Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●原発銀座で原発再稼働、1年前誰がこんな事態を予想し得たか?

2012年03月16日 00時00分02秒 | Weblog


東京新聞の記事を二つ(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012031490070851.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012031402000052.html)。また、WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/03/13/2012-mar12kyoto/)。

 「外部識者の意見も踏まえ、・・・」なんてよく言えたものだ。後藤政志さんらをガス抜き、出汁にしたくせに、一体どんな〝暗然〟委員会かいな、まったく。
 1年前、多くの人が原発なんてコリゴリしたはずなのに・・・。最後の小出裕章さんの記事にあるように、この1年間で何の問題の解決もなされていないのに、さっさと原発銀座で原発を再稼働するそうだ。言いたかないが、この国は「正気じゃない」。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012031490070851.html

大飯再稼働政治判断へ 1次評価 安全委が大筋了承
2012年3月14日 07時08分

 関西電力 大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の安全評価(ストレステスト)の一次評価について、原子力安全委員会は十三日、経済産業省原子力安全・保安院が妥当とした審査書の内容を大筋で了承した。近く、五人の委員による確認結果をまとめて公表。野田佳彦首相と関係閣僚が、再稼働を認めるかどうか政治判断で決める。定期検査中の原発の運転再開が決まれば、東京電力福島第一原発の事故後、初めてとなる。
 安全委は、これまで大飯原発の安全評価に関する検討会を五回開催。外部の原子力の専門家六人も交えた計十一人で、想定する揺れの一・八倍の地震と、設計値を約八・六メートル上回る一一・四メートルの津波に耐えられる、などとした評価内容を検討してきた。十三日の検討会で、班目春樹委員長が「外部識者の意見も踏まえ、確認作業に向けたとりまとめに入りたい」と、議論を締めくくった。
 班目氏は検討会終了後の記者会見で「一次評価までは、質疑ができたと思っている」と話し、保安院の審査書をおおむね了承する考えを話した。
 ただ、班目氏は原発の安全性を確認するためには、一次評価だけでは不十分との立場。炉心溶融など重大事故が起きた後、どのように被害拡大を防ぐかなども検討する二次評価も実施する必要があると主張している。
 この日の会見でも、一次評価は了承するとしても「総合的な安全宣言を出すつもりはない」と明言。大筋で了承するのは、あくまでも一次評価の中身や、保安院の審査内容に限られることを強調した。
 安全委は来週にも確認結果をまとめ、野田首相、藤村修官房長官や枝野幸男経産相、細野豪志原発事故担当相の関係閣僚に提出。これを受けて、首相らは大飯原発3、4号機の再稼働の是非を判断した上で、福井県ら地元自治体と協議。同意を得られれば、再稼働を最終判断する。
 国内に全部で五十四基ある原発は、昨年三月の福島第一原発事故後、相次いで定期検査などで運転を停止している。現在稼働しているのは東電柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市・刈羽村)の6号機と北海道電力泊原発(泊村)の3号機の二基だけ。柏崎刈羽は今月二十六日、泊は四月下旬に定期検査に入る予定。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012031402000052.html

【私説・論説室から】
また茶番繰り返すのか
2012年3月14日

 先に結論ありき。一見、慎重に検討するふりを装いながら、実は結論はとっくに決まっているそんな日本政治の悪弊が、またもや原発再稼働問題で繰り返されようとしている
 野田佳彦首相は東日本大震災から一年の記者会見で再稼働を判断する手順について、こう説明した。
 まず首相と藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相の四人は原子力安全委員会が実施する安全評価(ストレステスト)の妥当性と地元の理解をどう進めていくかを確認する。
 そのうえで「政府を挙げて地元に説明し理解を得なければならず、私も先頭に立たなければならない」という。つまりテストの結果を首相たちが妥当と判断して、それを根拠に「だから再稼働を認めてください、と地元を説得しますよ」という話ではないのか。
 初めから再稼働の結論が決まっているのだ。それならなぜテストをするのか。「安全かどうか分からないから試験する」のがテストであるはずだ。それを結果が出る前から首相自ら再稼働に向けて説得に乗り出す、と宣言している。
 こんな茶番劇を許してきたことが原発事故を引き起こした遠因である。科学的判断よりも政治的判断を優先しているのだ。それとも首相はテスト結果を「妥当でない。だから再稼働を認めない」という結論を出す可能性があるというのだろうか。 (長谷川幸洋)
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http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/03/13/2012-mar12kyoto/

3月13日 原発を即刻全廃するため、みなさん力を合わせましょう 小出裕章(京都民報)

2012年3月13日(火)、京都民報が「バイバイ原発3・10きょうと」における小出裕章氏の発言を掲載しました。
以下、転載。

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小出氏が原発事故の真実語る 講演会に800人 – 京都民報Web

 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏をを招いた講演会「福島原発事故の真実~事故がつきつけた原発の危険」が10日、京都市下京区のシルクホールで開かれ、約800人が参加しました。京都府保険医協会と「バイバイ原発3・10きょうと」実行委員会の共催。
 小出氏は、原子力発電所の問題点として▽広島・長崎の原爆よりもはるかに多くの放射性物質を持つ▽危険性があるため、電力会社は都会に原発をつくらない▽燃料のウランは有限▽生み出された放射性廃物は、100万年にわたって隔離しなければならない―などをあげました。
 福島原発事故によって、失われた土地や子どもを中心にした被ばく被害、農作物被害など被害全体の大きさは、国家が破たんするほどの規模だと指摘し、「福島では、年1ミリシーベルトをはるかに超える地域で子どもたちが住んでいます。子どもたちを守るために行動しなければならない。原発を即刻全廃するため、みなさん力を合わせましょう」と呼びかけました。
 「がれきの処理はどうすればいいのか」「除染は可能なのか」などの質問が出され、小出氏が回答。主催者から今後の運動提起や、署名協力の呼びかけなどが行われました。
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●犬がワンと鳴き、飼い主が喝采する、というお話

2012年03月15日 00時00分33秒 | Weblog


asahi.com(http://www.asahi.com/national/update/0313/OSK201203130046.html)と東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012031301000266.html)の記事。目が飛び出ちゃいました。
 卒業生に本当に同情する。こんなことをやっていて高校生の教育に何か良い効果があるのか、馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
 昨夜書きたかったのですが、仕方無く、今日に回しました。

 ホンダ本田宗一郎さんは、部下がストップウォッチで労務管理するような進言をしてきたときに、酷く叱りつけたという(『●『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』読了』)。どこにも、岡っ引根性・下衆な者は居るものだ。

 この校長の姿はあまりに情けなくはないか。それを褒めたたえる元〝ト〟知事も、真の意味でトンデモの〝ト〟だ。大阪府民や大阪市民はこんなことを求めて彼に投票したのですか? 他にもっとキャンキャン叫ぶことが、いま、無いのか? 関西電力との喧嘩はどうなったのか? 大飯原発の再稼働に向け、関電は着々と巻き返しているのに、関電の大株主?の大阪市、市長は一体何をやっているのだ。そっちにこそ、キャンキャンと鳴け! もう白旗か。 3・11は、もう既に喉元を過ぎたとでも云うのか? 大飯原発は再稼働しようとしているのに、指をくわえてみているだけか。情けない人だ。選挙前に、一時的に、反原発?派のフリをしていただけじゃないのか。
 投票した皆さんに聞きたい、彼が市長になって以降、何かまともな実績をあげましたか? 「(選挙民が騙されたと思うのですが)沈滞しているらしい」大阪市や大阪府の状況は打開されたのですか? 叩きやすい教員や公務員、組合員をバッシングしているだけではないのですか? 弱者や非正規雇用の労働者、フリーターらはそれにダマされて喝さいを叫び、溜飲を下げていないですか? 自分の首を絞めていることになっていないですか。そんな閉塞した社会が、そんなに良いのですか。それが〝ハシズムの本質ではないのですか、内橋克人さんが言うように(『●内橋克人さんインタビュー: 〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向』)。 彼は、今や、政治屋のフィクサー気取りの振る舞いだけではないですか? 尻尾を振って寄ってくるおイヌ様政治家はさぞかし可愛いことでしょう。

 この件、どこぞやの〝ト〟教委〝ト〟知事はさぞかし喜んでいることでしょうね。気持ち悪いったら、ありゃしない。

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http://www.asahi.com/national/update/0313/OSK201203130046.html

君が代斉唱時、教員の口の動きも報告 大阪府立和泉高

 大阪府立和泉高校(中原徹校長)の卒業式で、君が代斉唱の際、教員が起立したかどうかに加え、実際に歌ったかどうかを管理職が口の動きでチェックして府教委に報告していたことがわかった。府教委は起立斉唱を求める職務命令を全教職員に出しており、メールで報告を受けた橋下徹大阪市長は「これが服務規律を徹底するマネジメント」「ここまで徹底していかなければなりません」と賛辞を送っていた。
 橋下氏は、起立斉唱を義務づけた君が代条例を成立させた大阪維新の会代表。中原校長のメールによると、教頭が全教員の口の動きを目視で確認。「3名の口が動いていなかった」と報告を受け、3人を校長室に呼んだ。2人は「斉唱した」と話したが、1人は「起立だけでよいと思った」と話し、歌わなかったことを認めたという。
 中原校長は「他校の校長は『斉唱』まで確認していないと思います」「確認していたとしても『起立していればよい』と仲間をかばって報告していないと思います」「ちなみに3人とも組合員と報告していた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012031301000266.html

