さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

細かい話を打ち砕け/囲い込み/どうせ返上だから、その先の話/話を変える親子/中澤奨動画

2013-08-30 16:23:50 | 話題あれこれ

15日のメガファイトまで、何も更新せんというのもナニですので、ちと話題あれこれ。

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名城のタイでの世界戦、9月3日に延期になっていましたが、ようやく開催。
で、採点方法をめぐって、変な話ですね。
僅差の回と、クリアな回が共に10対9というのはおかしい、という意見は
時々見ますが、それを実際の試合で適用する決定を、いったい誰が下したのか、
さっぱりわかりません。

WBAに限らず、タイの大物業者って、統括団体から白紙の委任状でも取ってんのか、
というくらい、勝手なことをするのがいますが、
こういう無理な話を覆せるのは、本部国の選手や、その国のマネージを受けている
中南米の選手でもない限り、難しいのかもしれません。

かつては計量のトラブルを受けて「そんなら、試合せんと帰ってこい」と
国際電話でWBA本部のお墨付きを取って、試合せんと帰ろうとした人や、
報酬の支払いが試合前に行われなかったことで、
ほんまに試合せんと帰ってしもうたチャンピオンもいましたが、
残念ながら今回の試合における名城陣営の立場は、そのような強いものではない、ですね...。

しかし、名城にしてみれば、細かいことが問題になるような試合内容であれば
どの道負け、くらいの頭で行かないと、という話でもありますね。
ごちゃごちゃした話など、どこからも出ないような形での勝利を期待します。

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村田諒太、圧勝劇により、次の試合への注目が高まるなか、このような発言

事実上、帝拳傘下の、というか帝拳の選手ですから、いかにもという感じありありですね。
石田にせよ、湯場にせよ、特に関係が強いジムやマネージャーの選手じゃないですから。

陣営にしてみれば、柴田に圧勝したのだから、これ以上国内の選手とやっても無意味で、
欧米の選手との試合をひとつでも多くやらせた方がいい、
という判断もあってのことでしょうが、ひとつだけ納得できないのは、
柴田明雄が日本のミドル級では一番だから、他の選手とやっても仕方ない、って理屈ですね。
確かに柴田は日本のトップクラスではありますが、他の追随を許さない一番手、
というわけでもないことくらい、ボクシングファンなら誰でも知ってるんですけども。

村田がプロ入り後、ほぼ完全に帝拳の選手として活動しているのは周知の事実ですけど、
このジムの悪い面での特徴として、あるエリアに属さない有力選手の存在を、
無かったことのようにして切り捨てる事例があり、ファンが普通に考える要望が
単なる「都合」と呼ぶにも値しない理由で無視されることがあります。
村田はもっとスケールの大きなマネジメントで、万人の納得と評価を受けて
世界に羽ばたく選手であると思うので、こういう変な囲い込みというか担ぎ上げというか、
そういう匂いがしてきたことには、ちょっと残念な気持ちですね。

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なんか、WBAから怖いお手紙が来るとか来ないとか
「うさぎにく」さんで見たんですが、よく見たらWBAオフィシャルの記事。びっくりです。
急にどうしたWBA、と思ったら、去年から出てた指示らしいですね。へー。という感じです。

こちらの御一家、一時と比べてマスコミへの露出が減ったことに対し、あれこれ要望を出してまで
もっと取り上げてくれ、と働きかけている、なんて話も漏れ伝わってくるんですけど、
これは良い機会なので、この交渉の進捗状況、連日スポーツ紙あたりで追っかけてほしいです。
ていうか、追っかけなさい、しょうもない記事ばっか載せてんと。

で、若社長、どうやって逃げるかな、というところに注目してるわけですが(笑)。
返上して一階級下げる、なんていうありきたりなところに落ち着くんですかねぇ。

そのあとに空位となる「普通王座」争奪に、なかなか世界戦が組めない日本人の上位選手が
絡んでくるんなら、それはそれでいい話ではありますが、その場合はちゃんと、
モレノ師匠との対戦を前提にしてもらいたいものであります。
そこさえきちんとしてれば、通過点としての「普通王座」戦も、
まあええか、とりあえずは良しとせねばいかんか、というところですかね。
そりゃ出来れば、直に師匠に挑戦すべし、とは思いますが。

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統一戦やったる、のやそうです。

なんですかねぇ、いろいろ言うてるし書いてあるんですが、
ハナからケツまで、ただただひたすら嘘くさい、としか感じられないのは、私の心が歪んでるせいでしょか。

どうも、上の話題から話を逸らそうとしている感じしかしません。勘繰り過ぎかなぁ(?_?)

