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[↑ 【「無実」貫き 道再び/供述の誤り気づいていた・証人に祝儀】、【38年前の中3殺害 再審決定/「知人証言 誘導の疑い」】(朝日新聞、2024年10月24日[木])] (2025年01月17日[金])
福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》(東京新聞社説)。袴田冤罪事件、福井事件、大川原化工機でっち上げ事件、飯塚事件等々…証拠や証言を捏造するわ、被告に有利な証拠は開示しないわ、税金と権力を使って集めた証拠のリストの開示さへも裁判官のやる気次第とはね…何処まで警察や検察の闇は深いのか。再審法の改正が必要であり、また、再審開始判決への検察の控訴や上告を禁止すべき。同時に、死刑存置で良いのか、再考すべき時期はとっくに過ぎている。
『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!』
『●《死刑制度「廃止含め議論を」》…《現在の制度には放置が許されない多くの
問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した》』
『●大谷昭宏さん「無実で犯行をでっちあげられながら、それを立証できずに
人生を奪われた人は無数にいるかもしれない」…飯塚事件の真相解明を望む』
『●初めての死刑執行後の再審請求「福岡事件」…《無実を訴えながら死刑を
執行された西武雄さんが獄中で詠んだ》〈叫びたし寒満月の割れるほど〉』
『●《平野啓一郎氏…「人を殺してはいけない」のは絶対的な禁止なのに、死刑
制度はひどいことをした人間は殺してもよいという例外規定を設けている…》』
『●清水潔さん《死刑執行後に冤罪の可能性が指摘…「飯塚事件」…検察は証拠
開示をしないと。…これも袴田事件のように間違った判決だったのでしょう》』
『●笹倉香奈教授「袴田さんの再審無罪…現に死刑判決を言い渡された無実の人が
いる…著しい不正義が実在…死刑制度に対する根源的な問題が改めて提起」』
『●飯塚事件《久間三千年…元死刑囚は自身も含めた確定死刑囚の名前と判決確定日
が記されたリストを透明の仕切り板越しに示した。執行済みの死刑囚は…》』
再掲する。東京新聞の【<社説>福井の中3殺害 検察異議断念は当然だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/363448?rct=editorial)。《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪(えんざい)を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ。1986年、福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定、服役した前川彰司さん(59)に対する名古屋高裁金沢支部の「再審開始」決定について、同高検は異議の申し立てを断念した。決定は確定し、事件から38年を経て、ようやく裁判がやり直される。前川さんは無罪判決を受ける公算が大きい。前川さんは、逮捕時から一貫して容疑を否認。物証に乏しく、一審は無罪だったが、検察の控訴で二審は逆転有罪となり、最高裁で有罪が確定。服役後、前川さんが起こした第1次再審請求で、裁判所は一度は再審開始を決定したものの、検察の異議を認めて決定が取り消され、最高裁で確定した》。
『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪』
『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに』
「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」
『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/』
『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について』
「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」
『●「「アイドル」を守れ!」
『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき』
「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」
『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定』