君が代で口の動き「監視」 橋下氏友人の民間校長
2012年3月13日 11時18分

 橋下徹大阪市長の友人で民間人校長として採用された大阪府立和泉高(岸和田市)の中原徹校長が、卒業式の君が代斉唱の際、教職員の口の動きを見て実際に歌っているかを監視」していたことが13日、府教育委員会などへの取材で分かった。
 府教委は式後、校長に歌わなかったことを認めた教員1人の処分を検討している。
 府教委などによると、中原校長は2日の卒業式で、教頭らと共に、君が代斉唱で約60人の教職員が起立したのを確認し、口の動きを点検。口が動いていなかったと判断した3人の教員を校長室に呼んで確認したところ、うち1人が歌っていなかったことを認めた、としている。

(共同)
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●デタラメ!! 「首相は原発〝安心〟教教祖、〝暗然〟委員会委員は〝安心〟教会神父」

2012年03月14日 00時00分36秒 | Weblog


どこぞやの〝ト〟教委〝ト〟知事がさぞかし喜びそうな、たかが〝旗〟やたかが〝歌〟で内心を冒そうとしているバカなお話、つまり、国歌斉唱をめぐって大阪のおイヌ様校長が大阪元〝ト〟知事のご機嫌をうかがった話を書きたかったのだが、『●犬がワンと鳴き、飼い主が喝采する、というお話』は明日に。この高校の生徒の心の声を聞いてみたいよ、ホントに。この新市長に投票した方たちにも、今の気持ちを聞いてみたいものだ。)


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0313/TKY201203130417.html)。出すタイミングを逸したが、asahi.com(http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY201203080236.html)と東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012031202000027.html)の記事も。

 いったい何を考えているのやら。野田首相は、どうやらFUKUSIMA原発人災は解決したと思っているらしい。なにせ、冷温停止「状態」などと、恥ずかしげもなく事故「収束」宣言できるのだから。メルトダウンし、お釜の底が抜けてどこに炉心があるのかわからないのに、空のお釜の温度で議論することに何の意味があるのか。4号炉の宙ぶらりんの使用済み燃料プールの問題もどう解決したのか? FUKUSIMAの現状を見ても、記事のような発想や発言ができる神経って一体なんだ? 前首相の「脱原発社会宣言」は何だったのか、単なる個人的な発言で片付ける政党ってなんだ??
 関西電力の大飯原発を再稼働しようとしている〝安心〟教教祖様。youtube映像『刑事司法の欠陥を全てさらけ出した布川事件(解説:青木理氏)』(http://www.youtube.com/watch?v=KJ8ikAOGW38)の一部は、原発の「安全と危険」の議論を「安心と不安」の議論にすり替えたという話が出てくる。その意味で、首相は狂った原発〝安心〟教教祖、それを支える〝暗然〟〝安心〟委員会委員は教会神父である。後藤政志さんらの外部委員の貴重な意見を何ら斟酌する訳でもなし、単なるアリバイ作りであり、最初から「原発再稼働」の結論ありき。茶番だ。ストレステストについては、当初、1次評価と2次評価云々の議論があったはずであるが、どこかに吹っ飛んでいないか。所詮、計算ゴッコであり、〝安心〟教信者に怪しげで危うい〝安心〟を安売りする紙っキレだ。本当にこんなことを許していいのか!! わずか1年程で、原発再稼働を許すようなニュースが流れることなど、許されていいのか? マスコミも反対キャンペーン・原発廃止に向けてのキャンペーン報道を張るでもない。本当に恥ずべき国の姿だ。こんな言葉は使いたくはないが、「正気なのか」? この分では、当初予想の通りではあるが、浜岡さへも再稼働してしまう勢いだ。思い起こしてみると、泊原発玄海原発など着々と外堀を埋めていた訳。暴走しているのは原子炉だけでなく、この国自体だ。

  1年前の2011年3月13・14日のブログ:
     『●お見舞い申し上げます・・・
     『●福島第一原発3号炉はプルサーマル・・・

1年前のこの時期に立ち返って、原発人災絡みのニュースに多くの人々が釘付けになていたあの頃に立ち帰って、FUKUSIMA原発人災の結果を見直しても、このまま原発再稼働を許しても良いという〝安心〟教信者の方ばかりならば、もう呼びかける言葉もない。以下の3つの記事を読んでもまだ何も感じないのか??

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http://www.asahi.com/politics/update/0313/TKY201203130417.html

2012年3月13日17時24分
大飯原発再稼働、政治判断へ 耐性評価、安全委が確認

 定期検査で停止している原発の再稼働の条件とされるストレステスト(耐性評価)について、内閣府の原子力安全委員会の検討会は13日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の1次評価で経済産業省原子力安全・保安院が妥当とした審査書の確認作業を終えた。安全委は近く、審査の内容に問題はないとする確認書を出す。
 安全委による確認作業は大飯3、4号機が初めて。今後、原発の再稼働について、野田佳彦首相や関係閣僚が是非を判断することになる。
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http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY201203080236.html

2012年3月8日16時1分
原発再稼働、地元合意前に国が判断 野田内閣が方針

 定期検査で停止中の原発について、野田佳彦首相と関係閣僚は、地元合意に先立って再稼働の是非を判断する方針を固めた。これまでは地元の理解を再稼働の前提としてきたが、国の責任を明確にすることで地元を説得するねらいがある。
 藤村修官房長官は8日午前の記者会見で、「原子力安全委員会の結論が得られた段階と、最終的に地元の理解を得られているかを含めて再稼働の判断を行う段階で、それぞれ(首相を含めた)4大臣で判断を行う手順だ」と述べた。
 政権が早期の再稼働をめざす関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)は、原子力安全委員会が近く、ストレステスト(耐性評価)の妥当性を確認する見通し。これを踏まえ野田首相と藤村氏、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発相が安全性を確認して再稼働の是非を判断。そのうえで地元の理解を得たのち、再稼働を最終決定する。
 政権はこれまで「地元の理解や国民の信頼が得られているかという点も含めて最終的に(判断を)行う」(藤村氏)と説明してきた。だが、地元からは「国から明確なメッセージがない」(西川一誠福井県知事)と不満が出ていた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012031202000027.html

原発再稼働  先頭に立つ」 首相、自ら地元説得意向
2012年3月12日 朝刊

 野田佳彦首相は十一日、東日本大震災から一年を受けて首相官邸で記者会見し、定期検査中の原発再稼働に関する地元への対応について「政府を挙げて説明し、理解を得る。私も先頭に立たなければならない」と述べ、再稼働を妥当と判断した場合、自ら地元の説得に乗り出す意向を表明した。
 首相は、再稼働を判断する手順について、まずは自身と藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相の四人が国の原子力安全委員会による安全評価(ストレステスト)の一次評価の妥当性を確認すると説明。「(原発再稼働の)安全性と地元の理解をどう進めるかを確認する」と述べた。
 政府は首相らが一次評価の妥当性を確認した後、地元の同意を得る方針を藤村氏が明らかにしている。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)については、原子力安全委による一次評価の審査が大詰めを迎えている。
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●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟

2012年03月13日 00時19分22秒 | Weblog


『暗川』様のブログの記事(http://lumokurago.exblog.jp/8743982/)からの一部孫引です。すいません。青木理さんや森達也さんらの〝目〟を捜していた際に見つけた記事です。現時点では、青木さんの〝目〟を見つけることができませんでした。

   『●異例中の異例、一人の判事の反対意見
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 
        安田好弘弁護士憎しの流れの一環か?(1/2)

   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 
        安田好弘弁護士憎しの流れの一環か?(2/2)

   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 神保哲生さんらの〝目〟

 バカ騒ぎばかりしているマスコミや記者・レポーターの皆さんは、少しは森さんの言葉に耳を傾けてみてはどうか。死刑存置派丸出しで、死刑廃止派というレッテル貼りに夢中になるのではなく、「死刑のスイッチを押すことの意味を考えてみてはどうか。

 いまとても気になることは、今後もし本村洋氏が〝蓮池透氏的存在〟となった時のマスコミや記者・レポーターらの手のひら返し、である。本村氏の発言は、特に最高裁判決後において、〝蓮池透氏的存在〟への萌芽を感じるのだけれども、その予感が現実となった時、死刑存置派の対応は、無視それとも逆バッシングだろうか?


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http://lumokurago.exblog.jp/8743982/

森達也氏語る(光市母子殺害死刑判決)

以下は沖縄タイムス記事です。森達也氏が光市母子殺害死刑判決について語っています。

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死刑ありきに民意変化

僕は自宅でニュースを見ていた。判決は予想通り死刑。その後はワイドショー。「もっと早く死刑判決を出していれば、本村さんもこれほどにつらい思いはしなかっただろうに」。女性コメンテーターが言う。「本村さんの胸のうちを思うと言葉がないですね」。別のゲストのコメントに、司会者は深くうなずいている。

見ながらふと気がついた。ここには自分という一人称単数の主語がない。スタジオに並ぶ全員の主語に、いつのまにか「本村さん」が憑依している。死刑判決を受けた元少年の存在すらも消えている。

メールのやりとりではあるけれど、本村洋さんとは多少の付き合いがある。聡明で高潔な人だ。死刑制度を推進するかのような立場に自分が置かれていることに、内心では強く葛藤もしている。 

でもほとんどのメディアにおいては、そんな煩悶は、当然のように捨象されている

昨年の死刑判決総数は46人(共同通信社調べ)。戦後最多数を記録した。

司法は民意に大きな影響を受ける。特に近年はその傾向が強い。転回点になったのは地下鉄サリン事件だ。他者への不安と恐怖を大きく刺激された日本社会は、危機管理意識を激しく高揚させた。帰結として善悪二分化が促進され、厳罰化が加速した。

高揚した危機管理意識は共同体における同調圧力を強化する。特に若い世代の間に、近年「KY(空気が読めない)」なる言葉が流行する背景には、このセキュリティーへの希求が働いている。

街行く人に治安状況について尋ねれば、たぶん10人中9人は「物騒な世の中になってきたねえ」とか「凶悪な事件が増えてきたなあ」などと答えるだろう。民意に背中を押されながら、刑事司法が大きく変わりつつある

