2回試験開戦

2008-11-19 11:25:36 | 司法試験関連
和光では実務家法曹に向けて、最後の死闘が始まりました。みんな頑張って下さい!
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試験力

2008-11-19 01:34:34 | 司法試験関連
司法試験も所詮「資格試験」である。「試験対策」が必要なのは当然だ。しかし司法試験の場合、何故かこういう話になると、「テクニックに走ろうとしている、小手先で誤魔化そうとしている」、という話になってしまう。

ごく一部の非常に頭の良い人達には「無意識」のうちにできることが、大多数の受験生には「意識的に」やらないとできないだけの話であって、合格するために両者がやっていることは、実は全く同じである事に気がつかなければならない。

一部の人は、公法系の問題を見て、「無意識に」問題となっている架空の法令の仕組みをまず分析する事ができる。そういう思考回路が自然とできるのである。しかし、多くの受験生は、「まず規制の仕組みを分析せよ」という「試験対策」を事前に「意識的に」しておく必要がある。「無意識に」できないことは「意識的に」やらざるを得ないというだけであって、これを批判するのは筋違いである。皆が皆天賦の才の持ち主であるわけではない。これは立派な試験突破への努力である。

大体、新司法試験の問題が小手先のテクニックで何とかなるような甘い代物で無い事くらい誰にでも分かる話である。小手先のテクニックと試験に対応するための「スキル」は似て非なるものなのである。

一つ試して欲しい事がある。今から貴方には2時間の試験時間が与えられる。問題は第3回の公法系憲法だ。解答用紙は8枚。有斐閣判例六法が貸与される(判例つきだ!)。更に芦部憲法と4人組み憲法ⅠⅡも持ち込んでよいとする。さて、2時間後、合格答案を絶対に書けると言う人は何人いるだろうか。

恐らく合格答案を書けた人は、これらの持込が許可されなくても合格答案を書ける人達であろう。これらの書物が合格の要因となった可能性は低いはずだ。そしてかけない人は何を持ち込んでも書けないと思われる。

何が言いたいのかと言うと、知識量で決まる試験ではないということをまず認識して欲しいと言う事である。知識のある事を「前提」に、①問題文を分析する能力=読み方、②事実認定をする能力、③時間内に書き切る能力、が本番では問われているのである。これらの「スキル」を身に付けないことには中々受からない。そういう意味での「試験対策」は必要なのである。当たり前の事であろう。ガイダンスで伝えようとしていた事もこういうことである。

別の例で考えて見よう。貴方は未修者だとする。山口先生、井田先生、前田先生、西田先生、何でもよいから好きな刑法総論・各論の基本書を持ち込んでよいとしよう。さて、新司法試験の刑法の問題を解ききる自信が貴方はあるだろうか。
もし、貴方が合格答案を書けるとすれば、もはや私の話を聞いても意味はないだろう。何故なら貴方は私より遙かに頭がよく、このまま普通に勉強していけば確実に最上位で合格できる方だからだ。私から何も得るものはないだろうし何の心配も要らないと保証する。

そういう意味では、今年民事訴訟法の答案集だかノートだかを持ち込んで処分された受験生がいたようだが(4年間の受験禁止処分)、そもそも見当違いな事をしようとしていたと言える。恐らく持込がばれなくても、そのノートの類が合格を引き寄せる力になることは原始的になかったと思う。

「試験対策」は必要である。「法的実力」にプラスして、「試験力」も鍛えておかないといけないというだけの話である。
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