闘う様を見られることは、内容と結果以前に、とても有り難いことなのです、と。


試合自体については、どうせ予想なんかしたって当たるわけもないですけど、
ざっと思うところは、要するに八重樫が動いて捌く、という展開を維持するためには、
いつかどこかで、一度はきっちりとゴンサレスを叩かないといけない、ということですね。
ただ、例えばそれが初回早々に出来たら良いでしょうが、そう簡単にはいかないでしょう。

まずは、仮に立ち上がりからポイントを取られて劣勢の回が続いたとしても、どこかでそれを覆す
爆発的な何かを起こすための、地味だけど確実な布石となる何かを積み重ねられるかどうか、というのが、
実際のところかもしれません。
ベタに細かいボディ打ちであったり、或いは相手が要所で、勘所で狙う強打を空振りさせることにより、
相手に手応えや確信を与えず、リズムを狂わせるような展開の構築であったり...。

当たらない予想を縁起担ぎでやってしまえば(なんだそれは)ゴンサレスのKO勝ちかと思いますが、
身を削る覚悟で多くのラウンドを八重樫が戦い抜ければ、その先に勝機が見えるかもしれません。
とにかく、あらゆる意味で目を離せない、必見の一戦ですね。


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井上尚弥の初防衛戦は、まあきつい試合を同じ興行でやるのはジムとしては厳しい、ということなのでしょうかね、
二重の意味で、えらく下の方から引っ張ってきたんやね、としか言いようのない相手が選ばれました。
色々しがらみ?しきたり?があって、即返上、とはいかず、どうでも防衛戦をせなならん、ということだそうで。

まあ、こんなものかと思うしかないなぁ、と思う反面、井上尚弥のレコードにこんな試合が、
しかも「タイトルマッチ」として残るのか、というのは、残念にも思います。
こんな試合より、フライ級の体重でやるノンタイトル戦を見たかった、という私なんかの思いは、
所詮、ファンの勝手に過ぎないのでしょうが。

とはいえ、油断大敵、相手もタイトルマッチとなればやる気満々でしょうし、
ややこしい試合にはなってほしくありません。万全の井上尚弥を見たいところですね。

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村田諒太の相手はけっこう強いのかなぁ、と経歴を見ると思うのですが。どうなんでしょうね。
着実に成長し、部品を揃え、という段階だと思うので、今から相手どうこうでキーキー言うべきではないでしょうが。
ゴロフキンのキャンプに参加とは、得難い経験だったでしょうし、徐々にそれを生かしてもらいたいものです。

そういえば帝拳に移籍、とのことですね。
まあ、別に誰が良いとか悪いとかじゃなく、然るべき形に整えられた、ってだけの話みたいですね。

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で、移籍と言えばあの人ですが(笑)
いや、芯からどうでもいいので、別に触れる気はなかったんですけど、
今日、この記事見て思わず拍手(笑)ええ見出しや(笑)
また「ガラをかわす」んですね。何かいうたら海外行く、と。変わりませんなー。

今後どうするか、一生懸命考えて、また戻ってくるつもりなんでしょうが、
基本的にボクサーとして力が無いという前提が変わりようもない以上、
何がどうなったって、たかが知れているんですけど、それでも何かやろうとするんですね。

若い頃から安目売りまくった結果、手にしたものもある代わりに、逃れられないものも出来て、
辛いところなんやろうな、と容易に想像は出来ます。同情はひとかけらもしませんが。

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そんなことで、来週金曜日はまたも上京観戦弾丸ツアーです。
前回見た「DANGAN」興行が良かったからではなく、以前から時々、こういう馬鹿をやっております。
でも、あの良い興行と被っているのは、それはそれで嬉しいなと。
何を言っているのかよくわかりませんが、とにかく決戦間近です。盛り上がっていきましょー(^^)/



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判定目前、最後に決めた 小原佳太、岩渕真也を最終回ワンパンチKO

2014-08-11 22:44:14 | 関東ボクシング


CSフジNEXTの生中継、ここ最近好カード連発で、本当にありがたく思っておりますが、
今日はその中でも白眉というべき好カード二本立てでした。
ホールも満員、盛り上がってて、TVあるから家で、とか言ってないで、なんとか都合つけて
観戦しに行ったら良かったかな、とか無茶なことをちらっと思うほどでした。
まあ先月末に馬鹿をやったばかりですので、自重したわけですが...。


