さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

新旧の王者、再び対決 井上尚弥、ドネア再戦は6月7日

2022-03-31 00:04:26 | 井上尚弥


こちらもやっと正式に発表となりました。
井上尚弥、ノニト・ドネアと再戦、6月7日さいたまスーパーアリーナで。
ゴロフキン、村田戦に続いて、Amazonプライムでライブ配信されるとのこと。


前回の、神々しくさえ映った神話的な闘いからもう2年半。
コロナパンデミックの暗雲が世界を覆うなか、井上尚弥の方は相変わらずの強さを見せているのは当然として、驚きは敗れたノニト・ドネアの方。
井上はその強さと、周辺事情により却って強豪同士のカードから遠ざかっているのに対し、大ベテランのドネアの方が、ノルディ・ウーバーリやレイマート・ガバリョといった若いタイトルホルダーを連破し、強打健在を改めてアピールしている。

前回の結果から見ると、大げさに言えば逆転現象が起こっています。
まあそこまで言わずとも、バンタム級最強の井上に対し「最強挑戦者」として認めざるを得ない、見事な再浮上ぶりだ、と言えるでしょう。
「それ以上」の評価をするべきか否かは、この試合を見るまで、断言は出来ないところですが。



現状、他の対戦相手候補はもうひとつ冴えず。
陣営内部で揉めてるのか何か知らんけど、あっちで躓きこっちで転び、という具合の人がいれば、会社の違いもあり、勝ち目もなさそうだから、という人もいて...個人的には、ドネアとの再戦が終われば、バンタム級最強を改めて証明したということで、4団体統一はもう、言わずとも良いでしょう、というところですね。
それはもう、あの馬鹿みたいな奴から、WBOタイトル剥奪して、この試合を空位決定戦にしてくれればええのに、と思ったりもしますが、まあさすがにそこまでは...(笑)。



そんなことで、遂に決まってくれました。
ただ、見に行けるかどうかというと、見事にド平日、しかも週前半の火曜日、またしても埼玉と、条件としては最悪に近いですね。
尚ちゃん、地元は公称、横浜ということになっているんですから、横アリにしてくれたらええのに、と思うんですが。
正直、今のところは見送りです。まあ、Amazonプライムの配信をライブで見る、という経験もしておいた方がいいか(笑)という感じでもあります。
以前なら、アンダーで何か、好カードがあれば、と思うところですが、今は配信でそれも見られるようにしてくれるわけで...有り難い時代になったものですね。







会見の動画はけっこういろいろ上がっていますが、とりあえず。
あの笑顔に騙されてはならぬ、というところは、ホントにその通りかと(笑)。


しかしインタビュアーさん、どこのどなたか存じませんが、前回2ラウンドの左フック被弾、その「失敗」にもきちんと触れていて、なかなかエエ仕事をしてはりますね。
本来、どんな大スターであろうと、訊くべきことはきちんと訊く、という態度を崩してはいけないのがメディアというものです。
また、それに対してきちんと応対するのも、スターの側の仕事のはずです。その辺、井上もしっかりしてました。

Amazonプライムの「姿勢」「方針」をこれだけで計るわけにもいかないでしょうが、ちょっと感心したポイントでありました。






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メインに負けないセミがあった幸い 小原佳太負傷欠場、久保ー佐川戦メイン昇格

2022-03-30 05:29:22 | 関東ボクシング



4月12日、ホールでのダイヤモンドグローブ興行は、日本ウェルター級タイトルマッチがメインでしたが、小原佳太の負傷により、永野佑樹との再戦が中止になりました

おそらくFODプレミアムでライブ配信されるはずの試合ですし、楽しみにしていたんですが、残念。
しかし、セミファイナルに、元WBAスーパーバンタム級チャンピオン久保隼と、前日本フェザー級チャンピオン佐川遼の好カードが組まれていて、こちらがメイン昇格となり、興行は行われます。


これ、以前だったら興行丸ごと中止になっていたかもしれない事態ですが、小原、永野を限定的に応援する観客の来場こそ見込めないものの、メインに負けない好カードがセミに組まれていたことで、色々とリスクを回避出来た、と言えるでしょう。
アンダーに出る予定だった選手の出場機会は守られたし、ライブ配信や後日録画放送の枠が飛ぶこともないわけですから。


