さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

遊ぶヒマもない忙しさ、黄金週間はボクシングざんまい

2015-04-29 20:08:17 | その他



この連休は会場で、TVで、また会場で、という具合に、あれこれ見ないといけない試合が山盛りです。
例年、海外のビッグファイトがこの時期になりますが、今年は国内でも同様で、まあ大変。
そういうことで、大手を振って休めるので、ここぞとばかりに観戦予定を入れていたりする、毎度スチャラカな私です。


とりあえず明日、30日、ホールにお邪魔。基本、関西勢への依怙贔屓全開です。

その勢いで、5月に入り、1日に太田区にも。ディレイでしょうが中継あるので速報はなし。
三浦勝利で、あちらでもさらに名前が売れるといいなぁ。

翌日2日、早朝便で飛んで帰って(文字通り)、お昼前からWOWOWオンデマンド鑑賞。粟生、男の意地を見せろ。

3日は午前中から、WOWOW生中継。なんだかだ言うて、見逃すわけにはいかず。

同日、夜はMotoGP、欧州ラウンド開幕、スペイン、ヘレスより生中継!あ、これは関係ないか...(^^;)

ひと息入って6日は、内山、田口防衛戦TV鑑賞。ディレイですね、これ。
ジョムトーンは怖いですが、試合までに無茶なスケジュールがあるとかないとか?

で、9日はまた観戦。神戸です。疲れそうです。
軽い?怪我をしたらしいですが、そういうの報道させちゃいますかねぇ...ようわからん)



とにかく、なんだかもう、遊ぶヒマもない忙しさですね(笑)
連日、何か書くネタが続くので、更新頻度の低い拙ブログですが、なんとかその都度更新していきます。
と大見得を切ってしまいましたが大丈夫なのか...。


さて、明日の興行はTV中継あるんでしょうかね?
とりあえずラウンド毎とはいかずとも、こちらから経過と結果報告くらいはしたいなと思っております。





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追い込み記事?/取り残されたもの/この相手に勝たねば/行き着く先

2015-04-25 21:52:50 | 話題あれこれ


この連休と、それを過ぎてもまた、観戦観戦、また観戦です。
我ながらようやりますが、せっかくの連休、家でごろごろしてても仕方ないですし。

で、その前に話題をちょこっと拾います。

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井岡一翔の今後についての展望記事
なんか、えらく詳らかに、強気な話が並んでいて、おお、ほんまかこれ、と思ったら東スポでした(笑)。
何だか、こういう方向に追い込みたい、という意志から書かれた記事のようにも思えますが。

まあ、本当にこうなったら、いよいよ彼の「モラトリアム」の期間が終わることになります。
それは大変喜ばしいことですね。問題は、どこまでほんまやら、としか言えない現状ですが。


今、ファンが彼に浴びせる厳しい視線は、強敵ロマゴン回避という「雌伏」を強いられるはずの決断をしたにも関わらず、
その対象であるロマゴンと平行して「王者」を名乗り「世界戦」と称する試合を重ねた「詐欺行為」が原因であり、
それを指摘し批評することもメディアに許さない、強権的な陣営の姿勢もまた、同様に、批判、峻拒の対象です。

その挙げ句に、フライ級でも、ライトフライと同様に「第五の王座」に過ぎない「WBAフライ級第二王座」の獲得を
偉業、快挙、悲願成る、という話として喧伝したのですから、ボクシングファンとすれば、またも鼻白むばかりでした。


ただ、今回の試合内容については、ファン・カルロス・レベコと12ラウンズに渡って、長距離の維持をベースに、
際どい試合に持ち込めた、その一点において、井岡一翔は、それなりに評価するべき技量の持ち主である、とも感じました。

もしこれが村中優や江藤光喜であったとしたら、彼らの攻撃力がレベコを攻略する可能性が何割かあるとしても、
それが適わなかった場合に、フルラウンドに渡って、際どいポイントの取り合いが出来るか否か、というと、
防御技術、その質の維持という面で不安があり、おそらくどこかで逆に打ち崩されていただろう、と見ます。

そういう意味では、やはり井岡一翔というボクサーは、例えばTBSボクシングの生んだ、史上最「凶」の
輩兄弟ボクサーたちとは、試合内容の面で確かな違いがあり、もしこの東スポ記事の通りの展開があるとするならば、
忌まわしき過去が綺麗に消え去るとまでは言えずとも、再び、まっとうな道に戻りうる、その可能性は残っている...はずです。


とりあえず、今後の成り行きを見守りたいと思います。
この記事にある、大晦日のビッグマッチ、というのが、アムナットとの「統一戦」なんていう「底上げ」な話だけは、
どうかご勘弁願いたいところですが。








