現在、私の指導する博士課程の留学生が最後の追込みに入っています。
私が主査を務める4人目の博士課程の学生になります。彼の3年間の最後の1年と私のフランス滞在が重なる形になりました。お互いに不安に思うこともあったかと思いますが、結果的には、私がフランスにいた方が時間を確保しやすく、Skype等のおかげもあり、よく指導できたのではないかとも感じています。
研究の前半はスムーズに進んでいたのですが、 前任者の研究を引き継いだためにスムーズに行った面もあったため、途中から路頭に迷い始めました。
非常に苦労したと思いますが、私の仏滞在中の1~4月頭くらいはまさに血ヘドを吐くような毎日だったのではないかと思います。4月初旬に予備審査を行い、それに向けてかなりディスかションもしました。最後のゴールからするとかなり手前の状況で予備審査を迎えましたが、前半の成果が固まっていることと、そのころにはゴールまでの方向性も見えており、実験も順調に進んでいることも勘案して予備審査を通過しました。
その後もかなり苦労を重ねていると思いますが、最近もほぼ毎日議論、添削をしています。8月5日に最終審査を控えており、正念場です。
博士課程の研究は、私自身の力量の問題もあり、どれも死闘に近い様相を呈しますが、学生も指導教員もとにかくベストを尽くすしかありません。
今回も、終盤に大変興味深い実験結果がたくさん積み重ねられており、議論を通して私も新たな知見をたくさん吸収しています。まだ結果の収穫は続きますが、最終審査に向けては論旨を明確にすること、得られた結論を論理的に説明する的確な図を作成すること、論文のブラッシュアップを徹底的に行う予定です。発表のファイルのブラッシュアップもありますが、これは私の日本到着(8月4日)後も続けます。
ベストを尽くすと、何とか道は拓けます。それはこれまでも何度も経験してきました。
未熟だから苦労する、という面もあるのですが、未熟だからこそ努力すれば必ず成長できる、とも言えます。
研究の成果そのものも大事ですが、仮に成果が一部、未熟であったとしても、必ず次につなげ、いつかしっかりとした形に必ずしたいと思っています。
この研究の終盤では、SWATに関するデータも蓄積しており、改めてSWATは有効な手段であることの認識を深めています。SWATの可能性を、私たちの力不足で潰してしまわないよう、最後まで責任を持つつもりで基礎研究を続けたいと思います。