『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》』
《今回の再審開始決定につながった弁護側の新証拠は、検察が開示した捜査報告メモなど287点の中に含まれていた。これにより、関係者の1人が前川さんに不利な法廷証言をした後、警察官から結婚祝い名目の金銭を受け取っていたことや、検察が証拠の不正を知りながら、それを隠して公判を続けていたことなどが判明。決定は「不誠実で罪深い不正の所為」と捜査機関を厳しく批判した》(東京新聞)…「福井事件」(福井女子中学生殺し、福井女子中学生殺人、福井女子中学生殺害事件)は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さんの第2次再審請求で、名古屋高裁 (山田耕司裁判長) が再審決定。7年間も冤罪で服役し、終始一貫して無実の訴え。事件発生から38年も経って漸く再審を決定。
川端奈緒・廣瀬瑞紀・田村真菜実の3記者による、NHKの記事【WEB特集 えん罪救済阻む“壁” 埋もれた無罪の証拠/なぜ私が服役】(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250116/k10014693391000.html)によると、《「警察官が証言を誘導し、犯人でない人を犯罪者として扱うのは、ひきょうなやり方だと思う」 39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件。有罪判決の決め手となった目撃証言をした男性は、当時の取り調べを振り返り、記者にこう訴えた。えん罪の被害者を救済する「最後のとりで」と呼ばれる再審制度。しかし、救済までに数十年単位の年月が費やされるケースが相次ぎ、制度本来の役割が揺らいでいる。今回、目撃証言の矛盾を突く「無罪を示す証拠」が開示されたのは、最初の再審請求からおよそ20年後だった》。
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【https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250116/k10014693391000.html】
WEB特集
えん罪救済阻む“壁” 埋もれた無罪の証拠
なぜ私が服役
2025年1月16日 19時18分
「警察官が証言を誘導し、犯人でない人を犯罪者として扱うのは、ひきょうなやり方だと思う」
39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件。有罪判決の決め手となった目撃証言をした男性は、当時の取り調べを振り返り、記者にこう訴えた。
えん罪の被害者を救済する「最後のとりで」と呼ばれる再審制度。しかし、救済までに数十年単位の年月が費やされるケースが相次ぎ、制度本来の役割が揺らいでいる。
今回、目撃証言の矛盾を突く「無罪を示す証拠」が開示されたのは、最初の再審請求からおよそ20年後だった。
39年前の殺人事件 逮捕の決め手は目撃証言
事件が起きたのは1986年3月の夜。
福井市の団地で、卒業式を終えたばかりの中学3年の女子生徒が自宅で刃物で刺されるなどして殺害されているのが見つかった。
(1986年 事件があった現場)
警察は当初、被害者と同年代の非行グループによる犯行と見ていたが、物的な証拠が乏しく捜査は難航する。
事件から1年後、当時21歳だった前川彰司さんが殺人の疑いで逮捕された。
(逮捕当時の前川さん)
決め手となったのは、複数の関係者の目撃証言だった。
その1人である前川さんの知人は次のように証言した。
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知人の証言
「テレビで音楽番組を見ている時に呼び出され、前川さんを迎えに行った。胸のあたりに血が付いた前川さんを見た」
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「事件と無関係なのに逮捕され、ショックと絶望感で目の前が真っ暗になった」という前川さん。
一貫して無実を訴え続け、1審の福井地方裁判所は「証言は信用できない」として無罪を言い渡した。
検察は控訴し、知人が見ていたという音楽番組のシーンが事件当日に放送されていたことなどを根拠に「証言は信用できる」と主張。
(1995年の2審判決 名古屋高裁金沢支部)
知人も証人として2審の法廷に立ち、検察の主張に沿う証言をした。
名古屋高裁金沢支部は、検察の主張を認めて無罪を取り消し、懲役7年を言い渡した。
その後、最高裁判所で有罪が確定した。
再審の手続き 証拠開示のルールなく
再審=裁判のやり直しが認められるには、無罪であることを明らかに示す新たな証拠を弁護側が提示する必要がある。
しかし、その肝心な証拠は、検察や警察が保管していることがある。