ということで小原佳太と岩渕真也の強打対決は、最終回に小原が左フック一撃で岩渕を沈めたわけですが、
さすがに今日は判定でもやむなしかなぁ、と思った矢先で、驚きでした。

岩渕はやや左側へ身体を縮めた構えで、リズムを切ってトリッキーに動き、単発で仕掛けるボクシングでした。
やはり巧さ、当て際の精度と力がある小原を相手に、まともにやり合わない試合運びを選んだことは、
きっと考えに考え抜いた結果の選択だったのでしょうが、思うように強打を当てる機会は少なく、
小原が軌道を修正して当ててくる右ショートなどに脅かされ、試合をリードすることは出来ませんでした。

最終回、小原がうまく肘を伸ばして打ち抜いた左フックがまともに決まり、KOとなったわけですが、
これはもう、小原を褒めるしかない、岩渕にしたら致し方ない、という感じでした。
あれだけやりにくい展開を作ってなお、最後にあれを打たれたのでは、と。


勝った小原佳太は、最後の最後でまたも「役者」ぶりを見せつけた感じです。
世界への道は険しい階級でしょうが、それでも荒川、亀海、チャーリーなどのように、
日本の枠を越えた「挑戦」の機会を、何とか与えてあげたいなと思わせる試合ぶりでした。お見事でした。


もう一試合のタイトルマッチも好カードと言われていましたが、私は内容見てみないと何とも、と
ちょっと懐疑的な思いを持っていました。

石田匠の試合は、何度か直に見ているはずですが、正直言って、そんなに印象に残ってはいませんでした。
対戦相手に名のある選手がいなかったですし、新人王戦も出ていないし、WBAランカーに勝った試合も、
Youtubeで見た限り、相手があまりに不甲斐ない、としか見えませんでした。

そんなわけで、実力者の戸部洋平相手に、最強挑戦者扱いでしたが、現時点でそう見るべき選手かな、と
ちょっと辛い見方をしていました。
しかし試合が始まると、なるほどこれは良い、現時点で逸材と言えるレベルの選手だと思いました。

両肩の構えが、よい感じで力が抜けていて、構えた位置からジャブが最短距離で飛び、良く伸びる。
左右への移動がよく出来ていて、止まって打ち、また動く際の重心の降り方も、程良し。
こちらもアマ歴豊富で筋が良く、プロとしても挫折を経て逞しくなってきた戸部洋平が、
ジャブでの距離の取り合いを早々に捨て、右から切り込んで圧力をかける展開を選んで攻め立てて来たこと自体が、
見ているこちらには驚きであり、そういう選択を戸部にさせた石田の技量もまた、同じくでした。

前半は石田のジャブ中心のヒットがポイントを連取したかと見ましたが、同時に戸部の攻勢が強く、
戸部に思うさま手数を出させていると、いずれ決壊するかもしれない、もっと右ストレートも適時当てて、
戸部を止められないかな、と思って見ていました。

5回終了時、私は辛くつけて4対1で石田でしたが、公式採点では、なんと3対2が二人もいました。
これにはさすがに驚きました。なんなら5対0でもいいかと思っていたくらいでしたから。
こりゃ、後半攻め込まれたら、全部戸部に行くのかな、恐るべし後楽園...と目の前が暗くなりました。

で、後半は戸部が攻め込み、6回、8回、9回は戸部が取ったように見えました。
石田はどうしても疲れが見え、足を使うその瞬間を追って踏み込んでくる戸部の攻勢を止めきれず、
攻勢点を失った回が目に付きました。

私の採点では、6対4で石田の勝ちだったものの、前半3対2のジャッジ二者の採点を前提にすれば、
ドローか僅差で戸部もあるか、という印象でした。
しかし判定は意外?にも3-0で石田に。この辺、ラウンドごとの採点を見たいな、という感じです。
リングサイドからは、石田のジャブやストレートが、TVで見る以上に正確にヒットしていた印象なのかもしれませんが。


石田匠、おそらく初めて、戸部洋平レベルの強敵との対戦だったでしょうが、
思っていた以上に素質があり、よく鍛えられていて、冷静に闘い抜くハートの強さもあって、
なるほど今、戸部に当てようと陣営が考えるだけのことはある選手だなと感心しました。
そして、こういう良い選手だからこそ、変なOPBF戦とかで上を狙うのでなく、日本王者として
レベルの高い選手に、それも敢えて敵地で挑むという選択をしたことも含め、大いに拍手したいと思います。

