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カナダ航空宇宙博物館の続きです。引き続きジェット戦闘機の間です。
これは、マクドネルCF-101Bブードゥー (McDonell CF-101B Voodoo) です。
アメリカ空軍のスカポンタン軍団センチュリーシリーズの一角をカナダ空軍が輸入したものです。計画凍結したCF-105の代替機として導入されましたが、あらゆる面でCF-105の性能に劣っています。
せめてF-106かF-102が欲しいところですが、こいつらはSAGEというNORADでが運用していた迎撃用の地上コンピューター装置との運用がセットでした。そいで、SAGEはカナダの辺境やアラスカには配備されていないので、F-102とF-106はアメリカ本土専用機なのでした。その割にF-102ベトナムに行っていたのはなんで・・・。それで、SAGEの穴を埋めるために配備されたのがF-101Bなのでした。
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カナダ空軍には5個飛行隊に配備されて、NORADの一部として運用されました。この個体は1959年製で、アメリカ空軍に配備されました。1971年にカナダ空軍へ払い下げられて、1984年まで運用されました。ちなみにカナダ空軍のCF-101は全部アメリカのお古なのだそうな。
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ミサイルベイです。何度か説明していますがこれは回転式で片面2発のAIM-4を両面に搭載できます。
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空気取入口です。ここの形状はF2Hの面影があり、マクドネルっぽさを出しています。次作のF-4では形状が大きく変わることになりますが。
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主翼は小さめで翼面荷重が高そう。T字尾翼の欠陥もあって機動性は悪く、直線番長だったそうな。対爆撃機用の迎撃機にしか使えんわけです。
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ピアッジョ・ベスパ150(VBB2T) (Piaggio Vespa 150 (VBB2T))です。1964年式。イタリアの有名な原付で、今でも製造が続いている長寿モデルです。
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カナディアCT-114の首がありました。実機の操縦席に座ることのできる一角のようです。
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CT-114は並列複座の練習機です。椅子は狭いですが機内は意外とゆったりしています。足が伸ばせます。操縦装置はアナログ。
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これはMiG-21MFの首です。特徴的な空気取入口周りがないのでなんの飛行機なのか一見分からないですが・・・。
機首で取り入れた空気はコックピットの脇を通ってエンジンへ吸い込まれていきますので、コックピットの外側と機体街版の内側はガランドウになっています。
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そういう構造なので、コックピットはとにかく狭い!前後にも左右にも狭い!膝が計器盤にぶつかる!ソ連機は人権がないなぁと思いました。冷戦時代の機体らしく、計器とスイッチだらけです。
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最後にCF-18Bです。
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コックピットはCT-114未満、MiG-21以上のゆったりさ。ところで急激な起動をするのに背もたれが貧相じゃないか?スポーツカーだってバケットシートで操縦者を包み込むのに。知らんけど。
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次はこれ、カナディアCF-5Aフリーダムファイター (Canadair CF-5A Freedom Fighter) です。1959年初飛行。
ノースロップF-5戦闘機をカナディアでライセンス生産したものです。カナダ空軍での公式の型番はCF-116なのですが、誰もそれで呼んではくれません(悲)
ソ連がミグ戦闘機を東側諸国や第三世界にばら撒いていた時、西側盟主たるアメリカには同盟国にばら撒ける手頃な戦闘機がありませんでした。アメリカ軍の制式戦闘機ではデカいわ高いわ核爆撃しかできないわで、特に貧乏国家には身の丈に合わないものでした。そこで出てきたのがノースロップが自社開発したN-156Fで、アメリカはこれをF-5として採用してばら撒くことにしました。
カナダ空軍も自国用にこれをライセンス生産しました。その時に独自に改良を施しています。まずエンジンはオレンダエンジンで製造したオリジナルよりも高出力のものを搭載。これに合わせて胴体後部側面にルーバー式の補助空気取入口を追加しています。次に前脚を延長して離陸時3度の迎え角をつけるようにして滑走距離を短縮しました。他には空中給油機能の追加などですね。
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F-5好きなんですよねえ。
CF-5はカナダ空軍の他にオランダ空軍向けにも生産しています。カナダのCF-5は退役後に一部がベネズエラに売却されています。
カナダのCF-5はヨーロッパのNATO任務用に配備されるはずでしたが色々あって取りやめになりました。でも機体は造ってしまったので、一旦内地に配備していざって時にはヨーロッパへ行けるようにするという運用らしいです。何度かヨーロッパへ出張に行っているみたいですね。
他には空戦演習でソ連機の仮想敵を演じたりCF-18の機種転換訓練で使われたり、色々こなせたようです。
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尾部のカバーを外せばエンジンが簡単に取り出せる構造なのが好きです。
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CF-5の兵装はF-5と同じそうですけど、武装している写真が見つからないのでよく分からないです。ところがここの個体はロケットランチャー(蓋付き)を装備していました。これは助かりますね。
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みんなだいすきLERXです。
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この個体は1970年製。カナダ空軍に納品されましたが、なんと1979年まで塩漬けにされました。どうして。
その後は国内の基地を転々としながら1997年までアグレッサー役を務めました。機体はソ連っぽいアグレッサー塗装のままです。
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ロッキードCF-104Aスターファイター (Locleed CF-104A Starfighter) です。1954年初飛行。
アメリカ空軍のスカポンタン軍団センチュリーシリーズの一角F-104のカナダ版です。お大臣アメリカ様専用機が多いセンチュリーシリーズの中にあって多く輸出された機種で、主に日本、ドイツ、イタリアといった第二次世界大戦の敗戦国に輸出されました。
カナダ空軍でもF-86Fに代わるNATO軍の戦闘機として単座のCF-104Aと複座のCF-104Dを装備していました。NATOと性能を合わせる意味もあって、CF-104Aは各爆撃機型のF-104G相当の機体でした。カナダのCF-104は内地の訓練部隊の物を除いてヨーロッパに配備されて、NATOの一員として任務をこなしていました。
なお、ヨーロッパのF-104にありがちなこととして事故の多さがあり、カナダのCF-104においても37名のパイロットが事故で殉職しています。
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この個体は1957年ロッキード製ですが、ほとんどのCF-104Aはカナディアでライセンス生産されています(ただしCF-104Dはロッキード製)。この個体は1959年までアメリカ空軍で使用された後、ライセンス生産用のモデル機としてカナダに渡ったようです。
カナディアではカナダ向けのCF-104Aを200機、さらにNATO向けのCF-104Gを140機製造しました。
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ツルピカの機体です。
というところで今日はここまで。
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