ということで、本日放送の特集です。数日で消します。
あまりに甘い論評ですが、まあこんなものでしょう。


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見に行くわけではないから関係ない話ですが、なんだか大変な、というか、意味不明なことになっているようですね。
この試合の内容に対する期待度云々をひとまず横に置くとしても、本当に、物事何でも限度というものがあるで、
としか言いようがありません。

試合決定時に、あまり良いものではない自分の思い、気分について少し書きましたが、
こうして、ボクシングの試合としての内実を遙かに超え、様々な数字が果てしなく膨張していくその先に、
両者のみならず、ボクシングそのものが時代の墓標に名を刻むのではないのか、という気さえしてきました。

実際の試合が、私のそんな暗い心境を吹き飛ばしてくれると信じたいところです。
なんだかんだ言ったって、この二人がいざ実際に相まみえるとなれば、ただ事では済まない何かが見られるはずだ、
という期待も、心の片隅にはあるんですが...はてさて、どうなりますやら。


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動画を見つけたら貼り付けようと思ったんですが、まだ見当たりません。
WBAライトフライ級暫定王者、強打のサウスポー、ランディ・ペタルコリンが初回KO勝ち
中国二人目の世界王者を目指したマ・イミンという選手を、問答無用の速攻で退けたそうです。

5月6日に田口良一がクワンタイに勝ったら、次はこの相手になるんでしょう。
もちろん強敵ですが、こういう相手との闘いを、政治力を駆使して回避するようなことなく、
堂々と受けて立ち、勝利することが、真の「王者」たる証明になります。
かつて井上尚弥の挑戦を堂々と受けた田口良一には、世界でも同様の闘いぶりを期待したいですね。


追記:動画ありました。圧倒的ですね。
相手の選手とのレベルが違ったにせよ、話が早くて結構です(^^;)






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色々あるんでしょうが、結局行き着く先はWBA。この話は結局、そういう理解で良いんじゃないでしょうか。
しかもこれまた「第二王座」。毎度毎度、ようやります。

ジェイミー・マクドネルの実力については、正直測りかねます。
一階級上のフランプトンやクイッグのような勢いは感じられず、どちらかと言えば迫力に欠ける、
昔、大したことないのが多かった「欧州の軽量級」ボクサーのイメージにより近い印象です。

まあ、それなりの相手に勝ってきているんだから、そんな滅多なこともないだろう、と思いたいところですが、
あまり大きな期待はしないほうがいいかもしれませんね。もちろん、私の期待はただひとつ、ですが(笑)





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敗北と紙一重だった「捨て身」の闘い 高山勝成、血塗れの防衛

2015-04-23 23:32:56 | 高山勝成



改めて長々と振り返るのも気が重くなるような試合でしたので、簡単に。



初回早々、出鼻から打ちかかるのはよくあることでしたが、高山勝成はその後も、打たれることも構わずなのか、
或いは覚悟の上でなのか、先に手数でファーラン・サックリリンJr.を抑えようとし続けました。

そしてその狙いが奏功している場面もあれば、そうでない場面もあり。
ファーランがしっかり構えて、入ってくる高山に合わせる右クロスやアッパーには、なかなかの威力がありました。
加えて問題なのは、高山の動きが単調になったところに、かなり危ない角度やタイミングで決まっていたことです。

高山がそういうときに、足を使って離れ、巻き戻しのサイドステップを踏み、ファーランの狙いを外せれば良かったのですが、
大半の場面において、その「外し」はかなわず、正確なヒットを喫していたように見えました。

高山のパンチは、左のボディ打ちはそれなりに決まっていたものの、それでファーランを失速させつつある反面、
上へのパンチを強打することは少なく、ラウンド丸ごと手を出し続けても仕留められない三分間のあと、
9回に自らの出血でストップ。
これもバッティングかヒットか判然とせず。タイ陣営はすっかりTKO勝ちだと思い込んでいたようでした。


判定は高山を支持しましたが、さうぽん採点はファーランの勝利。迷う回を高山に振っても86-85でした。
そもそもバッティングによる出血だったかどうかも怪しいなと見えましたが、
そうであっても、私には高山が手数とボディ攻撃で抑えた回より、ファーランの有効打がまさった回が多かったと見ました。


しかし、採点がどうこうという話よりも先に、ファーランの力量と、自らのそれを対比して、
じっくり構えられては難しいから、最初からビジーファイトに持ち込もう、という戦略が、
高山の余裕の無さから来ていると見えて、初回早々から重苦しさを感じました。

