The Intimate Miss Christy/June Christy
(Capitol T1953 )
(Capitol T1953 )
ジューンのアルバムはほぼ全部がキャピトルからのリリースと思われますが,多くはピート・ルゴロ,ボブ・クーパー等のビッグバンドがバッキングを務めています。勿論,こう言ったビッグバンドのアルバムから幾多の名演(盤)を生み出しているわけですが、少ない伴奏陣との共演ではケントンとのデュオ,そして本日アップのAl Viola(g), Don Bagley(b)のバッキング【曲によりBud Legge(fl)が加わる。】によるアルバムが異色な感じで存在します。ケントンとのデュオも名盤として知られていますが,このベース,ギターのバッキングで聴くジューンが個人的には好きでたまりません。ドン・バグリーのベースは軟らかいビッグトーンですし、アル・ヴィオラのギターはおそらくナイロン弦のガットではないかと言うような、響きでジューンのハスキーボイスとの相性は申し分ありません。
A-1の"SPRING IS HERE"の出だし、いきなりのジューンの声にしびれっぱなしです。ヴィオラのアルペジオを主体としたバッキングも好感度抜群です。A-2の人気曲”FLY ME TO THE MOON"から続く"I FALL IN LOVE TOO EASILY", "TIME AFTER TIME", "THE MORE I SEE"そしてビリーの名唱で知られる”DON'T EXPLAIN”と続くA面の流れは最高ですね。B面でもヴァースから入る”IT NEVER ENTERED MY MIND", "MISTY", "I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL"等渋い選曲にも唸りますね。少ないバッキングに対応するジューンのボーカルでのインタープレイはビッグバンド物では表現できない繊細さを感じます。
所有盤はキャピトルレインボウのモノラル盤です。カバーはおとなしめの渋い仕上がりですが、バグリーのベースがうまく録れていてジューンの陰の名盤と言っても良いと思います。