ならば考えねば。本当に治安は悪化しているのだろうか

実のところ昨年の殺人事件の認知件数は、戦後最低を記録している。最も多かった1954年の三分の一だ。つまり治安は圧倒的に良くなっている

でも警察はこれを大きくはアナウンスしない危機をあおる方が視聴率や部数が伸びるメディアも同様だ。

こうして治安悪化の幻想は肥大して、この社会の内枠を少しずつ変えてゆく。

今回の裁判で弁護団が主張する母胎回帰ストーリーに対しては、確かに若干の違和感を僕は抱いている。でも検察が主張する計画的な犯行説に対しては、その違和感はもっと強い。

もしも計画的な犯行なら、自分の家族が暮らす家の近所を標的にするだろうか。就職したばかりの水道設備工事会社のネーム入り制服を着たそのままで犯行に及ぶだろうか。何よりもそれまで女性体験がまったくない少年が、いきなりレイプと殺害とを計画して、さらには遂行できるものなのだろうか。

いずれにせよこれで、死刑判決の基準は大きく転換した。判決の文脈を読めば、永山基準における「死刑はやむをえない」場合が、「死刑を回避する事情を見いだせない場合に変化した。

つまり前提が、まずは「死刑ありき」に転換している。

その善しあしについては、今はもう触れない。悪いことをしたのだから死刑で当然だ。そう主張する人に対しても言葉はない。今はただ、自分の無力さに吐息をつくばかりだ。
*****ここまで引用。


・・・・・・。
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コメント (2)
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●光市母子殺害事件最高裁判決: 神保哲生さんらの〝目〟

2012年03月12日 00時04分33秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002316.php)。三つの問題点を指摘。

 安田好弘弁護士へのバッシング、検察や裁判所の〝安田憎し〟〝安田抹殺〟の視点は、やはり一連の光市母子殺害事件の判決では無視できないと思う。マスコミはバカ騒ぎするだけで、一連の裁判の過程の背後で何が起っていたのか、に目を向けようとしていない。死刑存置派としての視点で、安田さんらに、この裁判とは関係のない死刑廃止派弁護士とのレッテル貼りに終始、バッシングに夢中。「死刑のスイッチ」を押すことへの自覚がなく、「吊るせ、吊るせ」と大合唱しているに等しいことに気づいてもいない。

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002316.php

ニュース・コメンタリー (20120225日)
光市母子殺害事件の最高裁判決をどう評価するか

 1999年の山口県光市母子殺害事件の差し戻し審で最高裁が被告の上告を棄却したことで、犯行当時181カ月の元少年の死刑が事実上確定した。この判決については、メディア上でも多くの議論が交わされているが、何点か指摘しておくべき問題があるように思う。

 まず、最高裁は上告を却下せざるを得ない理由として、被告が殺意について途中から自分の主張を変えたことが、誠意や反省の欠如と判断される点を、主たる理由の一つとしてあげているが、これについては一定の懸念を持たざるを得ない理由がある。最高裁上告の直前に被告の代理人となった安田好弘弁護士によると、少年は取り調べ段階で、殺意を認めれば極刑は回避してやるとの警察・検察の裏取引に応じ、殺意を認めていたという経緯があったのだという。しかし、検察は一審、二審ともに死刑を求刑していた。(一審、二審は求刑は死刑だったが、判決はともに無期懲役だった。)これが本当だとすれば、少年やその代理人が裏取引が守られていないと判断し、途中から殺意の否定に主張を変えることは十分あり得ることだ。しかし、そもそもそのような裏取引があったという証拠は、取り調べが録音も録画もされていない上、弁護士の立ち会いも認められていないため、何一つ証拠は存在せず、これが単に不誠実な態度と受け止められてしまっている
 そもそもそのような裏取引はあるべきものではないが、実際にそのようなことが密室の取り調べで横行していることは、昨今の検察不祥事でもたびたび指摘されている。先般も陸山会事件で、そのようなやりとりの下で行われたの石川知裕衆院議員に対する取り調べの調書の採用が却下されたばかりだ。あの時はたまたま石川氏が取り調べを密かに録音していたために、供述の強要や誘導が白日の下に晒されたわけだが、これだけ検察の取り調べに対する社会の不信感が高まる中にあって、このような衝撃的かつ悲劇的な事件では、その疑問が丸ごとどこかに吹き飛んでしまうのは残念でならない

 また、最高裁は上告棄却の理由として、遺族の処罰感情の峻烈さを挙げている。殺人事件に限らず、事件や事故の際の遺族や関係者の辛苦には、部外者の想像を超えたものがあることは言うまでもない。しかし司法のあり方として、遺族の処罰感情を判決の主たる理由に据えることの妥当性については、議論の余地があると同時に、注意が必要ではないか。今回の最高裁判決ではそれを判決の理由とすることが、あたかも当然かつ自明のことであるかのように語られているが、被害者の感情的回復を優先するあまり、司法のその他の機能が蔑ろにならないよう監視をしていくことも、市民の重要な務めとして受け止めていきたい。


 そして、最後にこれはメディアでも多くが指摘している点だが、死刑が全会一致ではなく多数決の決定だったことも、やはり疑問が残る。
5人の最高裁小法廷判事のうち1人は下級審の審理に関わっていたとの理由から最高裁での審理からは外れ、4人の判事が判断を示したが、3人が上告棄却としたのに対し、弁護士出身の宮川光治判事は、「当時の被告の精神的成熟度が18歳より相当低ければ、死刑を回避する事情に当たる」として、死刑判決を破棄してさらに審理すべとする、反対意見を表明している。
 現行の制度では最高裁小法廷では5人の判事の合議制によって多数決で判決が決まることになっているので、制度上は一人の反対意見は少数意見に過ぎない。しかし、一旦執行されてしまえば、後戻りができない死刑の不可逆性を考えると、今後、死刑判決については全会一致を条件とすることも検討に値するのではないか。ましてや、裁判員制度が導入された今、裁判員裁判で死刑が確定することもあり得る。多数決によって死刑が決まることになると、たった一人の裁判員の評決が判決を左右してしまうかもしれない。これは一般市民から選ばれた裁判員にとっては、あまりにも過重な負担と言えるのではないか。

 光市母子殺人事件の最高裁判決をジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う

2012年03月11日 01時38分45秒 | Weblog


NPO法人 九州・自然エネルギー推進ネットワーク様の記事(http://nonukes.exblog.jp/15363070/)。末尾に、「「その日」に合わせて・・・」に関しての綿井健陽さんの記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08)も。
 引用はしませんが、ポット出版http://www.pot.co.jp/)のWPにある、「松沢呉一の黒子の部屋」の「お部屋2367/セシウム牛を食べる会」(http://www.pot.co.jp/matsukuro/20120308_082355493927832.html)は必読です。是非、読んでみてください。

 あの3・11から1年。あの時、個人的な事情もあり、こと(原発人災)の重大さに全く気付いていなかったし、ブログにも何も書いていない。2日後からようやく、それについて書き始めている。刻一刻と人災の側面が浮き彫りになり、いまに至っても、解決したと言える側面はほとんど無いといって過言ではない。メルトダウンした原子炉についても、冷温停止「状態」という言葉遊びで糊塗している。原発内部の状況はつかめていないし、知ることもできないのに。何が一体事故「収束」宣言なのか。ストレステストという計算ごっこでお茶を濁し、その〝計算された〟結果を易々と受け入れる原子力ムラお抱えの委員会。マスコミやネット、市民が騒ぎ過ぎる、不安を煽りすぎるという大御所〝ジャーナリスト〟子供にとっては20倍のリスクでは収まらないであろう年間20ミリシーベルトどころか、笑っていれば100でもオッケーと嘯く学者。市民、特に、罪なき子供達の側に立とうともしない司法。ジャーナリズムの根本としての批判精神なきマスコミ。その結果として、原子力ムラの望む原発再稼働・原発建設再開原発輸出に向けて着々と進んでいる。

 小出裕章さんの云う「たかが電気のために・・・」をよく考えるべきである。この1年目の節目に再度、松下竜一さんの「暗闇の思想」を想う。

   『●いま「暗闇の思想」を: 朝日新聞(地方版?)社界面トップ


 再々度?、しつこく、再掲(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e1b263002193a77c5f47ca07c54ff5f2)。『松下竜一 未刊行著作集4/環境権の過程』より。

《「電気需要増加は必至ではないかという問いかけ・・・。・・・現在の電力に頼りきった文化生活そのものへの反省と価値転換であり、少数の被害者には目をつぶって成り立つ多数の幸福という暗黙裡の差別的発展への懐疑であり、さらに大きく根本的には、電力をとめどなく食いつぶしてやまぬ高度経済成長政策の拒否である」(p.107)。「・・・だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬと。/じゃあチョンマゲ時代に帰れというのか、と反論が出る。必ず出る短絡的反論である。・・・今ある電力で成り立つような文化生活をこそ考えようというのである。・・・/・・・ただひたすらに物、物、物の生産に驀進して行き着く果てを、私は鋭くおびえているのだ。/「一体、物をそげえ造っちから、どげえすんのか」という素朴な疑問は、・・・開発を拒否する風成で、志布志で、佐賀関で漁民や住民の発する声なのだ。・・・/・・・都会思考のキャッチフレーズで喧伝されるのなら、それとは逆方向の、むしろふるさとへの回帰、村の暗がりをもなつかしいとする反開発志向の奥底には、〈暗闇の思想〉があらねばなるまい」(pp.116-117)。
 内橋克人さんの〈浪費なき成長〉につながる〈暗闇の思想〉。》

  ブログ『ちあの散歩道』様によると(http://blog.goo.ne.jp/cheer_001/e/61113af9db921e05758daf32b04a4dc6)、松下竜一さんを偲ぶ今年6月16日の「第8回竜一忌」のゲストは小出裕章さんだそうです。すごい!!