裁判員裁判などでは、検察が証拠の一覧表を示すことが定められているが、再審の手続きではこうしたルールが一切ない。
服役を終えた前川さんは、えん罪だと訴え、2004年に裁判のやり直しを求めた。
審理の中で弁護団は証拠開示を求めたが、検察はこれを拒否。
裁判所が検察に勧告した結果、これまで提出されていなかった遺体の写真などが開示された。
2011年には開示された証拠などをもとに再審を認める決定が出されたが、検察の異議申し立てを受けて取り消され、1回目の再審請求は認められなかった。
(2013年 名古屋高裁前)
それでも諦めなかった前川さん。
2022年に2回目の再審請求を行った。
弁護団は「重要な証拠が埋もれている可能性がある」と考え、検察に証拠の一覧表や目録の開示を請求。
これに対し検察は「交付に応じるべき義務はない」と拒否した。
(検察の意見書)
事態が大きく動いたのは、2023年5月の3者協議。
裁判官が自身の裁量で、検察に対して開示を強く促したのだ。
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裁判官
「法的な勧告または命令について検討する」
検察官
「組織的意思統一での結論なので変わらない」
裁判官
「任意開示は拒否したと調書に書いてよいか」
検察官
「では、持ち帰って検討する」
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開示証拠が語る真実 誘導された証言
検察は一覧表などの開示には応じなかったが、これまで出していなかった287点もの証拠を新たに開示した。
その1つが、1989年、1審の裁判の途中で警察が作成した捜査報告書だ。
そこには、目撃証言をした知人が、事件が起きた3月19日の夜に見たという音楽番組のシーンについて、テレビ局に照会した結果がまとめられていた。
放送日は、3月26日。
(開示された捜査報告書)
事件の1週間後だったことが記されていたのだ。
最初の再審請求から20年近くたって開示された捜査報告書。
重要な証拠が長年埋もれていたことに、弁護団は大きな衝撃を受けた。
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弁護団長 吉村悟弁護士
「ここまで隠していたのかとびっくりした。検察官は1審でも2審でもこの事実を把握していながらうそをついていたことになり、決して許されない」
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それでは「音楽番組を見ている時に呼び出された」という知人は、なぜ、血が付いた前川さんを見たと証言したのか。
NHKの取材に対し知人は、事件の夜に前川さんに会っていないことを認め、「警察による誘導があった」と説明した。
裁判で証言したあと、取り調べを担当した警察官から結婚祝いを受け取ったのだという。
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知人
「取り調べで警察官は、別の関係者の調書を見ながら『これはこうだっただろ』『ああだったろ』と事件のことを聞いてきた。僕もそんなことあったかなと思いつつ、『ああそうですね』と返事をした。
証言を誘導し、犯人でない人を犯罪者として扱うのはひきょうなやり方だと思う。僕たちの証言のせいで前川さんは犯人に仕立てられ、長い間苦しんできた。非常に心が痛く、悪いことをしたなという気持ちでいっぱいです」
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悲願の再審開始も やりきれない思い
2024年10月。
名古屋高裁金沢支部は、捜査報告書などを「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と判断、再審を認める決定を出した。
検察官が番組の放送日が違うことを把握したとみられるのに、裁判で明らかにしなかったことは「不誠実で罪深い不正な行為といわざるをえず、到底容認できない」と厳しく批判した。
(2024年10月 再審開始決定)
さらに決定では、警察官が取り調べでうその証言を誘導したと認定。
結婚祝いを渡したことは「国民の信頼を裏切る不当な行為で許されない」と指摘した。
裁判所の指摘について、名古屋高検と福井県警は「今後、再審公判が予定されているので答えを差し控える」としている。
検察は決定に異議申し立てを行わず、再審が開かれることが決まった。
初公判はことし3月に開かれる見通しで、無罪となる公算が大きくなっている。
現在、59歳の前川さん。
決定に安どする一方、捜査機関への怒りや、人生の大半を奪われたことへの失望が入り交じり、心境は複雑だ。
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前川彰司さん