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24日、府立地下でデビューした中澤奨のインタビュー、試合などの動画です。



会場にTVカメラが来てたんで、ニュースででも取り上げるのかと思っていたら、
読売テレビで深夜放送された短い番組でした。

左利きをオーソドックスに直した選手なんですね。道理で左がえらく切れ、強いはずです。
日本じゃ珍しいタイプですね。辰吉も部分的には左利きだったそうですが。
この点だけでいくと、和製ジョー・フレイジャーですね。全然違いますか(笑)。
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「怪物」でなくてもいい 新時代の旗手となれ 井上尚弥、4戦目で日本王者に

2013-08-27 13:57:52 | 井上尚弥

辰吉丈一郎や平仲明信ら以来の、4戦目での日本王座獲得となった井上尚弥、
WBAでは3位にランクされる王者、田口良一にまずはクリアな勝利でした。

辰吉や平仲は、日本の水準を大きく超える実力の持ち主で、井上を形容するのによく使われる
「怪物」のレベルにあったと思います。しかし4戦目の時点で挑んだ相手は、
今回の田口と違い、世界ランキングを得るような選手ではなかったことを考えれば、
今回の井上の勝利は、彼らと同等か、それ以上の価値があると言えるでしょう。

彼への今回の評価は、ちょっと物足りない、というようなものも多いみたいですね。
スケールの大きなボクシングをする強打者、田口相手に、立ち上がり早々から左で切り込んで先制し、
手足のスピードのみならず、判断のスピードでも上回り、序盤から自分のペースで試合を運び、
田口の心身のタフネス、執拗な抵抗に遭いながらも、多彩な連打で打ち勝った試合内容は、
デビュー4戦目の選手としては、相当なレベルにあると思いましたが、
やはり鮮やかなKOやダウンシーンが生まれなかったことが、物足りないといわれるのでしょう。

しかし、自分より大柄で、重いパンチを持つ王者相手に、開始早々から身体の芯へと
鋭い軌道の左フックを打ち込んで行く姿には、改めて驚愕させられました。
夏場の調整のあと、試合に向けて身体を戻せなかったような印象も含め、まだ線が細く見え、
田口のタフネス、粘りも考えると、今日は倒すのは無理かもしれないとは思いましたが、
それでも傍目に見ているこちらの思う限界に近い、厚みのある攻撃を仕掛けていましたし、
打たれたあとの攻防の切り替えも、大半は破綻らしいものが見えなかったのにも、感心しました。

結論としては、今回の試合は、井上尚弥に怪物性、センセーショナルな何事かを期待すれば
ちょっと物足りなかったかもですが、普通に見れば十分凄い戴冠試合だった、というところでしょうね。

で、私はというと、井上に「怪物」であってほしいとは、あまり思っていません。
もちろん素質があり、少年時代から父親の指導に恵まれていることから、
やれ「怪物」だ、「親子の夢」だと喧伝されています。

しかし、同時に彼は、いわゆる突然変異的な天才というだけでなく、プロボクシング界が近年取り組んできた
U15大会などに象徴される、低年齢層強化策が生んだ第一号の成功例であり、
プロアマ協調、そしてアマの体制刷新による国際大会への積極参加路線によって成長した、
ボクシング界全体の選手強化策による、新時代のスタンダードとなるべきボクサーなのです。

ボクシングを始めて間もなく高校王者になり、140ポンド級で世界を制した平仲明信や
アマ19戦、プロ8戦でWBCタイトルを獲った辰吉丈一郎のような、
規格外、常識外の突出した何かは、ひょっとしたら、井上には無いのかも知れません。

しかし、その反面、どこか過剰で、欠落した部分もあったこれらの「怪物」に比べ、
井上尚弥には「超一級品の佳作」としての、トータルバランスに優れた安定感を感じます。
そしてそれは、過去の日本のボクシング界の指導体制下では、なかなか求められなかったものだったりもします。

井上の今後のキャリアが(さまざまな見方があるにせよ)成功するかどうかは何とも言えませんが、
昨今の低年齢層の強化、それが反映されたアマチュアの高校年代の充実ぶりを見聞きすると、
今後、日本のボクシングは、こと選手の人材面については、豊穣の時代を迎えるのかもしれない、と思えます。
その時、その新たな時代を切り拓いた旗手として、井上尚弥の名前は、ボクシングの歴史に大書されることでしょう。

今回、井上は4戦目としては、十分に充実した内容の勝利を収め、一歩ステップアップしたと思います。
ちょっとここまでのキャリアが性急過ぎるとは思いますし、肉体面でもう少し成長する必要もありそうで、
あと数戦は世界といわず、経験を重ねたほうがいいとは思いますが、総じてその前途は明るいと思います。
今後の成長過程を、楽しみに見ていきたいですね。


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「この先」への意識が見えた左ガード 村田諒太、圧勝デビュー

2013-08-26 06:08:22 | 関東ボクシング

以前、試合が決まったときにプレビューめいたものを書いたのですが、今読み返すと
あまりにも見事に的外れで、恥ずかしいやら情けないやら、という感じです。
村田諒太、OPBF王者の柴田明雄を2回でストップしましたが、その内容はあまりに一方的でした。
本人が「デビュー戦くらい、楽をさせてほしい」と、柴田の地位と力量に敬意を込めたジョークを
言っていましたが、この試合内容、剥きつけて言えば「楽勝」だったとも言えるでしょう。


村田はガードを高く絞って構える。一見した印象は「アーサー・アブラハムみたいやなぁ」というもの。
左は探り程度で、右からどんどん打っていく。
柴田の右ストレートが速いので、左はガードに専念という感じ。

この、左のガードへの強い意識は、攻撃面では不満もありますが、
防御の意識づけという点では、好感が持てました。
こういっちゃなんですが、柴田の右は長く、速い反面、一打必倒の強打というわけではなく、
別に少々打たれたところで、それほどの脅威ではないと考える者もいるでしょう。
しかし、そういうパンチでも安易に打たせたくない、という風だった村田は、
目先の試合を勝てばいいというのでなく「この先」を見据えているように見えました。
そういう印象を持てたことが、個人的にはこの試合最大の見どころでした。


