NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

官製NPOの闊歩?

2011年02月11日 | NPO
昨日と今日の神奈川新聞に、NPOに関して気になる記事が掲載されていました。

2月10日の18面の記事は、藤沢市が来年度、NPO法人を設立し、司書資格のある非常勤職員などをこの法人に移管して運営に当たせることにより年間の人件費を1割削減するというものです。

2月11日の3面の記事は、防衛省と宇宙航空研究開発機構が、宇宙分野の大型プロジェクトで科学的な見積もり方法を確立してコスト削減を図るためにNPO法人を設立し、法人の理事長には機構の参与が、副理事長には防衛省の課長が就任したというものです。

特定非営利活動促進法(NPO法)は、「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする(同法第1条)」ものですが、NPO法が成立した背景には、それまでの公益法人の多くが行政の恣意的な監督下に置かれていたことに対する強い反省がありました。

また、公益法人制度改革には、公益法人と主務官庁とのつながりが強いため、法人役員に主務官庁の役人が天下りし、関連事業を独占してきたことに対して、抜本的な見直しをする必要があったという背景があります。

二つの記事に共通することは、行政コスト削減のために官製NPOを作るという事実です。

行政コストの削減は重要課題ですが、何のためにNPO法が作られ、何のために公益法人制度改革が進められてきたのか、原点に立ち返って考える必要があるのではないでしょうか。

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