2021年9月上旬の観察記録です。
公園の遊歩道を犬と散歩していると、「ボリューム感」のある「疑似餌のワーム」のような5㎝ほどの「もの」が落ちていました。頭が大きくて、緑色から赤色が混ざり合った人工的なものに感じられる複雑な色合い、有名な絵本『はらぺこあおむし』のあおむしにも感じが似ています。動きませんが生きていました。青虫です。裏返すと、なんかどぎつい緑色をしています。今までに見たことがないタイプの青虫で、何の仲間か見当もつきませんでした。
写真をもとに、『イモムシ ハンドブック』などで名前を調べました。特徴的なので、すぐにわかるだろうと思っていましたが、まったくわかりませんでした。
ところが、別の幼虫の名前探しで、ウェブサイト『みんなで作る日本産蛾類図鑑V2』でシャチホコガ科の「幼虫など縮小画像」を眺めているとき、よく似た1枚の写真がでてきました。セダカシャチホコです。幼虫の写真4枚のうち1枚がまさしく同じような質感、色合いの幼虫だったのです(この写真がなくて、他の3枚の写真だけが紹介されていたなら、おそらく今でも不明幼虫のままだったと思います)。
セダカシャチホコの幼虫は、緑色で、背面は白っぽく、体側には白色の斜条が並んでいます。気門は赤く、腹端には赤褐色の筋があります。でっぷりしていてボリューム感があり、終令幼虫の体長は、60mm前後。食餌植物は、コナラ、ミズナラ、クヌギ、アラカシなどです。(ウェブサイト『昆虫エクスプローラ/昆虫図鑑/セダカシャチホコ』参照)
《遊歩道にいたセダカシャチホコの幼虫 2021/09/13》
《セダカシャチホコ幼虫の腹側 2021/09/13》