攻撃に関しては、最初から強打出来る距離、位置取りで、柴田に動く余裕を与えませんでした。
柴田は最初から右で捉えられ、サイドへ出ようとしても右に追いかけられ、いきなり手詰まり。
初回、右で倒され、2回のストップはちょっと早いか?と感じましたが、内容はワンサイドでした。
柴田のスピード、サイドステップ、速い右はほぼ無力なまま、試合は終わりました。


以前書いたとおり、もう少し村田が苦戦する展開もあるかと思っていたので、
このワンサイドな展開には驚かされました。
少なくとも国内のミドル級では、石田順裕がベストに仕上げてこないと、相手がいないかと思うほどです。
国内で石田、湯場、中川、渕上、或いは一階級上の清田といったあたりと三戦目までに闘い、
そのあと海外の選手と、というようなプランはちょっと厳しいのではないか、と思っていたのですが、
昨夜の試合を見て、ちょっとその考えが壊された感じがします。
技巧の石田、体格、パワーに秀でた清田以外では、ちょっと相手にならないかも、と。

今後の試合でも、今回のようなスタイルを採るのかはわかりませんが、
強打にかまけたようなボクシングをせず、本人なりの指針をしっかり持って闘っていることは、
今後に向けて、明るい材料だと思います。
五輪で頂点を極め、プロでもその極みを目指す村田諒太は、
己を知り、冷静に自らを見つめ、先を見据える知性の持ち主であると見てよさそうです。

ますます今後が楽しみですね。
次の試合は、そりゃ当然、相手や日時にもよりますけど、何とか会場で見てみたいと思っております(^^)


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不足が不足のまま これが終止符か? 久高、強豪ナルバエスに惨敗

2013-08-25 17:47:46 | 久高寛之

ネットで生中継を見ていましたが、正直、見るに堪えない試合でした。
久高寛之に対する私の心情は過去にも何度か書いてきたとおりのもので、
本当に、見ずに済ませたほうが良かったかな、という気持ちでいます。


初回、両者スローな立ち上がり、ことに最初の方、ナルバエスは見ているだけ。
ところが対する久高、手数を出して先手を取りに行くでもなく、
そうかといって頼みの右を隠すでもなく、中途半端に右を覗かせ、手の内をさらしてしまう。

地球の裏側アルゼンチンへの遠征、しかも地方都市への相当な距離の移動だったとかで、
ただでさえ自信を持てない体力の温存策だったのかもしれませんが、
ならばもっと、決め手の右をも温存して、いろんな布石を打つべきなのに、
いかにもやることが中途半端で、この時点で先行きが暗いものに感じられました。

さほど好調とも見えなかったオマール・ナルバエスですが、
2回からは徐々にリターンの形から手を出し始めます。
ラフなフックを上に捨て、ロングの距離から左右のボディブロー。
少しタメを作っての右を打つ以外攻め手がなく、引くでもなく、攻めるでもない
中途半端な久高の構えに乗じ、どんどん手数を出してくる。

4回、久高が左右の連打を繰り出して攻めるが、すぐに攻撃が止む。
決して万全ではなさそうに見えたナルバエスですが、ここまで楽な間合いで闘えれば、
さすがに調子も出てきます。
身体の軸を半分、右サイドにずらした位置取りから左右の連打を当て、
アッパーで煽り立て、ボディを叩きと、多彩な攻撃で久高を打ち込みます。

中盤以降、ダメージと疲れ、両方がはっきり見える久高、両手を下げて挑発しますが右ジャブを突かれる。
L字ガードを固めて右アッパーを覗かせる場面もありましたが、やはり続かず。
右でセットしてサイドに回り、上下左右と多彩に当てるナルバエスの連打で試合は一方的に。
10回、レフェリーストップがかかったときは、悔しいより安堵の気持ちが先でした。


タイやフィリピンへの遠征経験が多くあり、なおかつ試合内容も良いものが多く、
勝ち星も上げてきた実績のある久高寛之だけに、いかに過酷な敵地での試合とはいえ、
結果はさておいても、もう少し見せ場を作れるような試合になるのでは、と期待しましたが、
実際は、あのもどかしく悔しい、各方面から厳しく評されたウーゴ・カサレス戦以上の惨敗でした。

確かに上記の通りの長距離移動、東南アジアとはまた違った南米でのアウェー戦での調整の困難、
試合への準備期間の問題などなど、大変なことが多かったのは事実でしょう。
きっと、好調時に比べれば、思うようには動けないコンディションであったことも推察できます。

しかし、あまりにも単調で、狙いが見え見えの闘いぶりや、右以外の攻め手の無さなど、
かつてのいくつかの試合で露呈した久高寛之の「不足」が解消されるどころか、
さらに拡大したような試合展開を見ると、それらを考慮してもなお、思わず溜息が漏れました。

4度目の世界挑戦、近年の南米大陸では屈指の強豪であるナルバエスに挑んだこの試合は、
その状況がひょっとすると不本意なものであったかもしれませんが、
仮にこの試合、又は他の相手との試合が、国内におけるベストな状況下で実現したとしても、
結果的には同じだったのではないか、とまで思ってしまいました。


今後というか、先のことについて、何事かを望むという気持ちは、正直、持てないままでいます。
よく一面的な見方で批判的に語られる、彼のこれまでのキャリアについては、
私は内容的に、数多の挑戦者たちに劣るものではないと見てきましたし、
それが間違いだったとは今でも思いませんが、そういう是非論以前の問題として、
今日の久高寛之が喫した惨敗、その内容の乏しさには、衝撃的というか、驚愕というか、
なんと表現していいのかわからないものを感じています。

