Take It From Me/Terry Gibbs
(impulse A-58)
(impulse A-58)
バイブラフォンと言う楽器を語るとき,ライオネル・ハンプトンとミルト・ジャクソン抜きには語ることができないが,1950年代前半のダウンビート誌の人気投票ではこのテリー・ギブスがずっと1位を独占続けたようです。ある意味,ギブスのベストピリオドはこの時代であったかもしれませんね。エマーシーに吹き込まれた優れた演奏群を聴くとそれも充分ありだと思われますよね。本日は,その頃から10年余りを経過した64年吹き込みのインパルス盤です。
バイブを中心としたカルテットで、Terry Gibbs(vib), Kenny Burrell(g), Sam Jones(b), Louis Hayes(ds)という派手さはないですが渋いメンバーによる演奏です。インパルスの好録音に支えられ,好調なプレイを聴かせるGibbs, ブルージーなバレル,ビッグトーンのサム,ブラッシュで盛り上げるヘイズと自分としてはいずれも惚れ込んで肩入れしたくなるプレーヤーの集合で申し分ありません。A面はオリジナル中心ですがA-1のタイトル曲から早速のメタリックなプレイに酔いしれます。ヘイズのブラシがいい味を出しています。A面のベストトラックは3曲目の"Oge”です。日本人好みの哀愁に満ちたテーマにグッと惹き込まれますね。B面はlongest trackのギブスのオリジナルで"Gee Dad, It's A Deagan"で始まります。急速調の曲にのったギブスのアドリブ,そしてこれぞバレルと言わしめる独特のフレージングにも唸ること間違いないしです。続く"All The Things You Are", "Honeysuckle Rose"のスタンダードも無難にこなしている感じですね。
所有盤はインパルスのオリジナルモノラル盤(オレンジ,黒外周ラベル)です。美しいコーティングカバーも嬉しいですね。このメンバーで悪い訳がない!!!