好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 ポリーニ/アバド/ベルリンフィル

2020-05-05 14:34:27 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第4番

ピアノ…ポリーニ 
指揮…アバド 
演奏…ベルリンフィル
好み度…5(5点満点)

かっちり堅固な、しかし美しい、古城のような美しさ、なのだろうか、あるいは他がそうでないという気はないが、正統のもつ美しさというのだろうか。
単に澄んでいるとか透明感とか、そういうものとも違うし無機的とか堅苦しいといったことも少しもなくむしろ温かみを内包するようであり、第2楽章なんかでもピアノの一音一音は透明感と情を込めて美しい。終楽章は適度(中途半端という意味ではない)な力強さも加えて、これはライブならではの熱だろうか。
しかし、ライブでこの豊かな完成度はやっぱりさすがと思う。
気品だけでなく、ドイツ的というのだろうか、しっかりした強さも感じさせてかつ美しい、やっぱりさすが、と書くしかないような、これは名演といっていいのだろうな、と思う演奏である。
この曲はどちらかといえば華奢な、貴婦人のような美しさのイメージがあるが、こういった堅固な美しさを感じるというのはかえってなかなかないのではなかろうか。そういえば第1楽章の後半はちょっと聴いたことのない譜を採用しているようである。
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ドヴォルザーク 交響曲第8番 ケルテス/ロンドン響

2020-05-05 14:27:14 | ドヴォルザーク 交響曲第8番
ドヴォルザーク 
交響曲第8番 

指揮…ケルテス
演奏…ロンドン響
好み度…5(5点満点)

ケルテスの明晰でバランスに満ちた豊かな色彩が明るい艶と活気に満ちた響きとなって、溌剌とした力感と洗練身も感じさせながら明るい色彩と輝きを感じるドヴォ8である。
第1楽章はドヴォルザークらしい雰囲気を洗練された響きの中に感じさせ、第2楽章も表情豊か、第3楽章の哀愁を帯びる旋律も弦の表情豊かでドヴォルザークの舞曲の魅力をしっかり感じさせる。終楽章も特徴的な金管は溌剌と響きつつ叙情部での弦の情感も結構印象的に、重さや迫力というよりは小気味よい活力で聴かせている。
ケルテスはそんなに聴いていないが、多分、明晰にセンスよく活気ある音を重ねるケルテスの音楽はブラームスでいえば1番より2番、ドヴォルザークなら新世界より8番に、より合っているように思う。
明るい色彩と輝きとドヴォ8ならではの雰囲気に満ちた秀演。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ジュリーニ/ウィーンフィル

2020-05-05 14:24:32 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」

指揮…ジュリーニ 
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

これはブラヴォーな演奏なのではないでしょうか。
ゆったりしたテンポの中でのウィーンフィルの響きが何とも感銘深い。
この陰影を帯びた重みと艶を併せ持つ美しい響きはベルリンフィルでもバイエルン放送響でも聴けないと思うし(もちろん両者には両者の良さがあるが)、例えばロサンゼルスフィルとかとだったら全く違った盤になっていたと思う。
ちょっと平易になる演奏もある終楽章なんかもスケール感とか美しさとか感銘度高く、聴き終えての充実感は大きい。
これまでジュリーニは今ひとつ合わない印象だったが、いやぁ、聴いてみてよかった。
約59分という長丁場ながら、ゆるんだ印象やまどろっこしさは微塵も感じさせず、堂々とした大曲感と古風な気品と風格を漂わせながら情感も豊かに、力強く美しく、スケール感も感じさせて、録音も上々、名盤。
思えばこの曲にはウィーンフィルの響きが合っているなぁ、ともふと思う。
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