さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

新旧対決「旧」意地の追い上げ届かず リナレス、ヘイニーに判定負け

2021-05-31 15:06:44 | 海外ボクシング




昨日のDAZN、メインイベントはライト級新旧対決。
実質「世界ライト級」王者テオフィモ・ロペスへの有力挑戦者の座を争う、と見るべき試合だけあって、非常にレベルの高い攻防が見られた一戦。
WBC正規王者デビン・ヘイニーが、元王者ホルヘ・リナレスの追い上げを振り切って、判定勝ちでした。



初回、ヘイニーのワンツーにリナレスは左フック返すが、それ以外はヘイニーのダブル、トリプルのジャブが上下に。ヘイニー。
2回、ヘイニー右アッパーで入る。ワンツー速い。リナレスも右で脅かすものの、手のスピードはあるが、足の動きで差がつく。揉み合ってもヘイニーが押す。ヘイニー。
3回、ヘイニー今度は左アッパーで入る。この回ヘイニー、ヒットで先手、クリンチ増やし、ジャブ突いて離れる、という三分割した闘いぶり。
リナレス左フックは良いが単発、ボディジャブで突き放される。ヘイニー。


4回、リナレスが奮起。ヘイニーの速いジャブに負けず、ジャブを繰り出しつつ圧して出る。スリーパンチ、右から左の返しヒット。リナレス。
5回は互いにガードを意識し直したか。ヘイニーの速いパンチが来ても、リナレスが軸を崩さず打ち返す。左フック互いにヒットあり。ややヘイニー。
ヘイニー、右肘を当てに行った?場面もあり。

6回、ヘイニーが低い姿勢で頭から押し込む。リナレス、速い連打、左フックを見せるが、やや上体を起こされてもいる。
ヘイニーの速いワンツーが出る。ペースを巧く変えたヘイニーの回。
7回、左の応酬、リナレスのスリーパンチにヘイニーの左アッパー。ヘイニーのダブルジャブ、上下。ワンツー、右がリナレスのガードを破る。ヘイニー。
8回、ヘイニーの速い左フック。右で追撃、ジャブで突き放す。リナレス、ロープ際へ押される。ヘイニー。


ここまでは若き逸材、ヘイニーの快勝ペースに見えました。
パンチの速さを含め、上半身だけなら両者、互角ですが、やはり下半身、足の動きに差があり、こまめに動いて打ち、外せるヘイニーの敏捷さと比べ、リナレスはどうしても硬く、遅く見えました。
そこへ来て6回以降は、逆に押し込まれてもいて、ヘイニーの適切な試合運びも光る。これは厳しいな、というところでした。が。


9回、出るヘイニーにリナレスがボディ連打。ヘイニー少し落ちたか?
ヘイニーの速い左フック、リナレスの右クロスから返しの左が互いにヒット。リナレスのヒットがより深いか。ややリナレス。
手応えあったか、リナレス、コーナーに帰ってシャッフル。
10回、ヘイニーが打ったあと動けず、止まり出した印象。突き放しのジャブも鈍い。リナレスが打ち返すパンチの、決まる頻度が高くなっている。
終了ゴング間際、リナレスの右クロスが決まり、ヘイニー、足を突っ張らせてコーナーへ。リナレスの回。

11回はヘイニー、クリンチするにも一応打ってはいたが、最終回はもう、パンチ出さずにもろ差し狙い。
腰を落としてまわしを取りに行く、という風で、もはや相撲取りのような有様。場内ブーイング、失笑も?
いずれもリナレスの回。


しかし判定は3-0でヘイニー。さうぽん採点は7対5、ヘイニーでした。
妥当なところだったと思います。



中盤までは、新旧対決の「新」、ヘイニーがその優れた才能と能力を発揮していた、という試合でした。
リナレスは攻撃力、その質では負けておらず、威力では優っていたと思いますが、ヘイニーはジャブでの距離構築のみならず、攻防ともに若手らしからぬ幅がありました。
4、5回あたり、リナレスが圧力をかけてきた流れを、6回に自分から出て押し返し、序盤とは違う形で、自分のペースを掴み直しましたし、パンチの速さはもちろん、防御動作も速く、高い集中を見せていました。

ですので、9回以降、リナレスが挽回し、さらに10回の攻勢、右ヒットへの流れは、「旧」の側たるリナレスの闘志、意地が、こちらの想像を超えるものだった、と言うしかありません。
ラスト2回は、ヘイニーがポイント計算したというより、あれ以外やりようもなかった、ということだったのでしょう。



ヘイニーはやはり、最後がみっともよろしくなかったと言われるでしょうし、そう思いもしますが、反面、若いうちに本物の強敵と闘って、何もかも綺麗に話をまとめ、収めるというわけにもいかんかな、という気もします。
レナードやメイウェザーだって、キャリアの上昇段階で、リナレス級の相手に当たっていたら、多少なりともドタバタはあったかもしれない、と思います。
その辺の「断」は、この試合を経て、今後の成長がどのようなものになるかを見てから、ということにしておくべき、なのでしょう。


リナレスは、残念ながら下肢の動きの差、柔軟性のなさが、左ジャブの攻防で劣ることに繋がり、序盤から中盤までの回において、「違い」を作られた感がありました。
しかし倦まずに攻め続け、ボディ攻撃を端緒に、終盤は怒濤の追い上げ。敗れてもなお、誇りを持ってリングを降りることの出来る闘いぶりでした。
結果はヘイニーが生き残り、さらに上の試合へと歩を進めることになるのでしょうが、リナレスもその力をしっかりと示した、と思います。
少なくとも、世界ライト級上位戦線から「脱落」した、という見方はあたらないだろう、と。
また、頂点に立つ王者ロペスの動向次第では、上位陣同士の対決の機会は、まだ充分残ってもいるでしょう。



世界ライト級の上位対決、そして新旧対決は、互いの戦歴からくる現状、それぞれの長所と短所がほとんど全部、といっていいくらい、しっかりと見られた、濃密な12ラウンズでした。
これをライブ配信で見て、改めて、楽しいひととき、というに収まらない、心沸き立つ、そして震えるような時間を過ごせました。
両者に拍手、そして感謝したいと思います。



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ということで、一曲。
the pillows「サード アイ」。








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恐るべき「捕食者」が健在示す ドネア、ウーバーリをKO、WBC王者に

2021-05-30 15:42:00 | 海外ボクシング



ということであれこれ大変な一日、ひとまずWOWOW3試合と、DAZNのメイン一試合、計4試合を見終えました。
シティvsチェルシー入れたら5試合やないか、というツッコミが聞こえてくるようなこないような...。
こちらについてはあまり突っ込んだことは言えませんが(笑)カップファイナルとは必ずしも、強い(と評される)方が勝つとは限らない、ということかなぁ、と。


それはさておき、今日は一昨日の記事コメント欄にて、hiroさんにご指摘いただいたとおり、国内でも二興行がネットで見られるのを含めて、本当に大変な一日でした。
感想文は順を追って、ということで、まずはWOWOWのメインから。



序盤から王者ノルディ・ウーバーリが、いずれ捕らえられる「獲物」のように見えてしまったことに、自分で驚きつつ、試合を見始めました。
細かく適切な動きで、手数出して外して、とやっていて、ポイントも取れてはいる?スタートながら、解説の西岡利晃も語っていたように、ノニト・ドネアのカウンターがいつか決まりそうな雰囲気。

ウーバーリ、試合開始の時点で、さいたまで見たときの印象と違い、計量後、さほど身体を戻せていないように見えたこともありますが、要するに、その無駄のない細かい動き、出入りのパターンが、ドネアの「捕捉」範囲を逸脱するものではない、ということが、すぐにはっきりしたような気がしました。

また、両者のスピード、リズム感が「合う」ようにも見えて、序盤からドネアの「合わせ」技が出やすい流れでもあろう、とも。
そもそも、サウスポー相手に、生き死に紙一重のタイミングで、左フックのカウンターを決めるのが得意、というか「好き」な選手でもあります。


初回、2回とも、WOWOW解説陣はウーバーリにポイントを与えましたが、本当に際どい角度に、深さを持つパンチを打っているのはドネアの方。
しかも「本命」の左フックよりも、低めの右ストレートで「お伺い」を立てていたりする。

そして3回、ますます合わせのタイミングが良くなり、右ストレートボディ、左アッパー上をインサイドへ。
次にウーバーリが手を返すところに、視野の外から狙う、左フックのカウンター。
ドネアの「殺しのパターン」がひとつ出て、ウーバーリがダウン。

再開後、もう細かい手順を省いて良し、と見た?ドネアが、ウーバーリの左アッパー、右フックの間に、左フックを差し込む。
追い詰められた「獲物」は、時に無理なことをして、危機を脱しようとするものだ、ということを承知している「捕食者」の仕業。
ウーバーリぐらつき、ロープからロープへ追われ、ゴング後かどうか微妙なモーションから始まった左フックを、またも左アッパーに合わされて、二度目のダウン。

レフェリー、かなり時間かけてチェックし、続行を許可(こんなんなら、20カウントでKO、とルール変えないかんがな、と思いますが)。
4回、一見するとドネアがもっと手を出して、詰めに行かねば、とも見える展開が少し。
しかし、ドネア本人が、もう回復など無理だ、という手応えから、じっくり狙ってよし、という余裕を持っていた、ということか。
ウーバーリに「やらせて」おいて、左アッパー、左フックを力まずに合わせていく。
最後は連打で攻めて効かせ、ロープに追って、左右、そして足を踏み換えての左アッパー。ウーバーリ、立てず、KOとなりました。



私の友人が「捕食モードの爬虫類」と全盛期のドネアを評していまして、なるほどなあと思ったんですが、今日のドネアはまさしく捕食者、Predatorでした。
年齢やコロナ陽性によるブランクなど、普通ならマイナス要因だらけのはずが、それもある意味、良い休養になったのでは、と思うくらい。
ウーバーリという相手が、思った以上に相性が良い相手で、またかつては数多くスパーをした仲だったことも幸いしたのかも知れませんが、それにしても絢爛としか言いようのない拳歴の果てに、まだこれだけの強さを、そして捕食者としての手際の良さ、殺し屋としての恐さを見せつけるあたり、単に感動的というのを超えて、恐ろしく感じました。

試合後はウーバーリを気遣い、明るくインタビューに応え、という好感度の高い姿を見せていましたが、思うことはやはり、井上尚弥はよくぞこの恐い人に勝ったものだなぁ、というに尽きました。
ことによると、再戦待ったなし、なのかなぁ...いや、多分そうなるんだろうなあ、と思うと、楽しみでもあり、しかし心配でもありますね。


しかし、試合後の井上尚弥の反応は、いかにも彼らしいもの、でもありました。
傍目には、あまり良いカードとも言えない次戦に向けて、気持ちの面でどうなのかなあ、と思っていたりもしたんですが、この試合を、ドネアの姿を見て、その辺が前向きなエネルギーを得たものに変わるんではないか、と思ったりもします。

それもこれも含めて、さすがはノニト・ドネア、と改めて畏れ、敬うのみ、という気持ちです。
なんか、解説の西岡利晃の声も、心なしか明るく、弾んでいたようにも...(^^)





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何も説明せず、責任も取らず JBC、空虚な謝罪文

2021-05-29 09:36:04 | その他



明日は見逃せない試合が生中継でふたつも見られる、楽しい(と言う表現では収まらないですが)日曜なんですけど、前日にいまいち楽しくない話題について、一応書いておきます。


JBC、井岡一翔に「名誉を傷つけた」として謝罪文をHPに掲載。全文も記事に載っています。
しかし、依然として井岡、及び田中恒成両陣営は強硬な態度である、という記事も出ています。

そりゃ、当然だと思います。
肝心なことを何も説明せず、誰一人責任を取らず、今後を語られてもな、という話です。
改めて、ようもまあ...これで「済む」と思っているのだとしたら、大した度胸というか面の皮というか。
それでいて、まんざら阿呆でもないなあ、というか、幹部の責任逃れの筋道のために、肝心のところが全部すっ飛ばされています。


何しろこの謝罪文、改めて疑問だらけです。
いちいち突っ込み出すと終わりませんが、冒頭の「ずさんなドーピング検査を行い、この間違った検査に基づく情報が意図せず流失してしまいました。」という一文だけでも、疑問がいくつも湧き上がってきます。


→そのずさんな検査の実態を、JBCの上層部は承知していたのか。していなかったなら(それ自体、大問題ですが)、その実態を把握したのはいつか。
→その検査を命じ、また実行した人員は誰なのか。
→そのずさんな、なおかつ「間違った」検査による、きちんと管理されていない検体を、警察に持ち込んだ理由は何か。
→また、それは誰の意志決定によるものか。
→意図せず流出した情報、とあるが、そもそも何一つ情報が開示されず、選手や陣営にも通告がなかった理由はいかなるものか。同じくそれは誰の意志決定によるものか。


本当に終わりませんから止めますが、先日の会見といい、今回の謝罪文といい、肝心なことは何も説明していません。
この調子を見ていると、複数のメディアにリークした人員には「公益通報」の理があった、と思わざるを得ません。
上記のような、検体の取り扱いという大問題を、意味不明、理由不明、責任の所在不明のままで済ませ、誰も責任を取らない。
そして、何度も書いたことですが、メディアへのリークがなければ、そもそも何も無かったことになっていたのです。

さらに、引用したふたつめの記事によれば、JBC永田理事長は「非公式に」片方の陣営に謝罪を行い、それを拒否されたとあります。
事ここに至ってなお、この隠蔽体質というのか何というのか。
このような人物が、リークした人員を犯人扱いして、ドーピングと共に「ガバナンス」の体制を確立する、と語る。
正しく、他に言い表しようのない、正真正銘の「お笑い草」ですね。


何しろ、この話に出てくるのは、影でコソコソ、口開いたら自分の都合や誼に基づいたことだけ、という手合いばかりで、見ていてこの上なく、気持ちの悪い話です。
こちらは、何もかもを公にさらして、開かれた場で、単に客観的事実をもって、全てを明らかにしてもらいたい、と思うだけなんですが。

その他にも、警視庁の捜査を受けてから、スクープ報道が出るまで「いわれなき嫌疑」をかけられたことに対して、JBCに抗議の意を表明することなく沈黙していた井岡一翔の態度や、あれこれ話をこねくり回した記事を書いた一部の書き手など、腑に落ちないことは色々とあります。

「リーク」によって色々と明らかになったあれこれの先に、色んな思惑が蠢いているのかもしれませんが、この辺の「風味」が、勝負の世界たるボクシングのそれには、まったくそぐわない。
何よりもそのこと自体が不快で、気持ち悪くて耐えられないです。ええ加減にしてくれや、と思うばかりですね。



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この週末は大変です

2021-05-28 17:14:16 | 海外ボクシング


なんか、あまり楽しくない話題には事欠かない昨今ですが、それを一旦忘れてしまうほど、この週末は本当に大変です、という話。

何が大変かというと、海外からのビッグマッチ二興行が生中継で見られてしまうという点です。
しかも我々日本のボクシングファンにとり、他人事ではない試合が揃ったので、のんびり見よか、という感じでもない。


ホルヘ・リナレスがWBCライト級正規王者デビン・ヘイニーに挑む一戦は、DAZNでライブ配信。
ただ、DAZNのHP自体には、午前9時に配信開始、メイン開始は12時頃の予想、とあるのですが、DAZN NEWSの記事の下には、イベントが12時開始、メインは15時15分頃開始予想、となっています。

もう試合があさってだというのに、こういうのを放置しているあたり、やはりDAZNさん、さすがDAZNさん、こうでなくては、というところでしょうか(笑)。
いままあ、本当にどうなんですかね。ちょっと面白いので、問いあわせなどせずに見守っていますが(笑)。
WOWOWじゃ、絶対にあり得ないことですね、これは。

まあ、どうでもいい(こともないですが)話はおいて、ライト級新旧対決、「新」が強敵相手に目に見えて伸びた、と後に振り返る試合になるか、それとも「旧」が高い壁となって立ちはだかり、試練を与える一戦になるか。
どちらにせよ、普通ではない劇的さをはらんだ試合として、見逃し厳禁の一戦です。



で、もうひとつがWBCバンタム級タイトルマッチ、ノルディ・ウーバーリvsノニト・ドネア。
これまた新旧対決ではありますが、歳はそんなに離れてないんですね。
安定感、「幹」の強さ、据わりの良さでウーバーリ、一打の威力と果敢さでドネア、という対比ですが、ウーバーリ有利という見方も、大きな差を見ているわけではない、という感じでしょうか。
ウーバーリがどの程度動くのか、動けるのか、或いはどのくらいの頻度で「止まる」のか、というところで変わってくるのでしょうが。

こちらはWOWOWプライムで午前11時から生中継。こちらは確かだと思います。
出来ればWOWOW4Kでも生中継してもらえると嬉しいんですが...。



DAZNという「黒船」の存在により、WOWOWも生中継の数を増やしている現状は、一昔前を思えば夢のように楽しいものです。
しかも日曜は、ここに加えて日曜早朝はサッカーの欧州チャンピオンズ決勝があり、ボクシングがふたつ終わったら夕刻からMotoGPの生中継があり...。
さすがに全部見てたら倒れてしまいます。本当に、この週末は大変なのです(笑)。



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ということで、一曲。
PSYQUI「就寝御礼」。







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大阪だった?はずが海外遠征? 中谷潤人、アコスタ戦は入札か回避か?

2021-05-27 18:59:38 | 関東ボクシング



WBOフライ級チャンピオン、中谷潤人の指名試合、初防衛戦のアンヘル・ティト・アコスタ戦が、WBO本部で6月1日に入札となった、という記事です。

「今月29日に大阪で」試合予定だった、とさりげなーく書いてありまして「へ?」という感じですが、白紙になって入札に至る、ということです。
元記事はボクシングシーンですね。

元々、こちらの記事にある村田諒太とゴロフキンの対戦に向けて、村田がWBA3位カルロス・ムンローと対戦する興行のアンダーに組み込まれている、という話でした。
それが無理で、ならば単独で、という模索があったということでしょうか。その一端が「大阪で」という話なのかもしれません。
もちろん、あちらさんの単なる誤記なのかもしれませんが(笑)。


この手の話が海外報道で先に出ると、その後は日本の関係者が「巻き返し」に出る?のかどうか知りませんが、終わってみれば日本開催で「手打ち」?になるのが常だったりもします。
金額も低いところからスタートしますしね。

しかし、昨今の情勢は言ってみれば「常ならざる」ものでもあり、どうなるものか断定的なことも言えません。
古い感覚で言えば、敵地どうこうを厭わず闘うのは結構ですが、プエルトリコはさすがに...と思う土地のひとつだったりしますんで、出来ればリスケされるであろう村田の試合と一緒に出来れば良いんですが。
まあこちらも「一戦挟んで」「大晦日に」という、こんな話がホンマにあり得るんやろうか、と過去の感覚では首を傾げる話ばかりで、何とも頼りないことですけども。


