今道端に咲くホトケノザ（仏の座・シソ科）

可憐なランの花に心惹かれる人は多いだろう。しかし、道端にもランに負けない花を咲かせている雑草ホトケノザの花は小さいが唇を開いた形をしてる。だから、植物学的にも花の形から唇形花と呼ばれている。四角い茎が段階についているので三階草の別名がある。緑の葉は対性で先は鈍い鋸歯である。

今、春の陽だまりに、カントウタンポポやオドリコソウなどと共に咲くシソ科オドリコ族のホトケノザの花はまさに唇でおしゃべりしているようでもある。

下唇には美しい模様が描かれているからハチを呼び寄せ、やってきたハチは花の細い管の奥にある蜜を吸いにもぐり受粉するのである。

和名は花の下の半円形の2枚の葉を仏の座に見立てたもので、本州以南の春に咲く越年草である。

セリナズナゴギョウハコベラホトケノザスズナスズシロ　これぞ七草のホトケノザは本種ではなく、田んぼなどに春早く黄色の花が咲くコオニタビラコ（小鬼田平子）で広げたロゼット葉が仏の連座に似ているので名づけられた。もともとホトケノザと呼ばれていたが本種の葉の形から春の七草の名前を譲ったものである。