2021年9月上旬の観察記録です。
前回のブログと同じ神社です。そこらじゅうを歩き回っているモンクロシャチホコの幼虫を踏まないよう気をつけながら、ほかの生きものの気配を探していると、狛犬の石像の上を下りてくる3~4cmのイモムシがいました。何とも形容のしがたい複雑な色模様の、これまでに見たことのないイモムシです。
冬になって、外に出かけて生きものに接する機会がほとんどなくなったので、名前調べを始めました。まずは『イモムシ ハンドブック』、次に、ウェブサイト『みんなで作る日本産蛾類図鑑V2』の幼虫など縮小画像一覧です。何回か見直して、ためらいながらもホソバシャチホコの幼虫ではないかという結論を出しました。
ホソバシャチホコの幼虫の食餌植物は、 ブナ科のミズナラやコナラ、クヌギ、アラカシなど。『イモムシ ハンドブック』には、こう書かれています。「模様が複雑で美しいシャチホコガ。虫食いの葉にとまっているとみつけにくい」。
また、ウェブサイト『緑のgoo/自然を学ぶ/海野和男のデジタル昆虫記/小諸日記/ホソバシャチホコの幼虫』には、「たまたま手に触れたものだから柔らかい幼虫の存在に気がついたのだが、そうでなければ完全に見落としているところ。コナラの葉にとまっているのはガの幼虫である。ちょうど葉を食べていたところを驚かしてしまったようだ。ぴったりからだを葉につけ身を固くしている。調べてみると、どうやらホソバシャチホコの幼虫らしいことがわかった。 実に見事に自らの姿を夏の終わりによくある葉に似せている。緑の葉に似た部分、枯れた葉に似せた部分、その境目が濃く赤茶けた部分など芸が細かい。」と書かれていました。
石の上だから目についたので、枯葉などにいたら気づかなかったと思います。
《狛犬の石像の上を下りてくるホソバシャチホコの幼虫 2021/09/10》
《狛犬の石像の上を下りてくるホソバシャチホコの幼虫 2021/09/10》