L1,L2,L3

2010-06-25 14:34:54 | 司法試験関連
「答案ストック型」の勉強というのがある。旧司法試験などにおいては,答案例を各科目100通ほど集め,構成等を覚えると言うやり方が論文対策の仕上げ段階において王道であった。論文試験直前期には,答案をストックした分厚いファイルを読み込むという風景が定番だったのだ。

しかし,新司法試験直前期には,そのような光景を見る事はほぼないと言ってよいくらいである。これも,問題傾向の変化を示す証拠である。

もっとも,このような勉強方法が一切不要になったわけではなく,あくまでも直前期の話である。寧ろ,基本問題の答案構成レベルは,もっと早い段階でクリアーしておかなければいけない,ということである。論証パターンの扱いも同様である。

基本的には,既修者は,ロー入学時点で,このレベルをクリアしておく事が前提となっている。従って,未修者の方はまずこのレベルのクリアーを目指す事になる。他方,既修者といっても正直ピンキリであるから,自分は既修者だから,という妙な安心感(=油断)をすると後で痛い目に遭うので,自分の状況の把握はしっかりしておきたい。

L1,L2,L3というレベルわけを伊藤塾では実は使っているが,L1が磐石な基礎固め段階,L2がプロブレムメソッド段階(答案ストック型はここ),L3がケースメソッド段階(=直接的かつ本格的な新司法試験論文対策がここ)である。自分が,L1・L2・L3のどの段階にいるのか認識し,その段階にあった学習をすることが肝要である。いつも言っている,「自分の弱点はどの段階の問題なのか」「その弱点を補強する勉強方法は何なのか」を間違えないようにすることが重要だと言う事である。

「勉強方法」は,時期・段階に応じて順次「卒業」していくものなのである。論証パターンや,問題研究の答案構成などは,L2レベルであるからいずれ「卒業」するものである。だから,試験直前期には,ファイルの読み込み,という風景があまり見られなくなると言うことなのである。逆を言えば,直前期にこのレベルで汲々としていては,その年の合格は厳しいという事でもある。

如何にして3年次においてL3(ケースメソッド)の勉強に取りかかれるようにするかが時期的なポイントである。
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