新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

GW中に鑑賞した名品

2011-05-09 05:30:25 | 美術館・博物館・アート

5月6日の記事、「めったにない『平日休み』忙しい」で、さいたま市の辺境にある官公庁(by)と、特別展「写楽」を観に東京国立博物館(東博)(by)に行ってきたと書きましたが、「さいたま市の辺境」まで行くのも何かの機会とばかりに、3か月ぶりに埼玉県川島町にある遠山記念館にも行ってきました。前回の訪問のことは、「『二引』が二連発(その2)」で簡単に書きましたが、本編たる「なんとも凄いお屋敷でした」が書きかけでしたっけねえ…

110509_1_2 ホントは、遠山邸について最後まで書き上げたいところですが、とりあえずきょうのところは美術館についてだけ書きます。

今回、遠山記念館に行った最大のお目当ては、「なんとも凄いお屋敷でした(その1)」で、

こりゃ、ぜっっっっっっっったいに行かねば

と書いた「佐竹本三十六歌仙絵巻」の一枚、「大中臣頼基(おおなかとみのよりもと)」です。

そして、予定どおり、「佐竹本三十六歌仙絵巻大中臣頼基」を観ることができました

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頼基さんが着ている黒い袍(ほう)に輪郭線として白い線が入っていますが、作品説明によれば、これは白絵具で線を描いたものではなく、墨で塗り残しているのだそうな。

結構大きめの料紙に、余白をたっぷりとって、ちんまりと描いているところがJapanesqueです。
ちなみに右側に書かれている頼基さんの歌は、

つくハやまいとゝしけきに紅葉して
  みち見えぬまておちやしぬらん
(筑波山はさぞやびっしりと紅葉して、路が見えないほどに落ち葉が
  敷きつめられていることだろう:徒然煙草訳)

だそうですが、、、さっぱり読めんゾ

   

さて、念願の佐竹本三十六歌仙絵巻以外にも、以前から観たいと思っていた作品を観ることができました。

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英一蝶(はなぶさ・いっちょう)の「布晒舞図(ぬのさらしまいず)」です。

英一蝶のことは、2009年10月に放映されたNHK日曜美術館流人絵師・英一蝶 元禄快男児伝説」で初めて知りました。
NHKのサイトから説明を引用しましょう。

遊郭・吉原に遊び、太鼓持ちとして名を馳せる。小唄を作っては江戸中で流行らせ、大名たちにとりいっては蕩尽させる。しかしその派手な行状が幕府の怒りに触れ、元禄11(1698)年、絶頂期を迎えていた47歳の絵師は三宅島に配流となってしまう。流刑は無期が原則の絶望的な状況。しかし一蝶は、絵筆を捨てず、近隣の島々から画の注文をとって描き続けた。
  <中略>
将軍綱吉の死に伴う大赦によって江戸に戻ったときは58歳。「浦島太郎のようだ」とつぶやきながら老絵師は、さらに力を振り絞って傑作「雨宿り図屏風」を生み出す。吉原通いもすぐに復活、豪商と放蕩の限りをつくした。73歳で世を去るが、人々は記憶し続け、俳人・宝井其角との友情と島暮らしの哀感は「英一蝶干物便り」として講談で語り継がれている。

元禄版「新体操のリボン」を連想させる躍動感にあふれたこの作品は、一蝶が三宅島に流されていた頃に描かれたものだそうです。

聞こえる波の音を消すように、一蝶の頭の中では吉原の音曲が鳴り響いていたことでしょう。

なんとも良い作品です。

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美術館を拝見したあと、遠山邸をぐるりと一廻りしました。
前回の雛飾りに代わって、今回は当然のように「端午の節句飾り」を楽しませていただきました。

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と、右手前に飾られている人形に目が止まりました。

これって…、つい先日行ってきた熊本城で、気軽に観光客との記念撮影に応じていたこの方ではありませんか

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意外なところで再会(?)を果たしました

   

遠山記念館を後にした私は、一旦自宅に帰り、今度は電車で上野に向かいました。

自宅の最寄り駅から上野駅までは、埼京線京浜東北線(快速)を乗り継いで、約30分
日頃の通勤に片道1時間半を要していることを思えば、悲しいくらい近い…

   

東博に着いた私は、まず、年間パスポートを購入

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今年度は何回東博にいけるんでしょうねぇ…。

それはともかく、本館特別5室で開催中の特別展「手塚治虫のブッダ展」を観た後(感想はまた後日)、約1か月ぶりに総合文化展(本館2階)を観覧。

さすがに、前回(昨年のパスポートの有効期限当日の4月2日に行ってきました)とは大きな違いのない展示でしたが、それでも、今回はこちらの名品を拝見することができました。

110509_1_9 菱川師宣の「見返り美人図」です

Wikipediaの「見返り美人図」についての記述にこんなのがありました。

同時代で年下の絵師・英一蝶は本作に刺激を受けてか、対抗するかのように、構図等に類似点の多い1図『立美人図』を描いている。

ですと
出てきましたなぁ~、英一蝶
確かに、一蝶の「立美人図には師宣の影響が如実に現れています(一蝶の描いた「見返り美人」は、いかにも吉原風…)。

まったく意識していなかったのですが、見事につながりました
ということで、きょうはこの辺で失礼

コメント
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