[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
マガジン9の記事【こちら編集部/沖縄戦から戦争のリアルを知る~映画『沖縄スパイ戦史』イベントレポート~(中村)】(http://maga9.jp/180627-2/)。
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●城山三郎さん「戦争で得たものは憲法だけ」
「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」』
『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…』
「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
前に、「平和の礎はあらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」
「沖縄タイムスの西江昭吾記者によるコラム【[大弦小弦]都内であった
試写会で、沖縄戦を描いた米映画「ハクソー・リッジ」を…】…。
《▼映画には住民の姿は出てこない。だが実際には、国家の暴走で
有無を言わさず戦争に巻き込まれ、命を落とした多数の無辜(むく)の民が
いる ▼旧日本軍は当時、全県民が兵隊になることを求めた。
まともな訓練さえ受けずに防衛召集で次々と戦場に駆り出された。
犠牲者の総数は軍人を上回る。沖縄は本土決戦を遅らせるための
「捨て石」だった》。」
『●「平和に関してどうにも鈍いアンテナしか
持ち合わせない大半の日本人に、沖縄の苦しみが響かない…」』
『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」』
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
中山きくさんは《「戦争への罪悪感もなく、命の尊厳も理解できないまま、軍国主義教育の申し子らしく、なんのためらいもなく学徒動員に応じた」と記している…「戦争は体験してからでは遅い」》と。
城山三郎さんも、「戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない」と。
大田昌秀さんは、「軍隊は人を守らない」、そして、島袋文子さんは「基地を置くから戦争が起こる」と。
三上智恵さんは、「沖縄戦みたいなことはもう起きないと考えている人はいると思う。でも、私たちはあれがもう一回起きると確信している。軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる。この映画を先島諸島の軍事要塞化を止められるタイミングでこの映画を出さなくてはという焦りがありました」と。
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」を、再び、現出させてしまっていいのか?
後半のビデオでは、澤地久枝さんの力強いスピーチ。後半の部の司会は鈴木耕さん。全体の司会は大木晴子さん。
==================================================================================
【http://maga9.jp/180627-2/】
こちら編集部
沖縄戦から戦争のリアルを知る~映画『沖縄スパイ戦史』イベントレポート~(中村)
By マガジン9編集部 2018年6月27日
マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開。公開に先立ち、6月3日に渋谷Loft9で公開記念トークイベントが開催されました。その様子をレポートで紹介します。
*
「軍隊は住民を守らない」
トークイベントは日曜日のお昼12時から。会場に到着すると、すでに客席はほぼ満員でした。若い人の姿もちらほらと見えます。最初に主催者の大木晴子さんが挨拶されると、第一部のトークとして、元陸自レンジャー隊員の井筒高雄さんのお話が始まりました。
ステージにあがったときに井筒さんが手にしていたのは、大きな日の丸の旗。実はこれ、レンジャー教育の試験に合格したときに、中隊長以下全員で寄せ書きをしたもの。もしレンジャー訓練中に死亡すれば、この旗が棺にかけられるのだそうです。ぎょっとするような生々しいエピソードから始めたのは、『沖縄スパイ戦史』で描かれている軍隊の考え方や戦争のシステムを伝えたかったから、と井筒さん。
PKOの役割や自衛隊任務の歴史的変化を示しながら、この25年の間で、私たちが気づかないうちに自衛隊は変貌し、どんどんと「戦争するための自衛隊」に向かっていると井筒さんは警告します。そして、トークのなかで何度も強調していたのが「もし戦争などが起きたときには、自衛隊は国民を守るものではない」ということ。「戦力にならない国民を守る余裕はない。それよりも基地や在日米軍を守る。国体を守るのです」と井筒さん。
また、自衛隊法103条では、「自衛隊の任務遂行上必要があると認められる場合には」、土地や家屋の使用、物資の収容、業務従事命令を行うことができることになっており、徴兵制がなくても一般の市民が徴用される可能性があることも指摘していました。
こうしたことを踏まえて、いまの沖縄・南西諸島での陸上自衛隊配備の状況を見てみるとどうでしょうか。三上さんが連載コラムで伝え続けてきていることですが、こうした場所は戦争が起こったときには攻撃対象にされる場所になるはずです。そのとき、島の住民はどこに逃げることができるのでしょうか――この「住民を守らない」という言葉は、映画『沖縄スパイ戦史』を観ると一層重く響いてくると思います。
イベントでは、大矢英代監督による三線と沖縄民謡の披露もありました。現在31歳になる大矢監督は、大学院生時代に波照間島に一年間暮らしてドキュメンタリー映像を制作したそうです。その後、三上さんと同じ琉球朝日放送に就職。フリーランスになったタイミングで、今作の制作にかかわりました。なぜ大矢さんが沖縄に関心を持つようになったかについては、近日中にマガジン9でのインタビューを公開予定ですので、詳細はそちらでお伝えしたいと思います。