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http://nonukes.exblog.jp/15363070/

松下竜一暗闇の思想館プレオープンします
脱原発市民による市民資料館を開設します

私たちの師であった中津の作家、松下竜一氏が亡くなって今年で8年目になります。松下竜一氏は私たちと一緒に大分の地で脱原発運動をチェルノブイリ原発事故以後、行っていました。氏は1972年に「暗闇の思想を」という文章を朝日新聞に書きました。その翌年に朝日新聞に同名の単行本を出しました。氏はなぜこの文章を書いたのかという説明を1991年に話しています。以下はその内容です。

   「暗闇の思想」という文章の中で私が書きましたことは、
   たいへん単純なことでありました。要するに「今(一九七二年時点の
   ことですが)のような、とめどない電力需要を続けていれば、
   これはもう本当に、とどまるところがないんじゃないか。
   新たな発電所を建てれば、その建てた発電所によって、
   またしても電力需要が喚起されていく。だから、もうここらで
   立ち止まるべきだ」ということを言ったに過ぎないわけですね。
   それは七〇年代、全国の色んな反開発運動、あるいは反公害運動が
   実感的にそういうことを主張していたわけです。
   皆さんもよくご存じの、非常に有名な言葉として、四日市公害の被害を
   受けた人々が、「汚れた空の下でビフテキを食べるより、きれいな空の下で
   梅干しを食べたい」と言っていましたし、あるいは、大分県の臼杵
   この近くの風成という所で、漁村のお母さんたちが目の前の湾が
   埋め立てられることに反対して、大変激しいたたかいを展開しましたけれど、
   そういう中で、風成の人たちが「もうこんなにモノ、モノ、モノを作り出して
   どうするんでしょうな」ということを私に訴えていました。要するに、
   高度経済成長の弊害面が際立って出てきたのが七〇年代の初めだったわけですね。

「暗闇の思想」資料館の資料収集にご協力をお願いいたします。

そのような思いから、私たちは当NPOに松下竜一「暗闇の思想館」を開設する準備を行っています。3月にオープンの予定ですが、そこには元慶応大学の藤田祐幸氏の慶応大学時代の資料も搬入済みです。そのほかにも自然エネルギー関係の資料や映像やグッツなども集める予定です。皆さんのご協力をお願いいたします。なお、この資料館はペレットストーブの展示室も兼ねています。写真のストーブはシモタニ製のコンコードです。ぜひ皆さんも一度お越しください。

by nonukes | 2012-02-01 20:46 |
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 一方、綿井健陽さんの『逆視逆考PRESS』に以下の記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08)あり。前述の松沢呉一さんの記事も是非どうぞ

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http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08

Twitterまとめ投稿 2012/03/08

wataitakeharu「…から1年」という“メディア・カレンダー”から逃れることは、結構困難なことです。それがマスメディアでも、ミニメディアでも、ミドルメディアでも。何せ私もこれまで、「その日」に合わせて、いろんなことをしてきた身です。それで、張り切ったときあり、待ち構えたときあり。身過ぎ世過ぎです03/07 18:00

wataitakeharu「絆」「復興」「再生」「がんばろう日本」「心ひとつに」……どれも嫌な言葉です。特に今週末は従いたくございません。「不謹慎」で、「いかがわしく」て、「破たん」して、「ボロボロ」で、「ズタズタ」で、「最悪」で、「終わってる」……「が、しかし」「それでも」というものに惹かれております03/07 17:26

wataitakeharuあの日の、あの時間に合わせて、眼を閉じて、手を合わせて、頭を垂れて、涙を流して…という写真や映像とは、「違うもの」は何なのかということを考えている。今週末の3・11の日のテレビニュース映像や新聞写真が早くも眼に浮かぶので、「…じゃないもの」を探している。この選択って、間違ってる?03/07 16:54

wataitakeharuしかし……みんながみんな、今週末の日曜日の日に、何かしなければならないのだろうか?みんな同じ時間に「追悼」する必要があるのだろうか?周りからの強迫観念のようにも感じてきて、だんだん憂鬱になってきたので、逆に一人で別のことをしようかという気もしているが、それもまた「居心地の悪さ」03/07 16:35
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●原子力ムラ住人・親戚筋には見えていない「原発ゼロ社会」、なし崩しへの執念のみ

2012年03月10日 02時36分01秒 | Weblog


asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20120226.html)。すごく「甘口」な社説。

 「原発ゼロ社会」なんて原子力ムラ住人・親戚筋には全く見えていないし、視界には無いでしょう。見る気さへ無いし。種々の数字を偽装しようがどうしようが、核燃サイクルに意義があろうが無かろうが、彼らの胸の内にあるのは、「電力不足詐欺」をやってまで、ストレステストという出来試合・茶番でさらなる詐欺を重ねてまで、原発再稼働・原発建設再開・原発輸出に向けて全てをなし崩しに進めるための執念のみ。日本の住民どころか、全世界の人々にどれほどの危機的影響を及ぼすのかなんてお構いなし。「原発をゼロにできる時期について「20~30年後がめどになろう」」や、「すなわち、「安全だから動かす」から、「本当に必要な数だけしか動かさない」への転換」でも極度に甘い認識だと思う。「暗闇の思想」を。

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http://www.asahi.com/paper/editorial20120226.html

2012227日(月)付
原発の再稼働―需給見通しの精査が先だ

 西日本で稼働中の原発がなくなった。東日本で残る2基も定期検査が控える。このまま進むと、5月には日本の電力供給は完全な原発ゼロ状態となる。
 一方、電力需給は安定している。暖房需要が減れば、さらに余裕が出てくるだろう。
 震災後1年弱に及ぶ節電が、強いられた受け身の努力から前向きの挑戦へと変わり、全国の企業や家庭へと裾野を広げつつある。まさに、「節電は最大の電源」である。
 古い火力発電所の稼働で無理をしている面はある。電力不足への懸念が経済活動を制約していることも否定できない。
 それでも、節電で経済が失速し、国民生活が混乱に陥っているわけではないむしろ省エネを通じて経済社会のあり方を変革し、新たな成長につなげる戦略が現実味を帯びている
 それは、日本に54基もの原発がそもそも必要だったのか、という疑問に結びつく。

■見えてきたゼロ社会
 私たちは昨年7月、「原発ゼロ社会」を提言した。そのなかで、原発をゼロにできる時期について「20~30年後がめどになろう」と述べた。
 しかし、需要ピークの昨年8月を12~16基の稼働で乗り切ったことを踏まえれば、はるかに早く実現できるだろう。
 原発政策は、こうした需給面での新たな観点に立ち、発想を根本的に変える必要がある。
 すなわち、「安全だから動かす」から、「本当に必要な数だけしか動かさない」への転換である。
 目下の焦点は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働だ。原子力安全・保安院は両機のストレステスト(耐性評価)の1次評価を「妥当」とする審査書をまとめている。
 だが、ストレステストは重要な機器や設備を対象にしたもので、原発全体に目配りしているわけではない。大地震と津波を対象にしているが、火災などは含まれていない。
 保安院の「妥当」判断も、安全性の保証ではなく、計算に問題がないことを示すだけだ
 再稼働の判断で最も重視すべきは、福島の教訓を踏まえた安全基準や防災対策の強化、そして「想定外」のことが起きても次善の策で減災をはかる危機対応の体制整備である。
 この作業には時間がかかる。今夏の需要期には、間に合わない。もし、この夏の電力が本当に足りないのなら、暫定的な安全基準に基づいて、動かさざるをえなくなるだろう。
 ただし、それには、他の事業者などからの電力確保や節電の要素をきちんと盛り込んだ、信頼性の高い需給見通しを示すことが大前提である。

■なし崩しへの疑念
 福島第一原発の事故以来、電力会社が展開してきた「電力不足」キャンペーンは実態とずれていた。もちろん、電力供給に責任を持つ企業が不測の事態を警戒するのは当然のことだ。
 しかし、電力業界は自らの利益のため、大飯原発を突破口になし崩し的に原発を動かしたいだけではないか。そんな疑念が国民にある限り、再稼働を訴えても説得力はない。
 安全対策が十分に整わない今夏は、原発による電力が欠かせなくなっても、必要最低限のものしか動かさない。政府がそう打ち出すことが、国民の理解を得る最低条件だろう。
 この夏を何基の原発で乗り切ることになるか。ゼロなのか。その結果、経済や社会にどのような影響が出るのか。先々の料金の見通しはどうか。
 そうした評価を、中長期の脱原発への工程表に生かしたい。
 大切なのは、「どう動かすか」ではなく、「どこを閉めるか」という視点である。
 まず新しい安全基準や危機・防災対策の枠組みを、早く完成させなければならない。
 そして、既存の原発を危険性で仕分けし、早期に閉める炉を決めていく。これまで無視されていた防災・避難対策のコストを反映させることが重要だ。
 現段階でも決められることはある。古い原発の廃炉である。稼働から30年以上たつ原発は、福島第一を含め19基、うち3基は40年以上だ
 細かく検査する以前に、老朽化したものから止める。欧州などで重視される「予防原則」の考え方だ。

■「危ない」現実を直視
 政府の事故調査・検証委員会は中間報告で、「災害対策のパラダイム転換」を求めた。
 そのためには、「原発は危ない」という事実を直視しなければならない。
 これまで電力会社も政治家も専門家も、この現実から目を背けてきた。それが「安全神話」を生み、原発反対派との間で建設的な議論が成り立たないまま大震災を迎えてしまった。
 脱原発への国民的な合意を築くうえでも、原発は危ない」という動かしがたい現実から再出発しなければならない。
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●続・原発人災、我々は騒ぎ過ぎているのか? 不安を煽り過ぎているのか??

