2/14(日) 昨日とはうって変わった穏やかな朝を迎えた。玄関先の『河津櫻』もこころなし朱味がました様子。
出かけにまじまじと見ると、この櫻はすべて二輪づつ花芽を出し咲かせるようだ。いや~知らなかった。如何に見ていないか、画家にも写真家にも、否総べての観察者になる素養はないと実感した。
本場、河津では櫻祭りが始まり、花の間を目白やヒヨドリが飛び交っていることだろうが、私の花は未だ蕾。とはいえ、蕾であれば何れ咲くだろう。
咲けば散り往き、また一年を待たねばならぬ・・・。咲かぬうちが華かもしれない。
昨日、郷里の県人交流会があり参加した。県出身の作家「山本一力」氏の講演がなされた。(足代程度の講演料でご苦労なことであるが、ありがたい)
話は、ご苦労されてきた山本氏らしく含蓄にとみ、また世相を小気味よく切り分けられて感服することばかり。少々頭が痛いのは、熟年者がもっとしっかりとしていないといけないよ、と切り分けられた例えが物語っていること。
ご承知の方は多いと思うが、山本さんは中学三年から東京に出、新聞配達をしながら高校まで行った。その後も46歳にして作家として身を立てるまで艱難辛苦を重ねられた。流石に苦労が身に付いた人の話は重い。ましてや同年代故に全てがあてはまり、尚更の感があった。
自戒を込め、一つだけ講演の内容に触れる。
『どんなに辛くても、逃げたらだめだよ。今逃げると、ずっと逃げるようになるよ』と、
環境や言葉の違で転向先の学校が嫌になり、登校しなくなった新聞少年を訪ねて諭してくれたと、云う。親身になって云ってくれる人のあり難さ、それを分かろうとする心のありよう・・・。氏の、今日あるのが頷ける。