優れた才能を持ちながら、それを十全に生かすための心技体に不足を抱えた久高寛之の闘いは、
根本的なところで変化が見られないまま闘われた4度目の世界戦において、
終止符を打たれることになるのでしょうか。


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この選手が20敗? レイ・ミグレノ、奮闘の李明浩を三度倒して判定勝利

2013-08-25 11:34:16 | 関西ボクシング
昨夜は府立の地下で観戦してきました。
見どころのある試合が多かったので、展開と感想を簡単に。

ポンサクレックを三度目の対戦でノックアウトし、
日本ではキック王者から転向してきた久保賢司を倒したことで知られる
歴戦の雄、レイ・ミグレノは李明浩と対戦。
WBCランクも近い者同士、なかなかの好カード。

初回、李の速い左が決まる。李は逆ワンツーも決め、好スタートかと見えたが、
ミグレノは立ち上がりからいい踏み込みで右を振るう。
これがロープ際で決まり、李がカット(裁定はアタマでしたが...)。
直後に右クロスが飛び、李がダウン。すぐに跳ね起きますが、痛い失点。

2回、李は挽回すべしと攻めるが、相打ちではパワーの差が出て、右で二度目のダウン。
また跳ね起きた李、果敢に巻き返し攻勢を取るも、ミグレノが目先を変えて右アッパー。
これが決まって李、三度目のダウン。

2ラウンドで5失点、李はさすがに苦しく、足を使って立て直しにかかる。
しかし4回、またミグレノの右フックが李のこめかみを捉え、これ以降、李は足が痺れるのか、
しきりに両足を跳ね上げる仕草を見せるなど、苦しい展開。

しかしここから李が闘志を見せ、雄たけびを上げて自身を鼓舞しつつ奮闘。
単発の右が決まり、ミグレノを止めたり、マウスピースを落とさせる場面もあり。
感動的、と表現すべき李の闘志でしたが、逆転には及ばず、結果は3-0でミグレノの勝利。

しかしアジアの上位同士、見ごたえのある一戦でした。
李の闘志にはただただ感服。真のプロの試合を見た、と思いました。
ミグレノは、この選手が(強豪相手ばかりとはいえ)すでに20敗を喫しているとは、
ちょっと信じがたいものがありました。
また日本上位や、上昇過程の若手相手との試合を見てみたいものです。

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フェザー級の元新人王、京口竜人は、地力のあるアドニス・アゲロと対戦。
日本の若手クラスを凌駕する実力を過去の試合で証明しているアゲロに対し、
京口は低めの構えから、速いジャブ、ワンツー、ボディブローで先制するが、
構えが低い割に、相手との距離が近く、アゲロが普通に右を打てば届く感じ。

これ、動きが落ちてきたら打たれるで、と思っていたら案の定。
中盤から失速してくるか、と思っていたら、3回から落ちたのには違う意味で驚きましたが...。
アゲロは圧力をかけて右クロス、ボディを攻め立てる。

京口はそれでも4回、劣勢の中、ロープを背負った位置から右アッパーを決めて
アゲロをぐらつかせましたが、それがほぼ最後の見せ場で、やや失速したアゲロを
次の回で追撃することもできず、アゲロの立て直しを許す。
これ以降はアゲロの攻勢がまさったかと思いましたが、判定はスプリットドロー。

負けてたな、と見えた試合だったことも残念でしたが、それだけではなく、
抜群のセンスとスピードを持つ京口が、それ以外の部分、体力面や試合運びの面で
新人の頃からほどんど進化していないように見えたこともまた、残念至極でした。
素質は抜群だと思いますが、心身ともに成長したところを見たかった、というに尽きますね。

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話題性でいえばメイン級の、昨年の全日本アマチュア王者、中澤奨のデビュー戦。
打ち出しの時点でナックルが返っている、独特の左フックが目を引く選手でしたが、
そのパンチが試合開始早々に決まって、デッチャイ・ボビージムをひっくり返す。
パンチは左右いずれも速く、伸び、切れ味抜群で、最後は右ストレートから返しの左。
これまた見事に決まってデッチャイは昏倒、しばらく伸びたまま動けず、心配になるほどでした。

中澤、見事なデビュー戦でした。しかし相手との体格差、実力差があまりに露骨な組み合わせで、
いかにデビュー戦とはいえ、普通に試合としては見られないレベルのものだったのも事実です。
よかったのは、無駄な時間をかけずに、すっぱりと終わらせたことだけ、でしょう。

しかし抜群の攻撃力を持っている、シャープシューターであることもまた確かです。
今後、徐々に相手が強くなっていく過程で、成長していってほしいですね。楽しみな選手です。

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ミニマム級の日本4位、松本直樹は、ベテランの浦西勝史との再戦に判定勝ち。
浦西の右を外しては右から左の返しを決め、きびきびした攻撃で明白な勝利でした。
日本王座攻略には、もうひとつギアをあげての攻撃力、決定力がほしいところでしょうか。
でも終始、リズムのあるボクシングをしていて、好感を持てるボクサーでした。

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メインでは女子のOPBFタイトルマッチが行われ、川西友子が小澤瑶生を初回でストップ。
この選手は以前もIMPホールで見たことがありまして、
肩の力みがあまりないストレートの軌道が良いなと思った記憶あり。
女子のタイトルマッチや、選手層の構成などをよくわかっていないのですが、
この選手はかなり注目されているみたいですね。男子を差し置いてメインですから、ちょっと驚きでした。

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ということで久々の府立地下、狭くて臨場感抜群の会場で、
見どころの多い興行にあたり、大いに楽しめました(^^)
ことに、本気で頑張るフィリピン人ボクサーを相手に、真の試練に挑む日本人ボクサーという
形のカードは、これからもどんどん組んでもらいたいものです。
今回は楽勝だった中澤もいずれ、このレベルの試合に臨み、しっかりと勝ち抜いていってほしいですね。


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長谷川スタジオ出演 せやねん/年内世界戦の相手は?