正直、すぐ次が...という話をすべき選手かどうかには、議論の余地もありましょうが、
今後が楽しみな新チャンピオン誕生でした。



今日のCSフジ放送は、またもバルコニーにブースを設置し、女子アナ、ジュニア氏、そしてゲストの並び。
今日は井上拓真でした。
9月5日代々木決戦にも出場とのことですが、相手は「タイ人」とのことで、
どうやら特に地位のある選手ではなさそうなお話でした。
ジュニア氏はしきりにお兄さん(ジュニア氏の残念なお兄さんでは無く、井上尚弥のことです)の名を出して
最短記録はどうですか、というような話をしていましたが、拓真はそれを否定して、
じっくりキャリアを積んで日本、東洋から、と答えていました。
なかなか、しっかりした考えを持っていて、良い印象でした。

ジュニア氏のお兄さんと違い、全然残念なところが見えないお兄さんを持って
いろいろ苦労もあるのでは、と、余計なお世話も良いところですが心配もしていた井上拓真ですが、
話しぶりも若いのに大人の落ち着きがあり、なかなか良い感じでした。
毎度毎度話題性のある大きな試合じゃなくてもいいから、じっくり経験を重ねて、
馬力と巧さを兼ね備えた王者になってもらいたい、と思います。


で、この9月5日代々木決戦、またも観戦する予定を立てております(^^)
やっぱ、これは外せないですよねぇ。お盆休みを少し削ってこちらに回し、参戦予定であります。
大いに盛り上がっていきましょー。

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王国のリングで再び、灼熱の闘いも惜敗 高山勝成、WBO王座獲得ならず(動画追加)

2014-08-11 10:38:25 | 高山勝成


たぶんライブ中継ではなく、録画だったか「ディレイ」だったかはわからないんですが、ネットで映像を見ました。
来週にもTBSでドキュメンタリー番組が放送されるとのことですが、一応簡単に試合経過から。

1回、高山開始早々急襲。ロドリゲス打ち返す。高山スピード生かし右。ボディ攻撃も。高山。
2回、高山がボディ攻撃を端緒に攻勢、これは手応えがあったか。連打。ロドリゲス左単発、高山バランス崩す。高山。

3回、ロドリゲス前進、左フックで高山押され気味だがダウン。ダメージはなし。
高山追撃を受けるが反撃。ボディが入るとロドリゲス止まる。インサイドに連打が決まる。
ダウンは軽く、反撃が続いたのでポイント挽回と見たいくらいだが、一応ロドリゲスの10-8。

4回、高山ボディ、ロドリゲス左フック。互いにこのパンチが鍵になるか。
高山のボディで止まり気味のロドリゲス。高山右ストレート。下がらせて追撃。高山。

5回、ロドリゲス奮起して攻める。高山押されて手数減る。ロドリゲス。
6回、高山ボディへワンツー。足使ってジャブ、ワンツー、ロープへ詰め連打。高山。
7回、高山さらに攻める。足使って右、良く当たる。ボディから右クロス、リズミカルな動き。高山。

8回、ロドリゲスが猛反撃。体格を生かして強引に出、左フックを連発。
高山なんとかしのぐが、左右連打に押しまくられ手が止まる。ロドリゲス。
9回、高山ボディへワンツーを決めるがロドリゲス止まらず、連打また連打、前進。
終盤互いにヒットもロドリゲスが押しまくる。ロドリゲスの回。
10回、ロドリゲスの攻めに、高山足が止まり、サイドに回れなくなる。
若さと体力にまさるロドリゲス、スタミナが切れるかと思ったが落ちてこない。ロドリゲス。

11回、開始早々高山が二度目の「急襲」。ロドリゲス倒れるが、スリップの判定。
この辺は敵地ならでは、か。ロドリゲス左フック中心に攻める。高山ボディからワンツー。
この回は高山がきわどく取ったか。

12回、高山右ヒット、ロドリゲス手数出すがミス増える。
高山攻めるが続かず、手数で押され気味。ラスト数秒で高山も連打。ロドリゲス。

ということで、最軽量級ならではのめまぐるしい打ち合いが終始続いた熱戦、接戦でした。
私の採点はダウンの分だけロドリゲス。114-113という数字になりましたが、
非常に競った展開で、日本でやっていれば...という繰り言も出ようか、という試合でした。


