エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: 残業は「裏切り」 :長時間労働を是正する 発想の転換

2016-12-27 07:38:57 | 間奏曲

 

 

 

 
強情と怯えの間を行ったり来たり… 国会前のサンプル参照してね
   レッドリスト入り:人を大事にする気持ち  フロイトは、フロムによれば、放縦を是認するようなことは一言も言っていない。 p93の3行目から。   &......
 

 昨年の今頃、東大出の電通の新人が、過労自殺で、殺されました。

 新聞各紙で、その母親の手記が掲載され、NHKでは、長時間労働を考える特集番組が放送されましたね。しかし、私は「良くやっている」という感じは全くしませんでした。何か物足りない、何か釈然としたものを感じました

 釈然としないのは、なぜなのか?

 それで思い出すのが、スウェーデン、ストックホルムの中心、ガムラスタンからバスで30分ほど離れたところにある、知的障害のデイセンターの職員のお別れ会に参加したときに、私が伺った話でしたね。

 彼らは、週35時間労働です。しかも、残業は一切しない感じでした。何で残業をしないのか? を聞いた時の話です。それは「残業は裏切りだから」だ、というんですね。

 ヨーロッパの人にとって、「自由、公平(平等)、連帯(博愛)」はとても大事。「7人の人が、一時間残業したら、1人の仲間を失業させることになる」という訳です。

 ここで、「仲間」の意味が、スウェーデンと、ニッポンでは、全く違うことにお気づきでしょう。スウェーデンでは、自分の職場集団の人が仲間なのではなくて、社会のメンバーが仲間、あるいは、「働くもの」が仲間なんです。それは、話し合いをこの上なく大事にして、人間らしい自由をとても尊重するスウェーデンならでは、のことだろうと思います。

 私どもも、このくらい「人類皆兄弟」に繋がる発想の転換がない限り、「長時間労働」=「強制無賃労働」からは解放されないことを、肝に銘じるべきだ、と、考えますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖書の言葉 : 抵抗しうる力

2016-12-27 03:23:13 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
神の愉快なパルティザン 自分に囚われない態度  顔出しの、なか・さんに、クリスマスプレゼント
   きよしこの夜  今日はクリスマスイヴ。どんな夜を過ごされましたか? クリスマス礼拝に行って、ご馳走を食べて来た人。家族で過ごされた人。1人でゆっく......
 

 「抵抗」というと、よからぬこととすぐに勘違いする人がいます。私は、若いころから「抵抗」に関心があったんですね。それで、第二次大戦の時の「抵抗」について、学生時代勉強したことがあります。『戦時下抵抗の記録 1』(みすず書房)や、ボンヘッファー、矢内原忠雄、明石順三、鈴木弼美などの関連文書も随分と読みました。加藤周一さんが指摘しているように、ヨッローバの抵抗・レジスタンスに比べて、日本の抵抗・レジスタンスは、極めて脆弱、よわよわしいも物だったことがハッキリと解かりましたね。

 いまのニッポンでも、「抵抗」は極めて大事な生活原理になっています。

 宮田光雄先生の『われ反抗す、ゆえにわれら在り』から。

 

 

 

 

 

 将来に向かって状況を切り開くために、いつでも抵抗しうる力を蓄えなくてはならない。一人びとり、与えられた持ち場に固く踏みとどまり、さまざまの形で可能となる連帯的行動に打って出るために

 

 

 

 

 

 

 いつでも抵抗しうる力には、いろいろな力があることでしょう。決断力、意志力、勇気、行動力…

 一番大事なものは何か、お分かりですか?

 それは、自由です。

 

 この自由が、未来を作る虹の懸け橋になります

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インターメッツォ: エリクソンの叡智 : Eriksonが見た、幼いころの経験の意味するもの

2016-12-27 02:23:51 | 間奏曲

 

 

 

 
3つの時間と 一人静か
   女性が女性らしく生きられる社会  この内的力が無意識下の力。「恵みであると同時に呪いである」と言ったのが、かの有名なユング。 p234下から2行目......
 

 今宵のエリクソンも、Insight and responsibility p.231から。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。

 

 

 

 

 

 一番最初の経験は、自分と人とを根源的に信頼できるのか、自分と人とを根源的に信頼できないのか の割合を決めてしまいます。もし、条件がよければ、自分と人とを根源的に信頼できる割合が優って、根源的な人間力、すなわち、希望を身に着けることができます

 

 

 

 

 

 

 

 ネグレクトだけでも、根源的に不信の方に大きく傾きますから、その回復には長い時間と、叡智が必要になります。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幼いころにむごい体験をしたら、脳は壊される

2016-12-27 01:53:05 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
言うは易し、行うは難し
   きよしこの夜  今日はクリスマスイヴ。どんな夜を過ごされましたか? クリスマス礼拝に行って、ご馳走を食べて来た人。家族で過ごされた人。1人でゆっく......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.151、第10章から。2つ目のエピグラフ。

 

 

 

 

 

 幼いころのムゴイ体験の影響について研究したら、話しが違ってきますね。すなわち、幼いころにムゴイ体験をしていると、脳の発達に悪い影響が出ます。私どもの脳は、幼いころの経験によって、形が変わります。ムゴイ体験をすれば、ケンカや争いに甘んじる脳が出来てしまいます。しかし、その脳は、深くて、なかなか治らない傷を残してしまいます。子どもの頃の虐待は、「治せる」ものではありません。子どもの頃の虐待は、我が国の歯止めがかからない暴力の連鎖の対して打つ手を打とうとすれば、その存在を認め、取り組まなくちゃいけない悪です

       マーティン・ティーチャー 医学博士、PhD 「サイエンティフィック・アメリカ」

 

 

 

 

 

 繰り返しになりますが、日本で虐待・ネグレクトを解消しようとすれば、長時間労働と低賃金を解消しない限り、決して解消しません!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする