さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

果敢に攻めるも、右リード届かず 坂晃典、波田大和に3回TKO負け

2024-06-02 00:31:02 | 関東ボクシング



ということで、サウジアラビアの大興行は後日ということで、昨日はU-NEXTのダイナミックグローブに専念していました。
坂晃典、波田大和に3回TKO負け。OPBFスーパーフェザー級王座から陥落しました。


初回から坂が右リードを伸ばして前進。右リードはボディストレートも含まれる。
右リードを上下に散らして果敢に攻める、対サウスポー戦法として悪くない、良い狙い。

しかし、元々意外に懐が深い波田大和が、外せる分だけの、無駄の無いバックステップを上手く使って外し、左ストレートから右フックの返し、ボディ攻撃からまた右フック返しなどを決める。
坂打たれ、大きく顔が跳ね上がる。
2回も同様の流れ。坂、波田のインサイドのパンチはガード、ブロックに引っかけられても、アウトサイドのパンチをガードの外から巻いて打たれると、防げず好打を続けて許す。

波田大和は筋の良いスタイルを持ち、懐もけっこう深いが、強打者でもあるが故にアウトボクシングに徹しきれない面がある選手、と見ていたのですが、今回はしっかりバックステップで外していて、これでは坂、苦しい。

しかし3回、好スタート、優勢故に?波田が少し打ち合いに応じる感じに見える。
ここで打ち勝てるかどうか、この回が勝負になるか。
坂は当然、果敢に攻めている。前に出て右ショート、左アッパー。得意の攻撃パターンに持ち込めるか、というところ。

ここで坂の右アッパーと、波田の右フックが交錯。打ち勝ったのは波田。坂ダメージ受け、クリンチしようとするがかなわず打たれ、赤コーナーに身体ごと飛ばされる。
坂、堪えて倒れていないが、ロープやコーナーが無ければ倒れているという想定で、レフェリーがダウン宣告。
なんとか再開に応じた坂だが、波田の右フック決まり、左ストレートでロープへ。さらに波田が攻めたところでTKOとなりました。



波田大和、完勝と言っていい内容の戴冠でした。
攻防共に切れがあり、パワーは元々秀でていて、好機にも強いパンチをバランス乱さず、連続で打ち込んでいく。
その姿はボクサーとして、今が盛りの勢いに満ちていました。


対する坂晃典は、完敗と言わざるを得ない内容で、王座を失いました。
かつて、日本全国各地、相手選手の興行に乗り込んで行っては、片っ端からKO勝ちを収め、フェザー級で日本王座に駆け上がった頃の姿は、まさに溌剌たるものでしたが、残念ながら時は過ぎ、闘志に身体がついてこない、という風に見えてしまいました。
闘い方自体...最初からプレスかけて出て、右リードを選択し、それを上下に散らしていく対サウスポー攻略の手立てなどに、特に間違いはなかったように見えました。
しかし、にもかかわらず喫したこの完敗は、それ故に、非常に厳しい内容と結果である、と言わざるを得ないもの、です。
こう書かねばならないことは、残念至極ですが。


今後のことは何とも言えません。
闘いを希求し、それに全てを賭けてきたボクサーの心中を、傍目が簡単に推し量れるものではないでしょう。
今はただ、長きに渡る健闘に対し、敬意を表したいと思います。


コメント (1)
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「ロドリゲス被り」は邪魔だが、なかなかのカードが並ぶ 7.20国技館発表

2024-06-01 00:01:41 | 関東ボクシング


そういうことで昨日、YouTubeで記者会見のライブ配信あり。
動画は見ていないんですが、カード自体はいろいろと「おお」という感じ。






中谷潤人vsビンセント・アストロラビオは既報どおり。WBC1位との指名試合。
ギジェルモ・リゴンドー相手に番狂わせを起こし、ジェイソン・マロニーに惜敗のファイター。
中谷が減量苦で不調のときならともかく、有利の予想は動かないですが、質より量の?攻撃ボクシングは、アレハンドロ・サンティアゴよりも、中谷にとっては相性が良くないかもしれません。


加納陸とアンソニー・オラスクアガ戦も、噂の通りここに入りました。
オラスクアガにすれば準ホーム、日本での試合。現状の力が充分出せると見ます。
オラスクアガは今後、フライ級に上げて心身共に充実となるか、或いは寺地拳四朗戦のダメージや、打ち合う傾向が悪く作用するか、その分かれ道がここ数戦で見えてくることでしょう。その観点で興味深い試合です。
加納は全力ファイトで食い下がると思いますが、やはり厳しい闘いとなりましょう。