2012年03月09日 00時00分42秒 | Weblog


gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/135347)。

 日刊ゲンダイや山岡俊介さんらだけが騒いでいて良い問題なのでしょうか?

   『●原発人災、我々は騒ぎ過ぎているのか?
            
不安を煽り過ぎているのか??


 「15%が1%程度」というのもひどい数字でしたが、「全3147カ所中たったの1カ所」というのもとんでもない数字。日刊ゲンダイの〝煽り記事〟として無視してしまってよいものなんでしょうか? 文科省を環境省が否定するという異常事態。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/135347

環境省の詳細調査が証明した「文科省発 飯舘村の放射線量」やっぱりウソ
2012227掲載

公表通りは全3147カ所中たったの1カ所

強制的に下げられた放射線量の数値が全国に公表されている――飯舘村の酪農家の「告発」は、やはり本当だった。文科省が連日公表してきた飯舘村の放射線量はでっち上げ嘘っぱちの数値だと、ハッキリした。
 環境省は24日、国直轄で実施する「除染特別地域」の放射線量調査の中間結果を公表した。対象は飯舘村を含めた福島県の11市町村(約125平方キロメートル)。調査結果は、100メートル四方の放射線量が分かる詳細な分布図となっている。

   「放射線量は実際に人が測定したほか、測定器を載せた自動車を走らせ、
    すべて地上で調査しました。昨年11月から3カ月の実測値を基に
    線量の自然減衰を考慮し、すべての測定が終了した今年1月16日現在に
    減衰補正した数値が確認できます」(環境省関係者)


 問題は飯舘村の放射線量だ。村内全3147カ所を見ると、最大は毎時21.2マイクロシーベルト。エリアによってバラつきはあるが、政府が定めた許容被曝量「年間20ミリシーベルト」(毎時3.8マイクロシーベルト)を上回る地域が大半だ。

 ところが、文科省が1月16日に発表した飯舘村の放射線量は毎時1.17マイクロシーベルトだった。環境省調査でこの数値を下回ったエリアは、たったの1カ所。0.03%の確率に過ぎない恐ろしいほどの数値のギャップだ。
 日刊ゲンダイ本紙は22日付で、飯舘村の酪農家・長谷川健一氏(58)の次のようなコメントを紹介した。

   「昨年11月末ごろ、国の除染モデル事業を請け負った大成建設の作業員と
    みられる10人ほどが、村のモニタリングポストを高圧洗浄機で洗い、
    土台の土をソックリ入れ替える作業を行っていた。
    その様子を複数の村民が目撃していたのです」


 大成建設は「土の入れ替えなどしていない」(広報部)と全面否定だ。それでは、この差を政府はどう説明するのか。文科省の嘘を環境省が証明するなんて、皮肉な話だ。この国の統治機構は狂っている

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■『ダムと環境の科学Ⅱ』情報

2012年03月09日 00時00分11秒 | 書籍情報庫




『ダムと環境の科学Ⅱ/ダム湖生態系と流域環境保全』、大森浩二・一柳英隆 編著、京都大学学術出版会、2011年10月1日 初版第一刷発行。

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http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=1753

内容

「脱ダム」や「ダム撤去」も視野に入ってきた昨今だが、維持管理により環境への負荷を低減する道もある。湿潤変動帯に位置する日本のダム湖の遷移過程や生態系の特性を解明し、流域管理の新たな手法を提案する。プランクトン、魚類、鳥類の生息実態から物質循環、栄養カスケード効果まで、計100基以上のダムのデータにより検証した。

目次

口絵


はじめに

Part I ダム湖の物理化学的特徴

第1章 物理的,地形学的特徴〔大森浩二・山田佳裕・末次忠司・牛島 健・一柳英隆〕
1.1 自然湖沼・ダム湖の定義
1.2 自然湖沼・ダム湖の分布,地形的・物理的特性
 1.2.1 分布
 1.2.2 湖盆形態
 1.2.3 水位変動と沿岸帯形成
1.3 自然湖沼の成層化と物質循環
 1.3.1 水温・光
 1.3.2 成層期と循環期
 1.3.3 溶存酸素量
1.4 集水域と流出量
 1.4.1 集水域
 1.4.2 流入量・湖水交換速度
1.5 堆砂特性
 1.5.1 ダム湖への堆砂プロセス
 1.5.2 ダム湖における堆砂実態
 1.5.3 堆砂に伴う貯水容量の減少と生態系への影響
 1.5.4 有機物等の堆積
1.6 濁水
 1.6.1 ダム湖と自然湖沼における濁水の違い
 1.6.2 濁水の原因
 1.6.3 水位低下時の濁水
1.7 流入フロントの形成
1.8 ダム湖の普遍的な構造と日本のダム湖の特徴

第2章 水質と富栄養化〔山田佳裕・大森浩二・牛島 健〕
2.1 富栄養化と物質循環
 2.1.1 湖沼の富栄養化と遷移
 2.1.2 湖沼の物質循環
2.2 ダム湖の水質の概要
 2.2.1 ダム湖表層の水質
 2.2.2 ダム湖通過による水質の変化
2.3 自然湖沼とダム湖の違い
 2.3.1 沿岸域の攪乱
 2.3.2 ダム湖湛水直後の水質:水没農地等の影響
 2.3.3 ダム運用後の水質変化:ダム湖の遷移過程
■コラム1 モデルによるアオコ発生予測〔大森浩二〕

第3章 湿潤変動帯におけるダム湖と自然湖沼〔大森浩二〕
3.1 自然湖沼とダム湖の違い
3.2 湖沼の遷移に関する比較
 3.2.1 短期的な物質循環過程
 3.2.2 長期的な物質循環過程:ダム湖の遷移
 3.2.3 日本の流域特性とダム湖:安定大陸と湿潤変動帯
3.3 まとめと今後の展望

補遺 ダム湖生態系の時間的変化〔森下郁子〕
誕生直後のダム湖とプランクトンの大発生/特異なダム湖の生態系/壮年期のダム湖の下流での生物学的現象/老年期を迎えたダム湖/アメリカのダムの昨今

Part Ⅱ ダム湖生物群集の特徴と分類

第4章 ダム湖生物群集と生態系管理〔大森浩二〕
4.1 ダム湖生物群集を解析する意義
4.2 ダム湖生物群集とその相互作用
 4.2.1 湖沼の生物群集と生態系
 4.2.2 生物間相互作用とダム湖生態系
4.3 ダム湖生物群集と管理目標
■コラム2 生態系とは?〔大森浩二〕
■コラム3 栄養カスケード効果とバイオマニピュレーション〔大森浩二〕

第5章 ダム湖のプランクトン群集の特徴〔高村典子・中川 惠・一柳英隆・辻 彰洋〕
5.1 ダム湖におけるプランクトンの研究
5.2 ダム湖のプランクトン群集の解析
 5.2.1 既存プランクトンデータの概要
 5.2.2 植物プランクトンデータ
 5.2.3 動物プランクトンデータ
 5.2.4 環境データ
 5.2.5 解析に用いたプランクトンタクサの扱い
 5.2.6 プランクトン群集の座標付けと環境変数との対応
5.3 ダム湖プランクトンの座標付け
 5.3.1 植物プランクトン
 5.3.2 動物プランクトン(甲殻類:枝角類とカイアシ類)
 5.3.3 動物プランクトン(ワムシ類)
5.4 ダム湖のプランクトン種の分布傾度
5.5 より良きプランクトンモニタリングのために
■コラム4 植物プランクトン種群の設定〔辻 彰洋〕
■コラム5 植物プランクトン群集の計数:何を知るための計数なのか〔高村典子・中川 惠〕

第6章 魚類相からみたダム湖の特性〔森下郁子〕
6.1 ダム湖を魚類相で評価する
 6.1.1 生物の指標で環境を評価する
 6.1.2 指標生物としての魚
 6.1.3 ハビタット評価のためのHIM
6.2 ダム湖魚類相のFHIMを用いた解析
 6.2.1 ダム湖魚類相の分析方法
 6.2.2 ダム湖の魚類相の特徴とそれに影響する要因
 6.2.3 魚類相からみたダム湖の類型化
 6.2.4 ダム湖上・下流での魚類相の違い
6.3 ダム湖の魚類相と今後の課題
■コラム6 生物多様性時代のダム〔森下郁子〕

第7章 水鳥群集からみたダム湖の特徴〔山岸 哲〕
7.1 ダム湖の水鳥群集研究の意義
7.2 水鳥の調査
7.2.1 水鳥類のカウント
7.2.2 ダム湖の環境特性
7.2.3 データの解析
7.3 水鳥群集とダム湖の特性との関係
7.4 水鳥群集とダム湖の操作
7.5 おわりに

Part Ⅲ ダム湖の物質循環

第8章 リン濃度とクロロフィルa濃度の関係からみたダム湖の特徴〔大森浩二〕
8.1 湖沼におけるクロロフィルa濃度
8.2 ダム湖のクロロフィルa濃度特性解析
 8.2.1 解析対象ダム
 8.2.2 ダム湖の特性分類
8.3 ダム湖をどのように管理したらよいのか
■コラム7 水質基準〔大森浩二〕
■コラム8 日本のダム湖における植物プランクトン・動物プランクトン・魚類の関係〔一柳英隆・大森浩二〕

第9章 ダム湖における水質形成の特徴と安定同位体比を用いた富栄養化の解析〔山田佳裕〕
9.1 安定同位体比を用いて富栄養化を解析する
9.2 ダム湖における物質循環調査
 9.2.1 調査対象ダム
 9.2.2 観測および分析
9.3 ダム湖の生元素分布と物質循環
 9.3.1 元素の分布からみた富栄養化の分類と物質循環の特徴
 9.3.2 ダム湖の水質に及ぼす水文環境の影響
 9.3.3 ダム湖における炭素・窒素安定同位体比の分布
 9.3.4 魚類の炭素・窒素安定同位体比を指標とした富栄養化の解析
9.4 新たな生態系の評価軸
■コラム9 生態系の健全性〔大森浩二〕