細かい話をすれば、中盤から終盤にかけて、若さと体格でまさるロドリゲスの「ごり押し」を
高山がもう少しうまくはぐらかし、リズムを生かして振り切り、という展開があれば、
いかに敵地であっても僅差の勝利を勝ち得たかも、という気がします。
しかしそこがうまくいかず、相手の力をまともに受け、劣勢になり、さらに相手を勇気づけ、
そのまた次の攻勢に繋げられてしまった。
この辺りに、高山の従来持っていた良さが出ていたらなぁ、という印象を持った試合ではありました。


とはいえ、敵地の大観衆の前で、自らのボクシングを形作るスピードとリズムを前面に押し出し、
果敢に攻めては動き、目まぐるしい闘いを貫いた高山の姿は、結果は負けだったけど、
やはり清々しく、誇らしい気持ちになる、応援しがいのあるものでした。
4団体目のベルトは獲れなかったけれど、果敢に挑み続けた果ての今日の試合は、
王国メキシコの大観衆にとっても、印象深いものだったのではないでしょうか。
高山勝成の闘いに、改めて敬意と感謝を送りたいと思います。

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今日はこのネット映像を見た後、雨も上がっていたので住吉区民センターにお出かけしてきました。
野中悠樹vs長島謙吾戦です。こちらについてはまた後ほど、ということで。

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画質の良い動画を見つけたので紹介します。
お早めにご覧ください。





高山の試合をチャベス、バレラが解説し、ラマソンが採点するというのは
それだけで何だか嬉しいですね(^^)
結果は残念でしたが、やはりこういう試合に、どんどん挑んでいくべきだと改めて思います。




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重ねた時の長さも力に変える 野中悠樹、ブランク乗り越え王座に復帰

2014-08-10 23:41:10 | 関西ボクシング



ということで台風一過の大阪、住吉区民センターにお出かけしてきました。

場内はやはり、興行主催の六島ジム所属、細川貴之の欠場のためか、いつものこの会場の興行からすると
少々空席が目に付き、場内の盛り上がりも少し散発的かな、という印象。
そして奈良ジムの日本SFe級8位、杉田聖の対戦相手が計量に現れなかったとかで、セミが中止。
セミセミの途中にようやく会場に着いた私は、なんだかよくわからんまま、
メイン前に行われたセクシーポールダンスショーを呆然と眺めつつ、メイン開始を待っておりました。


メインは細川返上のため空位決定戦、王座復帰を目指すサウスポーの元王者、野中悠樹と、
以前尼崎ジムで先輩後輩の関係にあったという強打、長島謙吾の激突。
期せずして因縁の、というか運命の対決となったわけで、これはこれで興味深いカードではありました。

TV放送はおそらくどこでもやらないと思われますので、こちらも展開を(出来る限り)簡潔に。


1回、野中が右サイドに出ては左。ショート、ロング共に当たる。長島ロープ際で打たれ、止まる。
野中連打で追撃。長島右返す。野中マウスピース落とすが、余裕の表情。左アッパー決める。野中。

ややリングが狭く見える。野中にとってやや距離が近いように思うが、自信満々で当てて行く。

2回、野中の多彩な左がことごとく決まる。左アッパー、ワンツー、左ショート。右フック返しも。
長島は左アッパーで入ったり、右振ったりするが単発。野中。

3回、長島右振る。野中左カウンター、両者相打ち気味、長島が右決めて野中が片足を浮かせる。
効いたか、と思ったが野中動いて反撃。この回は一発の効果を取って長島。

4回、野中右ジャブ、左アッパー上下。右サイドに出て左からの攻めが決まる。野中。
5回、野中カット、バッティングによる。変わらず右回りから左ショート。野中。

6回、長島カット、バッティングによる。少しもつれる場面が増える。
野中の左が長島のテンプルに当たり、長島下がる。野中少し疲れか、しかしペース配分して単発のヒット。野中。
7回、野中動きをセーブ。長島右のミスが多い。野中左当て右返す。
終盤足使い、シャッフルも見せ、時間稼ぎ。その後軽いパンチ当てポイントを取る。野中。