結局、自らのスピードやディフェンスの精度が落ちている自覚から、
ああいう無理が見える戦略を採らざるを得なかったのでしょう。
それは自らの古傷が切れることにより、9回で試合が打ち切られた「幸い」にも助けられ、
破局寸前で勝利が転がり込んでくる、という、あまりに際どく、苦しい形での勝利で報われました。

そしてその勝利には、次なる破局へ向けての延命、という意味しか見えてきませんでした。


ある意味、いかにも高山勝成らしい試合ぶりではありました。
勝利を希求し、打って、動いて、また打って、という果敢な闘いぶりは、その燃えたぎる闘志を十全に表現するものです。
しかし、その舞台がホームリングの大阪であることに助けられた苦い勝利は、高山勝成には似合わないものであったのも事実です。


今後組まれる試合と、その試合が闘い終えられたあとの風景が、虚飾を排した、真に輝かしい栄光を
追い求めてきたはずの彼、高山勝成に相応しい、清々しいものであってほしい。
今はただ、そう願うのみ、です。残念な試合でした。

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強い構えで距離を生かす、井岡一翔の堅陣崩れず 南米の技巧派レベコに競り勝つ

2015-04-22 22:54:13 | 井岡一翔



今日はテレビ観戦でした。簡単に感想。


ルイス・コンセプションが上のクラスに去った今、メキシコより「下」の南米大陸において、
112ポンド級最高の実績を持つファン・カルロス・レベコと、
アジアでアムナット・ルエンロエン、ジュンリエル・カシメロに次ぐ三番手の井岡一翔の一戦は、
僅差で井岡の勝利となりました。


昨年のアムナット戦では、自分より身長、リーチに恵まれた相手の構築する距離を克服出来ず、
その僅かな不足がラウンド毎の失点となって敗れた井岡でしたが、今回は自分の方がやや大柄で、
僅かに距離の長さでも勝っていました。

その利点を最大限に生かし、レベコのリーチの僅か外に立ち、堅いガードで相手を威圧し、
ロングのジャブ、ボディブローなどを決めていく。
レベコは僅かながらも確かに構築された距離の差のぶんだけ、攻撃の頻度や威力が落ちる展開の中、
それでも懸命に攻め立てましたが、終わってみれば小差で及ばず、という印象でした。

微妙な回もありましたが、さうぽん採点は115-113、井岡でした。
ドローまでならあるかな、という感じもしましたが、逆は無いなという印象でもあり、
まずは小差ながらも、クリアに勝ったと見て良いかな、と。


これで井岡一翔の、フライ級コンテンダーとしての評価は、これまでより一段アップしたと言えるでしょう。
力みを排除した、小さい振りのパンチを中心に、手応えを欲しがらずにヒットを重ねたこと、
距離の維持にこだわり、レベコが持つ力と技がフルに発揮される展開をかなう限り封じたことなど、
よく練られた闘い方はさすが井岡一翔と言えるもので、フライ級転向4戦目にして、ようやくこのクラスでも
世界上位に相応しい自分の闘い方を見つけたな、と思えるものでした。


ただ、今回の試合ぶりを見て、やはり一度敗れたアムナット攻略は難しいかな、と感じたのも事実です。
ほんの僅かであっても、距離の長さで優位に立つ時には、今日の闘い方は有効でしょうが、
自らが距離を克服せねばならない展開の場合、それを実現する踏み込みの速さ、そして攻めの力があるかどうかは、
今後の試合で確認せねばならないところでしょうね。


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今日はTV観戦だったので、当然実況解説も聞きながら見ていたわけですが、
まああんなものをいちいち聞き取ってしまうこっちが悪いんでしょうけど、本当に酷いものですね。
途中から音消して見ました。真面目な話、副音声で場内音声のみの放送をしてくれ、と思うほどです。



高山についてはまた後日。えらい試合してましたね...。


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右リードで勝り、それを失って勝ちきれず 細川王座奪回ならず、野中ドロー防衛

2015-04-20 00:07:26 | 関西ボクシング



本日は住吉区民センターにて、野中佑樹vs細川貴之戦を見てきました。


試合は序盤、細川が低い姿勢から右リードを突き上げて先制。
この、最短距離を通る正確な右ジャブは、当然一打必倒の威力はないが、相手のペースを確実に乱す効果があり、
ボクサー細川の最大の武器です。