首都圏でまた観戦者じゃなくて感染者数が増えているというニュースも目に入り(観戦者数はどんどん増えてほしいですね)、気がかりではありますが、一応コロナの規制は緩和されるという方向にあり、それにつれて外国人ボクサーの招聘も増えていくことでしょう。
しかし、以前みたいに好き放題?な「あんまり強くない」「お相手」ボクサーをまた、頻繁に目にすることになるんやろうか、という不安も募ります。
確かにコロナの影響により、元々経済的には厳しいボクシング界から去った人材も多く、国内上位や若手有望株同士の好カードを組むにも当然、限界はありましょうから、ある程度までは仕方ない話ではありますが。


とはいえ、今回の件のように、やはり良いカードを組んでいけば、単に好試合が生まれるとか、注目度や評価を得られるというだけでなく、不測の事態においても、色々と良いことがあるわけですから、関係者諸氏には、易きに流れず、コロナ渦の元、唯一の救いだったともいえる好カード増加の流れを止めないでほしいものです。

この試合の3日前には、おそらくボクシングファンのみならず、世間の注目をかっさらうビッグカードが行われるわけですが、それと同等に、とはさすがに言い過ぎでも、久保隼と佐川遼の試合は、大いに楽しみなものです。
当然、こちらもしかと見るつもりでおります。両選手の健闘と、良いカードを組んだ甲斐あり、と誰もが思える試合を期待しています。




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ホールの試合をライブで見られました ジロリアン陸、5回KO勝ち

2022-03-29 14:56:00 | 関東ボクシング



昨夜、YouTubeでジロリアン陸vs粕谷雄一郎戦がライブ配信されていると知り、慌てて見たら、セミからの配信でした。
結果として、セミメインと二試合続いたKO勝ちを、ライブで見ることが出来ました。



ジロリアン陸、強打が売りの人気ボクサーですが、今回は相手も元全日本新人王の粕谷ということもあり、普段に輪をかけた感じの、スリルに満ちた試合。
ガードを固めて打たせ、前に出てくる粕谷に、少し間を空けて強打したいジロリアン、強打をヒットして先制するも、逆に好打されて止まりかける時間もあり。
それでも5回、ダメージを貯めた粕谷が少し鈍りだすと、良い間合いから左右を立て続けに打ち込んで、最後は右強打でフィニッシュ。
粕谷が担架で運ばれるダメージを負う、痛烈なノックアウト勝ちでした。


映像は固定の手撮りで、アーカイブも置かれていないようですが、ホールのバルコニーからの視点で、普通に見るには充分というところ。
最近はあれこれ配信花盛りで、ホールでの試合をライブで見る機会が増えて、一昔前を思えば夢のような...とは大げさでも、世の中変われば変わるものだなあ、と。
もちろん有料のものもあれば、無料のお手製というか、個人でやっている?ものもありますが、それぞれに特色があり、楽しく見させてもらっています。



で、この配信を見たあと、エキサイトマッチで二試合、世界の試合を見て、もちろんそれはそれでまた楽しい。
ホルヘ・リナレス、思った以上に、衰えが見えるではなかったが、最後捉えられた、という試合。
これは、リナレスどうこうより先に、ザウル・アブドゥラエフの健闘を称えるべき、と見えました。

アブドゥラエフ、本当に大したものです。日本のライト級上位陣が、リナレス相手にこんな勝ち方でもしようものなら、今頃大騒ぎになっているだろう、と想像すれば、大いに称えられるべき勝者でしょう。
しかし彼とて、世界から孤立する母国において、そのキャリアはおそらく、停滞を余儀なくされることでしょうが...。




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公開スパーも厳戒態勢 さいたま決戦までもう二週間

2022-03-28 20:22:15 | 関東ボクシング




やっとこさ決まってから開催まで一ヶ月、この規模の興行としては類例ない状況で、それこそチケット販売業務ひとつとったって、関係者諸氏の苦労たるや、並大抵ではなかろう、と容易に想像がつくさいたま決戦、ゲンナジー・ゴロフキンvs村田諒太戦。
言うとる間に、もう二週間後に迫って来ました。


村田諒太公開スパー、取材陣は窓の外、バルコニーから取材
記事によると、報道陣の人数は30人とのこと。
本来なら当然、もっと大勢が集まることでしょうが、人数を限定して、バルコニーのスペースに全員、収まったんでしょう。



公開スパーという行事自体は、昔ながらの慣習という印象ですが、二週間前に済ませるというのは、良いことだと思います。
以前はけっこう、試合直前、数日前にやることが多かった記憶あり。
興行面や、TV放送の宣伝効果などを考えて、そういう運びになっていたのでしょう。

試合が良ければそれで良いのだから、適当にマス程度で済ませておけばいい、と傍目には見えるのに、試合直前で気が張っていて、それで目の前に相手がいれば、妙に本気出して飛ばしてしまって、それで逆に調子狂ったり、悪くすると拳を傷めたり、という事例も過去にはありました。
それと比べれば、選手第一に考えられているなあ、と。

本人のコメントも興味深いものがあり
「試合までに燃え尽きてしまう」ことを危惧している、とのことですが、それもこれも、相手が世界の最高峰たるボクサー(しかもミドル級!)であるという、この試合の大きさを表しているように思います。




しかし、本当に「厳戒」という言葉がぴったりの様子ですね。
確かにここまでこぎつけて、陽性反応やとかなったら、それこそひっくり返ってしまいますから...ここまでやるならもう、この公開スパーとてオンラインで、とやる方がいいのかな、と思ったりもします。
なかなか、そんなわけにもいかんのでしょうが。




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こちらはそんなでも ウォーリントンが王座奪還

2022-03-27 18:24:53 | 海外ボクシング


先週は期待せずに見ていたDAZNライブ配信、WBAフェザー級タイトルマッチが凄まじい内容と結果で、感動的ですらありましたが、今朝のIBF戦は「そんなでも」という感じ、でした。


ジョシュ・ウォーリントンが、一度破った(判定勝ち)スペインの不屈、キコ・マルチネスと再戦、7回TKO勝ち。
王座奪回なったわけで、ウォーリントンの地元というリーズの大会場は盛り上がってましたが、リー・ウッドvsマイケル・コンラン戦と違い、部外者たるこちらには、あまり訴えかけてくるものはありませんでした。

序盤からウォーリントンが出て、ヒット取るが、前後して頭もヒット。
初回、キコ早々に出血。その後ウォーリントンがダウンを奪う。
ウォーリントン優勢、キコ粘り盛り返そうとするがかなわず、という流れの中、ウォーリントンは頭と肩で押す、という以上の「狙い」を見せて、地元の試合ながらもレフェリーがかなり厳重に注意。
都合、それが三度ありましたが、減点するかというと、そこまではしない。ん?という感じ。

ウォーリントンは注意されると思い直しはするのか、しばらく離れての攻防をするが、また頭下げて出て、肩も当てて、という具合。
悪い奴ではないが、癖が悪い、と見るべきなのでしょうか。

後楽園ホールでも時々、この手の選手がチャンピオンだったり上位だったりして、レフェリーの黙認の元、メインイベンタークラスやタイトルホルダーとしては不細工やなあ、と思う試合を見せられることがありますが、その英国版、アルファベットタイトル版、というところ、なのでしょう。

試合は、ウォーリントンのヒットが重なり、7回、キコが打ち込まれて妥当なストップでしたが、初回早々のバッティングによる出血とダメージについては、キコには少し気の毒な試合でもありました。


試合後はリー・ウッドとの英国タイトルホルダー対決に向けて盛り上げようということか、両者が顔を合わせて、両者にインタビューもありました。
まあしかし、米大陸で活動するマーク・マグサヨやエマヌエル・ナバレッテといった王者たちとはまた別の「リーグ」の話やなあ、という印象でもあり。
それでもウッドは先の試合で好印象を持てましたが、ウォーリントンはここ数年、DAZNであれこれ見ていて、実力的にというか、内容結果ともに、世界、という言葉を持ち出すと大いに不足あり、という印象は変わりませんでした。



さてDAZN、2月3月と怒濤のライブ配信ラッシュでしたが、4月は今のところ2試合予定が出ています。
昨年マイキー・ガルシアをクリアに下す殊勲で名を上げた、スペインのサンドール・マルティン「凱旋」試合が来週、2日。
17日にコナー・ベンvsクリス・バン・ホールデン戦。
好カード連続、という勢いは、さすがに続かず。この辺は当然波があります。無理もないところ。
日本でもFODやひかりTVの配信で、似た傾向が出てくるでしょうが、少しずつカードのセット、その苦労が色々と、目に見えつつありますね。



