細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

研究

2013-08-11 09:21:16 | 研究のこと

9日(金)の夕方は、小松君の博士論文の予備審査でした。東大の石田先生にも学外審査委員に入っていただき、昨日の予備審査では貴重なアドバイスも多々いただきました。夜は三人で軽めの暑気払いもし、小松君は石田先生、細田から多くのアドバイスを浴びておりました。幸せですね。

さて、昨日の研究の内容は、LINK3Dという東大コンクリート研が開発した数値シミュレーションも活用し、若材齢からのコンクリートの変形、ひび割れの挙動を材料レベルから実構造物レベルで解明する、というものです。私が以前からやりたいな、と思っていたことを、小松君にチャレンジしてもらっています。数値シミュレーションも、材料、部材レベルのかなり難しい実験も、実構造物の挙動の解明も行いますので、盛りだくさんです。コンクリートどっぷりです。

一方で、昨日の暑気払いでも三人で笑い話になったのですが、私の研究対象はかなり多岐に広がってきています。

7月上旬には、鞆の浦の平地区というところの稲葉電気という電気屋さんの稲葉さんと1時間半くらい、鞆の防災について語っていました。大雨の日だったのですが、一緒に防災の研究をしている4年生の渡辺君と伊藤さんと一緒に、稲葉さんに赤間君の卒業論文を渡しに行き、1時間半、お説教、ご指導いただきました。土木のコンクリートの最前線?の研究者が、稲葉電気で議論している。面白いです。

また、その日の午前には、鞆の浦のさくらホームの離れで、私が広島県の担当者と鞆の浦の交通問題について議論していた。鞆の浦の自治会長に紹介されて面会しましたが、コンクリートの研究者が、鞆の浦の交通の問題について行政と議論している。面白いです。

今日は11日(日)ですが、平塚で家具固定の勉強会です。40人近く集まるそうで、私は講師役の一人です。これまで実際に家具固定を実践してきた業者さんも参加するようで、今後の家具固定、防災のあり方を考え、実践につなげていく有意義な時間になろうかと思います。金曜日には、東大生産研の目黒先生の家具固定に関する論文を勉強しておりました。

むやみに展開することがいいとは決して思いませんが、自分のやるべきことに注力し、周囲との連携や自然の流れにある程度身を任せて、地に足をつけながら展開していくことは良いことだと思っています。フィールドが広がることで視野が広がり、多くの人とコミュニケーションすることで、鍛えられ、実践が達成されていきます。

結局、研究とは、その人の人生そのものだと思います。人間のすべてが研究に表れると思っています。私は、コンクリート、マネジメント、防災という研究を通して、私の人間力すべてを活用し、私そのものを表現しようとしているのだと感じ始めています。まさに微力ではあるのですが、社会に少しでも貢献できればと思います。