この右を抑えたかったのであろう野中は、開始早々から細川の右肩越しに、左を数回叩きましたが、
細川がその後も右を止めず、その狙いが果たせなかった感じでした。

序盤は踏み込んでの左が決まらず、どうにもやりにくそうな野中に、細川が少しずつヒットを奪い、
際どいながらもポイントを拾っていく流れ。
細川の右、ボディを打たれ、反撃はクリンチで切られ、野中はいつもなら良いはずの序盤、失点を重ねました。


後半、少しずつ細川も疲れ、7回あたりからは野中が徐々に攻勢。攻め手が増え、左も照準が合い始める。
8回からは左ボディも当たり、細川は疲れとダメージを抱え、あの嫌らしい右リードが激減。
対する野中は力みが消え、こつこつ手を出しては当てていく。右フックで飛び込み、左は下。
左をヒットしてロープやコーナーに細川を追い、攻勢。
最終回までこの流れで、野中は挽回、細川は前半の貯金を失いました。

私の採点は96-95、野中逆転かと見ましたが微妙。判定は三者三様のドローでした。

細川は序盤リードした右のヒットを、終盤は完全に失い、挽回を許しました。
終盤に体力を失い、相手を封殺する展開を手放したことは、これまでの試合でも見られた彼の課題でした。
いつもは序盤スパートする逃げ切り型の野中を、立ち上がり抑えていたのに勝ちきれなかった痛恨は、
彼の今後をどう変えるのでしょう。



試合後は共に、再戦して決着を、と訴え、表だって健闘を称え合うことはしなかった両者ですが、
関西拠点の重量級サウスポー同士、ここまで対戦はなくとも、スパーリングの機会は多かったのだそうです。

そのせいか、試合前からちょっとした舌戦が繰り広げられているのを見ても、険しい感じは特になし。
さりとて「知った仲だからやりにくい」という甘い感じもなく、プロ同士の宿命に殉じるボクサーの
純然たる姿だけが見えるように、試合前から思っていましたが、その印象は試合後も変わらず、でした。

派手な展開は無かった試合ですが、それなりに味わい深い一戦でした。
再戦があるのだとしたら、両者にとり、いよいよ重大な闘いになることでしょう。


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諸事情により一試合少なかった前座は、向井寛文vs富山浩之介戦がセミ。
55キロ契約というウェイトに驚きましたが、両者良い動きで、好調。
しかし展開は向井の好スタート、左ストレートが速く、良い角度でビシビシ決まる。
ウェイトを上げて好調だった向井に、終盤は富山が半ば捨て身の攻勢をかけるが挽回ならず。
向井のクリアな勝利でした。

元々、少ない試合数で強い相手に当てられてばかりで、苦闘のイメージが残る向井ですが、
日本ランカーの上位クラスでなら、その強さは充分、秀でたものがあり、じっくりキャリアを積んで
上を目指していれば、こういう試合を経て自信もつけただろうに、と思わせる試合でした。
最適階級がどこか、という問題はありましょうが、上々の勝利でした。



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明日は住吉、野中vs細川激突/今日の山中生出演

2015-04-18 13:12:11 | 関西ボクシング


明日は住吉区民センターにて、野中悠樹vs細川貴之の日本スーパーウェルター級タイトルマッチです。
関西のベテランサウスポーふたり。
共に日本上位同士の激戦を数多く闘い抜いた者同士。
やっと実現する直接対決ですね。

ラウンド毎とはいかずとも、こちらで結果や経過の速報はしたいと思っています。
勝者がその先へ進めるかどうかも含め、注目です。



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今日、山中慎介が生放送に出ていたので紹介します。数日で消しますのでお早めに。
関西ローカルということもあり、リラックスした感じで色々語ってます。
カウントを聞かない件や、野球のことも少し。
しかし、阪神ファンだったんですね...(←何やこの点々は)。









井岡一翔の特集があるかと思ったのですが、来週、試合後に放送されるのでしょうね。

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「間違い」は起こらなかった 山中慎介、スローな挑戦者に完勝

2015-04-16 22:54:59 | 関西ボクシング



今日はテレビ観戦、録画を「おっかけ再生」で見ました。
簡単に感想。


挑戦者のディエゴ・サンティリャンは、挑戦決定時にYoutubeで一試合だけ短い映像を見たところ、
とりあえず遅い、という以外に印象がありませんでしたが、今日の試合を見てもそれは同じでした。

