細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

環境と出会いと

2013-08-29 09:51:55 | 研究のこと

昨日は、JCIのランドマーク委員会で前川宏一先生のインタビューでした。前川先生は私の師匠の一人でもありますが、東大コンクリート研の教授で、世界トップの研究者です。その直系の弟子である石田先生(先日、教授になられました)がインタビュアーとして質問も準備され、前川先生のお話を2時間以上聞く、という非常に贅沢な時間でした。

感激しました。最後、私は涙がこぼれました。

とてもとてもインタビューの内容をここで要約することはできませんが、世界トップの研究者である前川先生も、自身が置かれた環境(東大コンクリート研)と様々な人との出会いで、これまでのご業績があります。その中で前川先生の能力がフルに発揮された結果です。

すべての人間が成長していく術は同じであり、身を置く環境と、人との出会い。それ以外にはないと思います。もちろん努力は必要ですが、良い環境に身を置いて、素晴らしい人たちと出会えば、自然に努力します。 

前川先生が30代前半のときにタイのAITで2年間過ごされた時の話も、これから留学する私にとっては非常に参考になりました。私が考えていた留学中の過ごし方と似通っていましたが、さらにその考え方が固まりました。「後ろ向きのことばかりやる」

とかく、資金で援助された留学となると「前向きのことをやる」ことを求められるのですが、私はそうするつもりは最初からありませんでした。これまで10年やってきたことにきちんとケリを付ける。すべて吐き出す。リセットする。そうすることで、次の10年に向けて新たなスタートを思い切って切れる。

これまでも変化してきましたが、今後も変化し続けたい。

また、コンクリートのことを思い切り勉強する機会も、もしかすると最後になるかもしれない。これまでそれなりには勉強し、研究し、経験し、一応コンクリートのプロとなっているわけですから、本当に深く勉強するのは最後かもしれない、と思って勉強すると、意欲が高まります。最後であっても無くてもいいのですが、先のことは予測は付かないので、そう思って、高い意欲を持って、自ら勉強したいと思って、勉強することに価値があると思っています。

スピード・ラーニングの教材でフランス語の勉強を始めました。かなり良いです。

全く使えなかったフランス語(第二外国語はドイツ語でしたので)を、もしかするとそれなりに話したり、読んだりできるようになるかもしれない。それだって、すごくワクワクすることです。

昨日は、前川先生のお話を通して、その師匠である岡村甫先生(私の一番の師匠)のお考えや、世界のトップレベルの研究者、実務者(カナダのコリンズ教授、チェコのチェルベンカ、さらには岡村先生の師匠であるテキサス大学のファーガソン教授など)のフィロソフィーも存分にお聞きすることができ、あまりにも濃厚でした。

改めて、素晴らしい教育を受けてきたのだな、と感激しました。そのような教育を受けてきたものとして、社会に貢献、還元する義務があるし、また、周囲から見て「すごい」と思われるように変化をし続ける義務もあると再認識しました。

すごくすがすがしい気分です。これから数週間、かなり激務ですが、いろんな出会いがあり、いろんなことが動いていくはずです。頑張ります。