2013-08-19 07:52:13 | 長谷川穂積

一昨日放送された「せやねん」長谷川出演です。
久々の快勝で表情も明るいですね(^^)

動画はすぐに消されたりする可能性もありますので、早めにご覧くださいませ。

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昨日、IBFの122ポンド王者ジョナタン・ロメロが
スペインの15位キコ・マルティネスに6回TKO負け、王座陥落。
ハイライト動画がありました。前王者となったロメロは24戦目で初黒星。

新王者マルティネスはイングランド、フランス、アイルランド、アメリカなど
敵地での試合が多い27歳の右ファイター。29勝(21KO)4敗。
あのレンドール・ムンローと2戦2敗。バーナード・ダンに番狂わせの初回KO勝ち。
今年2月無敗のカール・フランプトンに9回TKO負け。
で、今回、再起二戦目で世界奪取。

話の流れとしては、番狂わせというべきなのでしょうが、
映像見た限りでは、そういう内容でもないですね。うーむ。
 
そもそも、スペイン人の王者が初防衛戦で日本に来るか、ちょっと読めないところです。
長谷川はIBFの当日計量ルールに難色を示していたこともあり、
ひょっとするとWBA挑戦に切り替えるのかも、と思ったりもします。

以前のインタビューでは、長谷川本人はリゴンドーを希望していましたが、
実際に陣営がその希望を汲む交渉をするのかどうか...ちょっとわからないところですね。

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あらゆる意味で「大変」な試合 三浦隆司、激戦制し初防衛

2013-08-19 06:46:14 | 海外ボクシング


試合が始まった時点で、あらゆる面で「重いなぁ」というのが第一印象でした。

キャンバスが柔らかいという風にも見えなかったのですが、三浦隆司の動きが、
国内のリングで見るそれとは違い、ほんの僅かかもしれませんが、リズムがなく、
何か足を取られているような、そのような印象に見えました。

けっして、調整失敗、ということではなかったのかもしれません。
ただ、何もかも思うように万全、という風にも行かなかった面があったのでしょう。

計量の様子などはTV向け?にショーアップされていて、中南米の話でよく聞く、
しっかり計りもせんとドサクサでOK、みたいなこともなさそうでしたが、
計量後、試合までの間に、思うように体を戻せなかったか?
普段の試合より、何か少しだけ小さく、細く見えた三浦の体に、不安が募りました。

そして場内の雰囲気。小さめの闘牛場が会場だったようですが、三浦が好打しても見事に無反応。
レフェリングはというと、行ったトコなりの仕事をする、という印象が強いローレンス・コールが
細かいところにおいて「この試合は誰のための試合か」をよく弁えた仕事ぶりを見せる。

普段、三浦が、外国人相手、或は興行面で主導権をもたないジムの所属選手相手に闘うときとは、
正反対の立場にあることが明確な状況において、対する相手が、細かいことは知らんが、
とりあえずええの当てて倒すで!という風情のセルヒオ・トンプソン。

元々、安心して見ていられるような試合にはならんだろう、と思ってはいましたが、
実際に見てみると、これは本当に大変な試合になりそうだと、改めて気が重くなりました。


試合内容としては、三浦が体を左側に傾けてしまい、そこにトンプソンの右が来るパターンが目につきました。
あれは本人にもどうしようもない流れだったのかもしれません。右リードが出たときはいいのですが、
全体的に三浦の左、トンプソンの右が中心の攻防で、あの状況下で違う展開を作れ、と言っても
どうも動き自体が重い中で、他人が見て思うことを実現するのは難しかったのだろうと思いました。

それでも2回、距離が変わろうとするタイミングを捉えた左アッパーは実に見事。
敵地での試合で、強打を最高の形で決めたことは、どれだけ褒めても足りません。
後で振り返れば、あの一打でトンプソンをかなり深刻に痛めつけたことが勝因だったでしょう。

その後トンプソンの粘りと、それを助長する試合運営に苦しみつつも、
6回に右を食ったピンチのあと、左で二度目のダウンを奪うも、なかなか倒しきれない。

ここらあたりは、日本でやっていれば、そしてレフェリーも人によっては止めたかもしれません。
一分あまり、トンプソンがほとんど手を出せない時間帯もありましたし。
リングサイドにはこの辺の問題について、進歩的な見解をお持ちと評判のWBCプレジデントが
鎮座されてはりましたが、まあ何も問題にはしないんでしょうね。

