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▲石原産業問題で、愛知県に要望書を提出しました(その2)

■瀬戸市が行った調査結果/フェロシルトも、放射線量率がオーバーしていた

 フェロシルト問題には、平成14年から取り組んでいますが、当時、瀬戸市の川がフェロシルトで真っ赤に染まったことがあり、そのとき、瀬戸市がフェロシルト調査をしました。

それが、以下の資料です。

 

 この頃、私たちは「放射能を含むリサイクル製品はいらない!」と活動をしていましたが、行政職員も放射能に関する知識が乏しく、私自身も専門書を片手に勉強しながらの活動でした。

 不法投棄ならびに放射能問題で活動していたフェロシルト問題は、平成17年6月の岐阜県による調査から六価クロムが検出されたことから、放射能のことはほとんど報道に上らなくなりました。

 石原産業の放射線量率改ざんの発表で、改めて放射能問題に取り組むことになりそうですが、上記の瀬戸市による調査は貴重な調査であり、フェロシルトが「平成3年チタン鉱石問題に関する対応方針」をクリアしていない証拠となるかもしれません。

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▲石原産業問題で、愛知県に要望書を提出しました(その1)

■フェロシルトに基準以上の放射能が含まれているのではないか?

 5月14日の石原産業の「コンプライアンス(法遵守)総点検発表」により、データ改ざんや無届けで毒ガスを製造するなど、様々な事実が明らかになった。

 5月28日は、三重県の団体と一緒に、私が代表をつとめる「ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク」として、三重県に抗議文を提出しましたかが、昨日の6月5日には、愛知県に要望書を提出しました。

 併せて、瀬戸市が平成16年12月に行った調査結果を示し、フェロシルトが平成3年の「チタン鉱石問題に関する対応方針」に反して、石原産業から搬出されていた可能性があることについて、県と話しました。

 瀬戸市はγ線について調査しているので、μGy/hとμSv/hの数値はイコールとなるはずです。しかし、私も放射線能について、それほど詳しくありませんので、県に尋ねたところ、その考え方に間違いがないとのことで、瀬戸市の調査結果のうち、0.14μSv/h以上のものは基準を超えていることになるそうです。

2008年6月5日

愛知県知事 神田 真秋 様


石原産業(株)の「フェロシルト」の放射線検査等を求める要望書

ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク  代表 吉川 三津子
「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会 代表  川村 正子
瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク 代表  柴田 圭基


 私たちは、石原産業(株)のリサイクルの名を借りた産業廃棄物・フェロシルトの大量不法投棄を問題に取り組んできた。瀬戸市では、未だ撤去されていないフェロシルトがあり、フェロシルト全量を石原産業(株)に持ち帰るよう「瀬戸市内処分場へのたらい回し処分に反対」もしてきたが、フェロシルトは瀬戸市内の処分場に搬入されている。

 先月5月28日、三重県に抗議文を提出したところであるが、5月14日の石原産業の「コンプライアンス総点検の報告」以降の発表等による「1998年以降の放射線量率改ざん」は、まさにフェロシルトの問題であり、愛知県の問題でもある。よって、以下について要望する。

【要望事項】

1.瀬戸市幡中地区のフェロシルトの搬出を一時中止させ、フェロシルトおよび残土や敷地境界等における空間放射線量率の測定、また、排水中の放射性物質の核種分析等の検査を愛知県が自ら詳細に行い、その結果を公表すること。

2.膨大な量のフェロシルトが持ち込まれている瀬戸市のクリーン開発処分場内のフェロシルトや敷地境界等における空間放射線量率の測定、また、侵出水、河川水と河川(下流の余床川、水野川)の底質の放射性物質の核種分析等の検査を愛知県が自ら詳細に行い、その結果を公表すること。

3.上記1.2.のような詳細な抜き打ち検査を今後も定期的に実施し、結果を公表すること。

4.国の対応方針の基準値を超えるフェロシルトについては、1991年6月6日付けで環境省が各都道府県にあてた「チタン鉱石問題に関する最終的措置について」(衛産25号)に基づき、石原産業(株)に対して適正な措置を講じさせること。

(参考)「チタン鉱石問題に関する最終的措置について」(衛産25号)抜粋

空間放射線量率が0.14μGy/hを超える「特定チタン廃棄物」は、「チタン製造事業者及び産業廃棄物処理業者に対して、チタン廃棄物の処理の委託に当たっては、特定チタン廃棄物を取扱わないこと及び万一特定チタン廃棄物であることが判明した場合には、チタン製造事業者の責任において回収等必要な措置を講ずることを指導すること。

【要望の背景】

 私たちは、平成14年にフェロシルトの存在を知り、検体を大学の研究室で調べていただき、放射性物質が含まれていることを知った。当初から砂防法違反を犯して不法投棄さながらに持ち込まれていたことや、放射能を含んだリサイクル製品など、だれも欲しがるわけがないと、私たちは、愛知県に訴えてきた。