第10章 ダム湖物質循環のモデル解析と生態系の健全性〔大森浩二〕
10.1 生態系モデルをつくる目的
10.2 ダム湖生態系モデル
 10.2.1 ダム湖生態系モデルの構成
 10.2.2 ダム湖生態系モデル計算の結果
 10.2.3 ダム湖生態系モデルの結論:ダム湖の生物群集管理と流入フロント
10.3 河川生態系モデル
 10.3.1 河川生態系モデルの構成
 10.3.2 河川生態系モデル計算の結果
 10.3.3 河川生態系モデルの結論:下流河川環境の動態
10.4 流域生態系モデルによる解析
10.5 生態系の管理目標:ダム湖生態系と下流河川生態系の健全性
 10.5.1 ダム湖生態系の健全性
 10.5.2 下流河川生態系の健全性
 10.5.3 ダム湖生態系と下流河川生態系の管理
■コラム10 河川生態系〔大森浩二〕
■コラム11 レジームシフト〔大森浩二〕

Part IV 流域環境の保全

第11章 止水域が流域環境に与える影響〔大森浩二〕
11.1 流域環境の何に注目すべきか?
11.2 自然湖沼とダム湖の比較から何が明らかとなるのか?
11.3 自然湖沼とダム湖が流域に与える影響
 11.3.1 自然湖沼とダム湖の特性比較:データの比較
 11.3.2 流域環境に与える影響
11.4 まとめ:止水域による下流環境への複合的な影響

第12章 ダム湖群と流域の健全性〔大森浩二〕
12.1 河川の分断化と生息場所の改変
12.2 ダムによる河川分断化に対する河川生物絶滅リスク評価
 12.2.1 個体群存続確率分析
 12.2.2 流域全体の河川横断工作物による種個体群分断化に対する効果
 12.2.3 個体群および流域の大きさ
 12.2.4 対象生物種
 12.2.5 ダム湖による陸封化が個体群の存続確率に与える効果
 12.2.6 簡易PVA法とその吉野川での適用例
12.3 ダム湖の富栄養化による下流河川の有機汚濁化および濁水の長期化
 12.3.1 ダム湖による周辺河川環境の改変
 12.3.2 重信川流域における解析
12.4 河川生態系の機能に対する影響
12.5 山・川・海の連携:湿潤変動帯における河川生態系の特徴と沿岸域に対する影響
12.6 ダム問題群解決のためのフローチャート
■コラム12 大型ダムにおける魚道の課題〔一柳英隆〕
■コラム13 生態系の機能と生態系サービス〔大森浩二〕

第13章 流域の健全性回復と保全策〔大森浩二〕
13.1 湿潤変動帯におけるダム湖環境問題群と環境保全
 13.1.1 環境保全目標
 13.1.2 生物群集の管理
 13.1.3 流域生態系の総合管理
13.2 保全の対策
 13.2.1 ダム湖内の保全策とモニタリング
 13.2.2 河川・流域の保全策とモニタリング
13.3 まとめ
■コラム14 ダム湖の水質対策〔一柳英隆〕
■コラム15 ダムやダム湖が流域の生物多様性を保全する?〔一柳英隆〕

おわりに
謝辞
付表
用語解説〔大森浩二・一柳英隆・山田佳裕〕
索引
編著者紹介


プロフィール
[編著者紹介]
大森 浩二(おおもり こうじ)
愛媛大学沿岸環境科学研究センター准教授
専門は,個体群生態学,群集生態学,生態系生態学.安定同位体比分析及び数理モデルによる水域生態系解析を行い,河川から沿岸にいたるまで幅広く生態系保全提案を行っている.著書に『海洋ベントスの生態学』(分担著・東海大学出版会,2003),『天草の渚にて』(分担著・東海大学出版会,2005),『環境科学と生態学のためのR統計』(監訳・共立出版,2011)など.
執筆:はじめに,第1〜4,8,10〜13章,コラム1〜3,7〜11,13,おわりに,用語解説.

一柳 英隆(いちやなぎ ひでたか)
財団法人ダム水源地環境整備センター嘱託研究員,九州大学大学院工学研究院学術研究員
専門は,動物生態学.河川に生息する動物の生活史や個体群動態,保全について取り組んでいる.著書に『ダムと環境の科学㈵ ダム下流生態系』(共著・京都大学学術出版会,2009),『河川環境の指標生物学』(分担著・北隆館,2010)など.
執筆:第1,5章,コラム8,12,14,15,用語解説.


[著者紹介](五十音順)
牛島  健(うしじま けん)
北海道大学大学院工学研究院特任助教
専門は,環境工学,環境水理学,環境システム.ダム貯水池で発生するアオコ及びカビ臭の実務的対策,発展途上国向けサニテーションシステムとその導入戦略について研究している.
執筆:第1,2章.

末次 忠司(すえつぎ ただし)
山梨大学大学院医学工学総合研究部社会システム工学系教授
専門は,河川防災,減災,応用生態工学.管理論的対応のため,氾濫シミュレータにより住民を避難誘導するシステム構築を行っている.著書に『図解雑学 河川の科学』(ナツメ社,2005),『河川の減災マニュアル』(技報堂出版,2009),『河川技術ハンドブック』(鹿島出版会,2010)など.
執筆:第1章.

高村 典子(たかむら のりこ)
独立行政法人国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター センター長,東京大学大学院連携併任教授
専門は,陸水生態学.陸水生態系における生物多様性損失の定量的評価に関する研究に取り組んでいる.著書に『生態系再生の新しい視点:湖沼からの提案』(編著・共立出版,2009),『なぜ地球の生き物を守るのか』(分担著・文一総合出版,2010),『ダム湖・ダム河川の生態系と管理:日本における特性・動態・評価』(分担著・名古屋大学出版会,2010)など.
執筆:第5章,コラム5.

辻  彰洋(つじ あきひろ)
国立科学博物館植物研究部研究主幹
専門は,微細藻類,特に珪藻類の分類および生態.日本の湖沼に生息する固有種を追いかけている.著書に『琵琶湖の中心目珪藻』(共著・滋賀県琵琶湖研究所,2001),『淡水珪藻生態図鑑』(共著・内田老鶴圃,2005)など.
執筆:第5章,コラム4.

中川  惠(なかがわ めぐみ)
独立行政法人国立環境研究所 高度技能専門員
専門は,陸水生態学.1996年より霞ヶ浦の生物モニタリングのうちプランクトンを担当している.2011年よりGEMS / Water Japanの窓口を担当している.
執筆:第5章,コラム5.

森下 郁子(もりした いくこ)
社団法人淡水生物研究所所長
専門は,指標生物学,比較河川学.日本だけでなく世界の主な河川を踏査し比較河川学を提唱する.ダム湖に関しても1955年からの長きにわたり新しくできる水域の変遷を調べて判ったことを発表してきた.著書に『川の健康診断』(NHKブックス,1977年),『ダム湖の生態学』(山海堂,1983年),『川のHの条件』(共著・山海堂,2000年)など.
執筆:補遺,第6章,コラム6.

山岸  哲(やまぎし さとし)
山階鳥類研究所名誉所長,新潟大学朱鷺自然再生学研究センター長,兵庫県立コウノトリの郷公園長
専門は,行動生態学,保全鳥類学.著書に『保全鳥類学』(監修・京都大学学術出版会,2007),『日本の希少鳥類を守る』(編著・京都大学学術出版会,2009)など.
執筆:第7章.

山田 佳裕(やまだ よしひろ)
香川大学農学部准教授
専門は陸水学,生物地球化学.貯水池及びその流域における環境容量の算出手法について研究している.著書に『岩波講座 地球環境学4 水・物質循環系の変化』(分担著・岩波書店,1999),『流域環境学:流域ガバナンスの理論と実践』(分担著・京都大学学術出版会,2009)など.
執筆:第1,2,9章,用語解説.
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●光市母子殺害事件最高裁判決: 安田好弘弁護士憎しの流れの一環か?(1/2)

2012年03月08日 00時04分22秒 | Weblog


綿井健陽さんの『逆視逆考PRESS』(http://watai.blog.so-net.ne.jp/)の記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-02-19)。シリーズの一つ。

 綿井健陽さんは、『創』誌上などで光市母子殺害事件の被告・死刑囚との係りを記事にしてこられた。

   『●『ふたたび、時事ネタ』読了
   『●『創(2009年12月号)』読了(1/2)

 マスコミには無い〝逆視逆考〟視点・思考による「光市母子殺害事件」最高裁判決に関するシリーズの一部を引用。

 ハシズム大阪〝ト〟知事による安田好弘さんらへのバッシングのトンデモなさもマスコミによる〝世論(ヨロンセロン)〟操作に加担し、さらに、安田さんの不当逮捕という当時からの特捜検察のトンデモぶりをマスコミのほとんど誰も批判しなかったことも、この一連裁判の行方を大きく左右していたと思います。

   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『創(2010年9・10月号)』読了
   『●『ドキュメント死刑囚』読了(1/2)
   『●『創(2009年12月号)』読了(1/2)
   『●『創(2009年11月号)』読了
   『●『抵抗人名録 私が選んだ77人』読了(1/2)
   『●『創(2009年4月号)』(1/2)
   『●『創(2009年4月号)』(2/2)
   『●『月刊誌3冊』読了(3/5)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(1/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(2/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(3/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(4/4)
   『●『特捜検察の闇』読了(1/3)
   『●『だまされることの責任』読了(1/3)
   『●『テレビ救急箱』読了(2/2)
   『●『誘拐』読了(3/3)
   『●『死刑』読了