※両者の戦績など、一部間違って書いていました。キコが王座を奪った相手は別の選手でした。
お詫びして訂正します。


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公式動画アップされてました

2022-03-24 13:14:48 | 関西ボクシング




ということで、公式動画がアップされていました。
BOXING REALチャンネルです。







Abemaの番組情報では、アレが解説をするとあったんですが、実際は試合のところ、長谷川穂積が解説してたで、と人に教えてもらったので、安心して見ることが出来ました。
会場では、アレが試合前に花道のところで立ち話をしていて、その音声は場内にも流れていました。

どのみち、大したことも言えんやろうと思ってはいましたが、その上にろくな準備もしてないようで、矢吹のKO率(KO勝率、ですね)が高いことに驚いていたり。今さら...。
こんな者に解説させるとは、昭和レベル以下やな、と思ったものですが、さすがにAbemaさんも、その辺は良識があるというか、常識的というか。

まあ、今後、いろんなジャンルで配信ビジネスを展開していく中、ボクシングに関しては、アレが「窓口」じゃまずかろう、と他人事ながら心配でしたが、今回の真正ジム興行取り扱いをきっかけに、他にも良いカードを配信し、番組の質も上げていってくれるものと期待し...ましょう。



そんなことで、改めて配信されたものを見返すことが出来ました。
画質も良かったようですし、迫力あるアングルですね。
ただ、会場では席によってはけっこう邪魔だったろうクレーンカメラの映像も多く、その辺は複雑な気持ちにもなりますが。



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軽量級シーン、世界の活況 ロドリゲスが新たな軸か

2022-03-23 08:31:05 | 海外ボクシング




月曜日のWOWOWエキサイトマッチは、スーパーフライ級二本立て、でした。


まずカルロス・クアドラスとジェシー・ロドリゲスの試合が、WOWOWでも放送されました。
DAZNのライブ配信で見ていたのですが、日本語の解説、それも浜さんと長谷川穂積となれば、それ聞きながら見るのも良いものです。
考えたら「帝拳対決」でもあるカードですし、映像協力DAZN、というテロップが出る形で、引っ張ってくるというのは時々あります。
来月にはロマゴン、JCロドリゲス戦も放送予定が出ていますし。


しかしやっぱり未見のジェルウィン・アンカハスvsフェルナンド・マルチネス戦の方が注目。
解説の浜さんが言っていたように、いつもなら遠目から飛び込みの左を打ち込むアンカハスが、足が動かず、そのまま打つ左上下では、若いファイター、マルチネスの勢いを止められず、打ち負けたという試合でした。
原因はやっぱり、報じられた減量苦なのでしょうね。井岡一翔戦が流れた精神的なダメージもあったかもしれません。
世界の基準からすれば歪な日本政府の方針が、彼のキャリアに災いしてしまったことには、何とも言い難い感情を持ちますが。


勝った新王者マルチネス、もちろん初見ですが、アルゼンチンの選手としては、昔ながらのイメージは皆無で、メキシカンのような印象。
マルコス・マイダナの流れを汲む、と言えばそうかもしれませんが...。
井岡一翔の今後の対戦相手(に、なるかどうかは不明ですが)として見ると、これだけでは何とも、というしかありません。
ここ二試合、良くない感じもある井岡を、あの果敢な攻撃で抑え込んでしまうかもしれませんが、井岡が良いときなら、そうはいかないだろう、というところです。


何にせよ、ベテラン揃いのこのクラスも、一気に様子が変わってきました。
エストラーダは体調面が不安、井岡も停滞気味、ロマゴンやニエテスは健在ですが、若い新王者がふたり登場して、新風が吹いてきた印象です。
ことにジェシー・ロドリゲス、今後の動向が気になるところですね。
一気にロマゴン戦へと突き進む、というわけにもいかないのでしょうが、エストラーダの動向次第では、一気に階級の頂点に駆け上がる可能性もあります。
もちろん、体格的にフライ級へ落とす、という選択もあり得るんでしょうが。そうなるとJCマルチネス、アローヨ戦の勝者と、というところですね。


こうして見ると、世界の軽量級ゾーンも、なかなか賑やかになってきた感じです。
中谷潤人や寺地拳四朗あたり、この辺に絡むような展開があれば、と思いますが。はてさて。





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勝者と敗者の今後 充分に報われるものとなるか

2022-03-22 15:37:19 | 関西ボクシング





寺地拳四朗、見事雪辱を果たしたわけですが、翌日の会見では、もう普通の試合はいい、という旨、コメントしたとのことです。
徳山昌守のように、川嶋勝重への雪辱を果たし、その後はバンタム級(長谷川穂積)挑戦を望んだパターンと、ちょっと似ているかもしれません。
問題は、そのような試合が実現するか否か。陣営の意志や能力、そして情勢に左右されるところではありますね。


個人的には、国内において、大手プロモーターの縛りや、好条件のオファーがないのだったら、海外進出の方が、その先に広がりのある話ではないか、と思います。
エルウィン・ソト陥落によって、または日本向けの話でいえば京口紘人の停滞などで、事情が変わった面はありましょうが、ライトフライ級王者が集結しているマッチルームとの契約など、あって良いのでは、と。


国内なら岩田翔吉戦の話も出ているようですが、現状「普通」の試合でしかないでしょう。
確かに大内淳雅との再戦における勝ちっぷりは見事で(大内は右足の腓骨を骨折したのだとか)、拳四朗とも良い試合をする可能性はある、とも思いますが。
現状、ありそうなのは、寺地永会長の言のとおり、夏頃に岩田戦、年末にまた、複数世界戦のひとつとしてビッグマッチ(以前流れたアルバラード戦のような)が組まれる、というところでしょうか。
おそらくそれが、あり得る中での最善、なのでしょうね。




対して、雪辱を許した前王者、矢吹正道の側からの記事も。
こちらの進退は今のところ保留ですが、王座を失った後、今後も闘い続けるための、前向きな話があるものかどうか。
ちょっと難しいのではないか、と思います。コンスタントに、良い条件の試合が闘えるような今後があるならば、と思いますが。
そうでなければ、きっぱり決断する、ということがあっても、驚くべきではないのかもしれません。
立場は違えど、こちらにも、充分に報われる今後があってほしい、と願います。




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気迫で圧して、技巧際立つ「圧勝」 寺地拳四朗、矢吹正道を3回TKO

2022-03-19 19:37:10 | 関西ボクシング




ということで京都の会場より帰ってまいりました。
AbemaTVのライブ配信がありましたので、皆様ご覧の通りの試合でした、と言えば済むわけですが、せっかく会場に行ってきたので、簡単に感想を。



初回から、寺地拳四朗がガード高く掲げ、膝を柔らかく使って腰を落とし、上体を振ってプレス。
いつもなら当てて外して、左でゲームメイク、という風情ですが、今日は早々に打ち込むぞ、という意志が見える。
すぐに、グレグ・リチャードソンを追い回し、クリンチすら許さぬ気合いで攻めに出た、若き辰吉丈一郎の姿が思い出されました。

左そこそこに右クロスも多数、という拳四朗に対し、矢吹正道は左ジャブを当てるが、当たるものの「食い止める」効果はほぼ得られない。
ならばと左ボディフックや、左右アッパー、右打ち下ろしも繰り出すが、深く踏み込まれているので、距離の長短を切り換える、前回のような展開には持ち込めない。
同じ距離でまともにやり合っては、精度で劣る。

初回はそれでも、ジャブの数だけでも見るべきものがあったが、2回、拳四朗がさらに出る。
矢吹は右アッパー、左フック返すが、拳四朗がアッパーを織り込んだコンビネーション。
続いて右クロスが複数決まり、左ボディも。矢吹後退、足取り乱れ、終了間際にまた拳四朗が右。


拳四朗、明らかに序盤から打ち込みに、というより、もう倒しにかかっているかのよう。
ガラにもない...と混ぜっ返すのも気が引けるほどの迫力。


3回、矢吹の左右アッパーは鋭いが、拳四朗が左をボディへ、右を上へと送るワンツー決める。
矢吹効いたか、と見えた直後、拳四朗のワンツーが飛び、右がまともに入って矢吹、ダウン。
距離で外そうとしたが、ダメージのせいか、バックステップが間に合わなかった?
何しろキャンバスに後頭部を打っていて、立ったものの続行不可能。TKOとなりました。



前回の試合後、号泣し、進退にも思い悩んだと語る反面、いざ再戦が決まれば、表面上は以前と違わない風も見えた寺地拳四朗でしたが、やはりひとたびの敗北によって負った傷は、思う以上に深かったのでしょう。
デビュー以来、全試合を会場で、或いは映像で見てきた選手ですが、序盤からこれほど、打倒の決意をあからさまに見せたことは、一度も無かったように思います。

明らかに左より右の比率が高かったし、相手の反撃にもすぐに被せて打ち返し、間を置かずに詰めて圧していく。
その闘いぶり、試合の展開、組み立ては、単純に言って、凄い迫力でした。
その上で、要所で見せるコンビネーションの組み立て、その妙と怖さも変わらず生きていて、フィニッシュ直前のボディへの好打、そして上への追撃は、「殺しのパターン」と言うべきもの。

雪辱への闘志燃え、気迫で圧して、技の凄みで仕留める。
文字通りの「圧勝」でした。見ていて、震えが来るような思いでした。
なんと凄いボクシングを見たものか。寺地拳四朗に、改めて脱帽です。



試合後のインタビューは、その声色なども含め、まあいつもどおりの感じに戻っていました。
しかし、あの凄まじい闘いぶりを見るに、やはりこの人、階級で括るに止まらず、日本が生んだ歴代のチャンピオンの中でも、指折りの実力者であると、改めて知らしめられたように思います。
連続防衛記録の数字は途切れてしまいましたが、「通算」という新たな枠組みを強引に押し立ててでも、具志堅超えというテーマで、当面押して行ってほしい、と思ったりもします。
そのような、大きな話題と注目が、この凄いボクサーの周辺には、あって然るべきだ、と。
さすがに今から改めて、13回連続防衛とはいかないにせよ...。





矢吹正道については、今日はもう、どうしようもなかっただろうな、と言うしかありません。
前回からのあれやこれやをあげつらう向きには、見たことか、的な言いぐさもあるのでしょうが、はっきり言って意味がありません。
今日の拳四朗に対すれば、他の誰が行ったって同じです。

矢吹は拳四朗の闘う姿勢に対峙し、瞬時にその脅威を感じ取ったでしょうし、打てる手はかなう限り出していました。
それでもなお、こういう結果になった。懸命に闘った末に、です。
そのこと自体をまずは見て、その闘いにも敬意を払いたい。拳四朗に敬服するのと同じく、です。




京都の会場は、空調(暖房)が入っていなかったようで、場所によっては底冷えし、ちょっと寒い中での観戦でしたが、正味9分足らずのメインを見終えて、そんなことはすっかり忘れてしまいました。
非常に満足度の高い観戦となりました。
この流れ、来月以降も続いてくれたらなぁ...。



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何が変わり、変わらないのか 矢吹、拳四朗再戦は明日

2022-03-18 06:58:06 | 関西ボクシング


ということで、言うとる間に再戦です。
メディアではそれなりに取り上げられていますし、昨日の会見でも矢吹正道が、北斗の拳のキャラクターにかけて話題作りをしていたようです。
このマンガ、途中までは読んだ記憶がありますが、こんなキャラいたっけかなあ...まあ、当然いたんでしょうね。


両者のコメントはこれまでの流れで出たものに通じます。
矢吹正道は、王者として構えるのでなく、今回も挑戦者の気持ちで変わりなく、と言い続けています。
寺地拳四朗は、自分のベストをぶつければ勝てる、という感じでしょうか。


前回はバッティングばかりが取り上げられる不幸な展開がありましたが、やはり改めて思うのは、コロナ罹患から12日延期というスケジュールで、拳四朗の体調そのものがベストとはいかなかったのでは、という部分です。
今回はそういうことにはならないと仮定して(確かに直前まで、怖れは消えませんが)、拳四朗がベストの状態で、体格とリーチを生かして闘える強打者、矢吹をどう攻略するのか、というところを、純粋に楽しめる試合になってほしいです。
もちろん、それを矢吹がいかに阻むのか、阻みうるのか、というところも。


そして、これ以上、せっかくの試合に対し、正当な評以外のものが盛り付けられるのだけは御免被りたい。
拙いブログではありますが、その一線だけは守っていきたい、と思います。
まあこれは、改めて言うに及ばぬ常識ではありますね。



そんなことで、明日は会場に足を運びます。どうやら生憎の天候みたいですが。
あと、現時点では、試合を映像で振り返る目処が立っていないのが残念ですね。
まあ、何らかの形で、いずれ見られるものではあるのでしょうが...。



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