好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第1番 アラウ/ジュリーニ/フィルハーモニア管

2020-05-03 09:47:48 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アラウ 
指揮…ジュリーニ 
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4(5点満点)

冒頭からオケの迫力と不穏をはらむような緊張感は重厚。
その緊張感の中、静かに入るピアノもまた大きく重い。ずしりと重量級で情の濃く込もった演奏のように思う。
ジュリーニはどちらかといえば開放的ではあるが緊張感漲る演奏をするイメージではなかったが、ここでは重い緊張感に満ちた演奏を聴かせる。
第1楽章の重い迫力も、重みを感じさせながらほの明るいような美しさを感じさせる第2楽章もよいが、終楽章は力感が陰を潜める印象があり(音質もそれまでの重みからちょっと遠くからかすれて・くすんで聞こえるように変わるような印象すらあり、違う日に録って、何か設定がうまくいっていなかったんじゃないかと思うくらい(本当にそうなんじゃなかと思う))、第1、第2楽章は名演級かと思うがトータルでの感銘度はそれほど高くならない印象といったところだろうか。

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 プレトニョフ/ガンシュ/ロシアナショナル管

2020-05-03 09:44:41 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…プレトニョフ
指揮…ガンシュ
演奏…ロシアナショナル管
好み度…4.5(5点満点)

冒頭から普段と音の流れが違うようで、別の世界へ足を入れたような気もするが不思議と嫌味はない。
オケはヨーロッパ的な気品というよりはどちらかといえばロシア風な響きて鳴って、新鮮な味付けのピアノと相まってベートーヴェン的な香りがするかと言われればそうではないんだけど、普通の演奏とは別物としてピアノならではの強く美しいゴージャス感と弱音部での凛と美しい音が印象的な演奏になっている。
オケもよく鳴っているが特に感銘を感じないこともあってか完璧に主役はピアノの感がある。
プレトニョフのピアノは表現は独特のクセがあるが新鮮で嫌味がなく、強弱の緩急は鮮やかに、強打も弱音も澄んで常に綺麗だなぁと思わせる音で、これがライブであることを忘れ安心して聴かせるテクニックと無機的でない冷静さ(奏者が熱くなるのでなくこちらが引き込まれるような)、すごいもんだと思う。普通の皇帝とはちがうけど、これはプレトニョフでないとできない立派な皇帝だと思う。

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 クレンペラー/フィルハーモニア管

2020-05-03 09:42:12 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…クレンペラー
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4.5(5点満点)

ゆったりめのテンポとがっつりとした響きでこの曲の大きさを感じさせるような演奏といえようか。
大きな音でありながら特に情に訴えるようなこともないが、といって無機的とか流行の流麗かしこそうなものとも全くちがいむしろ武骨感さえ漂い、いろいろひっくるめてやはりどこか厳然として大きい。
泰然とした大きさという意味ではなかなか右に出る盤はないのではないだろうか。