ブログ仙岩

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徘徊事故男性の妻に賠償命令判決を思う

2014-04-25 09:15:21 | 日記
2007年12月、愛知県大府市在住認知症91才男性が徘徊してJR東海の電車にはねられ死亡した事故で、同社が振り替え輸送代など損害賠償訴訟の控訴審で、名古屋高裁は「妻と長男に見守りを怠った」として720万円の支払いを命じた判決を変更、昨日24日妻だけに約36万円の支払いを命じた。

JR側の監視不十分と20年も同居していない長男に責任はないとして減額したという。

しかし、介護関係者から、認知症高齢者の閉じ込めにつながるなど批判が続出、震災避難施設でのひきこもりと合わせて、ストレスなどから精神抑圧で死期を早めることにつながる。

オバマ大統領来日で思い出せば、過去民主党大会での演説で、個人の努力があって合衆国民すべての幸福へと自分の生い立ちからスピーチし国の現状を見つめている。あくまでも徘徊者個人の責任であるが、認知症でその責任を名古屋高裁は妻だけにした。当時85歳の妻にそれだけの責任を負わせることが本当に妥当であろうか。籠かきの交通手段の時代ならともかく、この複雑な交通時代の社会で、入院せず家庭看護優先での事故は本当に社会に責任は皆無であろうかと、認知症患者が増える中で国や社会の支援が整わない家族だけの責任とする判断に悩む一人である。