細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

ブリーディング

2012-03-22 11:28:32 | 研究のこと

コンクリート工学の分野の専門用語です。"bleeding"です。

コンクリートの構成材料の密度の違いなどにより,固まる前のフレッシュコンクリートで構成材料の分離が生じ,特に水が上部へと移動する現象です。"blood"の動詞から来ていますね。

これが構造物を造るときに生じるわけですが,供用中の劣化現象に大きく影響をします。

実構造物で,しかも全国各地の構造物で,ブリーディングが適切な範囲に収まるようにすることは,かなり難しいことです。全国各地で使われている材料が異なり,施工される環境条件も異なり,構造物の形状・寸法も異なり,施工する人も異なるからです。

この問題に真正面から切り込んでいる人はいないように思いますが,山口県のひび割れ抑制システムの研究の延長上に,この問題の解決策があるように,私は思っています。

みんなできない,難しい,と言う。であれば,やった方がよい。やってやろう,というゼネコンの同志もいます。

以前,私は合成短繊維の研究をやっていました。ブリーディングが抑えられるというのが私の好きな短繊維の特長の一つでした。ブリーディングについては,自分たちでも実験したり,マニアックな研究ものめりこんでやってきました。それらの経験も生かされることになるでしょうか。

これは,ゼネコンの方とやった方がいい研究かと思います。学位論文になる研究と認識していますので,焦らず,世の中が変わるように,次回の示方書の改訂に反映できるように,研究を進めたいと思います。

これも,技術だけでなく,マネジメントが大事なテーマだ。 


教務委員

2012-03-22 10:36:18 | 職場のこと

来年度は,久しぶりに教務委員を務めます。

今日の午前は,旧教務委員の鈴木先生からの引継ぎでした。

私は2003年の10月に赴任して,2004年4月から教室の仕事を担当するようになり,その後2012年度までの9年間で,入試委員を3回,教務委員を2回務めることになります。

教務委員は学部生たちの勉強関係の面倒を一手に引き受けるので,作業量が多く,教室の業務の中でも1, 2を争うような重労働です。2005年度に初めて教務委員を務めたときは,分からないことだらけで,結構ストレスを感じていたように思います。

今回は,ほとんど知っていることでした。初めてやる作業もちょっとありますが,耳学問で聞いていたことなので,ポイントがすぐ分かり,引継ぎ時にこちらから質問して,大体の要領を得ました。

経験する,ということは仕事が楽になる,ということでしょうか。

4月の冒頭から教務関係の仕事が多々詰まっておりますが,早め早めのアクションで,私自身も新年度のスタートをスムーズに切りたいです。