中谷潤人の来歴を見れば、試合経験こそないが海外渡航歴はプロデビュー前から長く、言ってみれば従来の日本ボクシングの指導体系とは別のところで腕を磨き、強くなってきたボクサーです。
そういう彼が、初防衛戦から海外で試合、ということ自体は、無責任な傍目から言えば、胸躍る話ではありますね。

仮に「あちら」の会社が興行権を取ったとして、岩佐vsタパレス戦のように、東海岸の大興行に組み込まれる(マジソンとかバークレイズとか)なら、ある意味最高かもしれません。
そこで良い内容を示し、結果を出せば、中谷潤人は、日本で数回KO防衛を重ねても得られない国際的評価を得ることになるでしょう。
ただ、サンファンだバヤモンだ、という都市での試合は、今やるとしてもどうなんやろう...と思わずにはいられません。

とりあえず6月1日以降、どういう話になっているかですね。はてさて。




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虎穴に入る果敢を、強打で突き放す安定 清水聡、新鋭・森武蔵に判定勝ち

2021-05-25 06:22:52 | 関東ボクシング




関東ローカルでは日曜深夜に放送があった、清水聡vs森武蔵戦ですが、昨日にはもうFOD、フジテレビオンデマンドで無料視聴出来ましたので、有り難く見ました。
有り難く、といってもかつてはCSフジ生中継だったんですから、話としては後退しているんですが、まあそれはひとまず置くとして。



サウスポー対決、といってもスタイルはだいぶ違う両者。
清水は離れて右ジャブ。森は強打する距離を与えまいと、序盤から懐取って身体を寄せに行く。
これが森本来の良さかどうかはともかく、この闘い方にも違和感はない。21歳にしてすでに、多様なスタイルで闘えるのは凄い。


初回清水、2回森?ボディの打ち合いはどちらとも言いにくいが、初回は清水が打ち合いでまさり、2回は入り際、離れ際に森が左クロス、右フック好打。
3回も展開変わらず、微妙な回。4回森が右フックダブル。森か。
途中採点、三者三様。5回、森がインファイト以外の部分でヒットを取る。


森の果敢さは目を引くが、同時に一切「楽」が出来ない展開でもあり。
6回、清水が奮起したか、意図してストレートパンチの数を増やし、突き放しにかかる。
右ジャブ、左ストレート、右フック、ボディストレート、迎え撃ちの右アッパーとヒットを重ねる。清水。

7回以降、森が食い下がるが、清水が抑えていく回が続く。
この回も清水が左右左とヒット。森は食いついてボディ。
8回も清水が打ち合いでまさり、9回、さすがの森も疲弊してくる。対する清水、距離の確保がかない、余裕が見える。

10回、右相打ち。森、苦しそうだが前に出る。清水は足で捌いて、肩の入った右ジャブ。清水。
11回、森が惜しいカウンター放つ。12回、きつそうな森が奮起して手数でまさる。



ということで、クリアな判定で清水が勝ちましたが、この選手、相手が強かったり、試合の注目度が高かったりすると、気が入って力が出るタイプかな、という印象です。
東洋太平洋のタイトルマッチというには物足りないマッチメイクが続いていた頃、下位ランカー相手に景気よくヒットを許していたりして、その末に一階級上のジョー・ノイナイにはこっぴどく打たれて敗れましたが、今回の試合には、これまでとは違った意気込みや集中のようなものが見えた気がしました。
あと、実況が再三言っていた、高地トレーニングの効果も出ていたのか、終盤落ちるのかと思っていたら違い、というか逆でした。
KOこそ出来ませんでしたが、6回以降、突き放し、捌き、いざとなれば打ち合って勝つ、という展開を崩さなかった「安定」が、虎穴に入らずんば、という姿勢で食い下がってきた森を下した、という試合でした。

それでもこの上、先を言うなら、打たせる頻度...という以前に、打とうと思わせる頻度が高い作りのボクシングになってしまっているなあ、と思うのですが、その辺はもう「込み」での勝負なのかもしれません。
年齢がどうという以前に、もう格下相手の試合は飛ばして、大きな試合を持ってきた方が良いのかもしれませんね。
今回の試合の手応えを、違う試合であっさり失ってしまったりする前に。



森武蔵、初黒星となりましたが、強打する距離を与えると手に負えない清水相手に、果敢に入っていく闘いぶりを貫きました。
かなり打たれたことはともかく、疲弊の色も僅かに見える程度に抑え、最後まで食らいついたあたり、単にセンスに優れた若い選手、というでは収まらない「強さ」でした。
ポイント的には差がつきましたが、その力あればこそ、試合自体の緊迫は、最後まで高いレベルで保たれていたと思います。
過去の悪いときならともかく、今回の清水相手ですから、敗れてもなお健闘を称えられるべき、と見ました。




