バスを見終えたので航空祭のメイン会場に向かいます。駐機場には富士T-7練習機がずらずらと並んでいます。
静浜基地は航空機パイロットを養成する基地ですので、基地に配備されている機体は練習機ばかりです。
T-7は初等訓練に使用される機体で、すなわち訓練生が最初に操縦する実機となります。航空自衛隊のあらゆるパイロットは全員これに乗ることになります。またそのうち半分は静浜で訓練することになります。ちなみにもう半分は山口県にある防府北基地です。
外観は先代のT-3とほとんど全部同じ。で、T-3は丸っきりアメリカのT-34をパクッt・・・もとい参考にしているのでT-34と酷似。よって未だに1948年初飛行のT-34みたいな飛行機が飛んでいるということです。21世紀に初飛行した飛行機の割には見た目が古めかしいのです。22世紀になっても同じ形の別の機種が飛んでそう。
会場中央は地上展示機軍団が滑走路を背景に居座っています。この配置、来場者が離着陸を見られる空間が減るからやめちまってもっと隅っこで展示して、空いた空間分もっと近くで見せてやればいいのに・・・。
このヘリコプターはボーイング・バートルCH-47JAチヌーク。回転翼を2つ備えた輸送用の機体ですね。
陸上自衛隊と航空自衛隊の2軍が採用しているのですが、塗装が微妙に違うので分かりやすいです。この地味目の迷彩塗装は陸自の機体です。
回転翼の断面。ちゃんと揚力を生む形状になっているんですね~。
ゴジラと戦争でもする気か!?という見た目のこのヘリコプターはマクドネル・ダグラスAH-64Dアパッチ・ロングボウ。空から戦車なんかを一方的にぶっ潰すヘリ。でも対空兵器は苦手なので航空優勢を確保した上での攻撃が必要。弱い者いじめみたいだね。
胴体の横に羽がついていて、そこにミサイルやロケット弾なんかを吊り下げることができるようになっています。
機首の先端には照準装置と操縦士用の暗視装置が付いています。
コックピットの下には30mm機関砲があります。ゴジラには全く効かない模様。
正面から。攻撃ヘリは前面投影面積が小さいと聞いていた割には幅がある。
メインローターの上に乗っている風船みたいなやつはこのアパッチの真骨頂、ロングボウ火器管制レーダーです。
ちなみに陸上自衛隊のAH-64Dの調達は62機のところ13機だけに留まっていて、大失敗やらかしています・・・。自衛隊の装備調達のお粗末さは今に始まったことじゃないですが、まあアレよね。税金使う以上、いい加減な買い物しないでよね。
そういう事情もあるんで、AH-64Dが見られるのは比較的珍しいとは思います。
これも陸自のヘリコプター、ベルUH-1Jヒューイ。初期型はベトナム戦争時代から飛んでいる古参ヘリですね。
J型は1991年以降に生産された比較的新しいもの。なんだかザクのツノみたいなものが付いているのでたぶん隊長機なのでしょう。実際にはワイヤーカッターだそうですが。
ここからは空自の機体。レイセオン・ビーチT-400練習機です。
見た目の通りビーチクラフトのビジネスジェット、400型を流用しています。練習機というと戦闘機パイロットを養成するものを思い浮かべますが、これは輸送機なんかのパイロット訓練生のための機体です。
なお400型の原型機はその昔三菱がアメリカで開発・販売をしていたビジネスジェットMU-300ダイヤモンドなのでした。ただMU-300は星のめぐり合わせと三菱の大誤算が重なって鳴かず飛ばずなほど売れなかったので、この機種をビーチクラフトに移管したのを最後に三菱はアメリカから撤退してしまいましたとさ。
そんな機体が巡り巡って日本の自衛隊に採用されたというのは三菱にとっては本懐なんでしょうかね?
親の顔より見た練習機ことノースアメリカンT-6Fテキサン。第二次世界大戦時から生産されていたアメリカの練習機で、航空自衛隊発足時にアメリカから供与されたもの。
さすがにこれはとっくに退役したやつですが、静浜基地でこうして保存されています。退役したのは1965年だそうなので、既に50年以上保存されていることになります。空自さんは退役した飛行機を保存しているという場合が多いです。
ビーチクラフトT-34メンター。航空自衛隊初期の初等練習機として採用。富士重工でもライセンス生産していたようで。
やはりここで保存されています。
今のT-34をパクっt・・・もとい参考にして開発した国産機(笑)ということになっている富士T-3。
T-34と外観がほぼ全く同じ機体になっているのが特徴。よくビーチクラフトから怒られなかったなこれ・・・。
またCH-47。ただしこっちは航空自衛隊の機体。迷彩柄がなんとなくおもちゃっぽい方が空自です。
時間となって航空祭開幕。わーパチパチ。
開幕は静浜所属のT-7による展示飛行でした。
デルタ形態で会場をフライパス。う~ん真っ黒。
今日はここまで。
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