で、8回、二方向から来る、腕っぷし右ダブルを食って、三浦が逆にダウン。
生中継で音量調整がされていないせいで、メキシカンの熱狂が生で伝わる大歓声を聞きつつ、
うわー、えらいことになってしもうたー、と目の前が真っ暗になりましたが、
三浦はここを懸命に耐えて反撃。10回には左をまともにヒットして、またストップ寸前まで打ち込み、
終盤も打ち勝って、結果的には僅差なれど、大きなダメージを与えての勝利でした。


いやー、大変な試合だったけど、よくぞ勝ったなというに尽きるんではないでしょうか。
調整段階でも苦労があったでしょうし、場内の雰囲気、対戦相手の骨太さ、荒さ、
普段ほとんど経験していなかったであろう「敵」扱いのレフェリング等々、
こういう状況で、おそらく調子はいい時の6割か7割といったところだったでしょうけど、
それでも自分の持ち味である強打を要所で決めて、足取りの重いまま「白兵戦」のような闘いを勝ち抜いた。


これ、このクラス近辺の、他の選手が、同じ状況でこの相手に勝てるかな、と考えると、
ますます三浦は凄いことをやったのだな、と思います。
例えば内山高志なら、きれいに突き放して勝てるか、どうか?
粟生隆寛では、好調時でも厳しいか?金子大樹では?現時点ではちょっと...等々。

ある意味、三浦自身が、細かい技術や展開に依拠する選手ではなく(失礼)、
ファイタータイプで強打を持ち味にする選手であることが幸いした面もあるかも知れませんが、
このような逞しさを、海外のリングで発揮して防衛したチャンピオンは、
振り返ればかなり希少な存在です。

三浦隆司はこの一戦で、国内に数多存在するチャンピオンの中において、
おそらく数人を一気に抜き去るほどの国際的評価を得たことでしょう。
たとえばWBO130ポンド級の王座に挑むのが確定的と言われる、
ミゲール・ガルシアが王座を獲得するならば、その先、将来的な対戦相手として
名前が挙がるのは内山高志ではなく、三浦の方になる、ということも、あり得るかもしれません。

確かに、技術面とか、その他諸々、三浦の勝利を願うからこそ、試合中、色んな不足を感じたし、
それを思わず声に出してしまうような、スリリングな面が勝ちすぎな試合ではありましたが、
それもこれも含めて、本当に大変な試合だった、それによく勝った、というのが先であるべきだと思います。

三浦隆司、また次の試合が楽しみですね。
そしてセルヒオ・トンプソンの大健闘も称えたいです...ちゃんと病院行くんやで。

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久々に締めてきた、まずは満足 長谷川穂積、左連打でワンラウンドKO

2013-08-13 05:55:27 | 長谷川穂積

昨夜は大田区総合体育館にて観戦してきました。

リングを正面に見据える角度の席が取れたこともありましたが、
きちんとひな壇になっているスタンド席は、視界がしっかり確保されていて、
実に見やすい、良い会場だと感じました。
駅からちょいと歩くのが、今の時期だと辛いと言えば辛いですが、
普通の時ならなんということもない距離でしたね。
また機会あればお邪魔したいなと思える会場でした。


さて、ダブル世界戦をさしおいて、やはり私がTVだけじゃなく
会場で見たいと思ったのは、当然長谷川穂積が出るからですが、
結論から言うと、私は昨日の試合には非常に満足しています。
単に勝った、倒したというのではない何事かが、昨日の長谷川には見られたからです。


ヘナロ・カマルゴについては、大ベテランみたいな戦績だけど、実は20代半ば。
一線級相手に負けも多いが、それ以外だとKO勝ちも多い。
ここ数試合、ちょっと方向性が見えない、あっても途中でぼやける、
という感じの長谷川の試合ぶりを見ていると、この手の相手に
起こって欲しくない何かが起こるのかも、という不安を感じていたりしました。


しかしいざ試合が始まると、私の悪い想像は消えました。
右リードの頻度が増し、しっかり相手を突き立て、崩しておいての左。
そして左のヒットからリズムを掴み、どんどん多彩な攻め口を覗かせる。

無為に相手を見て、あれこれ試したい、という風だったり、
自分の感覚では外しているつもりの格下のパンチを食って、
試合中に不思議そうにしたり、驚いたりしていた最近の長谷川ですが、
昨日は相手の動きをしっかり見つつ、好機には即座に打ちかかり、
敵の防壁に攻め込むと、そこからさらに速い追撃でどんどん相手を崩していました。
それはまさに若き日の長谷川穂積を思い起こさせる姿でした。

そのようなスピーディなボクシングをした上で、相手の反撃にカウンターを取る。
過去何度も見た光景が、すぐに再現されました。
カマルゴが打ち返してくるところに左がカウンター気味に入り、ダウン。
再度打ち合いになったところで、長谷川の左がダブル、トリプルと続く。
そして最後の左がカウンターで入ると、カマルゴの身体の芯が断ち切られ、
上体が捻れたままの姿勢で倒れる、強烈なノックダウンで試合は終わりました。


もちろん、KO勝ちも多いとはいえ格下相手、ということは事実で、
快勝したことが長谷川の今後を全て明るく照らす、ということでもないです。
右リードを多く出す姿勢が見えた反面、それをやるとバランスが崩れる傾向は
ここ最近ほどではないが、僅かに頭が半分だけ前に出ているかな、と見えましたし、
この試合ぶりを、強敵相手に長いラウンドに渡って維持出来るかどうかは、
実際そういう試合をやってみないとわからない部分もあります。

