もうかれこれ1ヵ月ほど前のこと。NHKのTV番組を何気なく聞いていた(?)ら、上ずった甲高い声が耳に入ってきました。
「売り上げが何と、130%アップですって!」これを聞いた私の方は、
「130%アップ? ・・・ってことは、売り上げ 2 . 3 倍ってこと?!」と、
“実に、素直に” そう受取りました。
引き続き注意して聞いていたら何のことはない、平たく言えば
「去年10億だった売り上げが、今年は13億に増えた」とかいう話。
正確な数字は忘れてしまいましたが、そんな意味合いだったと記憶しています。
それなら単に「売り上げが前年度比30%増」またはより丁寧に、
「売り上げが前年に比べて 1 . 3 倍に増えた」と、言ってくれた方がまだマシでしょう。
一体、何が売り上げに貢献したのかと言えば、商品のパッケージを工夫したことだったそうです。
つまり、美容液のパッケージを変えてジェンダーフリーのイメージに一新したところ、女性客ばかりか男性客にも人気を博し、売り上げが大幅に伸びたという話なのです。
売り上げ130%アップなどと誇張した言葉を使うから変に誤解を招いたわけで、むしろ強調すべきは、パッケージを工夫してジェンダーフリーとした点だったと思います。
かくも、ワザと増減率を使って誇張するやら、カタカナ語や略語を使って煙に巻くやら、一見インパクトのある言葉で耳目を引こうとする風潮は今に始まったことではありません。
“十二分に”、“危機一髪” など、昔からある言葉もその類いだと思うのですが、本気度は “十二分に” 伝わってきます。さすがに時代を生き残ってきた言葉です。
本気度がかくも十分伝わるのであれば、誤解を招かない範囲で誇張するのも結構。言葉で耳目を引こうとするなら、最低限こうであってほしいものです。
* * * * *
ついでにもうひとつ、今の世の中で結構蔓延っているのが仲間内だけで通じる符牒のような言葉。意志の疎通には限定的で、しかも仲間内でしか機能しません。
そのいい例がWeb用語やIT用語などの氾濫で、accountやURL、USBなどの基本用語でも、どこまでわかっているのか今でも怪しい私なのです。
最近、“バズる” という言葉を知ったのですが、某氏のブログ記事で教わるまでは “ちんぷんかんぷん”。まさしく仲間内だけでしか通用しない符牒そのものでした。
「ネットで話題になり、多くの人の注目を得ること」という意味だそうで、ヤレヤレ一件落着と相成りました。メデタシ、メデタシ?!
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