8回、長島右、浅いがヒット。右から左フック、野中は効いてないとアピール。クリンチして休む。振り分けで長島。
9回、野中右アッパー、長島右フック、ロープ際で攻め込む。野中左ロング、右アッパー。手数で長島。
10回、野中足使う。トリッキーに動き軽いヒットを重ねる。少し打ち合い、長島奮起。
両者ヒットの応酬、野中右アッパー、長島左フック。野中がヒット数でまさる。

私の採点はやや野中に辛めで7-3。公式採点も最小差が同じスコアでした。


野中の試合はWBOランカーのドミトリー・ニクーリン戦勝利以来、ずいぶん久しぶりに見ましたが、
36歳の野中は、その年齢をうまく消化して闘えるボクサーになったのだな、という印象でした。

基本的には先手を取ってリードする展開を作り、相手の反撃を捌いて、という勝ちパターンを踏襲しましたが、
その上で、以前ほど足が速くはなくなった代わりに、小さい切り返しの動きが的確で、切れも出ていて、
右に身体を出してからの左ショートは、以前以上に正確でコンパクトになっていました。
また、中盤以降、スピードの差を利して長島の攻撃を見切り、泳がせておいてヒットを取り、
疲れてくるとうまくクリンチし、見ながら休み、連打をまとめてポイントを取る、という老獪さも見せました。

ブランクを乗り越え、年齢も重ね、それでもその状況に自らを適応させつつ闘い続けている
野中悠樹のボクシング人生は、新人王戦の頃から見ている者としては、ここまででも充分、
見応えがあり、味わい深いものになったものだなぁという感慨があります。
今、レフェリーになっている人との熱戦なんて、けっこう昨日のことのように思い出したりなんかも...(^^)

今後の展開については、再び浮上して、その先は世界を、というコメントも出ましたが、
154ポンド級のタイトルとなると、あの大師匠の存在を抜きにして考えても、あらゆる意味で
攻略至難、というより挑戦至難であることは事実でしょう。
さらに上の展開を作るための試合が今後あるのか、それとも他の道があるのかはわかりませんが、
野中悠樹はいまだに、なかなか楽しませてくれる「見もの」なボクサーであることだけは確かです。
次の試合をまた、楽しみに待ちたいと思います。


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高山勝成、明日決戦/拳四朗デビュー戦 動画紹介

2014-08-09 11:25:49 | 関西ボクシング

高山勝成、メキシコでWBO王者ロドリゲスと統一戦。
計量も無事済んだそうです。タッカーさんが立ち会ったそうですね(笑)

小野心との試合での苦闘ぶりには正直、かなり不安な気持ちにさせられていますが、
この敵地での統一戦は、高山の今後を大きく左右...というか、決定づけるような試合になりそうです。

10代の頃から、非常に密度の濃いボクシングを全力で追求し、実現してきた高山に、
これまであまり感じたことの無い不安、露呈したことのない疲弊の影が見えたような気がする、
それが今の私が高山に抱く印象です。

今回は、タイプ的には高山にとり相性は良さそうではあるものの、若くて上り調子の相手です。
ここで高山がいつも通りの攻防一体、リズムとスピードで相手を圧倒するボクシングが出来るなら、
私の心配も杞憂に終わるのでしょうが。大一番、日本時間でいよいよ明日です。

で、この試合、映像はどこかで見られるのでしょうかね。
アステカTVなら、以前、西岡vsジョニゴンを生中継で見られたんですが...。

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先週日曜、IMPで観戦してきた寺地「拳四朗」のデビュー戦、動画の紹介。
若さがはじけていますね(笑)
2歳の時の映像まであります。有名選手の息子も楽やないですな(^^)




確かに、デビュー戦であの相手に無難に勝つというのは、大変なことではあります。
しかしその話をすると、田中恒成見ちゃってますからね、もう。
井上兄弟、田中に追いつき追い越せで頑張ってもらいたいものですが、
でも、タイプ的にはじっくり、先を焦らず、という感じの方がいいかもですね。


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素養は充分の佳作 あとはどちらへ伸ばすのか 寺地「拳四朗」、完勝デビュー

2014-08-04 15:35:35 | 関西ボクシング


昨夜はIMPホールへぶらりとお出かけ、寺地「拳四朗」のデビュー戦を見てきました。

相手は井岡一翔に大差で敗れるもよく抵抗し、ダウンも奪ったことのある
インドネシアの小柄なファイター、ヘリ・アモル。
今はOPBF10位とのことですが、相変わらず思い切り振る右に威力があり、
何より相手を食ってやろうという意志が見えました。
ホープの試金石としては適切な相手だったように思います。