しかしラウンド後半に見せた、速い攻撃を重ね、その上でカウンターを取り、
さらに攻め立てるという展開に至るまでの、長谷川の引き締まった立ち上がりこそが、
今回、久々に長谷川の試合を見て、大きな満足を感じた部分でした。

格下相手に「いろいろ試す」でもなく、迷いも見えず、勝つことに集中し、
闘いに没頭した姿は、私には「やっと長谷川が帰ってきた」と見えるものでした。


もちろん、今後組まれるであろう世界戦において、彼が真の意味で
「回帰」なり「刷新」なりを果たしたとしても、それでも苦戦は免れないでしょうが、
ともかく長谷川が戻ってきた、やっと彼が再度、スタートラインに立った、
最低限、それをこの目で見られた、と感じました。そのことがとても嬉しいです。


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山中慎介については、もうどうにもならない段階にいるなぁ、という。

最後の左は目に入りでもしたか、かなり辛そうな様子で倒れましたが、
ホセ・ニエベスが初回を乗り切っていたところで、結果は同じだったでしょう。

相手が変な間合いで打ってくる、というような展開を蹴散らし、
識者の悪い想像も、日本TVが企画した「ツイッター採点」をも蹴散らし、
少々の相手では、試合をやらせる意味もない、というところに、
今の山中慎介は立っています。お見事、でした。

関西のファンにとっては、ますます、次の「凱旋試合」が楽しみになりましたね(^^)
IBF王者との統一戦とかもその先にはあるかもしれませんし、
内山高志と並ぶツートップの一角として、さらなる飛躍を期待したいところです。

あと、会場に来ていたというWBO王者への呼びかけは、まあ内心どうでもいいと思っているのでしょうが、
一応、TV局が言うてほしそうだからちょっとだけ言うた、という話で終わり、でしょうね。

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八重樫東とオスカル・ブランケットは、試合のグレードがちょっと低かった、と
率直に言わせて貰えば、そういう試合でした。

挑戦者は一発強打には目を引くものがありましたが、それ以外に欠落した部分が多く、
試合が進むにつれて、結束が切れてしまってバラバラになっていく感じ。
それでも体格の優位をもって、しぶとく単発の強打を振り、判定まで粘りましたが、
試合の中盤ですでにベストのバランス、フォームを維持出来ないレベルの選手を、
仮にも「世界戦」のリングに上げないでほしいな、という感想です。


八重樫は、打てば打つほど胸を張り、ワイドオープンになってしまう相手に、
鋭い狙いを持って右クロス、ワンツー、左フックなどを打っていましたが、
もう拳ひとつ奥に入ってたら倒せたな、という感じのが多かったですね。
あと、懐に入るとき、足を使うときのメリハリもあって、相手の強打を
総じてうまく外してました。
何回かロープ際で止まりましたが、まああれは相手を見ていたのでしょうか。

ただ、懐に入るときに、相手の位置取りも拙さもあって、バッティングが頻発したのは残念。
あの辺は、なかなか自分一人では改善しにくいものでしょうし、
悪質なものだとは見えませんでしたが、やはり見ていて、いいものではなかったですね。

エドガル・ソーサとの指名試合が、かならず国内で開催出来るとも限らないですし、
この辺は今後の、次への課題として残ったように思います。

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※写真をアップロードしました。提供は、ブログ「ミラーレス機とタブレットと」様です。



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止せばいいのに予想...というか雑感 来週のWPB18

2013-08-09 09:50:20 | 長谷川穂積


ということで、実は来週、またも上京して観戦します。
当初、そんなつもりはなかったんですが、長谷川の試合が組み込まれたんで、
お盆休みでもあり、これは行っとこか、ということで。

ま、予想などしてみても、どうせ当たらんし恥をかくだけなんですけど、
とりあえず思うところをつらつらと書いてみます。


これまで国際的な有名選手とばかり闘ってきた山中慎介ですが、
初めて、普通の挑戦者を選んだなという感じです。
強い相手と判定になるより、短いラウンドでのKO勝ちをTV局がほしがったのかな、と
このカードを聞いたときは思いました。

ホセ・ニエベス、という選手は全然知らなかったんですが、さる識者いわく
「山中、手こずるかもしれない」とのこと。
聞けば、かなり引き気味に構え、受け身の闘いをするらしいのですが、
変な間と、狙いの鋭さを持っているというような話でした。

そんなことする気もなかったですが、ちと気になったので、Youtubeで見てみることに。
右リードはけっこう伸びる、左はショートだとそこそこ、インサイドに入る切れもあり。
しかし自分から仕掛けない。距離が詰まるとショートでの攻防がなく、揉み合いばかり。
ただ、この選手は、いい試合をする責任を負わない者の強み、というものがあるような気はします。

展開がどう回るかで、山中にとっては案外難しい試合になる可能性もあるかも、ですね。
序盤、突っ込みすぎず、リードで煽ってプレスをかけて、落ち着いて構える余地を与えない、
というようなスタートを切れたら、十中八九大丈夫でしょうが...。

で、試合前にあまりその先の話が出るのは好ましくないんですが、こんな話も。
「凱旋」とありますが、以前、何も誇れるような実績もないのにそう言って
府立で引退してる選手とタイトルマッチをやった人とは違って、
山中慎介ならば、言葉通りの意味で、真に誇らしい「凱旋」となることでしょうね。
実現すれば、見に行くのが楽でいいですし(^^)ありがたいことです。
挑戦者が大場浩平とかになれば、さらに嬉しいのですが、その辺はどうなのでしょうかね。

