Charisma/Lee Morgan
(Blue Note BST84312)
(Blue Note BST84312)
先日、新潟を訪れ久々にジャズ喫茶「ジャズフラッシュ」に行ってきました。その模様は5/20/'07にアップしましたが、前述のように夜な夜なハードバップ道場となっていた自分にとっては忘れられないジャズ喫茶です。ここで,「糸巻きモーガン」の名で呼ばれたこのアルバム,何度も聴いたファンキーな一枚です。単にジャケに丸いエキゾチックなパターンのサークルが配されたイラストカバーです。秀逸なカバーの多いブルーノートの作品群に比べると、別に素晴らしいカバーとも思えないアルバムですが,極上のファンキージャズが展開され、当時(自分の学生時代,四半世紀前)おそらく最も頻繁にフラッシュのターンテーブルに乗ったモーガンのアルバムと思います。
ジャズメッセンジャーズ出身のプレーヤーを集結して吹き込まれたこのアルバム,1966年録音,4312番ですが周辺のゲテモノのアルバムに比べるとメインストリームを貫く聴きやすいファンキーセッションです。ジャズロックのにおいもプンプンで好きでたまらないアルバムですよね。メンバーはLee Morgan(tp), Jackie McLean(as), Hank Mobley(ts), Cedar Walton(p), Paul Chambers(b), Billy Higgins(ds)のセクステットです。ハードバップファンには応えられないメンバーでしょう!演奏曲も素晴らしい佳曲揃いです。ヒギンズの叩きだすラテンリズムにのってキュートなモーガンのソロが聴けるモーガンのオリジナル"Hey Chico"で始まるA面のグルーブ感に圧倒されますよ。A-3のC.Waltonのオリジナル"Rainy Night"もCedar作の「ホリーランド」と並ぶ佳曲でCedarの作曲の妙が味わえるバラードです。ここでもブリリアントなモーガンのラッパが美しいです。B面に移り、冒頭のピアソンのリーダーアルバムのタイトルにもなった"Sweet Honey Bee"も本家の演奏に優るとも劣らない快演です。こう言う曲調へのアプローチには抜群のセンスを感じますね!
所有盤はリバティのステレオ盤。gatefold coverです。フラッシュ所蔵のアルバムは確か大きくコーナーがカットされた盤だったと記憶しています。自分のは当時,東京在住の弟にあったら買っといて頼んでおいてやっとみつかった3000円盤でした。この頃のジャズへの思いが一杯に詰まった好盤です。