つづく

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●光市母子殺害事件最高裁判決: 安田好弘弁護士憎しの流れの一環か?(2/2)

2012年03月08日 00時03分52秒 | Weblog


つづき

 本当に最高裁の判決はこれでよかったのでしょうか? 何が起ったかの事実を明らかにすること、たとえそれが無理でも、それに向けての努力を続けようとしたのか・・・、私にはそうは見えません。検察やマスコミの〝安田憎し?〟(〝小沢憎し〟と同様)・〝安田抹殺〟に裁判所が流されてしまった側面はないでしょうか。

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http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-02-19

「光市母子殺害事件」最高裁判決(その3

 昨日(19日)は夕方から2つの催しがバッティング。一つはNHK/ETV特集「放射能汚染地図」の受賞祝賀会。以前何度か番組制作でお世話になっている七沢潔・大森淳郎ディレクターらがつくったこの番組は、福島第一原発事故における報道の中では金字塔のような存在となった。
 それを途中で抜けて向かったのが、通称「安田裁判」と呼ばれる裁判の終結報告集会。20日(月)に最高裁で判決が言い渡される「光市母子殺害事件」被告人の弁護人を務める安田好弘弁護士が、刑事被告人にされた事件だ。
 
当時オウム真理教の主任弁護人を務めていた安田弁護士が、強制執行妨害容疑で逮捕されたのは98年12月のことだった。その後、296日間も拘束されている。
 ちょうど先日は、小沢一郎裁判の立証が崩れたと報道されているが、この安田裁判は、当時取材・傍聴していたノンフィクションライター・魚住昭によると、「私は過去に何百件かの事件を取材したが、これほど検察側立証が総崩れになる事件を見たことが無い」(『特捜検察の闇』文春文庫から)というレベルだった。

http://www.amazon.co.jp/%E7%89%B9%E6%8D%9C%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E3%81%AE%E9%97%87-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AD%9A%E4%BD%8F-%E6%98%AD/dp/4167656655


 一審は「検察の立件そのものがアンフェア」とまで判断された完全無罪の判決で、冤罪が証明されたかに見えた。ところが検察側は控訴。2審では逆転有罪の罰金刑となり、検察・弁護側双方が上告したが、そのまま最高裁で確定した。この裁判には一審当時で1250人、2審では2100人の弁護団が結成されている弁護士を狙った逮捕・起訴・身柄拘束に対して、当時多くの弁護士が危機感と恐怖感を抱いた

 安田弁護士逮捕から判決確定(2011年12月)まで13年。光市母子殺害事件も事件発生から今年で13年。
 この二つの裁判は、2007年に広島高裁で光市母子殺害が差し戻し控訴審、同時期に東京高裁で安田裁判の控訴審が行われていた。安田はある日は広島高裁で弁護側の席、その翌日は東京高裁で被告人席という日もあった。そして、判決は光市母子殺害の方が08年4月22日、安田裁判が翌日23日だった。個人的に生涯忘れない日付というものは誰しもあると思うが、私にとっては、「3・11」や「9・11」、イラク戦争開始の「3・20」同様、この「4・22」「4・23」の2つの日付も、私自身の身体の中に深く刻まれている。
 この2つの判決当時についての記述は、以下の原稿「権力から狙われたとき」を参照。

http://www1.odn.ne.jp/watai/CCF20120219_00000.pdf


 そして、昨日2月18日と来る20日だ。人には逃れられない何かの縁がある。

 この2つの裁判にはもう一つ興味深いが存在する。
 「光市母子殺害事件」裁判の最高裁第一小法廷の裁判官・白木勇は、安田裁判での控訴審の最初の裁判長だった。安田有罪判決の道筋をつくったのが白木とされている。その後、光市母子殺害裁判の差し戻し控訴審が広島高裁で07年に始まると、弁論終了後に広島高裁長官に。そして翌年、東京高裁での安田裁判控訴審判決後には東京高裁長官。さらに、光母子殺害裁判が最高裁に上告されると、任期途中で亡くなった最高裁判事の後任に抜擢される(2010年)。それは、光市母子殺害裁判の最高裁審理を行う第一小法廷だった。もっとさかのぼると、安田が経験した最初の死刑判決事件、1980年に起きた名古屋女子大生誘拐事件のときの一審裁判官(名古屋地裁)の一人が白木だったという(安田は最高裁からの被告弁護人)。

http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/shiraki.html


 弁護士・安田好弘の背中を追うように、亡霊のようにつきまとう裁判官・白木勇の影これは偶然や人事の巡り合わせではなく、もはや司法権力の怨念とでもいうべきだろうか

 20日(月)の最高裁第一小法廷は午後3時に開廷する。安田は弁護側の席に座る。その前には、安田をあたかも見下ろすような高い位置の裁判官席に、白木勇が座っている(敬称略)

【関連原稿】
『AERA』現代の肖像 弁護士・安田好弘「悪魔の弁護人と呼ばれて」(08年4月28日掲載)

http://www1.odn.ne.jp/watai/CCF20120218_00000a.pdf


権力から狙われたとき」(月刊創08年7月号掲載)


http://www1.odn.ne.jp/watai/tsukuru200807.pdf
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●魚の目: 陸山会事件、魚住昭さんの〝目〟

2012年03月07日 00時20分25秒 | Weblog


魚住昭さんの『魚の目』の記事(http://uonome.jp/read/2013)。

 当初からこの事件の無茶苦茶さを指摘していた魚住さん。

   『●小沢一郎氏検察審査会は機能していない
   『●魚住昭さんが記者生命をかけて断言 ~小沢一郎氏関連裁判~
   『●魚住昭さん: 検察の愚劣捜査が国政を歪めた!
   『●小沢一郎氏に対してのバカ騒ぎのその後
   『●魚住さんの最高検報告書批判

 まだまだ、裁判の行方は不明。登石郁朗推認〟裁判長による〝推定有罪〟のようなこともあるので、油断はできない。
 それにしても、小沢一郎氏どころか、石川知裕議員らどころか、民主党議員どころか、自民党議員が噛んでいたのではないかという指摘について、なぜマスコミはバカ騒ぎしないのか? まさか、選挙が〝近い〟から、なんて言わないでしょうね!? 特捜検察も腐っていて、裁判所も機能しない、マスコミも小沢憎しのバカ騒ぎ。魚住さんのような優れた〝目〟を持つジャーナリストが一人でも多くより一層出てきてほしいものです。

   『渡邉恒雄 権力とメディア
   『野中広務 差別と権力
   『だまされることの責任
   『特捜検察の闇
   『沈黙のファイル ―「瀬島龍三」とは何だったのか
   『官僚とメディア
   『冤罪法廷 ~特捜検察の落日~

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http://uonome.jp/read/2013

前田元検事が語った陸山会事件の深層
2012 1 10 魚住

 小沢一郎・元民主党代表が強制起訴された陸山会事件に興味をお持ちなら、法廷尋問の詳細をほぼリアルタイムでネット配信しているMSN産経ニュース(無料)を是非お勧めしたい。
 
 昨年12月16日にあった前田恒彦元検事(証拠改竄事件で服役中)の証人尋問の内容もMSNを読むとディテールまでよく分かる。臨場感もあって下手な小説よりはるかに面白い。『神は細部に宿り給う』とはこのことだろう。
 
 MSNが伝えた前田証言の核心に迫ってみよう。彼は陸山会事件の強制捜査が始まって1週間後に大阪地検から応援に駆り出され、大久保隆規紀・元公設秘書の取り調べを託された。
 
 その際、主任検事が『この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢をあげられなければ特捜の負けだ。恥ずかしい話だが、東京には割り屋がいない。だから大阪に頼ることになった』と言い、4億円の土地購入資金の原資解明を命じたという。
 
 早速前田元検事は他の検事らに「ご用聞き」して回った。結果、5千万円は石川知裕衆院議員が水谷建設から受け取り、1億円は○○建設から…と、業者からの裏金が土地購入資金になったとの見立てで捜査が進んでいることが分かった。だが、各ゼネコン・下請け業者を調べている検事らはうまく裏金の話を聞き出せていないようだった。
 
 大久保氏は既に水谷建設から百万単位の金を個人的にもらったことを認めていた。だがこれは小沢氏に報告しておらず、額も想定より一ケタ少なかった。
 
 大久保氏は前田元検事の追及にも個人的な金以外は認めなかった。まるで「『コンクリートの塊』で、呼ばれて間もない私に『割ってくれ』と言われて割れる状況ではなかった」という。
 
 小沢氏の聴取があった翌日、特捜部長らが拘置所に陣中見舞いに来て「大久保はどう?」と聞いた。前田元検事は「頑張ってみますけど難しいです」と答えた。石川議員担当の田代政弘検事も同じような返答をした。
 
 その場で部長は「小沢は当然分かっている」と言った。ダム工事の謝礼を秘書個人に渡す訳がない。そんな金だから収支報告書の虚偽記載で隠すとの見立てである。だが土地購入の原資が裏献金でなかったらこの見立てはあっさり崩れてしまう。
 
妄想」かもしれないと前田元検事は思った。何十人もの検事が業者を調べても裏金が出てこない。石川議員を調べた田代検事と吉田正喜副部長も「石川さんが5千万円を受け取った事実はないんじゃないか」と言った。
 
 初めからこの捜査には問題があった。購入原資を裏献金と決めつける前に「もっと小沢先生周辺や奥様の資金周りを調べるべきだと思いましたが、それができていなかった。4億円が企業からの献金と『妄想』する人もいたが、正直ついて行けなかったし、ついて行かなかった」
 
 調べの現場は厭戦ムード裏献金で小沢氏を立件するのに積極的だったのは、特捜部長や主任検事など一部だけだった。結局、小沢氏は不起訴になったが、その後、検察審査会に証拠を提出する際に「証拠隠し」が行われたと前田元検事は言う。
 
 その1つは石川議員の取調中に弁護人から繰り返し出された抗議文書。もう1つはゼネコンや下請け業者らの供述を記したメモだった。特捜部では見立て(小沢氏側への裏献金)に合わない供述は調書化せず、ワープロでその要旨を整理していた。
 
 もし検審にそれらが示されていたら石川調書の信用性も「水谷建設の裏献金の信用性も、減殺されていたはず。想定に合わなければ証拠にならないというのがこれまでの検察で、私も感覚がずれていて、厚労省の(証拠改竄)事件を起こすことになった」と前田元検事は言った。
 
 冤罪はこうして作られ、検審もこうして騙される。「私の件をきっかけに大きく検察組織を変えるなら、検察だけの判断で『この証拠は出さない』というのはやめるべきです」。前田元検事ならではの至言だろう。(了)
 
(編集者注・これは週刊現代「ジャーナリストの目」の再録です
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●核燃サイクル: 核燃料再生率に根拠無し、15%どころか1%?

