2024/07/13の朝に前蛹となった(と思う)アゲハの前蛹についてのブログです。
夕方、用があって玄関に出ると、コンクリート塀についていたアゲハの前蛹の様子が何か違うような気がしました。「ひょっとして蛹化するのでは?」と、またとない機会なので観察することにしました(「毎日が日曜日」、閑だからできることです)。
18時から蛹化がほぼ終わった19時20分まで(約1時間20分)、通行する人の眼や暗くなるのを気にし、要所で写真を撮りながら観察しましたが、「どこがどうなったのか」はっきりわからないうちに蛹になった感じです。仕方がないので、「パラパラ漫画」方式で初めから終わりまで、終わりから初めまで、何度か見直して、ようやくなんとかわかったような気になりました。要するに、「帯糸」と「糸座」の問題を解決して前蛹の皮を脱ぎ捨てていくのでした。
2024/07/13 18:00
前蛹の様子が違うことに気づき、観察開始
2024/07/13 19:14
頭部付近から皮が脱げ出し、尾部にたまり出す(皺)
この後、さかんに体をくねらす動作を続ける2024/07/13 19:16
頭部から体の半分くらいまで薄い皮が斜めに脱げている(境目の線が確認できる)
皮を尾部に送り出しているので、尾部に皮の皺がたまっていく
2024/07/13 19:16
斜めに脱げている部分の境目の線がはっきり確認できる
2024/07/13 19:17
腹端まで皮を脱ぎ下ろし、腹部先端を抜き出す(このとき、頭部と帯糸部分で上半身を固定、腹部先端を曲げて鉤状突起を脱着、皮を脱ぎ落とす)
2024/07/13 19:18
皮がすべて脱げ、腹端にたまる
腹端は、糸座の糸に再度絡める
2024/07/13 19:18
脱いだ殻を下に落とす
2024/07/13 19:19
暗くなったので、観察を終了
下の写真は、翌日に撮影した落下した蛹化殻です。
《アゲハの蛹化殻 2024/07/14》
翌朝、確認すると、しっかりと蛹になっていました。蛹の色は、背景のコンクリート塀に溶け込むような灰色でした。
《翌朝のアゲハチョウの蛹 2024/07/14》
《翌朝のアゲハチョウの蛹 2024/07/14》
※ ウェブサイト『科学実験データベース/アゲハの幼虫が蛹になる(蛹化する)ときに見られる驚きの行動4連発!』に蛹化の過程がわかりやすく説明されていました。
「…前蛹から最後の脱皮をして蛹になります。…。 胸部・頭部から脱皮していきますが、体にめり込んだ?帯糸は、どのようにしてクリアするのでしょう。…。帯糸は体の節に回し込んでいるだけだったで、皮は簡単に脱ぎ落とされ… 最終的に、皮は全部脱ぎ落とされます。しかし,腹部先端は,最初に糸座に固定されています。… 腹部先端をうまく脱着して脱皮するために、…「特別な器官」が装備されています。蛹の腹部先端部分は、マジックテープのような構造になっているのです。…蛹の腹部先端には、ビッシリと鉤状のフック(鉤状突起)が生えている…。 糸座は、1本の糸をループのように何重にも吐き重ねてあります。フックをそれに絡めることで、比較的簡単に腹部先端を固定することができるのです。 下まで皮を脱ぎ下ろしたら、腹部先端を抜き出します。このとき,頭部と帯糸部分で上半身?を固定し、腹部先端を…曲げて糸座の糸に鉤爪を絡め…鉤状突起を脱着するので、体がずり落ちることなく、皮をうまく脱ぎ落とすことができるのです。…。 その後も腹節が縮んだり、翅になる部分が大きく変化したりし…約40分ほどかけて、最終形態に落ち着きました。」
※ ウェブサイト『京都九条山自然観察日記/キアゲハの蛹化[連続写真]』には、前蛹と蛹の色彩や模様がはっきりと異なる「キアゲハ」の蛹化の連続写真が紹介され、蛹化の様子がよくわかりました。