8/17(水) 昨日の朝、会社に向かメトロの中で思い出したのが終戦記念日と、三嶋大社の夏祭り(8月15日~17日)であった。三嶋の夏祭りは、一昨年に初めて観た。
三島は青春のひと時、十九歳の一年間を過した街である。が、夏休みの最中が例祭となる大社のお祭を見ることはなかった。その後、三島は何度と無く訪れていたが、お祭とは縁がなかった。
一昨年、三島出身の年若い知り合いから祭りの事を聞き、初めて観ることとなった。そのことをメトロの中で思い出していた。もう一つ、ここの処、鰻付いている。三島は鰻屋が多く、一昨年、その若い知り合いと鰻を食した。鰻からの連想かな・・・。
世を挙げての夏休みの最中、会社には出ているだけのことで仕事などしやしない(無いが正しいか)。どう仕様か、行くか行くまいか迷っていた。
丁度そこに、夏休み中のU老から電話が入った「森伊蔵を持って、夕方に会社へ行こうと思ってるけど、今日は暇?時間があるのならチョッと一杯やりませんか?」ときた。
これを解説すると、以下のとおり。
『幻の焼酎「森伊蔵」は、秋のベッタラ市で出す屋台の目玉商品。それを入手したので休みの今日持参したい。ついては、あんたはどうせ暇だろうから、暇なあたしと一杯やろうよ!』と云う次第である。
これで、道中暇をしなくていいと「夕方なんて言ってないで、直ぐに家を出て13時までに出社のこと!三嶋へ行って、祭り観て、鰻を喰おう」と指令を出した。老分は乗りがいいので了解了解と、暑い最中に会社へと出てきた。
かくして、16時前には三島の祭りで賑わう雑踏の中に立っていた。(車中で呑んだ缶ビールや弁当のこと、暑かった車内のことなどは省略しよう)
小さな地方都市、これほど人が居るのかと思うほどの人出。我が四国の田舎とは違い、この辺りは工場も増える一方であろう、住宅街が広がり、商店も増える、元気になる。さすれば、祭りも賑わうと「風が吹けば桶屋が儲かる」式のことかな~と。
シャリキ:山車どうしのお囃子の掛け合い
当然、鰻屋も混む。と、シャープな切れのよいお頭の小生は、考えが至った。”凄い人でだね”感心仕切りの老人の手を引いて、人ごみを掻き分け掻き分けし街道筋一番の鰻屋「桜屋」の前へ。と、開店は五時からと表示され、予約受付用紙が置かれてガードマンのオジサンがいた。既に何組か当日予約の名が記されていた、其処に続けて私の名が・・・。
こうして、用意万端整えて「三嶋大社」へと参拝に向かった。此処は源頼朝が出陣の折に祈願をした神社としも名高い。そんなことを老にレクチャーしながら、伊豆箱根鉄道で「三島広小路~三島田町」駅へと一駅だけ乗車。そこから大社へと向かった。(田舎電車の気分を味わせてやりたいという親心・・・)
流石にお祭の日、大社の門前、内と人の波であった。そう云えば、この日は「頼朝出陣行列」があり、頼朝役に扮した風間トオルさんの姿を遠望した・・・。
そして、漸く「桜屋」にご入店となった。
メニューを手に「何にする?先ずはビール。ヤッパこの二段に鰻が入った柵丼を食わんと・・・。値上がりしたな、4830円だぜ!」とか何とか云いながら、二人とも鰻二段入りの丼を注文した。
待つこと30分弱か。来ましたきました、丼の蓋は一応してあるが鰻ではみ出している。
蒲焼三枚のご飯の下に、もう一枚蒲焼が待っているのだ・・・。
四の五の言いながら、食べました。食べましたよ、完食しました。私は!老は、三口ほどご飯を残しましたね。若さの違いかな・・・。
満腹、満腹で、さて講評のお時間となった。
量、これは申し分なし。蒲焼は関東風の蒸し・焼で舌触り良し、老人にも食べ易い。タレ、これは、前夜に食した「菊川」の味と似た、飽きのこない味(甘いようで甘くない、濃いようで、濃くない、敢えて云うなら中道派?)。
残念なのは『ご飯』だった。感じたままに言えば、冷や飯を蒸し器で温めたような感じだった。ご飯粒、一粒・一粒が自立しているような飯だったら・・・と残念。とは云いながらも、東京から遥々行って食べてみたい、お店ではあります。
もう暫く鰻はいいや、といいながら、水の街を散策。宵の山車の巡行準備を見ながら、我が青春の三島を後にした。