5月25日の日経電子版に、「ダービー全馬、サンデーサイレンスの孫対決 血統の偏り鮮明 主要競馬国でも異例」という記事が載っていました。
引用しますと、
競馬の祭典、第78回日本ダービー(東京優駿、G1・芝2400メートル)は29日、東京競馬場で行われる。2008年生まれの国産馬と日本への輸入馬計7458頭の頂点を決める戦いだが、最終登録された22頭全馬が、往年の大種牡馬サンデーサイレンスの孫という異例の事態となった。
現時点で出走可能な18頭を見ると、父の父がサンデーサイレンスという馬が16頭、母の父サンデーサイレンスが2頭。賞金不足で他馬の回避待ち状態の4頭も、父の父サンデーサイレンスと母の父サンデーサイレンスが各2頭となっている。
そして、確定した出走馬18頭を見ますと、
です。
最終登録された全馬がサンデーサイレンスの孫なのですから、確定した出走馬18頭すべてがサンデーサイレンスの孫なのは、当然のことです。
最終的に、ディープインパクト(父:サンデーサイレンス、母:ウインドインハーヘア)産駒が4頭、ステイゴールド(父:サンデーサイレンス、母:ゴールデンサッシュ)産駒とアグネスタキオン(父:サンデーサイレンス、母:アグネスフローラ)産駒が各3頭、フジキセキ(父:サンデーサイレンス、母:ミルレーサー)産駒とネオユニヴァース(父:サンデーサイレンス、母:ポインテッドパス)産駒が各2頭、ハーツクライ(父:サンデーサイレンス、母:アイリッシュダンス)産駒とマンハッタンカフェ(父:サンデーサイレンス、母:サトルチェンジ)産駒が各1頭、そして、母方の祖父がサンデーサイレンスである馬が2頭になりました。
こんな珍事(というよりも、以前から危惧されていたこと)は、おもしろがってばかりいるわけにはいきません。
日経の記事をもう一回引用します。
今回のダービーで表れた血統の偏りは、サンデーサイレンスを導入した社台グループ(北海道)の力が日本の競走馬生産において圧倒的に強いことが背景にある。だがこうした傾向が続けば、近親交配の可能性も高まり、国産馬同士で強い馬をつくることが難しくなる恐れもある。
「恐れ」どころか、既にそのきざしが出ています。
出走18頭のうち、曾祖父母に内国産馬がいる馬は、アグネスタキオン(母の祖母イコマエイカンが内国産)産駒のデボネア、ショナンパルフェ、ノーザンリバーと、ステイゴールド(母の母ダイナサッシュが内国産)産駒のオルフェーヴル、フェイトフルウォー、ナカヤマナイトの合計6頭しかいません
まさしく、生物多様性とは逆の方向に進んでいるというわけです…
どうしたことか、ステイゴールド産駒のオルフェーヴルとフェイトフルウォーは、共に母方の父がメジロマックイーンです。
こうなったら(?)、この両馬に内国産血統の継承を期待したいところです。
折も折、名門メジロ牧場が解散したばかりですし(こちらの記事をご参照方)、応援します、オルフェーヴルとフェイトフルウォー