山中慎介は低い姿勢、アゴの締めも固い構えながら、踏み込みの速さがない相手に、右リードを出して止め、
後続の左を探りながら当てて行くという流れでした。

試合前から圧倒的有利の予想、こういう時こそ「間違い」が起こる可能性もあるのかな、という僅かな心配は、
山中の慎重、冷静な闘いぶりを見て、完全になくなりました。

先の防衛戦の相手、スリヤン・ソールンビサイ同様、山中の左を打ちにくくする低い姿勢は見えたサンティリャンですが、
そこからの攻め手はスリヤンと違い乏しく、遠い距離に突き放されてしまったので、打つパンチはほぼ全てが大振りと化す。
当然、有効打は数少なく、徐々に山中に攻め崩され、6回と7回に倒され、敗れました。

内容、結果ともに、終わってみれば順当という感じでした。
試合の度にKO勝ち、判定でもほとんどダウンシーンを演出する山中慎介の試合は、
一般の視聴者や「一見さん」にとっても、アピール度の高い「見もの」であり、
そういう観点からいけば、この試合もそれなりに価値あるものだとは言えるんでしょう。

しかし、これだけ強く、実績も積み重ねてきた山中慎介には、そろそろ従来の国内防衛路線の枠を超えた試合を...
というファンの思いには、何一つ応えるところのない試合でした。
まして、山中の側に、心技体いずれかにおける「間違い」が起こらない限り、勝ち以外の想像が出来ないような試合でもあり、
いっちゃなんですが、こんなの、ノンタイトルの調整試合であっても良いくらいの組み合わせに見えてしまった、というのが
辛口に過ぎるかも知れませんが、正直な感想です。


内山高志なんかを見ていても思うことですが、一定の枠を超えた強さを持つボクサーが出ても、
日本のボクシング「業界」には、その枠を超えた、ボクサーのキャリアを真の高みへと導くマネジメントの能力、
さらに言えば意志が決定的に欠けているのだな、と改めて思わずにはいられません。
まして業界最大手、国際的にも評価の高いプロモーターがついている山中にして、このような有様では、という。

このような諦念を覆し、ファンに嬉しい驚きを与えてくれるような展開が、今後の山中慎介のキャリアに用意されるとしたら、
それは望外の喜びです。しかし...というのが、今の時点での思いですね。



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メインがKOで終わったので、辰吉寿以輝のデビュー戦が放送されました。

4回戦デビューのボクサーとしては、身体が大きく、パンチ力がある方、という印象でした。
背格好なんか、親子やなぁ、という感じがしました。
しかし動きを全体的に見ると、普通の新人と同程度の危なっかしさが見えました。

大阪帝拳ジムは、来年の新人王戦エントリーを目標に、オープン戦を組んでいく方針らしいですが、
来年春までの数ヶ月の間に、2~3試合を闘う中で、さらに成長し、慣れ、巧くなっていけば、
西日本や、西軍代表決定戦における、優勝候補の一角には充分加われるでしょう。


彼の置かれた状況の特殊さは、今回の試合にも如実に表れていました。
大会場での、かなり注目される中でのデビュー戦、相手も普通の試合以上に意欲に満ちていて、
試合後にはTV局のインタビューまでついてくる。

しかし、こうした特殊な状況、重圧に負けずに、良い経験と捉えて、己の血肉とする逞しさが彼にあれば、
父のような突出した天才を持たずとも、真に強いボクサーとして成長していけるのではないか。
その可能性はきっとあるはずです。じっくりとその過程を見ていきたい、と思っています。




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突き放し、撥ね付け、圧倒した 大器・大森将平 14戦全勝で日本王者に

2015-04-14 05:29:51 | 関西ボクシング


そういうことで、今年最初の平日弾丸観戦ツアーを敢行しました。
ホール以外、どこに寄るでも観光するでもなく、ただ半日空けて試合見て、翌日早朝にトンボ返り。
普通の頭で考えたら、何と物好きな、と言われて当然ですが、まあ良いのです。
ことに今回のような、衝撃的な王座奪取劇を見られた場合には。



試合については、大森将平の強さが、あらゆる局面で王者、益田健太郎の健闘をも上回った、という内容でした。
大まかな展開については速報したとおりですが、初回から大森の正確な攻撃と懐深い防御が、
王者である益田を圧倒していました。


益田は岩佐亮祐戦の完敗を経て、ボクシングの奥深さを知り、その後、改めてボクサーとしての自分を
根本から再構築し、王座に就いた選手です。
左リードを多用して、そのリードを軸に攻め、それを根拠に外し、守り、という選択が出来る。
攻撃的ながら丁寧な、理屈の見えるボクシングであり、なおかつ従来からの身体の強さが生かされている。
昨年の富山浩之介戦の快勝は、日本王者としての益田の価値を高める、見事なものでした。


しかし大森は、その左リードを結果として抑え、ほぼ無力化しました。
hiroさんの見解によると、益田は左リードを封じられて大振りになってしまった、とのことですが、
おそらく岩佐戦を経験する前の益田もそうだったのでしょう。