さて、少し予想と違っていたのが、この後の二試合。

田中恒成は12位ジョナ「タ」ン・ロドリゲスと。1位KJカタラハとの試合になると思っていましたが、次回以降か。
ランクの数字を見て、最初、あーあ、と思ったんですが、この選手の試合はジェルウィン・アンカハス戦をWOWOWで見て、なかなかの熱戦、好ファイトだったことを思い出しました。
確かアンカハスがトップランクからPBCに移籍した初戦だったという記憶あり。
打ち合いでより精度の高いアンカハスに打ち負けていましたが、身体を晒してでも相打ち狙いで対抗する闘志は凄いもので、8回にボディでダウン、9回もボディ打たれて苦しいところから、終盤、逆にクリーンヒットでアンカハスを止める場面もあり。
判定で敗れましたが、試合後はアンカハスと共に膝をついて、互いの肩に手を置いて健闘を称え合っていました。巨人の星、甲子園編のようなシーンでありました。

今の力がどうかわからないし、質を比べる「品評」をすれば田中恒成が上でしょうが、この挑戦者、ランクの数字から想像するような選手ではない、と見ます。
むしろ前回闘ったクリスチャン・バカセグアより強敵かもしれません。案外悪くないカードではないか、と。



そして、ビジュアルでは相変わらず真ん中に置かれる那須川天心ですが、今回は想像以上に、上位から相手を選びました。
WBAバンタム級4位、WBAインターコンチネンタル王者のジョナ「サ」ン・ロドリゲスです。
田中恒成の相手と同姓同名です。表記でこうやって分けるみたいですが。難儀なことで...。
いっそファーストネームを省略し、それぞれのニックネームで呼ぶようにしたらいいかもしれません。


こちらはWBAのトップ10圏内で結果を出している選手。
元WBAスーパーフライ級王者カリド・ヤファイを初回、右フックでぐらつかせ、ダウンを奪って追撃のTKO勝ち。これでインターコンチネンタル王座獲得、上位進出。
WBAバンタム級挑戦者決定戦では、2位のアントニオ・バルガスとダウン応酬の末、7回終了TKO負け。
この試合も激しい内容で、初回にロドリゲスが右ロングフックで倒すが、2回はバルガスが逆にロドリゲスをダウン(この際、バルガスのダウン奪取は認められたが、倒れた後に打った咎で2点減点という裁定あり)。
その後はバルガスにパワーで打ち負け、7回に左フックでダウンさせられ、この回最後で棄権。しかし、4回にはロドリゲスの左フックでバルガスが大きくふらつくなど、見せ場も作っていました。

二試合見た感じでは、ガードは高いが、打ち合いになると安易にそれをほどいて打ちに行くなど、攻防全体の質は、世界上位としては不足あり。
しかし左右共に、ロングの距離で振る強打には威力があり、なかなか強い。
那須川は栗原慶太戦を先送りにして、今回は他を選んだらしいですが、そのわりに怖さのある相手を選んだものだ、と思います。
確かに穴のある相手ではありますが、那須川が防御面で隙を見せたら、一気に叩けるパンチを持っています。
4戦目で当たるには、危険な相手かもしれません。もしこの相手にすんなり勝てたら、得るものは大きい、とも言えますが。

ただ、契約ウェイトがわかりません。本人は前回より1ポンド軽いくらいだと思う、と言っています。120ポンドですかね。
体重決めずに、やることだけは決まっている試合が、いったい何ほどのものか、と思ったりもしますが、それはひとまず置くとして...。



そういうことで、全体的に見どころのあるカードが並んだ、良いラインナップだと思います。
これが土曜日、両国国技館で開催ですから、首都圏在住のボクシングファンなら見に行かないと嘘です。絶対に行くべきです(笑)。
私はいろいろあって、現時点では保留ですが...。


ただ、この「ロドリゲス被り」だけは、正直、どうにかならんかったんですか、と思いますね(笑)。
最初見たとき、スーパーフライ級の方の選手について、ぱっと思い出せなかったので、KJカタラハと書くべきところを主催者がミスしたのかと思ったくらいです。
まあ、それぞれ互いのことを横目で見ながらマッチメイクをするわけでもなし、偶然こうなって、仕方ないのかもしれませんが。


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さて、今日はU-NEXTでライブ配信あり。
坂晃典vs波田大和の一戦が実質メインと言って良いでしょう。





坂はけしてサウスポー苦手という選手ではないですが、それも込みで波田大和の強打はやはり要注意です。
どうしても好打を許してしまう、特に最近の試合ぶりはそうで、今回はその辺に改善が見られるかどうかですね。

かつてホールで、同じ帝拳の末吉大に快勝した試合の再現を期待したいですが、はてさて。


コメント (4)
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