夏にゴマダラチョウなどが樹液に集まっていたコナラの幹に、茶褐色の羽化殻のようなものがいくつも突き出ていました。注意して引き出すと、出ていた部分は全体の1/3から1/4、蛾の蛹のようでした。http://blog.goo.ne.jp/1948goodspring/e/4486edec078e6d0e2902e266dde9b506
ある程度の見当をつけ、いくつかのウェブサイトを探していくと、ヒメボクトウにたどり着きました。ヒメボクトウは、近年ナシやリンゴなどの果樹の害虫として注目されているようです。千葉大学大学院園芸学研究科のウェブサイト『ようこそ化学生態学研究グループへ』には、ヒメボクトウについて、次のように紹介されています。
「本種幼虫による被害は、集団での摂食、ヤナギでは樹液があまり滲出しないことなど
により、ボクトウガ幼虫による被害と区別できる。また、虫糞は穿入口から直接排出
されるので、コウモリガによる被害とも区別可能である。幼虫は材部を集団で摂食す
る…」
「幼虫は老熟すると糸を吐いて繭を作り、その中で蛹化する。蛹は当初明るい茶色から黄
褐色を呈し、羽化が近づくと濃い茶色に変化する。羽化時には蛹がその体長の3分の2
ほどを樹木表面からその外側に出し、羽化後は蛹殻が樹上に残る。」
(http://www.h.chiba-u.jp/cel/detailsofcossus.html)
《ヒメボクトウの羽化殻 2014/09/11》
《ヒメボクトウの羽化殻 2014/09/11》