と、地方でもオンデマンドで関東ローカル放送の試合を見られるのは有り難いですが、仕方ないこととはいえ、中嶋一輝vs千葉開の若手対決が、ごくごく短いハイライトで終わってしまったのはやはり残念です。
フルラウンド、オンデマンドで見られるようにしてもらえんのかな、と思うんですが「そこまで」する対象ではなくなっているのが、国内ボクシングの現実なのでしょうかね。
詳しい事情など知る由もありませんが、悪い想像だけはいくらでも膨らみますね。残念なことですが。



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ということで、一曲。
ASIAN KUNG-FU GENERATION「荒野を歩け」。







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波状攻撃の流れを断ち切ったカウンター ジョシュ・テイラー「世界」の頂点に立つ

2021-05-24 00:50:16 | 海外ボクシング




ということで昨日は、午前中からWOWOWオンデマンドで、スーパーライト級世界統一戦を楽しく見ておりました。

漠然と、午前11時くらいからだったかな、と思いつつ、まあ他にもチェックせないかんものもあるし、10時くらいにTVの前に陣取って、一応WOWOWオンデマンドがトラブル無く視聴出来るかを確認していたら、午前10時頃から配信開始、と。
慌てて見始めたら、セミファイナルが始まって1分くらい過ぎてました。危ないとこでした。


そんなことでジョシュ・テイラーvsホセ・ラミレスの「世界」スーパーライト級王座決定戦は、両者が持ち味を出し合って、予想通りの大熱戦となりました。

初回、テイラーが広いスタンスで「布陣」。ラミレスは上体を振って入ろうとする。探り合い。微妙。テイラーか?
2回、互いに正対しての攻防。左右に回らない。これはラミレスに幸いか。最初から捌きにかかっても無理だ、というテイラーの「覚悟」でもあるが。
テイラー左をカウンター。ラミレスは右リードから上下に連打。テイラーか。

3回、テイラーのバックステップをラミレスが追って、ボディ、逆ワンツーまで込みの4、5発連打。ラミレス。
4回、テイラーも左右アッパーで迎撃。ラミレスは手数で上回る。両者コンビの応酬。ラミレス。
5回、両者少し手数減る。テイラー少し打ってクリンチ。微妙。ややラミレス?

ラミレスが右リードで入ってボディへ追撃、という波状攻撃がまさる展開だったが、6回、前進するラミレスにテイラーの左カウンターが命中。
ラミレス、首振って芯を外そうとしたが、振った後にテイラーの左が入る。ラミレスダウン。
しかしラミレス立ち、逆に右でヒットを取る。10-9に戻すまではいかないか。テイラー10-8。

7回、少し余裕が出たテイラー、足が動き出す。当てて左右に旋回「捌く」という言葉がやっと使える流れに。
身体を寄せた両者に、レフェリーが少し触れた直後、テイラーの左アッパーでラミレス二度目のダウン。
レフェリー、慎重に続行可能か確認。実質ロングカウントだとも言えるが。テイラー10-8。

8回、ラミレス粘るがテイラーのヒットが重なる。左ボディから上に返し、右フック、左ストレートなど。
ラミレスも打ち合いに出るが、テイラーの回。
9回、ラミレス奮戦、テイラー少し見過ぎの感。ややラミレス。

10回、テイラー少し見て、ラミレスに「やらせて」おいて?後半に出る。
左右に動いて左カウンター、右へ切り返す足捌き。サウスポーの定番ともいえる技。余裕ありか。テイラー。

11回、12回はテイラーがリードを確信して流した感あり。ラミレスが手数出して奮戦。
12回はラミレスの右ショートカウンターがかすめるシーンもあり。ポイントは微妙ながら、いずれもややラミレスか。


判定は114-112で揃った3-0でテイラー。
終盤、テイラーが流した結果とはいえ、ラウンド数でいえば6対6ということになります。
ラウンド毎の数字は違うかもしれませんが、さうぽん採点も結果的に同じでした。
テテララ、ラテテテ、ラテララ、というところです。



序盤はラミレスの波状攻撃がテイラーを脅かす感じでしたが、6回の左カウンターが事実上の決定打だったように思います。
サウスポーの左ボディアッパーによる迎撃だけではラミレスの波状攻撃は止められない、上にカウンター決めないと、と思っていたら、その通りに一撃で断ち切って見せた。
さすが、としか言いようがありません。
次の回には目先を変えた左アッパーを、一瞬の隙を逃さず決める。これもお見事。
不満を言うとしたら、終盤の安全運転ぽいところですが、無理して行けるような生易しい相手ではなかったのも事実で、まあ納得半分、でもあります。


ラミレスは心技体ともこれ以上無い奮戦ぶりでした。今回の闘いぶりは、それこそ極限まで力を出し切ったものだった、と思います。
右ストレートリードと、左フックリードも巧く使い分けていたし、テイラーが正対しての攻防を選んだこともあって、断続的に連打のボリュームが増していくあたり、さすがの迫力でした。
しかし、闘いぶりから受ける印象と違い、このレベルで頑健さを誇るというところまではいかない、というのも事実で(体つきも意外に華奢というと何ですが「ナチュラル」な感じ)、その限界をテイラーが暴いた、という試合でもあったかな、と。