拳四朗は初回、左はやや下げ気味の構え、ここから左ジャブがよく出る。
右ストレートは適時出す。良く見て闘っている。パンチは正確だが軽め。

2回も左、左。アモルが反撃に出るが、足で外したあと、右カウンター。
アモルが執拗に左で出ると、少しバックステップに乱れもあり。
拳四朗、時間が「空く」と左、左、左。右ダイレクトは少し強め。

3回、拳四朗バランスが良く、構えが乱れない。ガードは下げ加減、時に上げる。
しかし安定しているが緩急、強弱がない。まだ様子見か。
アモル攻めるが、拳四朗、右返し、ワンツー。アッパーも交え始める。

4回、拳四朗急にボディを叩き出す。左ボディブローが続けてアモルの脇腹へ。
4発目でアモル、耐えきれずダウン。立ち上がり果敢に反撃。
拳四朗は左ボディと共に右クロスが上に打てたら倒せそうだが、攻めに力強さが足りず。

5回、アモルは倒れたにも関わらず、死に体ではない。右クロスを果敢に振って迫る。
拳四朗、左で捌く。
6回、アモルのフックを拳四朗はうまくブロックしリターン。
アモルの粘りを打ち崩せずゴング。

判定はフルマークで問題なしと見ました。私の採点は60-53です。


寺地「拳四朗」の試合は、NHKで放送されたアマチュア時代のものを三試合見たことがありますが、
小柄できびきび動く、巧い選手だという印象でした。
基本的にはその流れにあるボクシングでしたが、プロになって若干変わった部分はというと、
やはり左が良く出て、正確であることと、打つときの重心が良い感じで降りていたことでしょうか。
構えのバランスがよく、攻防の切り替えがスムースでしたし、全体として質の高いボクサーでした。
今後、伸びていけばプロでも一定以上の成功が見込める素養が、そこかしこに見えました。

しかし、その反面、その完成された土台の上に、井上尚弥や田中恒成のような、突出した部分を
見出すことはありませんでした。「伸びていけば」と書きましたが、今後はトータルでの完成度を高め、
技巧と機動力を伸ばす高山勝成的な存在となるか、或いは今回は見えなかった攻撃の武器を身につけるか、
それが今回欠けて見えた当て際の強さなのか、それともさらに速さや切れを追求していくのか。

様々な道がありましょうが、今後どちらの方向に舵を切るのかで、このボクサーの将来も
変わってくるのだと思います。

個人的な見解としては、相手が強ければより光る、という類いのボクサーに見えましたが、
そういう勝負をするまでには、もう少し成長するための試合が必要かも知れません。

いずれにせよ、今後の楽しみも含めて、まずは良い選手を見られた、といえる試合でした。
一時に比べると好選手が減少傾向にある?関西リングにおいて、貴重な才能ですので、
順調に伸びていってほしいものです。




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脅威は与えるも「打倒」はならず 仲村正男、初の判定試合で敗れる

2014-08-01 07:37:28 | 関東ボクシング


そういうことで一昨日、以前から嘯いていたとおりの馬鹿をやって、年に何度かの
平日後楽園ホール弾丸観戦ツアーを強行してまいりました。
翌日早朝とんぼ返りという強行スケジュールのため、今頃観戦記です。
でもまあ、当ブログはいつもこんなものですので、どうかご容赦をば。


メイン、仲村正男vs伊藤雅雪ですが、私の予想は序盤のうちKOがあるなら仲村。
長引けば伊藤、という、いかにもありがちなものでした。

仲村は強打は当然のこと、好機を逃さぬ詰めの鋭さ、強さは突出したものがあり、
伊藤がその鋭い見切りに自信を持つあまり、受け身になりすぎたら、
仲村の強さを引き出してしまう可能性もあるだろうと。

しかし伊藤が、仲村の強打を小さく見切るだけでなく、大きく空転させ、
強打故にパンチとパンチの繋ぎに間があり、左から右を打つ際、やや胸を張った感じになる
仲村の防御の隙をカウンターで捉えれば、伊藤が勝つだろうとも見ていました。