懐深い大森が、柔軟に身体を揺すりながら前進し、突き放すパンチで距離を創出する展開を
益田が打開しようとする。だが肝心の左は大森のロングのパンチを封じる作業に忙殺されて出せない。
これが右リードや左ストレートだけならまだしも、時にアッパーが遠くから来て、それにも対処せねばならず。

益田はそれでも果敢に攻めて出ましたが奏功せず、初回から大森のコンビネーションに捉えられ、ダウン。
かなりダメージを受けたせいか、二度目のダウンはロープ際から無理に振った右を外され、
右フックのカウンターをまともに打たれたものでした。

初回終了間際、TKO宣告かとさえ思えた微妙なタイミングでレフェリーが割って入りましたが、
益田の窮地は続き、それでも果敢に打って、ガードを絞って凌いで、と粘ったものの、
ダメージが尾を引いていて、3回に左をヒットされたところで、今度は本当にTKOとなりました。


率直に言って、こういう内容と結果を期待してはいましたが、
実際その通りになるほど甘くはない、とも思っていました。
大森の大器ぶりには、改めて感心させられた次第です。

そして、体格とスピード、センスに恵まれている選手が、それにかまけてキャリア早々から
雑な手抜きを覚え、受け身のボクシングを身につけてしまう例もありますが、
大森は労を厭わず、丁寧で能動的なボクシングを終始貫いて、
王者益田を突き放し、撥ね付け、圧倒しました。

彼の素質の輝き以上に、その厳しさ、確かさこそが、これからの彼を護り、救い、強くする。
そう確信させてくれた闘いぶりが、見ていてとても嬉しく思えました。

ちょっと偉そうですが、今の心がけを忘れず、ますますの精進と、その先の大成を期待します。



敗れた益田健太郎についても、改めて。

従来の空手風?スイッチ多用の変則から、スタイルを作り替えて日本の頂点に立ち、
好試合を見せてきた益田は、今回また厳しい結果に直面しました。
今はその現実の前に、誰もが沈黙せねばならない時かも知れません。

しかし、窮地にあってなお、懸命に粘り、何事かを起こして局面を変えよう、打開しようとして
ガードを絞って凌ぎ、足がついてこなくとも、打てる限りのパンチを打ち、また動き...

もちろん王者として、ボクサーとして、彼は当然のこととして、懸命に闘っていた。
ただそれだけのことに過ぎないのでしょう。

それでもなお、その姿は、大森の勝利を期待する私にとっても、
王者として、仰ぎ見るべき存在であると感じさせられるものでした。

そして、大森将平にとり、この王者と闘えたことは幸福であり、光栄、ですらあったのではないか、と。
大森の王座奪取を価値あるものとしたものは、この王者が相手だったからこそなのだと。


優勝劣敗の掟のもと、また勝者と敗者の光と影が、鮮やかに切り分けられたのち、
そのような思いも抱く、そんな、素晴らしい試合を見ることが出来ました。



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そういうことで、この試合でおなかいっぱいになってしまい、小原佳太の試合は、
相手のこともよく知らないし、という、極めていい加減な感じで見ていたんですが、
広島から来た挑戦者、岡崎祐也という選手の大健闘に目を見張らされました。

結果は6回、打たれてダメージを負ったかに見えた小原が、その直後に意地の?猛攻を見せ
岡崎を10発以上の連打で打ちまくって、逆転?TKO勝ちを収めたわけですが、
それまで劣勢かと思えば、身体ごとぶつけるような反撃で場内を湧かせた岡崎の健闘に、
場内からは大きな拍手が送られました。私も当然、参加しました(^^)


小原は試合後、余裕を失っていたわけではない、という発言をしていたそうですが、
見ていて、ほんまかいな...という気もしました。
ウェルター転級の話はなくなって、スーパーライトに留まるような話ですが、
そろそろ荒川、亀海、チャーリーらのような、一定の枠を超えた「挑戦」に踏み切る時期でしょう。
色々難しいところもあるでしょうが、なんとか、前向きな展開になってほしいものですね。


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歴戦の王者と、若き大型ホープ激突 明日は益田vs大森戦/動画いくつか紹介

2015-04-12 14:44:04 | 関西ボクシング

さて、明日は今年一発目の馬鹿をやって、ホールで観戦します。

京都の大型サウスポー、大森将平、初の日本タイトル挑戦。
挑む相手は関西のリングで王座奪取を果たした難敵、益田健太郎。
歴戦のベテランと、上昇中の若手。粘り強い右のファイターと、長身のサウスポー。
どこから見ても対象的で、楽しみな試合です。

