ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その3)

2015-09-18 19:46:47 | 悪文見本市
 断酒開始後3~6ヵ月目に自覚するようになると言う急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)、その一つ“思考プロセス障害”によると思われる悪文事例の続きです。
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【事例11】
 11番目の事例は、事例10と同じ断酒を始めて満1年の時期のものです。部門長を批判した記述部分です。(「アルコール依存症へ辿った道筋(その7)嫉妬は酒の肴のツマのような・・・?」より)

「根本原因は、地道に教育して経験を積んだスタッフを養成するという当たり前の発想が無責任にもなかったことなのか、あるいは育成しようとする発想はあっても提案できない社内の空気だったのか、のいずれかです。 “少数精鋭”の虚名で人員の拡充を怠るばかりで、もっと早くから未経験者を部内に呼び寄せて経験を積ませ戦力を充実させるという当たり前の政策を採らなかった責任は臨床開発部門トップ、専務のK氏にある」

        
「根本原因は、たとえ余剰人員の懸念はあっても、地道な教育でスタッフを養成しようという発想がなかったのか、あるいは育成しようとする発想はあっても提案できない社内の空気だったのか、このいずれかです。いずれにせよ、“少数精鋭”の虚名の下で人員の拡充を怠った責任は臨床開発部門トップ、専務のK氏にある」

 一見して感情的になっている表現が鼻につきます。まず、増員を望まない動機の説明(改訂文の下線部分)が欠けており、“無責任”が唐突な印象です。続く部分でも“当たり前の”や“無責任にも”と畳み掛けるように用い、感情任せの諄い表現になっています。後半も内容的にほぼ同じことを繰り返した表現になっており、無い方がスッキリします。

【事例12】
 12番目の事例は、事例10~11と同じ断酒を始めて満1年の時期のものです。目当ての言葉が出て来ないため、隔靴掻痒状態が見て取れます。(「アルコール依存症へ辿った道筋(その7)嫉妬は酒の肴のツマのような・・・?」より)

「臨床開発業務では、一例々々患者のデータをつぶさに読込むことでデータ全体が評価に値するのかを判断することと、どこに光を当てれば治験薬の特色を際立たせられるのか、データの切り口を見つけ出すことが重要です。」

        
「臨床開発業務では、患者一例々々のデータを点検しデータ全体の質が評価に耐えられるのか判断することと、治験薬の特色を際立たすためのデータの切り口を見出すことが重要です。」

 “データの”とすべき肝腎の言葉を失念し、直近の“評価”に引き摺られて、“耐える”とすべきところを“値する”で代用したため論旨が捩じれてしまいました。そもそも“脚光を浴びさせる”イメージが浮かんできたのですが、上手い言葉が浮かばないままに“光を当てる”と“際立たせる”の重複した表現となり、諄い印象となった典型例です。

【事例13】
 13番目の事例は、断酒を始めて満1年1ヵ月の時期のものです。ここでも目当ての的確な言葉が浮かばず、説明調の言葉を代用した例です。(「アルコール依存症へ辿った道筋(その9)慎重さを欠いた脇の甘さが仇と・・・?」より)

「先行きへの不安と事件による社内の混乱への憤懣もあって、一人で呑むいつもの酒の飲み方が一層加速しました。」

        
「先行きへの不安と事件による社内の混乱への憤懣もあって、いつも通りの一人酒が一層荒れた酒となりました。」

 微妙な雰囲気は汲み取れるものの、翻訳調の堅い表現となっています。元をただせば“一人酒”と、“荒れた酒”という言葉がどうしても思い浮かばなかっただけの話です。

【事例14】
 14番目の事例は、断酒を始めて満1年2ヵ月の時期のものです。(「アルコール依存症へ辿った道筋(その14)賭場では大勝、でも貧乏な一人住い・・・」より)

 この事例も含め事例18までは、「アルコール依存症へ辿った道筋(その14)賭場では大勝、でも貧乏な一人住い・・・」が引用元です。この引用元の元々の文はほぼ投稿当時のままで、ほとんど手を加えていない未編集の状態でした(段落ごと移動した部分はあります)。投稿した当時の姿が残っている貴重な事例です。他の事例のほとんどの引用元は、少なくとも1回は手直しを経ています。

「1本の試験は、日常生活での歩行などの労作から起こる狭心症の胸痛発作がどの程度軽減されるのか、胸痛発作回数と発作時痛め止めに頓用するニトログリセリン錠の使用回数の変化を評価するもの(症状試験)、もう1本の試験は、狭心症の心電図変化が起こるまでにどの程度の運動に耐えられるのか、運動持続時間の長さの変化を評価するもの(運動耐容能試験)です。」

        
「試験の内の1本は狭心症の胸痛発作回数と発作時のニトログリセリン頓用錠数の変化を評価するもの(症状試験)、もう1本は心電図上に変化が起こるまでの運動持続時間の変化を評価するもの(運動耐容能試験)です。ニトログリセリン錠は発作時に痛み止めとして頓用するものですし、心電図上の変化とは虚血性ST偏位のことです。」

 複文と重文の組み合わせからなる構造の1文中に、内容をテンコ盛りとした読みにくい表現となっています。テンコ盛りとなった説明部分の重複を整理してみました。さほど読み易くなってないのかもしれませんが・・・。

【事例15】
 15番目の事例は、事例14と同じ断酒を始めて満1年2ヵ月の時期のものです。“話しことば”としては十分な表現になっていますが・・・。(「アルコール依存症へ辿った道筋(その14)賭場では大勝、でも貧乏な一人住い・・・」より)

「二つの比較検証試験(症状試験109例、運動耐容能試験55例)で、計164例の患者について行うデータの点検作業では、緊張感と重圧が再び重く圧し掛かった毎日だったはずですが、あまり記憶にありません。」

        
「二つの比較検証試験に参加した患者数は、症状試験で109例、運動耐容能試験で55例の計164例でした。164例もの患者について行うデータの点検作業ならば、緊張感と重圧に再び圧し潰されそうな毎日だったはずですが、あまり記憶にありません。」

 書かれていない主語は誰か(?)主語が省略されているため、“話しことば”調の端折った1文となっています。最低限補うべき前半の主語を補い、後半は影の主語(私)に述語を従わせて捩じれを解消させました。

【事例16】
 16番目の事例は、事例14~15と同じく断酒を始めて満1年2ヵ月の時期のものです。(「アルコール依存症へ辿った道筋(その14)賭場では大勝、でも貧乏な一人住い・・・」より)

「コントローラー(盲検化の管理者)が患者一例一例について、どちらの薬剤を服用したのかを読み上げる・・・」

        
「コントローラー(盲検化の管理者)が患者一例一例について、服用した薬剤の符号を読み上げる・・・」

 意図する事実を正確に記述すると改訂文のようになります。こういう稚拙な文を見ると、元メディカル・ライティングとしての職歴が泣きます。

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 次回も続きます。


「ボケが始まった?(急性離脱後症候群:PAWS)」も併せてお読みください。
 http://blog.goo.ne.jp/19510204/e/9c6d1fc08d197902061b8e0ee33adb6a 

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