とはいえ、スーパーライト級、真の世界一を争奪する一戦だけあって、緊迫した攻防がふんだんに見られました。
米英対決ということもあって、細かいとこでさりげなくレフェリーが...という印象もありましたが、そこに自ら選んだ「流し」も込みで、数字以上に差を感じさせる内容で勝った「新王者」の誕生は、堂々たるものでした。
やっぱり「世界」タイトルマッチというからには、このくらいでないと嘘やなあ、と改めて思ったりもしました。



ということで、ケン・ブキャナン以来のスコティッシュ・ヒーローが生まれた瞬間を、ライブで見られた、楽しい時間でした。
その昔、日本でブキャナンの試合をライブで見た人なんて、ガッツ石松戦の機会を除けば、誰一人いなかったことでしょうし、それを思うと、良い時代やなあ、とも(笑)。



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ということで、一曲。
Idlewild “When I Argue I See Shapes” です。







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マニー・パッキャオ復帰決定、相手はエロール・スペンス

2021-05-23 00:08:41 | マニー・パッキャオ



マニー・パッキャオ復帰戦が決定、相手は「まあ、決まらんやろう」感ありありだったテレンス・クロフォードがやはり外され、PBCの枠内でエロール・スペンスに。
8月21日、日本時間だと22日ですね。これは当然、WOWOWで生中継の運びとなりましょう。


パッキャオは再三、クロフォード戦の話題が出てましたが、ボブ・アラム側があれこれ吹聴?すればするほど、傍目には実現が遠のくような感じがしていました。
まして中東で、誰かがどーんとお金だしてくれたら、みたいな話になって、ああ、これはいよいよアカンやつや、と。
結局、クロフォードがアラムと完全に切れない限り、無理なのかもしれませんね。


スペンスは前回、交通事故からの復帰戦でダニー・ガルシアを無難に下しましたが、以前のベストよりは少し...「慣らし運転」にしては強敵相手で、やはり凄いな、とは思いましたが。
しかし二戦目で、念願だったであろうビッグネームとの対戦ですから、さらに仕上げてくるでしょう。


パッキャオについて、年齢やブランクのことを心配しても無駄かもしれませんが、今度は単に相手の実力そのものが脅威、という感じがします。
もし、過去のベスト時期に見せた縦横無尽の動きと、的確な強連打がフルに出ても、それでもなお激戦となるのでは、と思ったりもします。
巧さと経験でパッキャオ、もし強打の応酬になったら、強打と狙いの鋭さでスペンス、というところでしょうか。
今から楽しみなカードですね。



と、これに関連した話題?かどうか何とも言えませんが、こちらもWOWOWで生中継、とのこと。
この「試合」、やるやるとネットで記事が出ていましたが、見出しだけ見てクリックせず、記事の中身を見ていないんで、ああ、そうでっか、まあ頑張っておくんなはれ、としか思っていなかったんですが...。

率直に言って、生中継と言われても「して要らん」としか思いません(笑)。
まあ、視聴者の需要があるなら、それまでの話で、私なぞが何を思おうと関係ないんですが。
しかし、現地では日曜の開催なので、日本での生中継は月曜の午前なんですね。いやはや。


これでWOWOW、来月は生中継3本です。スタッフの皆様も大忙しでしょう。
個人的には、これに費やす労力があるなら、他の試合を生中継してほしいですけど...まあ、最近は大抵やってくれるんで、これ以上は言えんか、という気持ちでもありますが。



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ということで、一曲。
warbear「ダイヤモンド」。







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佐々木尽vs湯場海樹、7月17日に八王子で挙行

2021-05-22 07:37:00 | 関東ボクシング



当初、5月23日に墨田区で予定されていた若手注目対決、日本ユースのスーパーライト級タイトルマッチ、佐々木尽vs湯場海樹は、7月17日土曜日に延期して行われるとのことです。

カード自体は中止でなく延期、と最初から言われてはいましたが、いざ日時、場所が決まるとやはり安心ですね。
で、場所はというと、八王子市富士森体育館、とういう会場。
当然、初めて聞く会場名です。

最近はTV番組などで、東京といっても色々ある、というところを面白おかしく紹介するものも多々ありますし、八王子というところが、辺鄙な...もとい、中心部からはちょっと離れたところにある、ということくらいは、私のような田舎者でも知っています。

今回、じゃあ東京駅からだとどのくらいかかるのかな、と思って調べてみたら、これがなかなか大変でした。
細かいことは今さら書きませんが...東京から先、少々移動があろうと、こっちにしたら誤差の範囲や、と嘯くのが常の私も、さすがに唖然となるくらいで(笑)。


しかし記事にもある通り、有り難いことにA-Signチャンネルにて動画配信あり、とのこと。
これ、当然ライブ配信のことですよね。試合前から...って書いてありますし。

