asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20120113.html)。
御尤もな社説。アメリカが言ってるんだから、同調して、制裁しなくちゃね。〝悪の枢軸国〟が核開発するなんて、とんでもない! ・・・というノリなんでしょう。
マスコミがこんなノリで良いのだろうか?
原子力〝平和〟利用はよくて、核開発はダメらしい。どちらも基本的に同じことであり、前者は後者に結びつく可能性は高い、と思う。アメリカといった〝世界の警察官・検察官・裁判官〟と一体化して、〝悪の枢軸国〟の核開発を非難するという。制裁に同調せよ、という。東電人災後も原発運転・原発工事再開・原発再稼働・原発輸出を行う我国が言えた義理なのか。アメリカを含めた全世界の核開発を止めさせると同時に、我が国も自らやるべきことがあるはず。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial20120112.html】
2012年1月13日(金)付
イラン核開発―制裁同調もやむなし
イランに核開発の断念を迫るため、米国が決めた経済制裁の強化に、日本も協力することになった。
来日したガイトナー財務長官に対し、安住淳財務相が、イランからの原油の輸入を計画的に減らす方針を伝えたのだ。
イランは今年に入り、地下核施設でウランの濃縮作業を始めた。「平和利用」と説明しているが、米国などは軍事目的とみて警戒を強めている。
イランが核兵器を持つことになれば、中東の安定は根底から揺さぶられる。イランが、国連安保理決議など国際社会の再三の警告を無視している以上、制裁強化はやむをえない。
欧州連合(EU)はすでに、イラン産原油の輸入を全面禁止する方向で最終調整に入った。日本もできるだけ足並みをそろえて、国際社会の強い意思をイランに示す必要がある。
ましてや日本は、北朝鮮の核放棄に向け、国際社会の協力を求める立場にある。イランに対しても毅然(きぜん)と対応できなければ理解は得られまい。
ただ、制裁は代償を伴う。
イランからの原油は、日本の全輸入量の1割を占める。国別では、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールに次ぐ4番目の調達先だ。
日本は原発の大半が止まり、火力発電への依存が高まっている。各国がイラン以外から買い入れを増やせば、輸入価格がさらに上がり、経済活動の足を引っ張る恐れは否定できない。
政府にはまず、代わりの輸入先の確保を急いでほしい。そして、具体的な削減の幅や進め方については、経済への影響が最小限となるよう知恵を絞り、米国には日本の事情をよく理解してもらわねばならない。
また、制裁の強化がイランの譲歩を促す保証はない。国際的な孤立が、かえって核保有への決意を支える事態もありうる。
イランは対抗措置として、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖をほのめかした。昨年11月には、制裁に反発するデモ隊が、テヘランの英国大使館を襲撃する事件もあった。
地域の緊張を緩和し、不測の事態を避けるためにも、圧力一辺倒ではなく、やはり対話の努力が欠かせない。
日本は、米国の求めに応じてイランのアザデガン油田から完全撤退するなど、最近は制裁強化への同調が目立つ。
しかし日本は、米国がイランと国交を断絶した後も、友好関係を維持してきた。独自のパイプを生かして、少しでも事態の改善をさぐりたい。
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