2012年03月06日 00時00分40秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012030390070301.html)。

 核燃サイクルをやる意義についてこれまで、色々な批判がありました。自民党内部からでさへ批判がありました。市民はダマされ、その無意味さや危険さを指摘してきた研究者その他の批判の声に耳を貸そうとしませんでした。

   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●プルサーマルの無意味さ再び: 核燃サイクルという幻想の破綻
   『●核のゴミと云う地獄:「王様は裸」

 今回、核燃料再生率に根拠が無いことが明らかになりました。15%が10%程度だったのかというと、それどころか1%程度にしか過ぎないとの指摘です。でも、いくら批判されてもこんな無駄なことをやめようとしないのですから、原子力ムラの住人は本当にどうかしています。なし崩しに続ける方に、一票、ですね。10年かけて議論する、なんて言いだす委員会があったように思います。10年間はこのまま続けましょう、というのと同義。その後、当座検討しながら続けましょう、というお決まりのパターン。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012030390070301.html

核燃料再利用「15%」の謎 根拠 誰も知らない
201233 0703

 原子力委員会事務局が昨年十一月、政府のエネルギー・環境会議のコスト等検証委員会に、使用済み核燃料はどのくらい再利用できるかを示す重要な数字を、根拠を確かめないまま提示していたことが分かった。この数字は、核燃料サイクル政策を続けるかどうか、コストや省資源の面から判断する重要な材料の一つ。エネ環会議は夏にも新たなエネルギー政策の方向を打ち出すが、重要な数字の信ぴょう性が揺らいだことで、議論の行方にも影響が出そうだ。
 問題の数字は、「次世代燃料生成率(再生率)」。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムなどが、どのくらい混合酸化物(MOX)燃料として再利用できるか、その割合を示す。数字が高いほど、ウラン資源が有効活用でき、エネルギー確保も容易になるとされてきた。
 昨年十一月のコスト等検証委では、委員の大島堅一立命館大教授から二回にわたって再生率に関連する質問が出た。原子力委員会事務局が回答を示した。
 この中で、同事務局は重さ千キロの使用済み核燃料からは、十キロのプルトニウムと百四十キロのウランを回収し、百五十キロのMOX燃料が再生できる。そのため、再生率は15%になると説明した。
 しかし、ここで再生に回るとされたウランは、再生が難しく、現在、利用する計画はない。実際には、外から別のウラン(劣化ウラン)を調達してMOX燃料を作るため、千キロの使用済み核燃料のうち再利用されるのは、十キロのプルトニウムだけ。通常なら、再生率は1%になるはずだ
 本紙の取材に、同事務局の山口嘉温(よしはる)上席政策調査員は「15%は二〇〇四年に経済産業省コスト等検討小委員会が出した数値を踏襲した」と説明。「15%の根拠は調べたが、分からなかった」とも述べ、根拠が不明確なままだったことを認めた
 一方、経産省は「15%がどう決まったかが分かる資料は現在見当たらない」(担当者)と話している。

裏切られた思い
 コスト等検証委の大島堅一立命館大教授(経済学)の話 原子力の専門家には敬意を払って会議に参加しており、科学的な数値は信用していた。根拠がなかったとは驚くし、裏切られた思い。数値を守ろうとした揚げ句、訳が分からなくなったのではないか。コスト等検証委は「聖域なき検証」をうたっていたが、費用計算全体が疑わしくなった。再計算が必要だろう。
(東京新聞)
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●続報=水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?

2012年03月05日 01時00分20秒 | Weblog


gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/135340)。

   『●水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?

 誰も後追いしていないの? 「無実の人間に罪をかぶせた検察とメディアは、疑惑を明らかにする責任がある」ハズじゃないの。当時、郷原信郎さんらの警告にもかかわらず、あれほどバカ騒ぎし、小沢バッシングをしつこく続けたマスコミは、なぜこの(これら?)自民党議員の詮索をしないのか、全く不思議だ。当時、一体どのような意図を持って取材し、バカ騒ぎして見せたのか。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/135340

小沢事件 特捜検察姑息な組織防衛シナリオ
2012225掲載

チンピラ検事聴取の裏で画策する
<「おとがめナシ」は絶対に許すな!>

 小沢捜査のデタラメで火ダルマ炎上中の東京地検が、ウソの捜査報告書をデッチ上げた田代政弘検事(45)を事情聴取していたことが分かった。任意で複数回聴取したほか、当時の上司からも経緯を聞いたという。
 田代検事については、市民団体が虚偽有印公文書作成の容疑で刑事告発している。ヤクザまがいの取り調べを繰り返したチンピラ検事の逮捕は当たり前だが、それだけで済む話じゃない裁判所は「違法不当な取り調べは組織的に行われた」と検察組織を断罪している。検事3人が逮捕された大阪地検特捜部と同様、田代検事の上司だった特捜部長や副部長、その上の幹部の関与まで、徹底的にウミを出し切るのがマトモな組織の姿だ。
 ところが、周知の通り、検察はマトモじゃない。この期に及んで組織防衛を画策し、田代検事を「おとがめナシ」にしようとしているからムチャクチャだ。ベテラン司法ジャーナリストが言う。

   「田代検事聴取の報道では、何の容疑で事情を聴いたのか、
    全く報じられていません。しかも、田代検事の『過去の取り調べと
    記憶が混同した』という主張ばかりが伝えられている。
    
故意ではなかった”“よって組織は無関係としたい検察の意図を感じます。
    大阪地検の一件での苦い経験もある。フロッピーを改ざんした
    前田恒彦検事を逮捕したら、上司の関与を次々と暴露されてしまった。
    結果、特捜部長と副部長までイモづる式に捕まる事態になった。
    同じことが東京地検でも起きれば、検察は完全崩壊です。
    だから田代検事を逮捕どころか、起訴さえしない恐れもある。
    起訴猶予ではクロだと認めることになるため、不起訴です。
    そのバーターで、上司のことは一切口にするな、というわけです」


 田代検事にも保身に走る理由がある。虚偽有印公文書作成罪で禁錮刑になれば、法曹資格を取り消される。東京・世田谷に構える一戸建ての住宅ローンを返せなくなるばかりか、ただの人になって食いぶちも失ってしまうのだ。

   「検察が田代検事を不起訴にしたら検察審査会にかけられるでしょう。
    しかし、起訴相当の議決が2度出るのかどうか。
    小沢事件のような怪しい検察審だと、どうなるかわかりません。
    仮に裁判になっても、検察が田代検事を切り捨てたわけではないから、
    田代検事は何もしゃべらず、組織は守られます」(司法関係者)


 笠間治雄 検事総長は小沢捜査に反対した良識派とされるが、「大阪地検の事件では検事の逮捕に反対した」(事情通)といわれる人物でもある。事なかれ主義で組織防衛に走るとしたら、検察は完全に腐りきっている
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●『創(2011年9・10月号)』読了

2012年03月04日 00時00分06秒 | Weblog


『創』(2011年9・10月号)、9月に読了。3・11東京電力福島第一原発人災以前に読了したものが放置されたままだけれども、こちらを先に。

 特集「震災・原発とマスメディア」。
 おしどり「吉本芸人が見た記者クラブの実態/東電会見で目にしたヘンなこと」(pp.28-35)。

 佐高信さん「筆刀両断!」、「「専門バカ」でなく「専門もバカ」/原発御用学者達」(pp.70-73)。「原子力安全委員会委員長の班目春樹については・・・。ただ、なぜ、この男がまだ安全委員会の委員長なのか、デタラメが辞めない限り、私たちの「安全」はないことだけは明白である」。「「専門もバカ」のナンバーワンは、・・・山下俊一。・・・。/同じく福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの長崎大学教授 高村昇もひどい」。なんと、年間20ミリシーベルトどころか、100ミリシーベルト以下ならば心配が無いと吹聴して回っているそうである。

 鈴木邦男さん「言論の覚悟」、「「事件・事故」からの自衛」(pp.72-75)。布川事件など、冤罪について。和歌山毒カレー事件甲山事件山田悦子さん。

 森達也さん「極私的メディア論 第62回/受賞と逝去、そして批判」(pp.80-83)。マスコミから無視された『A3』講談社ノンフィクション賞受賞。「読み終えて力が抜けた」〝大批判〟。

 編集部「いったい何が問題になっているのか/中国映画「南京! 南京!」の上映をめぐる懸案」(pp.106-111)。

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]ぢぢ放談/第25回 原子(アトム)なんていらない」(pp.130-137)。「 ・・・森達也さん・・・。・・・被災地でのメディアがひどいって言うの」。高木仁三郎さん、佐高信さん。

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