ということで、またひとつ楽しみが増えました、という話題です。
こちらは延期決定前、5月23日挙行予定だったときにアップされた、A-Signのプレビュー動画。







湯場海樹の父、湯場忠志と、八王子中屋のチャーリー太田戦の映像から始まる、凝った作りになっています。
この試合、ホールで見たなぁ...この頃のチャーリー、相当強かったですが、敗れたりとはいえ、湯場も健闘していたのを覚えています。

「磨かれざるダイヤモンド」湯場忠志の息子、湯場海樹は、これからどういうキャリアを送るのか。
同世代の強敵、佐々木尽との対決が、その道程にどういう意味を残すのか。
壮大なストーリーの始まりになるのか、それとも残酷な運命を描く一場面となるのか。
今から待ち遠しいですね。



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ということで、一曲。
くるり「潮風のアリア」。









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体力の差で撥ね付ける 豊嶋亮太、別府優樹をTKO

2021-05-21 11:38:18 | 関東ボクシング




昨日は夕刻から、おっかけ再生で、G+の生中継をディレイ状態で見ておりました。

一昨日は竹迫司登が見事な初回KOを決めたそうで、昨日がウェルター級王者対決、今日は清水聡vs森武蔵と、日程変更の結果、ホールは三日連続でえらいことになっているさなか(しかも一昨日は白井義男世界奪取「ボクシングの日」)だというのに、しょうもない話を持ってきやがって...と、少々クサクサした気分ではありましたが、まあ気を取り直して、という。


ということで、OPBFウェルター級王者、豊嶋亮太と、WBOアジアパシフィック王者、別府優樹の対戦、簡単に経過から。

初回、別府が動いて探りの左。右アッパーも出すが、早々に豊嶋の右被せなどがヒットする。
2回は別府が動いては右。3回も右アッパー出すが、豊嶋の身体の軸がぶれない。左フックが来て、別府が脅かされる。
4回も同様、徐々に豊嶋の圧力が強まり、その中で別府はボディも打たれる。押されてたたらを踏む場面も。


途中採点、二者が豊嶋フルマーク。さすがに別府に気の毒な感じ。さうぽん採点は3対1か、イーブンは...どうかな?というところ。
別府にしたら精神的にもきついところか。捌けている確信はなかったにせよ「見てもらえてない」と感じるところもあったように思います。


5回、豊嶋コンパクトな連打。抜かりなくボディも打つ。
6回、別府は足捌き、スウェイを駆使して外し、右ヒット。際どい右カウンターも。

しかし7回、豊島のワンツー、ツーが右アッパー。別府読みを外されたか、まともに食ってダウン。
体格の差もあるが、矢田戦でも「さくっと」倒れる印象のあった別府、痛い失点。

8回、ピンチかと思った別府が左を駆使して取った、かと思ったが、途中採点にはそれを反映していない数字もあり。
9回、10回と、別府は動くより打ち込み優先のシフト。好打もあったが豊嶋の右クロスなど、打たれる頻度がさらに上がる。
最後はボディで止められ、左フックでダウン。そのままTKOとなりました。


試合としては、豊嶋亮太が今年に入って二試合目、元々フィジカルが強いところに、コンディションも良く、ベストな状態だったのに対し、矢田良太戦から一年半近く間隔を置いた別府優樹が、動いて外し当てて行くボクシングを目指すも、パワーで圧され、動きが落ちたところを捉えられた、というものでした。


別府については、地方のジムにあって練習環境も厳しいものがあり、そこにブランクもあり、防御の技術と勘、その質を維持するのは難しかったんだろうなあ、という印象でした。
このタイトルホルダー対決の前に、ちょっと「軽い」相手との調整試合があれば...と思ったりもします。
また、矢田良太戦のときには、相当酷い拳などの負傷があったということで、その辺はどうだったのだろう、というのも気にかかるところです。


豊嶋はそのあたり、ほぼ何の憂いも感じられない、充実期にある者の強みだけが伝わってくる闘いぶりでした。
別府の速いパンチを貰うことがあっても、構えは揺るがず、高くて締まった状態を維持し、上下ともにコンパクトな強打で脅かし、別府を徐々に止め、捉えて仕留めるあたり、かなり成長してきている、と見えました。

今後、小原佳太や坂井祥紀と対したとして、その頑健さで押し切れるものか、というと、確信は持てませんが、充分健闘は期待出来る、とは言えそうです。
漠然と思うだけですが、組んで、試合として面白いものになるのは坂井祥紀の方かもしれませんね。


ということで、対象的なスタイルの両者、その対決は互いの特徴がはっきり見えるという意味も含め、良い試合でした。
この難しい状況の中、好カードに出て、堂々と闘い抜いた両者に拍手です。
リング外のあれこればかりに気を取られそうになりますが、やはり肝心なのは試合です。しっかり見て、楽しく語っていきたいものですね。



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ということで、一曲。
BBHF「黒い翼の間を」。






コメント (2)
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