大統領と年間王者

2008-11-06 01:13:19 | 雑感
史上初の黒人大統領の誕生です。共和党ならルドルフ・ジュリアーニ、民主党ならヒラリー支持(と言うほどでもないけれど)だったので、途中で興味がエラク減退してしまったのは事実です。

米民主党は、大統領、上院・下院、全米知事の4部門で共和党を圧倒。「4冠達成」で極めて安定した政権運営ができそうです。もっとも、ブッシュ政権の「負の遺産」を引き継ぐことになるので、1年後のオバマ評がどうなっているかは全く想像がつきません。前回の民主党政権であったクリントン時代は空前の繁栄を謳歌しましたが、その下地自体は、実はその前のブッシュ・シニア時代に種が蒔かれていたもので、「収穫時」にクリントンが大統領に就任したと言う「ラッキー政権」でした。今回は真逆ですね。4冠を達成した状況下でのスタートですので真の実力を問われそうです。

ほぼ同時に、ブラジルではF1史上初の「黒人年間王者」が誕生しました。ルイス・ハミルトンが、最終レースの最終コーナーで5位に浮上し、1点差で初の戴冠とという劇的な幕切れ。ハミルトンは、デビュー・イヤーの昨シーズンは最終戦で1点差で総合王者を逃しており、F1の神様は破天荒なことをしてくれます。

スポーツの世界で黒人選手というか、「カラード」の選手が圧倒的な成功を収めているのはもはや常識ですが、F1は白人上流社会のスポーツの最後の牙城として黒人王者の誕生を「許してこなかった」。その最後の白人スポーツの牙城も遂に崩れ、しかもアメリカで黒人大統領(正確には黒人・白人のハーフですが)が誕生と、2008年はエポックメイキングな年になりましたね。

全米NO.1スポーツのNFLでも黒人選手の活躍は目覚しいです。エース・ワイド・レシーバーやエース・ランニング・バックと言う花形部門は圧倒的な身体能力を持つ黒人選手が独占しています。ところが、NFLの中で最も花形ポジションであるクオーター・バックは漸くここ数年、黒人選手が目立つようになって来た、という程度。アメリカの映画やドラマでハイスクールのスーパーヒーローはどの作品を見ても、アメフト部の白人QBです(しかも髪はブロンドのセミロング)。これほどステレオタイプのイメージが定着しているものも中々ないような気がします。

一説によれば、軍隊に例えられることの多いアメフトの中で、QBは正に司令塔・指揮官であり、そのようなポジションは白人がなるのが当然と言う空気が非常に強かったようです。最近は流石にそうでもないようですが。

このような人種の壁も徐々に崩れてきていると言えそうです。しかし時間がかかりますね。「人類の負の遺産」の精算にはまだまだかかりそうです。
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