「戦争や軍隊の本質を伝えたい」
さて、トークの第二部は、コラム「言葉の海へ」を連載中の鈴木耕さんを進行役に、三上さん、大矢さん、井筒さんによるクロストーク。なんと作家の澤地久枝さんも、国会正門前での「アベ政治を許さない」を掲げるアクションから駆けつけてくださいました。
「なぜ今作では沖縄内部の葛藤に踏み込んだのか」という鈴木さんからの問いかけに「軍国主義に飲みこまれたときに、一人ひとりがどう行動できるのか、できないのか、どうして住民が加害者になったり、大事な人を守れなかったりするのか。そこがわからないと次の戦争を止められない」と三上さん。
戦争中に多くの住民が罹患した「戦争マラリア」について大矢さんは、「陸軍中野学校出身者の命令によって、波照間島の住民が当時マラリアが蔓延していた西表島に移住を強いられた。米軍ではなく、日本軍の命令によってあれだけの被害がでた。そこに軍隊の本質が見えるんじゃないかと思って取材をしました。苦しみを抱えて語りたがらない体験者に、頭を下げて話を聞きました」と話します。
そして、井筒さんからは「監督は沖縄戦から今を学ぶという意図で映画を作ったのだと思いますが、思いきりダイレクトに『いま』のことだという感想をもちました。戦争の構造、理屈、住民が精神的にもどう徴用されていくのかが集約されている。これは基地を抱える地域の人に観てほしい。それから国会議員にも観てほしい。戦争の仕組みや本質と向き合ってほしいと感じた」というコメントもありました。
「沖縄戦みたいなことはもう起きないと考えている人はいると思う。でも、私たちはあれがもう一回起きると確信している。軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる。この映画を先島諸島の軍事要塞化を止められるタイミングでこの映画を出さなくてはという焦りがありました」(三上さん)
*
『沖縄スパイ戦史』は、7月21日より沖縄・桜坂劇場、7月28日より東京・ポレポレ東中野ほか、全国で順次公開予定です。試写でひと足早く本作を観ましたが、戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿を、観終わったあとも何度も自分に重ねながら思い出しました。つらい記憶を話してくれた人たちの、その言葉を聞いた責任を未来に向けてどう果たすことができるのでしょうか。
(中村)
『沖縄スパイ戦史』劇場予告編
(https://youtu.be/Tsk9ggz-BoY)
●こちらもあわせてご覧ください。
・イベント動画
(前半)
(https://youtu.be/mpRHwJ-eJZs)
(後半)
(https://youtu.be/rH8h0PtbWBM)
・連載コラム「言葉の海へ」
第32回:『沖縄スパイ戦史』、すごい映画を観た!(鈴木耕)
==================================================================================
最新の画像[もっと見る]
- ●武田砂鉄さん《【マイナ保険証】総裁選中「先送りの検討も必要」 現在「法に定められたスケジュールで進めていく」》…息吐く様に“変節回答” 18時間前
- ●長周新聞書評【『原発労働者』著・寺尾紗穂】《稼働、非稼働を問わず…高線量の被曝リスクにさらされた労働者の手作業によって支えられている》 3日前
- ●小出裕章さんは《国が福島県に約束した廃炉へのロードマップはただの県民をごまかすだけのパフォーマンスであり、…悪質な時間稼ぎであると見ています》 4日前
- ●態度・人間性・思考のお粗末な人達がヘイトな実情を知った上で、恥ずかしげもなくヘイトな偽ホシュ党に投票している訳だ、本当に無残だな 5日前
- ●武井保之氏の記事【伊藤詩織さん止まらぬ涙に映る絶望と希望 性暴行被害の詳細も記録するドキュメンタリーに宿る気迫と覚悟】(YAHOO! ニュース) 6日前
- ●狂気の核発電推進…「原状回復」することも無く教訓も警告も無視し「原発回帰・原発復権」、しかも「コストやリスクをこっそり国民に押しつける…」 7日前
- ●《石破茂が「政党交付金は“党勢拡大”のために政党支部に出しているのであって非公認候補に出しているのではない。…」と強く反論》していたが…? 1週間前
- ●《政府の国民生活審議会が1970年11月に提出した答申…「…」「情報の独占に対する不安感やプライベートな情報の利用面に対する不安感が増大する」》 1週間前
- ●時代に逆行する小池百合子「ト」政、コモンズを破壊…《樹冠被覆率は気候変動や生物多様性の観点から国際的に重視される都市緑化の評価基準》 1週間前
- ●それでも原子力「規制」委員会ではなく「推進」委員会…委員長をはじめ、石渡明氏以外の他の委員の皆さんは「科学者」ではないし、「矜持」もなし 2週間前
「Weblog」カテゴリの最新記事
- ●MOX燃料《1体は約12億400万円で、ウラン燃料の価格の10倍近い価格》、衝撃のニュ...
- ●武田砂鉄さん《【マイナ保険証】総裁選中「先送りの検討も必要」 現在「法に定め...
- ●《木村元彦著『13坪の本屋の奇跡/「闘い、そしてつながる」隆詳館書店の70年』…街...
- ●長周新聞書評【『原発労働者』著・寺尾紗穂】《稼働、非稼働を問わず…高線量の被...
- ●小出裕章さんは《国が福島県に約束した廃炉へのロードマップはただの県民をごまか...
- ●態度・人間性・思考のお粗末な人達がヘイトな実情を知った上で、恥ずかしげもなく...
- ●武井保之氏の記事【伊藤詩織さん止まらぬ涙に映る絶望と希望 性暴行被害の詳細も...
- ●狂気の核発電推進…「原状回復」することも無く教訓も警告も無視し「原発回帰・原発...
- ●《石破茂が「政党交付金は“党勢拡大”のために政党支部に出しているのであって非公...
- ●《政府の国民生活審議会が1970年11月に提出した答申…「…」「情報の独占に対する不...
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます