遊工房・雑感

日頃のあれこれを綴る日記です

「風花病棟」

2009-12-06 21:26:14 | 日本の本

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読み終わった春江氏の本は

外交官だった方の書いたものだからだろうか

政治的な力学的な判断が出来ないと

分かりにくい

物事を

私は判断できないのです

 

どういう立場に立てばよいのかぐらぐらする

 

結局すべての社会現象を

生活者としての視点でしか考えられない

 

自分のいる場所に閉ざされているともいえる

 

今まで考えたことがない場所から物事を考えてみるというのは

嫌いじゃないのだけれど

政治的なことを考えるとき

素朴ではいられない

自分の立っている場所というのが大事だもの

私の場合

そこが

とても卑近な場所にある

 

政治家はそうは行かないだろう

力関係で勝負の駆け引きがあって

ねえ

ボクシングの試合で

相手の顔から血が出たら泣いちゃうようじゃ駄目だからね

 

私は泣いちゃうのよ

 

だから

外交官はきっと

大変なんだろうなあ

いつ足元を掬われるかわからない場所にいる

そういうところで

正確に状況を読んで判断して行動する

守るべき一番大事なものは何か

軸がぶれないで立っている

政治家には

こういう確信が必要だろう

 

あたしは無理

何時も何が本当か分からなくなる

心を鬼にするのも難しい

 

少し

心がホックリしたくて

この本に戻った

 

これは

短編集です

この中の

「百日紅」というのは

一人高齢の父親が火事で焼死するところから始まる

父親を一人ふるさとにおいて

主人公は家には寄り付かない息子でした

 

父子とも医師

 

この話のテーマはこの父親の死を通して

アナログな医療の優位性について身にしみていく話なのだけれど

(患者の生身に触れて医療に携わることが

機械やITに頼る現代医療に比べてどうなのだということ)

 

私がガンと来たのは親子のこと

 

この息子が父親を避けたのは

母親の死の後すぐに後添いをもらい

親子とはいえ

別家庭なわけで

疎くなっていったのだけれど

ここのところ

親の介護について

ブログでも色々問題は出るのでね

 

親を介護している側の話だけれど

 

介護してない立場というのもある

 

親元に寄り付かない子供

これって

うっかりするとそうなる

 

傍にいなければそれで過ぎてしまうというのはあるな

若い側は恐ろしく忙しいということもあるし

 

うちのおばさんも

働いているときは

盆暮れに田舎で会ったことはない

盆暮れに帰らなければならない人のために

勤務を交代してあげてたそうだ

田舎にはわれらのお姑さんが必ず通ってたから

安心していたし

お姑さんが一人でこられなくなってからは

私達がお供をしたし

おじさんが(このおじさんもやもめで子なし)弱ってしまって困る頃には

おばさんが仕事を退職して

面倒を見た

おばさんが退職する前には

民生委員さんが回ってくれたり

近所の人がおかずを届けてくれたりした

 

それでも近い親戚からはひどい言われようではあったな

 

親を田舎に放置するということ

ちょっと深く考えたい

 

私は多分放置される親になるわけだからね

 

 

 

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クリスマスモビール作りの会場変更 確認してください

2009-12-06 17:58:53 | ブログ
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「上海クライシス」

2009-12-06 07:45:35 | 日本の本

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ああ

やっと読み終わったよ

 

9・11同時多発テロの前のウィグルのテロ実行犯たちが主人公の話

いくつものグループが

それぞれの力関係でくんずほぐれつ話が展開するので

面白いよりは疲れた

 

素朴な私の感性にはつらい

 

感想の一つ

物凄い貧富の差は権力機構の副産物だということ

今日本も不況だのデフレスパイラルだの

まるで

自然災害のように

困窮はみんなが共通に被ってる困難のように報道されているが

実際は

生み出された冨を掠め取る階層が権力を握っているから

という構造は共通するのだろうと思う

 

おろかな国民はだまされるのよね

 

人民を支配する権力の横暴を阻止するのは

真実民主主義が血肉にならないと

いけないね

子供を賢く育てなきゃ

 

この話は

何も解決はしていない

同時多発テロは一つ阻止したけれど

テロが起きる根源は解決していないし

 

もう一つ

楼蘭の核実験による汚染についても

恐怖を撒き散らしただけで

それはどうなるのか見通しもないし

 

見通しの立たない

のが現実だからしょうがない

 

春江氏の本は皆こういう救いのない話なのだろうか

 

お話としてはね

主人公の一人 楼蘭の姫君を思わせるウルムチの美女と

日本の外交官は

砂漠に逃れ

めでたしめでたしの暗示だけれど

 

そんなものでは癒されない疲れにおそわれた

 

 

コメント (4)
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