 フェロシルト事件は、不法投棄として刑事事件となり、その裁判を傍聴したが、今まで報道されなかったことが次々と明らかになり、石原産業の悪質ぶりを知った。石原産業は、小牧市でのフェロシルト投棄や瀬戸市の農薬残渣投棄問題についても、すぐに発表することなく、隠蔽していたと言われてもしかたない対応をしてきた。

こうした事件を起こし続けた会社への監督責任について、先月5月28日、三重県に抗議文を提出したところであるが、砂防法違反を容認し、フェロシルトを流通させ続けた愛知県の責任も免れず、現在フェロシルト問題を抱える立場から監督責任がある。

 フェロシルト事件は、六価クロム、フッ素等の有害物質を含むことで問題になったが、私たちは当初より酸化チタン廃棄物であるフェロシルトはウランやトリウムを含む放射性廃棄物であり、外部被爆だけではなく、からだの中に取り込むことによる被爆が問題であると懸念をし、2005年2月と3月、環境省・経産省・文科省と省庁交渉を行い、「放射能を含むリサイクルは認めない!」と訴えたが、当時、国の担当者は酸化チタン廃棄物がリサイクルされて、処分場以外の場所へ埋設されているとは考えてもいなかったという様子だった。

 ウランの半減期は45億年、トリウムの半減期は141億年と、誰も責任を持つことなどできない永い年月の間、放射線を出し続ける代物であり、このようなものが私たちの身近な生活に存在する事に懸念を持ち、何度となく行政に訴えてきたが、1991年6月6日付けの当時の科学技術庁、厚生省、通商産業省、労働省による「チタン鉱石問題に関する対応方針」に従い、測定した空間放射線量率が0.14μGy/h=1mSv/年以内であれば、問題ないという回答のみで、不安は払拭されないまま今日に至っている。

 ところが、2008年5月14日、石原産業(株)は「コンプライアンス総点検」の報告とする記者発表で、1998年以降、チタン鉱石廃棄物であるアイアンクレーの放射線量率測定値を改ざんして基準値内の値として記載し処分していたと公表した。

  さらに、石原産業(株)が2008年5月30日に三重県に提出した報告では、1991年当初より空間放射線量率の改ざんを行い常態化していること、また、放射線の基準値を超過したアイアンクレーを四日市市の小山処分場以外にも搬出したり、セメント原料に「リサイクル」していたことも明らかになった。

 先の三重県、岐阜県の告発よるフェロシルト不法投棄刑事事件の裁判において、事件の核心を握る元副工場長は「アイアンクレーの放射線量率のコントロールできず、フェロシルトに数値の高いまま混ぜていた」と供述していたことから、国の「対応方針」に反して、基準値を超える放射線の高いフェロシルトがあちこちに持ち込まれたおそれが極めて高いことは明らかで、その撤去にあたり、基準値内であると報告されているフェロシルトの空間放射線量率の値も改ざんのおそれが極めて高いと危惧される。

 瀬戸市幡中地区のフェロシルトは目下撤去中であり、予定ではまだ数年続く。搬出を一時中止させ、石原産業(株)におまかせではなく、愛知県が責任を持って、自ら抜き打ちの立入り検査を行い、同幡中地区のフェロシルトおよび残土の空間放射線量率の測定、排水中の放射性物質の核種分析を実施し、結果を公表するべきである。また、同様に、瀬戸市北丘地区、余床地区、幡中地区から膨大な量のフェロシルトが持ち込まれているクリーン開発処分場におけるフェロシルトの空間放射線量率の測定および侵出水、河川水と河川の底質の核種分析も実施し、結果を公表すべきである。

 愛知県は、県民の安全で健康な生活を守る立場に立ち、フェロシルトの検査結果に基づき厳正かつ適切な措置を講じるとともに、厳しく監視を続けるよう強く要請する。

【質問事項】

 1991年6月6日付けの当時の科学技術庁、厚生省、通商産業省、労働省による「チタン鉱石問題に関する対応方針」によれば、「工場外に持ち出す廃棄物は、廃棄物に起因する空間放射線量率の目安が、0.14μGy/h以下であるものに限ること。このため、持ち出す前に空間放射線量率の測定を行い、これを確認し、記録すること。」とされているが、石原産業(株)が「リサイクル製品」と偽ったフェロシルトについては、この記録を怠り、国への報告を行っていない。愛知県内で不法投棄されたフェロシルトについては、チタン鉱石廃棄物であるとして撤去させるにあたり、愛知県は前述の国の対応方針に基づき、搬出するフェロシルトの空間放射線量率の測定、記録、国への報告書の提出を指導しているのか。また、国への報告は県を通じてなされていると思うが、県に提出されたフェロシルトの空間放射線量率の測定結果はどのような結果となっているのか。

 愛知県は、石原産業に提訴されたこともあり、抜き打ちに放射線量率調査を実施していた。どのような方法で、どれくらいの頻度で行われているかは、後日、回答書とともに結果を頂くことになった。

 しかし、瀬戸市による調査結果についての情報は持ち合わせていませんでした。放射線量率が高かった箇所のフェロシルトはどこへ行ってしまったのでしょう。

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