昨年、クリスチャン・エスキベルをKOして世界ランクに入った試合に関しては、
エスキベルの状態が良いとは見えず(大森本人はインタビューで、未知の圧力を感じた、と語っていますが)、
あまり過大に評価してはいけない勝ち星かな、と思っていましたが、次の見高文太戦では、関西の若手に
圧勝したことは驚きでは無くとも、その一分の隙も無い「撥ね付け」ぶりは見事で、ただ感心させられました。

もちろん益田健太郎の粘り強さ、体力、苦しい展開でもそれを打開できる芯の強さは、大森にとり脅威です。
大森がその体格、リーチ、強打で好スタートを切ったとしても、その苦境を耐え抜き、大森の優位点を削り、
消し去る展開に持ち込むだけの力を、この王者は充分に持っています。

結局、そうなった先に、大森がどのような闘いぶりを見せられるかが、この試合の見所であり、全てでしょう。
歴戦の王者と、若き挑戦者、という構図のタイトルマッチは、過去に数々の名勝負を生んでいますが、
この試合もまた、そうした「拳譜」の歴史に連なる一戦になるだろう、と期待しています。


本来ならばCSフジが生中継してくれるはずが、残念ながら2月で番組終了。
地上波関東ローカルの放送も、18日まで待たねばならないようです
そういうことで、明日、こちらで速報を試みるつもりでいます。
もしうまくいかなかったらごめんなさいですが。

なお、明日は益田vs大森の速報を優先します。メインは小原佳太の試合ですが、こちらは結果のみになるかも知れません。
何せ私のノートPCはけっこうな年代物で、バッテリーが弱いのです。
ホールの座席にコンセントがついていれば助かるんですが...(^^;)


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以下、動画貼ります。
王者、益田健太郎。対川口戦、富山戦。







挑戦者、大森将平は、エスキベル戦KOラウンドと、先の見高文太戦です。








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最近の試合動画。

寺地「拳四朗」デビュー3戦目、対長嶺克則。先月27日、ホールの試合。思った以上の快勝でした。
拳四朗の実力は疑わずとも、フライ級相手だと身体負けするかな、と思っていましたが、
そういうのは問題じゃ無かったようですね。





4月3日、府立地下の、油田京士vs上久保タケル。
短くも激しい試合でした。






最近は、試合から間もなく、こうして動画が見られる場合が増えました。
ありがたいことです。
しかし、会場で見たよりも印象が薄まって見えることが多いのも事実で、それは自分の見る目を疑わねばならぬ一方、
やはり実際に、直に見たときの感動こそが、真にボクシングを見た記憶なのかもしれない、とも思うところですね。


ということで、また明日、馬鹿をやって弾丸観戦ツアーをする言い訳を書いてみました。
どんな試合になるにせよ、今はただただ、楽しみに思う気持ちがあるのみ、ですね(^^)



※動画追加。関西の世界戦と長谷川再起戦について触れた短い特集です。







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ポンコツだなんて(笑)/見られず残念/TBS常に微妙/移籍即大勝負/強敵です/体重超過

2015-04-07 19:02:35 | 話題あれこれ


そういうことで週末怒濤の三日連続観戦を終えて、落ち着くかと思いきや、来週もまた馬鹿をやります。
ま、それはおいおい書くとして、週明けの話題を。


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関西ボクシングの話題に関して言えば、一番詳細にあれこれと記事を読ませてくれるのがデイリースポーツです。
今回は、19日住吉区民センターで野中悠樹と激突する細川貴之の話題

総じて、コミカルでありながらも真面目に意欲を語っている細川です。
プロとして「話題になる」のは大事なことで、奥さんの話、野中への敬意と闘志、会長や角界からの激励と
ひとつの記事に色んな話題を詰め込んであります。記者さん共々、ええ仕事やな、と思った次第。

しかし「ポンコツ」ってこたぁ無いですよねー(笑)
これは当日、観戦します。互いに譲れない大一番ですし、この興行、前座もなかなか良い。楽しみです。

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その六島ジム、日曜日も住吉で興行してまして、ミドル級の全日本新人王MVP、
前原太尊が、元王者佐々木左之介を7回KOで下したとのこと。
これは見に行けませんでした。日程の重複は、本当に何とかしてもらいたいものですね。

記事によるとちょっと荒いとこもあったようですが、大柄で、左で、パンチがある、貴重な選手だと思います。
今回は元王者佐々木との試合が組めましたが、今後、さらに上位と当たる過程で、マッチメイクが難しいかもですね。
順調に成長していくには、そのあたりも含めて、課題をクリアしていく必要がありそうですが、大成を期待したい選手です。