「無実の証拠を長年隠していた。正義の名のもとで働く検察官や警察官の名折れだと思うし、あきれている。再審が始まるまでにあまりにも時間がかかりすぎていて、やりきれない自分がいる」
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進まぬ証拠開示 審理の長期化に
再審の手続きでの証拠開示は、どれだけ重要なのか。
NHKでは、日本弁護士連合会が現在、再審のために支援している全国14の弁護団に聞き取りを行った。
検察から開示された証拠がその後の審理に影響したか尋ねると、あわせて8つの弁護団が「再審開始の決め手になるなど重要な証拠になった」と回答した。
しかし、このうち5つの弁護団は、こうした重要証拠について、検察から当初「ない」と説明を受けたと回答した。
裁判所が勧告するなどしてその後に開示されたが、検察からは「警察署に保管されていた」とか「調査不足だった」などと説明があったという。
また、検察から開示を拒否された経験がある弁護団は10にのぼり、開示しない理由については「必要性がない」とか「開示する義務や法的根拠がない」などと説明されたという。
59年前に静岡県で一家4人が殺害された事件で一度死刑が確定し、去年10月に再審で無罪が確定した袴田巌さんのケースをみてみると、2010年に検察から開示された「血の付いた衣類のカラー写真」が、再審開始につながる重要な証拠となった。
(5点の衣類のカラー写真)
しかし、最初に再審を求めてから開示までにおよそ30年かかっていて、審理が長期化する要因となった。
検察は弁護団からの開示の求めに対し、当初、「必要不可欠の重要写真が隠匿されている事実はない。検察官の手持ちについて、いわゆる証拠あさりをするものとしか考えられない」と強く拒否していた。
また、検察は写真のネガの開示請求に対し、「存在しない」と回答していたが、その後、静岡県警の倉庫から発見され、提出されるに至った。
さらに、再審請求の審理が終わったあとで、弁護側に有利な証拠が開示されたケースもある。
滋賀県東近江市の湖東記念病院で患者が死亡したことをめぐり、当時看護助手だった女性が人工呼吸器を外して殺害した罪で服役した事件では、女性の再審開始が決まったあとで、「人工呼吸器の管にたんが詰まって心停止に至った可能性もある」という医師の所見を記した捜査報告書などが検察から開示された。
弁護団によると、大津地方裁判所で行われた再審の判決で、裁判長は「15年の歳月を経て初めて開示された証拠が多数ある。1つでも適切に開示されていれば起訴されなかったかもしれない」と述べた。
前川さんのケースでは、裁判官の強い働きかけがあって重要な証拠の開示につながったが、検察への対応は担当する裁判官によっても異なっている。
こうした状況を受けて、再審制度の改正が必要だと指摘する専門家もいる。
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大阪大学法科大学院 水谷規男教授
「全く証拠開示の制度がないまま放っておくと、検察官が『制度がないから証拠を出す理由がない』とか、『そんなに重要な証拠ではない』などと自ら判断してしまい、えん罪の被害者が救済されず、誤判が埋もれたままになりかねない。
また、審理に積極的な裁判官は検察に証拠開示を働きかけている一方、そうでない裁判官もいて、いわゆる『再審格差』も生まれている。
こうしたことを防ぐために、証拠開示制度を再審請求の段階にも設けなければいけない」
―――――――――――――
“最後のとりで” ふさわしい制度に
再審制度について法務省は、審理の長期化を招いているとの指摘も踏まえ、法改正の議論を始める方向で調整している。
早ければこの春にも、法制審議会に検討を諮問したい考えだ。
一方、国会では法改正を目指して超党派の議員連盟も発足していて、議員立法の選択肢も視野に議論が進められている。
えん罪の被害者にとって、奪われた時間は取り戻せない。
被害者や家族は「私たちの犠牲をむだにしてほしくない。救済を待っている人たちのためにも、一刻も早く制度を改めてほしい」と声をあげている。
専門家の議論だけに委ねるのではなく、私たちひとりひとりが関心を持ち、「最後のとりで」と呼ばれるにふさわしい制度を早期に実現していく必要がある。
(2024年12月18日「おはよう日本」で放送)
福井局記者
川端奈緒
2023年入局
福井県出身
警察・司法担当として事件や裁判を取材
名古屋局記者
廣瀬瑞紀
2020年入局
初任地の名古屋局で警察担当を経て、現在は検察・裁判取材を担当
社会部記者
田村真菜実
2017年入局
新潟局と静岡局を経て2022年から現所属
司法担当として裁判などを取材
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