いずれにせよ、双方共に、当然欠落したものがある代わりに、普通のボクサーにはない
突出した強みもある者同士で、スリリングな試合になるだろう、これは見ないで済まない、と
カード決定の時点で確信し、馬鹿をやって客席に陣取った次第でした。


初回、仲村が圧して出る。左を突いて右。シンプルだけどパワフル。
伊藤はここ二試合で見せた見切りは凄かったが、この日はやや余裕が無い。
この回終盤、仲村の右が浅くヒット。伊藤一瞬止まる。

2回、やや伊藤が持ち直し、カウンターパンチが当たり出すも、いずれも軽い。
3回、良く動く伊藤だが、仲村が強い左を増やし、しっかり見て闘っている。

ここまでの経過は、仲村勝利へのプロセスかと見えました。
伊藤はこれまでの相手とは一段違う仲村の強打に、脅威を感じていたように見えたし、
仲村が右への布石としての左をよく使えているとも思いました。

しかしこのあと、試合は伊藤の多彩さと、仲村の単調さが目に付く展開となります。
そして、両者とも、相手の強打、カウンターを警戒したせいか、揃って及び腰になってもいきます。

4回、伊藤右2発、仲村リターンも一発。
5回は正直、迷う回。仲村左で追う。伊藤カウンター決めるも浅い。
6回、仲村追うがワンツーのみで、単調。伊藤は圧されてホールドが増える。
離れれば左右の多彩なカウンター、ミスも多いが、右浅く当てる。

7回、伊藤カウンターが良く出る。仲村ミスが目立つ。攻め口は変わらず単調。
終盤、仲村カット。伊藤のヒットによる。
8回、仲村がカウンターを怖れず果敢に出る。激しい打ち合いになるが、
仲村が来たぶん、伊藤もカウンターが決まり出す、この辺は半ば「否応無し」だったか。


採点は5-3、伊藤。
採点を迷う回がいくつかあり、ドローまでならあるのか、とは思いました。
逆はどうか、と言われると...あまり言いたくないことですが、大阪でやっていたら、
普通にそうなってるのかな、とは思いましたが。

そして、試合内容としては、もちろん、それぞれに明確な特徴を持った者同士の、
緊迫した好試合、ではあったものの、こちらが勝手に期待した、普通に良い試合、という以上の
劇的な、スペクタクルな試合ではなかった、というのも事実でした。

仲村は右の強打を時に披露しましたが、それによって相手に与えた脅威を「利用」して
次の展開への布石を打っていく、というような組み立てが一切なく、単調な攻防に終始しましたし、
伊藤は柔軟な動きで見切りをしてカウンターで倒す、という凄みを、半ば削られていて、
仲村の攻勢を、時に露骨なホールドで食い止めざるを得なかったのも事実でした。

突出した強さの反面、未熟さも抱える同士の、けっして悪い内容では無い、好試合でしたが、
この試合自体には、上記の通りの不満も残りました。
双方共に、この試合で得たもの、喪ったものがあるとすれば、それを今後のキャリアにどう生かすか、
そこに注目したい、と思います。もちろん、それぞれにさらなる成長への期待をこめて、です。

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それにしても、この興行、メインカードだけで観戦を決めたんですが、セミに湯場忠志が出るわ、
木村隼人(見るのは初めてでした)は出るわ、ろくに知りもせんかったけどとても良い選手も見られて
(久我勇作のことです)、第一試合から最後まで見所満載の、とんでもなく濃厚な観戦となりました。

まあ、湯場の試合自体は完全な「箸休め」になってしまいましたが、木村隼人の壮絶な闘い(負けましたが)、
今後に大きな期待をかけたくなる好選手、久我の見事な勝負強さと右の鋭さ、色々見られた上に、
青木クリスチャーノvsクウエ・ピーターのダウン応酬、クルーザー級の4回戦等々、見所たくさんのカードばかりでした。

関西にいると、「DANGAN」シリーズといわれてもいまいちピンとこないんですけど、
この興行、普段見慣れた「ジムの都合」で組まれたカードばかりではなく、「好カード提供の意志」を持つ
「プロモーター」の手によるものなのだ、という、嬉しい実感が持てるものでした。

そう毎度無茶が出来るわけもないですが、「コレや」と思う時があれば、また馬鹿をやることになりそうです。
見に行った甲斐のある、とても楽しい興行でした。


コメント (5)
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