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昨年末、周辺の綱引きやら何やらで話題になった和氣慎吾、次戦はIBFイリミネーション決定
しかし、何か相手は微妙な感じですね。大場浩平や石本康隆がやり、岩佐亮佑がやろうとしていたそれとは、
だいぶ中身が違うようです。

何もかも誰々が悪い、どこそこが悪い、って言い方はあまり賢くないかも知れませんが、
それでもやはり、昨年末の揉め事の結果、フジからTBSに「移籍」したら、こういう感じになる。
やっぱり、という以外、あまり思うところがないです。
そりゃ実際、見てみないと何とも言えないでしょうが、見終えたあと、こんなんだったら小國とか大竹とかと
やっといた方が良かったんじゃないですか、と思うことになるかも知れません。

もっとも、標的?のカール・フランプトンも、強敵クリス・アバロスを退けたというから、
楽しみにWOWOWの放送を見たら、相手の腕をねじ上げ、怪我をさせて勝つというトホホな試合で、がっかりでしたが。
大勢入って盛り上がっていた会場でしたが、その熱気で全部なし崩し、というのは、関光徳さんがウィンストンに
ドサクサ負けを喫した昔から、何も変わってないんやな、という感じでした。

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意外、唐突、という印象しかない、荒川仁人の移籍
しかも初戦で、内藤律樹とのノンタイトル戦と。

何がどうなってこんな話になったのか、さっぱりわかりませんが、八王子ジムと荒川の間には、
今後の路線、方向性、さらに言うなら「進退」の選択について、意見の相違があったのかも知れません。
選手のために、積極的に動いてチャンスを作ろうという姿勢が見える陣営でしたし、
喧嘩別れのような話ではないと思うのですが。

そして内藤律樹との対戦というのもまた、驚きです。
これ、またダイヤモンドグローブとDANGANの興行らしいですが、CSフジの生中継があろうがなかろうが
これまで通りの好カード路線を貫くようで、嬉しい限りです。
もっとも、生中継が見られなくなってしまったので、カードによってはまた馬鹿をやらないかんかも知れず、
その辺はまた困ったことでもあるのですが...(^^;)

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井上拓真、初のタイトルマッチは、松本亮返上のOPBF王座決定戦出場
と、これだけ見るとあまり良い話ではないな、というのが常なんですが、相手の名を見て驚きました。

マーク・アンソニー・ヘラルドは、向井寛史を2回ノックアウトした映像を見たことがあります。
当時WBO2位。小柄で、上体が厚いサウスポー、リーチは普通。サウスポー同士の試合だからか?右リードから攻める型。

2回、鋭くコンパクトなワンツーで向井を倒し、詰めの段に入ると左右ボディから左アッパーを上に返して
最後は外から側頭部を狙った左フックでフィニッシュ、という流れでした。
好機に上下、内外の打ち分けがスムースに出る、「倒し慣れ」を感じさせる強者、という印象が残っています。

記事にあるとおり戦績も良く、歳もまだ若い。この相手と今、115ポンドで闘うとなると...
遠い距離ではどうか不明ですが、距離が詰まるとかなり正確な攻撃が出て、強い。
井上拓真にとり、現段階で当たるには、かなり手強い相手と見ます。
スピードと正確さでまさり、丁寧な距離と立ち位置の確保を、終始ミス無く続ける必要があるでしょう。


しかし、OPBF、東洋太平洋の王座とは、本来ならこのくらいの相手と闘って勝ち取るものだったはず、
という古いファンの思いからすれば、井上拓真の「挑戦」には、それ自体を称えたい気持ちです。
そして、勝てば真に価値ある戴冠であろう一戦に、彼が勝利することを、心から期待しています。


それにしても兄弟揃って、大したものですね。どこぞのヤカラとはえらい違いや...。

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最後に明日の試合について、残念なお知らせ

記事によると、かなり厳しく体重を落とさせたけど駄目だったようですね。
この辺は日本のボクシング界の厳しさというか。海外の選手だったら絶対ここまでやらないでしょう。
昔、花形進会長に敗れたときのチャチャイ・チオノイは数少ない例外で、ギリギリまで頑張ったそうですが。

しかし重ねて残念ですね。世界戦の話が出たって、勝てるかはおいても、変な試合はしないだろう、と思えるレベルの闘いぶりを、
ここのところ続けていただけに。明日、良い内容で勝ったとしても、大きな停滞となりそうです。



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