さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

挑戦

2010-06-13 21:19:26 | 関西ボクシング
元大阪帝拳の山口賢一が、WBO王者バスケスJr.と対戦へ、とあります。

この選手の試合は、4回戦の頃から見ていました。
最後に見たのはあの熟山竜一戦での判定勝ちで、この試合で日本ランク入りを決めたのでしたっけか。
あのときは熟山の覇気のなさが気になったのですが、今にして思えば新旧交代の試合だったのですね。

その後、名古屋での大場浩平の試合で挑戦状を手に現れたのが直に見た最後でした。
大きな試合をしたい、そのためのチャンスをつかみたい、という彼の意志は強固なものだったようです。
その後、所属ジムとの離別、豪州渡航、ダウン応酬の末、無効試合となったビリー・ディブ戦を経て、
WBOアジア王座奪取、そして世界挑戦交渉中という現在に至る山口のキャリアは、
所属ジムが組む試合を待つだけだったとしたら、おそらく築き得なかったでしょう。

実際、私が直に関西で見た数試合における山口賢一の印象からすると、
敵地豪州で、当地の人気選手ディブを果敢に攻め、鋭く切り込んでいく山口の闘いぶりは、
ちょっと想像できないレベルのものでした。

大きな試合を戦う機会を、自らのキャリアを上昇させるチャンスを得たい選手の要求に、
マネジメント、プロモートの権益を同時に抱える所属ジムが応え得ないという話は
それこそ枚挙にいとまがないでしょう。その事の是非を一概には言えないと思います。

しかし、海外で闘うリスクを背負うことと引き替えに、自分のボクサー生命を賭けて、
より大きなチャンスになり得る試合に挑む山口の、生き生きとした闘いぶりには、思わず目を見張るものがありました。
こういう意欲的な「挑戦」をしている選手の姿は、ファンとしても応援したくなるものです。


久高寛之のポノムルングレック戦KO勝利、比国の名門ALAジムと契約したという高山勝成など、
最近、海外のリングで闘うボクサーの話題を目にすることが増えてきました。
ボクシング業界の信用失墜、経済不況など、ボクシング界を取り巻く環境は厳しさを増しているようですが、
それにも負けない闘志を持つボクサーたちの存在は、ファンにとって頼もしい限りです。
山口賢一の世界挑戦実現と、健闘を祈りたいと思います。



コメント (2)
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