ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

酒乱も、やはり遺伝?

2018-08-24 06:51:49 | 病状
 はるか以前、酒の飲めない人 “下戸” は遺伝による体質のせい、と記事にしたことがあります(『あなたは “脳組”? それとも “肝組”?(上)』2015.12.18投稿)。今回は、“酒乱” について述べていた記事『原因は遺伝子? 酒乱になる人とならない人、何が違う』(日経Gooday 2018年7月3日付)を、かいつまんでご紹介します。

 酒の席で最も嫌われるのは “酒乱” ですが、どうやらこの “酒乱” も親から受け継いだ体質が大きく左右しているようなのです。言い換えれば遺伝的要素が強いという意味です。

 改めてここで、アルコール代謝についてお復習いしておきます。アルコールは、主に肝臓で二段階の代謝を経て無害な酢酸に変わります。そして、最終的には二酸化炭素と水になって体外に排泄されます。

 最初の段階ではアルコール脱水素酵素(ADH)の働きで猛毒のアセトアルデヒドに変わり、次の段階ではアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きで猛毒のアセトアルデヒドが無害な酢酸に変わります。これがアルコールの主要な代謝経路です。

 ここから本題に戻ります。この代謝経路に関わる2種類の酵素(ADH とALDH )には、それぞれ代謝速度の違う二つのサブタイプが知られていて、それぞれ遺伝子型が少し違います。この遺伝子型が、酒を飲んだときの体質、“酒乱” や “下戸” を決めているのだそうです。

 そのサブタイプを規定している遺伝子型はそれぞれ、ADHではADH1B*1とADH1B*2の二つ、もう一方のALDHではALDH2*1とALDH2*2の二つです。どちらの酵素についても、~*1と表示されている遺伝子型の方が代謝速度の速い活性タイプを表し、~*2と表示されている遺伝子型の方が代謝速度の遅い不活性タイプです。

 私たちの遺伝子は、両親から片方ずつ遺伝子型を受け継いで、両方合わせて1対の遺伝子として機能しています。ADHとALDHのそれぞれについても、代謝速度の速い活性タイプか代謝速度の遅い不活性タイプか、そのどちらかの遺伝子型を親から片方ずつ受け継いでいます。

 ですから私たちは、これらの遺伝子型の3通りの組み合わせ、~*1×~*1、~*1×~*2、~*2×~*2の内のいずれかを持っていることになります。まさしくメンデルの法則通りにです。

 代謝速度の遅い不活性タイプの遺伝子型を持っているヒトはアルコール代謝が遅く、それがADHの遺伝子なら “酒乱” の気があるということになり、ALDHの遺伝子なら(飲むと直ぐ赤くなったり気分が悪くなる)“下戸” の体質ということなのだそうです。
 以上をまとめたのが下の図です。





                    (日経Gooday 2018年7月3日付 から引用)

 “酒乱” になるのは血中アルコール濃度が0.2%を超えることが条件だそうです。その血中アルコール濃度の目安ですが、ひどく酔った状態の酩酊期なら0.15%~、正体をなくすほどひどく酒に酔った状態の泥酔期なら0.30%~、昏睡期なら0.40%~だそうです。これで大体どの程度なのか見当がつくと思います。

 酒の席で人がどの程度酔っているかは、飲むピッチの速さと “目が据わっている” か否かでわかるものです。特に問題となるのが “目が据わっている” 場合です。この状態は、後に記憶が残らない “ブラックアウト” になっていることを意味し、道理も理屈も通用しません。こんな人がいたら即、側を離れた方が身のためです。

 たとえ酒の席で暴れることがなくとも、酒を飲んだら “目が据わる” 人が直系の親族兄弟にいたら要注意です。あなた自身にも “酒乱” の気があるのかもしれません、ご用心!



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