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八重樫東は強打と評判のオスカル・ブランケットと対戦、なのですが、
こんな記事を読むと、一気に試合への興味が高まってきました。

ブランケットの本来のスタイルは、ということも興味深いのですが、
ボクシング・ビート誌のメキシコの元王者へのインタビュー記事や、
その他の情報レポーターとしてもお馴染みの古川久俊トレーナーの存在が不気味ですね。
古川トレーナーが、打倒八重樫について、どのような道筋を描き、
それをいかにしてブランケットに実践させるのか。要注目です。

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長谷川穂積の無冠戦については、ちょっと不安がありますね。
相手の試合を見たことがないのでわからないですが、少なくとも前戦のような、
ダックし損ねてうっかり打たれる、というような調子だと、危ないかも、と。
前回のタイ人なら、長谷川の調子が駄目でも、負けるようなことはなかったが、
今回は長谷川が「駄目」だったら、長谷川を負かすだけの力はある相手ではないでしょうか。

負けも多いがKO勝ちも多い、若いけど試合数の多いメキシカン、というのは、
今の長谷川の、ボクサーとしての実像を炙り出すには、程よい相手かもしれません。
期待半分、心配半分、というところです。しっかり見てきたいと思います。


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「メジャーリーガー」の帰還 石田順裕、3年8か月ぶりに大阪で勝利

2013-08-05 15:06:24 | 関西ボクシング

昨夜は京橋のIMPホールにて観戦してきました。

昼の部では、仲村正男がOPBF5位レイモンド・セルモナを3回KO。
仲村は序盤から積極的に攻め、2回には上下の連打でセルモナを打ち込む。
ダメージ甚大なセルモナは3回、浅めの右ボディブローで限界が来て倒れ、試合終了でした。

試合後は「徐々にステップアップして、いずれは世界を」と本人がコメントしていましたが、
どんどん打っていくときの攻撃力はずば抜けている反面、力量のある相手との攻防において
世界のレベルにあるかどうかは、まだ今後の試合で証明してほしい部分もありますので、
このコメントは妥当なところだと思います。

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夜の部では、石田順裕が3年8か月ぶりに大阪のリングに立ち、調整試合を闘いました。
IMPホールはほぼ満員の盛況。世界上位のミドル級ボクサーたちと拳を交え、ミドル級王座に二度挑み、
欧米のリングでメインイベンターとして活躍してきた「メジャーリーガー」の帰還を待ちわびた...のか、
単に近しい存在への後援会的心情なのかどうかは不明ですが、とにかく場内は石田への声援が溢れていました。

試合自体はまあ、純然たる調整試合、試し斬り、でした。

インドネシアの、ミドル級にはとても見えない体格のエリー・パンガリヴァンは
頑張って左右の拳というかグローブを振り回し、オープンブローのコンビネーションを放って
いきなりレフェリーに叱られる立ち上がり。
伸び上って右アッパーを当てた直後、石田のワンツーを食らって倒れる。

場内からは「頑張れー」「立てー」と、まるで70年代に輪島さんなどが受けていたような声援?が飛ぶ。
その声援に後押しされた?パンガリヴァンが立ち上がり、ゴングまで粘る。
しかし2回、石田はボディ攻撃であっさりフィニッシュ、という流れでした。

まあ、3月31日、モナコでの痛烈な敗戦からの再起戦で、とにかく練習をして
減量をして試合をして、という過程をもう一度こなすための試合ですから、
今回は相手どうとか言うことではありません。
ただまあ、いくらなんでもなぁ、と思わなくもなかったですが(笑)

試合後は、よく言われる村田諒太との対戦希望だけでなく、
もう一度世界を目指して頑張る、という言葉も聞かれました。
単に村田との絡みだけでなく、自身の目標をも語ったことは、頼もしいと受け取っていいでしょう。
その言葉通りに、特定の話だけじゃなく、自身の可能性を信じた上での再起であってほしいですから、ね。

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セミでは日本バンタム級1位に上がったグリーンツダの川口裕が登場。
しかしセレスジムのノーランカー、8勝8敗5分(パンフによると)の岡畑良治と対戦、
苦戦の末、3-0の判定勝利でした。
どうも川口、サウスポーが露骨に苦手みたいで、右リードから行くでなし、
左フックから行くでなし、真正面に立って岡畑の右ダブルをもらい、打っては空回りという
悪い序盤を経て、中盤はパワーで攻め込んだものの、正直言って判定は微妙に見えました。
さうぽん採点は75-73で岡畑勝利か、74-74でドローか、迷う感じでありました。
日本タイトルマッチ出場が内定している、という話でしたが、
「右相手ならもっといい試合します」と苦笑交じりに語った本人のコメントを
信じるしかないなぁ、という印象です。日本1位がそれじゃまずかろう、とも思いますが...(^^;)

あと、前座の62キロ級8回戦では、千里馬神戸の村田和也が、グリーンツダの角谷隆哉に
5回逆転KO勝ちしました。前の回、ブレイクの声のあとに打たれ、ダウンさせられた村田が
5回に入り、怒りの?猛攻を見せて右クロスを決め、スリーダウンKOで勝利。
長身、リーチをもっと生かしたら、少々の相手では入ってこれへんで、
もったいないなぁ、と見える村田ですが、このKOで一皮むけてほしいものですね。

コメント (2)
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